盤上のアルファ (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 264
レビュー : 40
  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062777063

感想・レビュー・書評

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  • ーーー真田信繁三十三歳。家なし、職なし、目標・プロ棋士。とてつもなく迷惑な男が巻き起こすかつてなく熱い感動の物語。

    ハードカバーのときから気になってたのが文庫化してたので即買い。

    男なら誰もが一度は憧れたであろう、実力が全ての勝負の世界。
    その一つであるプロ棋士への道を一度は失いながらも背水の陣で食らいつく真田がすごく魅力的に描かれている。
    不器用で不細工で不精髭な男を、いつの間にか真剣に応援してしまう。

    ここで終わりはあまりに酷だろう、と思っていたら3月に続編が出たみたい。読みてえなあ!




    頭を上げた男の目に、野性の光があった。

  • 将棋が題材の本作。だけど、主人公は棋士ではなく記者という点がちょっと興味深いです。本作がデビュー作とのことで著者自身の体験を生かした内容らしく(出典はあとがき)、それ故のこの設定なんでしょうか。

    ただ、真田のふるまいからは、真剣師・小池重明を想起させられます(昔テレビ番組でちょっと見た程度の知識ですが)。自分の体験と小池重明のエピソードをアレンジしてミックスしたのが本作なのでしょうか。

    荒唐無稽、傍若無人な真田の存在やその行為は、ともすればリアリティの欠如につながりかねないのですが(静と一緒にいきなり秋葉の家に居候しはじめるところとか)、本作はそれより面白さが勝っていました。

    どん底にいる仲の悪い二人のおっさんが、一人は将棋を理解するようになり、もう一人はプロの世界に向けて一歩一歩進んでいく様子。そして徐々に理解しあう二人の姿が、王道ながらも共感しやすい内容でした。

    なにより、以前読んだ「拳に聞け!」もそうでしたが、キャラクター同士の軽妙なやり取りが面白いです。この要素があるだけで、個人的には題材が何であっても塩田作品を楽しめると思っています。

  • 将棋の詳しい手などは知識がないが、知識がなくとも楽しめる青春小説だ。キャラ1人1人の個性がたっていて、物語にのめり込める。主人公の1人の新聞記者の仕事や業界の一端も垣間見れる。コントの関西弁のやりとりも魅力です。読後感もさわやか。デビュー作としてはかなりレベルが高い。

著者プロフィール

塩田武士(しおた たけし)
1979年兵庫県生まれ。関西学院大学社会学部卒。新聞社勤務中の2010年『盤上のアルファ』で第5回小説現代長編新人賞を受賞し、デビュー。2016年『罪の声』にて、第7回山田風太郎賞受賞、「週刊文春」ミステリーベスト10 2016国内部門で第1位となる。2019年『歪んだ波紋』で第40回吉川英治文学新人賞を受賞。他の著書に、『女神のタクト』『ともにがんばりましょう』『崩壊』『盤上に散る』『雪の香り』『氷の仮面』『拳に聞け!』『騙し絵の牙』がある。『罪の声』の映画化が2020年公開決定し、小栗旬・星野源の共演が決まっている。

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