僕は君たちに武器を配りたい エッセンシャル版 (講談社文庫)

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  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062777018

作品紹介・あらすじ

非情で残酷な日本社会で、20代が生き残るための思考法とは何か? 不安に立ちすくむ日本人が、今こそ学ぶべき「本当の資本主義」とは何か? 東大、マッキンゼーを経て、京大で人気ナンバー1の授業を持つ客員准教授が世に問う必読の書。2012年度ビジネス書大賞受賞の名著をエッセンシャル版にして文庫化。

感想・レビュー・書評

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  • 武器ってものものしいなぁ、と思った。

    でも読むとすぐに内容がサバイバル術であることに気付く。そして自分が生きてる世界が厳しくなっている事を思い知る。(すみません、武器いただけますか?)

    まずは勉強。勉強できる人さえ、それだけではコモディティという(コモディティはモノだけじゃない!)。今の資本主義では、スペシャリティにならないと買い叩かれる。もうすでに高い品質の人があふれかえっているという事。何を差にするかが大事。ひー、厳しい。

    次は本物の資本主義。ものつぐり日本は、もはやスペシャリティではない。そうですよね、知らないうちに中国製品もあまり気にならなくなってますものね。もう国に頼るだけではダメ。個人レベルでビジネスモデルを考えることが大切。むむむ。

    そしていよいよ、本物の資本主義で儲けている人。これを6つの漁師のタイプで表現している。この話がなんとシンプルかつ漏れなくものごとを表現しており、感心してしまった。でもこの内の2つがもはや通用しなくなるという。えぇー。

    生き残る4つは、モノやサービスを創り出す過程の人。残る2つは、創られた後の過程の人。かな?

    生き残る4つのタイプで、大事なキーワードは、ストーリー、パクる・逆の発想、クレイジー・バランス、投資家的な見方。これが実例を交えてわかりやすく語られている。ふむふむ、面白い。

    さらに究極的にはふたつ、投資家になるか、投資家に雇われるか。自分のかけていた世界のメガネがこんなに曇っていたなんて。しかも本書は2011年の本‥衝撃!

    出る杭を厭わず、リスクを取る。
    そしてリスクはできるだけたくさん張ること。

    尖った提案だが、説得力バツグン。
    本物の資本主義を自分の頭でじっくり考えて、動いてみよう。

  • 僕は君たちに武器を配りたい
    瀧本哲史 著

    1.故瀧本さんへの御礼
    書籍を遺して下さったことに感謝を申し上げます。
    社会も企業もそしてそこに集う人も永続的に生き残ることが使命です。
    しかしながら、資本主義、かぎりあるパイをどのように分配、いえ自ら獲得していくか?が裏側にある命題です。
    瀧本さんは、いくつかの執筆を通じて、この命題を解決する示唆をくれています。
    学生にはもちろん、私のように壮年の社会人にも是非読んでほしい著書です。
    2020年、世界がさらに変わってしまったと考えるならば、、、

    2.本書から
    ①資本主義とは?
    雇うか?雇われるか?
    敵、味方を区分してどのように戦うか?
    配分をとりにいくか?

    ②投資家的思考とは?
    勝てる率、限定的。
    大きな改善は見込めない。
    ゆえに、張る、何点張るか?が重要。
    やりたい、勝てる、儲かるのハリネズミの法則に合致して、どれだけ広く、薄く張るか?

    ③張るために必要なリベラルアーツ
    バズワードのリベラルアーツ。
    本質は、自由になるための知識、知恵。
    資本主義世界では、敵を打ち負かすための課題発見と解決思考。
    そのために、基礎的教養が必要ということ。

    3.自身に起きかえて
    起点は経営者から。悔しいが認めたうえで、どのように実務を組み立てるか?
    その組み立てのパターンやスピードは、我のアビリティ次第なわけだ。
    シンプルな世界。

    #読書好きな人と繋がりたい

  • 僕は君たちに武器を配りたい
    エッセンシャル版
    著:瀧本 哲史
    講談社文庫

    本書は、非情で残酷な日本社会を生き抜くための、「ゲリラ戦」のすすめである

    ■勉強できても、コモディティ

    グローバリゼーションのために、貧富の差がますます広がっていく
    ⇒希望は自分で作りだせる
    ⇒資本主義のなかで生きるために、ゲリラ戦を戦え

    将来医者ですら、人あまりの状況になっていく ⇒ 医者であっても幸せになれない のが今の日本
    勉強しても努力すれば必ず幸せになれるは、うそ 福沢諭吉は、天は人の上に人を造らず、人の下に人を造らず ⇒学問することで人間には差がつく と宣言していた

    これからの必須の知識 ⇒ ①英語、②IT,③会計

    コモディティ化 ⇒ その逆は、 スペシャル化
     スペシャル化するためには、専門性、特殊性、特色、他の人には代えられない、唯一の人物になること

    ■本物の資本主義

    ・資本主義の原理
     ⇒ より良いものが、より多く欲しい
     ⇒ 同じものなら、安いもののほうがいい

    では資本主義社会でお金を増やせる人とは
     ⇒ より少ないコストで、みんなが欲しがるものを作った人 である

    ・富を生みだすビジネスモデル
     ①略奪 人の生産したものを略奪し、労働力を奴隷として簒奪する
     ②交易 やすい財を仕入て、高くうれる地域で、販売する
     ③生産性革命

    ■資本主義の現在

    ・良い会社、悪い会社 なんてものはない ⇒現在生き残っている日本企業のほとんどは、グローバルブランド化した会社である
    ・すでに優秀な人材の流出が始まっている。
    ・短命な商品の寿命がそのままビジネスの寿命になる
    ・現在人気の企業でも40年後は消滅している可能性が大
    ・日本国内市場は先細り⇒海外も視野にいれよ

    これからの就職・転職では、
     ①マクロな視野をもって
     ②これから伸びていく
     ③多くの人が気が付いていない
     ④ニッチな市場に
    身を投じることが必要だ

    ■生き残れるタイプ、生き残れないタイプ

    儲かる職業
     ①トレーダー:商品を遠くに運んで売る
     ②エキスパート:自分の専門性を高めて高いスキルで仕事ができる
     ③マーケター:商品に付加価値をつけて、市場に合わせて売る
     ④イノベーター:まったく新しい仕組みを創造できる
     ⑤リーダー:みずから、起業家となりみんなを管理していく
     ⑥インベスター(投資家):市場に投資家として参加する

    ①トレーダー × インターネット普及で選択、価格の透明化がすすむ

    ②エキスパート △ 産業のスピードの変化がきわめて速い、積み重ねてきた技術のスキル・知識がすぐ陳腐化する
      ⇒ スペシャリティを持つ人であれば、生き残ることができるかもしれない

    ③マーケター 〇 ビジネスにストーリーを、ブランドにイメージを 信者を作っていく

    ④イノベータ 〇 仮想敵がいる市場をねらえ 将来その企業をつぶすために、その企業に就職する
      ⇒ 他の業界、他の時代でも、これは良い、というアイデアは、TTP:徹底的にまね、すればよい

    ⑤リーダー 〇 嫌いな相手には、名馬の見分け方を、好きな相手には、駄馬の見分け方を教える
      ⇒ 問題児、破綻者を教育してこそ、好収益がえられる リーダはクレイジー

    ⑥インベスター 〇 リスクを見込んでも投資機会を増やす できるだけたくさん張る
      ⇒ 投機とは、利殖のみをねらった一攫千金をねらったばくち、
      ⇒ 投資とは、畑に種をまいて芽が出てやがては収益をもらしてくれるように、ゼロからプラスを生み出す 投資とは長期的
      ⇒ トレンド(一定報告にずっと動いていく動き)と、サイクル(短期的な繰り返す変化)を見極める

    ■ゲリラ戦

    ・投資家は新たな産業を創り出して、世の中を変える
    ・リベラルアーツを学べ 人間が学んできた歴史、過去の叡智である哲学、芸術、文学、自然科学全般について勉強する
      ⇒物事をさまざまな角度から批判的に考える能力
      ⇒問題を発見し解決する能力
      ⇒多様な人々とコミュニケーションする能力
      ⇒深い人格と、優れた身体能力  を身につけることを目指す

    武器とは
    ・公開されている情報でもさらに一手間かけて確認する
    ・リベラルアーツを学ぶ
    ・資本主義の時代に、ほんとうに人間らしい関係を結ぶ

    目次
    はじめに
    第一章 勉強できてもコモディティ
    第二章 「本物の資本主義」が日本にやってきた
    第三章 学校では教えてくれない資本主義の現在
    第四章 日本人で生き残る4つのタイプと、生き残れない2つのタイプ
    第五章 企業の浮沈の鍵を握る「マーケター」という働き方
    第六章 イノベーター=起業家を目指せ
    第七章 本当はクレイジーなリーダーたち
    第八章 投資家として生きる本当の意味
    第九章 ゲリラ戦のはじまり

    ISBN:9784062777018
    出版社:講談社
    判型:文庫
    ページ数:258ページ
    定価:500円(本体)
    発行年月日:2013年11月15日第1刷発行

  • 【まとめ】
    勉強ができるだけは今の時代ダメ。スペシャリティになろう。そのためには”投資”的な考え方を身につけよう。

    この本を読むまで存じ上げなかった瀧本哲史さんの本。病気で既に亡くなった方とのことであるが、何かの拍子で触れる機会があり今回読んでみた。
    仕事には6つのタイプがある。
    「トレーダー」「エキスパート」「マーケター」「イノベーター」「リーダー」そして「インベスター(投資家)」
    この中で「トレーダー」「エキスパート」は今後生き残っていくことが難しいとしている。仲介する仕事はITに取って代わられ、いくら博識でもただ単に勉強ができるだけでは、これも同様に取って代わられる存在になってしまう。
    では勝ち残っていくにはどうすれば良いか?大きく2つ。まずは「TTP(徹底的にパクる)」そして「逆の発想」である。全てにおいて0から考えなければいけないわけではない。今あるサービスをどう組み合わせて新しいサービスとして提供するかが重要になるこれからの世の中で上記2つがポイントと述べている。
    そしてもう1つは「投資家的な発想」を身につけること。労働者としてではなく「投資家」として働くことで発想は広がっていくとしている。
    もう1点、個人的には「サラリーマンとは知らないうちにリスクを他人に丸投げするハイリスクな生き方」という言葉が痛烈だった。保守的な自分には重い言葉に感じた。同じ著者の本で「2020年…またここで会おう」という本も積読になっている。近いうちにこちらも読んでみようと思う。

  • 【1.読む目的】
    •エンジェル投資家とは何かを読んで、その中に紹介があった瀧本先生の本。一流ビジネスマン、エンジェル投資家の配りたい武器とは何かを知るために読む。

    【2.気付きや気になった点、面白かった点等】
    •スペシャリティ、になることが大切。スペシャリティとは、他のものでは代替できない唯一の物。
    •これからの時代(といっても約10年前笑)はトレーダーとエキスパートではだめ。マーケター、イノベーター、リーダー、インベスターをバランスよく。
    •マーケターは新しくない要素を組み合わせ、差異をつくる。差がつかない物で差をつけるには、ストーリーが大事。
    •良いものはTTP(徹底的にパクる)
    •だめな人でもモチベーション高く仕事をしてもらうのが本当のマネジメント
    •イノベーションと武器としての英語
    •調べる一手間をおしまない
    •奴隷の勉強、ではなく、リベラルアーツをまなぶ


    【3.感想】
    •非常に面白かった。もう少し早く読みたかったという思いもありつつ、社会人を一定経験したからこそ腹落ちした部分も大きい。
    •新しくない要素を組み合わせて、差異をつくる。だからこそ、一つのエキスパートではだめなんだなぁ、と納得。〇〇×techも同じ発想か。私にとってのそれは保険の商品開発と、それ以外はなんだ?(というかそもそも保険の商品開発でいいのか?)
    •そして、ストーリーとブランド。たしかにmicrosoftだって、技術的にはアップルのPCを作れたのでは?と思う。どういうストーリーの中で売るかが大切。資産家の第3位がLVMHのCEOであることもそれを物語っている気もする。
    •ホリエモンの100×100理論はこの本からきてたのかなぁととおもったり。
    •インベスター的な発想を得るためにきちんと投資をしよう。

  • 投資家である筆者が「投資家的に考える一生モノの発想」を「本物の資本主義」が根付きつつある日本社会で生き残ることのできる人材になるために必要な「武器」という言葉を用いて本書で展開している。

  • この本を読むと、著者があらゆることに戦略的に人生の選択をされていることが分かる。
    きっと密度の濃い人生を送っておられるんだろうなぁ、早死にしそうな人だな・・・などと読んでいる間中、冗談ぽく考えていたが、読み終わって他の方のコメントを読んで、かなりギョっとした。本当に早世されていた。
    47歳!? 早すぎる。

    ずいぶん話題になった本だったのですね。知らなかった。
    この本は最近本屋で見かけて、「武器とはなるほど、そのとおりだな」と思って読んでみただけで、著者のことも全く知りませんでした。
    そういわれてみれば、このぷっくりしたお顔、TVで見たことあるかも?という程度にしか知らない。

    この本の印象だけで言うけれど、この人は、寸秒も無駄にせず人生を最大限にかつ大慌てで楽しんで、そこで気づいた大事な「社会生活のコツ」を、なるべく多くの人に早口で伝えて去っていった、という感じだった。

    薄い本だけれど、なかなかおもしろかった。
    何かを選択する時、あるいは自分の時間をどう過ごすか決める時、何に重点を置くべきか、を教えてくれている。
    君の選択と時間の過ごし方は、人生がかかっている投資なんだ、と。

    なるべく若いうちに読んだ方がいい類の本だけれど、年配の人でも、武器とまではいかなくても、装備くらいにはなるかな?
    生きる上ではお金はある方がいい、お金を儲けるのはいいことだ、君は資本主義の中で勝ち組になりたいだろう? …という前提のもとの本なので、すべての人にとって良書というわけではないけれども。

    私は投資家タイプでもない上に、もう若くもないので、本の内容よりも、どちらかというと、この本を書くに至った著者の動機のようなものに、よりシンパシイを感じた。
    あらゆることがグローバル化し、競争がどんどん激しくなっていく中で、お金を稼ぎ、生き抜いていくって大変なことだ、大変な世の中になっている、なのに、今の人たちはどんどん視野が狭くなっていっているように見えるけど、大丈夫かいな?という「老婆心」のようなものが行間に見える。
    分かるなぁ、その気持ち、と思いながら読んだ。

  • 大学時代に読んで、最も影響を受けた本は何ですかって聞かれたら間違いなくこの本をあげると思う。(まだ大2)
    2回読んだけど、また忘れかけた時に再読する。これが2011年に書かれたっていうのが衝撃。ネット記事「僕武器2020」もおすすめ。

  • 読んだときにメモしていたこと。
    - 人生における最も大きなリスクは投資をしないことである.
    - まだ誰も投資など考えられない、焼け野原のようになっている時に投資して、早い段階で売りぬける
    - 大量のコマーシャルを放映している会社は怪しい
    - 40-50代が幸せそうな会社、役員を占領してる会社は危険
    - お客さんを大切にするかどうかで、従業員を大切にするかどうかがわかる
    - 自分の働く業界について、ヒト、モノ、カネの流れを徹底的に研究する
    - リスクが取れる範囲でハイリスクハイリターン
    - 投資は長期的な視点か、人が信頼できるか
    - 人生ではリスクを取らないことが大きなリスクとなる

  • 吉野家は味が濃すぎる
    メニューが単品で飽きる(松屋

    2011年だからこれからは事情変わってると思うけど今も言われてることに変わらないところもある

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著者プロフィール

京都大学客員准教授、エンジェル投資家、教育者。1972年生まれ。麻布高等学校、東京大学法学部を卒業後、大学院をスキップして直ちに助手に採用。専攻は民法。任期終了後は学界に残らず、マッキンゼーへ入社。3年で独立し、多額の債務を抱えていた日本交通の経営再建などを手がけながら、エンジェル投資家として極めて初期段階の企業を15年以上にわたって支援し続ける。京都大学では教育、研究、産官学連携活動に従事。「意思決定論」「起業論」「交渉論」の授業を担当し、人気NO.1若手教官として「4共30」講義室を立ち見に。各界において意思決定を先導するリーダーを育てることを目標に、選抜制の「瀧本ゼミ」を主宰。著作物やディベートの普及活動を通して、次世代への教育に力を入れていた。2019年8月10日永眠。

「2022年 『瀧本哲史クーリエ・ジャポン連載集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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