盤上のアルファ (講談社文庫)

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レビュー : 40
  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062777063

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  • 盤上のアルファ / 塩田武士

    「秋葉、人事っちゅうのは何で決まるか知ってるか?」
    「好き嫌いや。おまえは嫌われてる。」

    「この寒い中、裸1つで追い出そうっていうんですか?
    僕の格好見てください。タンクトップですよ。
    死んだらどうするんですか?」
    「灰になるだけや。」
    「しびれるわぁ」

    かくして、嫌われ者の記者とタンクトップは出会うこととなった。
    将棋に命を懸けた男が巻き起こす、男臭く熱い真剣勝負の物語である。

    「キリストとおまえの共通点ゆうたら、髭ぐらいのもんやろ」
    「あと、薄着やな」
    「どうでもええわ」

    ゆかりある神戸の風景に
    関西弁のツッコミが効いていて
    どんどん物語に引き込まれました。
    気づけば、戦う男に魅せられて
    思わずこめかみが熱くなることも。

    何をしても三日坊主な私には、
    彼のような生き様がうらやましいとともに、とても眩しかったです。
    秋葉もきっとこんな気持ちだったんだろうな、と思いました。

    ー 希望が一番大きく見えるのは、
    達成したときではなく、その目的に向かって苦しんでいるときである。ー

    人間、もがき続けてなんぼや!と言われたようで
    とても胸に刺さる言葉でした。

    何より最後の1ページの情景が美しかった。
    鮮やかな読後感を味わえたのはきっと、私だけではないと思います。

  • 塩田武士のデビュー作とは知りませんでした。人との出会いの大切さを思いました。捨てる神あれば拾う神あり。ラストの展開に驚くとともに救われた気持ちになりました。

  • 将棋の話。奨励会でプロになれずそれでも将棋を捨てられない男、見た目はゴツイはげ、金人望家全部ない関西弁。キャラはとてもいい。泊めてやる主人公もなんだかんだいいやつ。ただ、居酒屋の女将が元妻ってのはできすぎというか余分だわ。そこそこのスピード感があり読みやすい。将棋を小説でやるなら、挿絵で棋譜を載せたらわかりやすいのに

  • 将棋は全然分かりません。
    が、楽しめました

  • 落ち(?)もよく、まさにエンタメ。関西弁での掛け合いも思わず笑ってしまう。自分的には題名がちょっとしっくりこなかったですが。ちょっと詰め込みすぎ?

  • 一度は絶たれたプロ棋士への道。が、諦めずに編入試験の切符を掴み、再びプロ棋士への夢にチャレンジする。

    主人公の壮絶なこれまでの人生、諦めずに夢に向かう気持ち、でもダメだったらとうしようという不安や葛藤などなど。まわりの人物もキャラクターが立っていて読み応え充分です。ところどころの比喩や例えが、うーんというところはありましたが。

    別の作品も読んでみたい。

  • ドラマ化されるということで購入。
    「罪の声」の作者のデビュー作品。デビュー当時は、現役の新聞記者だったそうで、物語の骨格がしっかりしているなという印象でした。将棋の担当ということもあり、将棋の世界の厳しさや、その世界でもがいている様子がリアルに感じられました。
    記者の秋葉と棋士の真田の視点で物語は交互に進みます。
    登場人物の掛け合いは、テンポがよく、面白かったです。それだけでなく、将棋に真剣に打ち込む姿は、文章の力なのか、熱く感じられました。
    将棋の世界のことはあまり知りませんでしたが、楽しませていただきました。
    ドラマ化されるということで、棋士の真田は、上地雄輔さんではなく、竹原ピストルさんかと思って読んでいました。

  • 新聞社の花形部門である事件記者を失格し、文化部へ異動となった主人公、秋葉。記者としてのプライドもヤル気も失った彼の前に現れたのは、冬でもタンクトップ1枚だけの上半身でボウズ頭のアマチュア棋士、真田。最悪の相性の2人だが、周囲の変人たちに囲まれ、なぜか共同生活を送ることに。

    最近の将棋を題材とする物語ブームの中で、2010年発表の本作品はそのパイオニアだ。とにかくプロ棋士を目指す真田の個性が強烈。将棋しかない人生を突っ走ってきた不器用な男の壊れっぷりが悲しくて痛快。その壊れっぷりを記録に残したいと、秋葉の記者魂も復活。

    この2人をとりまく飲み屋のママや世間知らずの若手女流棋士、真田の師匠など強烈なキャラがストーリーを彩る。そして、最後の対局を控える真田へ秋葉は「絶対勝て」と叫ぶ。

    飲み屋のママの正体など、現実離れしたキャラとストーリーだが、テンポのよい関西弁がそんな矛盾を吹き飛ばす大エンターテイメント小説。

  • 読了⭐︎4(2019.9冊目)
    『盤上のアルファ」塩田武士著

    「三十三歳という年齢を正視すれば、公務員の中途採用の道はほぼなく、企業でも即戦力として求めらるのが当然である。(中略)枠組がきっちりとした日本社会では、もう自由を叫んでいい年ではなかった。」


    大阪に来てから読む作品、作品がとても好きになってしまった塩田さんのデビュー作
    とても力強く、素直に面白かった!

    真田の汚く、真っ直ぐ、愚直で、上へ
    塩田作品は関西弁で進んでいく中でクスッとなる「掛け合い」がエッセンスとして効いている。
    『「聖の青春」大崎善生著』もそうだけど将棋は人を熱狂させるのかもしれない

    やっぱりですが、BSでテレビ化するみたいですが、玉木はアリ、上地はナシ

    竹原ピストル「カウント10」が主題歌ですが、文中の馬場俊英「ボーイズラン」でいいと思うけどねぇ
    https://www.nhk.or.jp/pd/banjou/

  • おもしろい/ 近年稀に見るスピードで読み切った/ 他のことをなげうって一気に読んだ/ 将棋、というかプロ棋士と奨励会の厳しさというのを知っていればなおさら面白いだろう/ 読む前に思い浮かべていた印象とは違う物語だったが、気にならない/ それぞれのキャラが立ち、会話が軽妙で、雰囲気がいい/ 強いて言うなら、リュックのおっさんとアナゴさんはもう少し役割があるとフリとオチのバランスが良いのじゃなかろうか/ あと小池重明を思い出してしまうよね、貧乏育ちのアマ棋士は/

著者プロフィール

塩田武士(しおた たけし)
1979年兵庫県生まれ。関西学院大学社会学部卒。新聞社勤務中の2010年『盤上のアルファ』で第5回小説現代長編新人賞を受賞し、デビュー。2016年『罪の声』にて、第7回山田風太郎賞受賞、「週刊文春」ミステリーベスト10 2016国内部門で第1位となる。2019年『歪んだ波紋』で第40回吉川英治文学新人賞を受賞。他の著書に、『女神のタクト』『ともにがんばりましょう』『崩壊』『盤上に散る』『雪の香り』『氷の仮面』『拳に聞け!』『騙し絵の牙』がある。『罪の声』の映画化が2020年公開決定し、小栗旬・星野源の共演が決まっている。

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