遠き落日(下) (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 123
レビュー : 10
  • Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062776967

作品紹介・あらすじ

日本では将来が望めず、無鉄砲にも単身渡米した野口英世。そんな彼に実力重視の米国は肌に合い、やがて新進気鋭の学者として世界中の注目を浴びる。日本への凱旋、老母との涙の再会。まさに立志伝中の人となるも、提唱した理論が揺らぎ、黄熱病の研究で再証明を試みるが――。野口の栄光と最期を描いた傑作伝記。

感想・レビュー・書評

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  • 本書を読み、近代日本の科学において立志・苦学・出世をなしえた野口英世を突き動かしたものが何であったのか、少し分かったような気がする。華々しい名誉の裏側に、幸せとはいえない家族、幼いころの手のやけど、正規の大学を出ずに医学の世界に入ったことなどを英世は日々の研究のばねにしていたように思われた。さらには、会津人として、世界から近代日本を見返してやりたいという思いがあったのかもしれない。組織に頼らない彼の生き方は、ある意味、すがすがしい。自らの業績に疑問を持ちながら、世を去った英世の最期は痛々しく、切なかった。

  • 野口英世の強さと弱さを、丹念な取材のもと浮かび上がらせた一冊。凶変的な金遣いの荒さに笑いがこみ上げる一方、「人間発電機」とあだ名されるほど研究に没頭し、誰もが真似できなかった取り組み方に感嘆する。コンプレックスの塊のような人だったんだな。それをパワーに変えていく姿勢が素晴らしい。

  • 野口英世の伝記は、確かに幼少時に読んだが、黄熱病の解明したと思っていた。ただ科学研究の世界は失敗のない世界はあり得ない。彼のようにひたすらに走り続けなければならない研究者の厳しさ。
    こういった偉人には、金と女の問題が付き物である事も、然もありなんである。

  • 非常に面白く、すぐに読み終えた。
    どの方のレビューにもあるように、こんなにとんでもない人がなぜ日本のお札にいるのか?と疑問である。
    野口はまわりの人に恵まれた上、まわりの人の援助した結果を自身の努力で裏切らない。この点は立派だ。
    著書の野口英世の分析が医師的であるため、妙に納得してしまった。
    渡邉氏の本を読んだことはなかったが、今後も渡邉氏の書いた伝記も読んでみたいと思う。

  • 子供のころ読んだ野口英世の伝記とのギャップが面白すぎる

  • 読了。とにかく極端に激しく生きるから、読んでる側からはキラキラ輝いて見える。是非お勧めの一冊です。

  • 野口英世の伝記。お札になる位の偉人なのに詳しい事を知らない事に気付いて読んでみた。日本での評価より海外での評価の方が高いとも聞いていたので興味もあった。
    感想は、「うーん、偉人?」と言う感じ。確かに業績としては凄いし、社会への貢献度も高いと思う。しかし、周囲に迷惑かけ過ぎてない?結婚詐欺に近い事もやってるし、どうしようもねえ奴だなと思ってしまう。友達にはしたくないタイプです。3大スポンサー(被害者)と言われる血脇氏が息子に言った、「男に惚れるな。」と言う言葉は切実だ。(勿論、恋愛の意味じゃないよ)

  • 成功する人ってどこか壊れていて、激しい。

  • 医学の道を目指し、猪苗代湖近くの極貧の農村を抜け出し21の時に上京。北里研究所、横浜海港検疫所、清国派遣を経て、裸一貫でアメリカに渡っての研究生活。やがて世界的にも細菌学者としてはなひらく。一方、自堕落かつ借金魔。しかし尽くす時は徹底的に人に尽くす、人たらしという側面を、苦悩の日々とともに赤裸々に綴る自伝形式の作品。筆者は本作品をかきあげるに8年の歳月をかけて綿密に調査をしたという。まさに野口がフルスピードで駆け抜けた”生き様”を意識した作品に仕上がっている。名作です

  • 野口博士ってイメージとだいぶ違うのね!!

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著者プロフィール

1933年北海道生まれ。札幌医科大学卒。1970年『光と影』で直木賞。80年『遠き落日』『長崎ロシア遊女館』で吉川英治文学賞受賞。2003年には菊池寛賞を受賞。著書は『失楽園』『鈍感力』など多数。2014年没。

「2018年 『死化粧』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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