醜聞の作法 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
3.50
  • (3)
  • (10)
  • (8)
  • (2)
  • (1)
本棚登録 : 83
レビュー : 8
  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062777025

作品紹介・あらすじ

18世紀末、フランスのTwitterは、「パンフレット」だった。
金持ちの狒々爺(エロじじい)との、ぞっとする縁談を壊すために侯爵夫人が取った手段は――誹謗文(パンフレット)。そう、パリ中に噂を撒けばよい。
『ミノタウロス』の著者が奏でる、エッジの効いた諷刺小説

猛火に包まれたゴシップが、パリを駆けめぐる――
いつの世も、人は醜聞(ゴシップ)がないと生きてゆけない。

さる侯爵が、美しい養女ジュリーを、放蕩三昧の金持ちV***氏に輿入れさせようと企んだ。ところが、ジュリーには結婚を誓い合った若者がいる。彼女を我が子同然に可愛がり育ててきた候爵夫人は、この縁談に胸を痛め、パリのみならずフランス全土で流行していた訴訟の手管を使う奸計を巡らせた。すなわち、誹謗文を流布させ、悪評を流して醜聞を炎上させるのだ。この醜聞の代筆屋として白羽の矢が立ったのは、腕は良いがうだつの上がらない弁護士、ルフォンだった。哀れルフォンの命運やいかに――。

感想・レビュー・書評

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  • 軽妙な文章で面白かった。18世紀仏文学の素養があればさらに楽しめたのだろう。歴史的な状況はなんとなく知識があったが。。

  • 上手い

  • ★3.5
    何と言っても、思わず覗き見たくなるようなタイトルが秀逸。そして、上品と下品、純朴と狡猾、美しさと醜悪さ、ほとんど真逆とも言える要素を見事に同居させているのが面白い。また、覚え書きと書簡で構成される誹謗文(パンフレット)とその裏工作は、醜聞を表と裏から観察できるお得感があったりも。全体的に18世紀フランス文学の要素が多く含まれているので、詳しい人はニヤニヤしてしまうほど楽しいはず。残念ながら私には知識がないので、解説で挙げられた本を読んだ後に再読したい。何はともあれ、意外に逞しいルフォンが天晴れ。

  • 3.5。おしゃれ。

  •  とある侯爵が養女の輿入れを図るもその恋人と侯爵夫人の妨害を受ける。その武器は誹謗文(パンフレット)。それは18世紀版twitterかはたまたフランス瓦版かさてお立会い。
     書簡形式で綴られる軽やかな文体で、いつの世も変わらぬ人間模様が描かれ大部ではないこともあり、楽しく読める。しかし一見軽妙ではあっても、書簡形式のため、終盤に書き手により登場人物たちの状況が塗りかえられるというメタフィクショナルな仕掛けになってるし、さらに渡邊利道氏による明晰かつコンパクトな解説は、本作品の時代背景の持つ深い意味や著者の企みなど様々な妙味を味わう手掛かりを与えてくれる。中でもこうした人間の生々しい欲望みたいなものがフランス革命に至るエネルギーの元となったとされる説は非常に面白いなあ。ちょっとこの時代に詳しくなりたいね。

  • 「覚え書き」のいっそ笑えるぐらいのよくあるメロドラマ的甘ったるさと、書簡で繰り広げられる裏側の辛辣な皮肉さ。うっとりするような配合だ。まさしく、作法に則った醜聞の茶番劇。主役は振る舞い、民衆は踊る。ルフォンの正直者とて馬鹿を見ぬように隠しもっている強かさに、ニヤリと笑う。

  • 講談社創業100周年記念出版の文庫化。
    単行本の装丁が新聞っぽくて面白かったのだが、文庫ではシンプルになった。ちょっと残念だが文庫の小さいサイズであの装丁だとちょっと煩い感じがするので、仕方がない。

    手紙と小冊子からなる、やや変則的な書簡体小説。
    文体は端正で、内容はスリリング。ストーリー的にはラブロマンスだが、書簡と冊子のバランスが絶妙で読んでいて飽きない。

  • 祝文庫化!

    講談社のPR(単行本)
    「18世紀末、フランスのTwitterは、「パンフレット」だった。
    金持ちの狒々爺(エロじじい)との、ぞっとする縁談を壊すために侯爵夫人が取った手段は――誹謗文(パンフレット)。そう、パリ中に噂を撒けばよい。
    『ミノタウロス』の著者が奏でる、エッジの効いた諷刺小説

    猛火に包まれたゴシップが、パリを駆けめぐる――
    いつの世も、人は醜聞(ゴシップ)がないと生きてゆけない。

    さる侯爵が、美しい養女ジュリーを、放蕩三昧の金持ちV***氏に輿入れさせようと企んだ。ところが、ジュリーには結婚を誓い合った若者がいる。彼女を我が子同然に可愛がり育ててきた候爵夫人は、この縁談に胸を痛め、パリのみならずフランス全土で流行していた訴訟の手管を使う奸計を巡らせた。すなわち、誹謗文を流布させ、悪評を流して醜聞を炎上させるのだ。この醜聞の代筆屋として白羽の矢が立ったのは、腕は良いがうだつの上がらない弁護士、ルフォンだった。哀れルフォンの命運やいかに――。

    講談社創業100周年記念出版」

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プロフィール

1962年、新潟に生まれる。1991年『バルタザールの遍歴』で日本ファンタジーノベル大賞を受賞。2002年『天使』で芸術選奨新人賞を、2007年刊行『ミノタウロス』は吉川英治文学新人賞を受賞した。著書に『鏡の影』『モンティニーの狼男爵』『雲雀』『激しく、速やかな死』『醜聞の作法』『金の仔牛』『吸血鬼』などがある。

「2017年 『スウィングしなけりゃ意味がない』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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