秘密 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 481
レビュー : 43
  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062777100

作品紹介・あらすじ

真夏の夜、寝床を捜して深夜の街を彷徨っていた啓太は、杉浦充という男と出会いセックスを条件に部屋に泊めてもらう。男と寝たい訳ではなかったが、啓太は自分のアパートに帰りたくなかった。大きな冷凍庫が唸る部屋で、独り夢を見たくなかったからだ。悪夢を抱えていた啓太にとって、泊めてくれる杉浦は都合のいい相手だった。しかし、杉浦の一途な想いに心が揺れるようになり…。

感想・レビュー・書評

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  • 途中からなんとなくわかってきたけれども、やはり柳沢を殺してはいなかった啓太。精神的に追い詰められると妄想と現実の境がわからなくなってしまうようだ。そんな彼と出会うのは字の読み書きに障害のある充。それぞれが困難を抱えながらもお互いを好きになり、かけがえのない存在になっていくのが描かれている。充の愛がまっすぐ過ぎて、、中々こんな風に人を愛せるもんじゃないですよね。だからこそ啓太は安心して自分を預けられるのだと思うんですけど。
    愛に依存してた充が啓太に出会って高校にも専門学校にも行って…彼の世界が広がっていくのが嬉しかったです。


    伏見憲明さんの解説がすごく腑に落ちました。
    以下抜粋
    ならば、どうやったら、私たちは「私」でありながら「あなた」と痛みを感じずに関わることができるのか。互いを欲望の道具として利用するのではない、「純粋な関係」を実現することはできないのか。
    木原音瀬という作家が多くの読者に愛されてやまないのも、関係の不可能性を可能性に変換しようという潜在的な意志の顕現のように思えてならない。
    どんなに個と個が「純粋に」結びつくことが困難でも、その術をまだ見つけられなくても、「それでも……あきらめない!」という希求が、BLのハッピーエンドと愛の黄金律には託されている。
    この『秘密』もそうした未来への野心的な挑戦である。そして、私たち読者自身も、この本を手に取ることによって、きっと、「まだあきらめないこと」を誓い合っているのだ。

  • BL小説は初めて読んだんですが、この物語はミステリーと思いきや、恋愛小説で、描写も読みやすくて、ただエロイだけとかじゃなくて、話自体が面白かった!
    充の病気の事も分かって、最後には母と妹とその子供と会うようなシーンがまたジーンと来てしまう。
    父と弟は一生充の事は理解出来ない似たもの同士なんでしょうね。自分のものさしでしか人を計れない悲しい人達。
    そういう家族模様も割りと好きでした!
    初めて読んだ作家さんでしたが、他のもよんでみたい。

  • この小説が……好きだ! まだ一回しか読んでいないけれど、一回しか読んでいないからかもしれないけれど、この小説が大好きだ。読んでいる最中のわたしの気持ちを表現すると「どうなっちゃうの? どうなっちゃうの? え? えー!」というなんのおもしろみもない単純なものになるが、しかし身体には一体どれほどの感情が渦巻いていたことだろう。啓太と充が歩いた道程には胸を締め付けられたし、理解しあうことの難しさは生きていく限り深く根を張って抜けることはないのだろうが、それでも。小声でいいから言わせてほしい。「運命だったんだね」

  • 最初の章は性描写が多くて少し辛い。本編よりも榎本や充の弟視点の方が良かった。
    与えてばかりだったディスレクシアの充を愛し、その才能が認められればいいと、労を惜しまずに支える啓太。マイノリティの中で互いに寄り添って生きていけるパートナーに出会えて良かった。

  • 情緒不安定キャラ大好きなのでたまらなかった。Ⅰが好き。

  • あまりにも愛情表現が直球すぎて…照れた(笑)
    家族の絡むBL話は好き。でもそこまでのめりこめなかったのは、キャラが好みじゃなかったからか。啓太はだいぶ情緒不安定だし、そんな啓太のことを盲目的にべったべたに甘やかす充も、若干怖い。
    「箱の中」も積読になっているので、いつか読みます。

  • 良い意味で期待を裏切られた、というか…。啓太と充が破滅に向かって、悪くすれば二人とも死んでしまうのではないかと思っていました。
    それが…まさかこんな展開とは…。(そんな展開ってどうよ?とは思うけど途中から二人を応援していた私にとっては、ホントに良かった…。)読後感も清々しいし、前向きに生きていく二人に好感が持てます。いい話でした!

  • 啓太に対する愛が良かった。不器用でも、相手を想い続ける気持ちに幸せが溢れていて良かったです。私も恋愛したい。

  • ノベルス版は既読。こういう結末は場合によってガッカリさせられる事もあるが、この作品はそんな思いを抱く暇もなく最後まで引き込まれてしまう。サスペンスの緊迫感、繊細な人間描写、揺れ動く感情とさすがは木原さんです。充の無垢な愛に縋って安寧を求めるくせに時にずしりと重くのしかかってくると感じる啓太の心情がリアルで痛々しい… 『秘密Ⅱ、Ⅲ』は家族の物語かな… その中で2人が幸せである姿が堪らなく涙を誘う…

  • 2014年読了

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プロフィール

木原音瀬 (このはら・なりせ)
高知県生まれ。1995年「眠る兎」でデビュー。不器用でもどかしい恋愛感情を生々しくかつ鮮やかに描き、ボーイズラブ小説界で不動の人気を持つ。『箱の中』と続編『檻の外』は刊行時、「ダ・ヴィンチ」誌上にてボーイズラブ界の芥川賞作品と評され、話題となった。ほかの著書に『秘密』『さようなら、と君は手を振った』『月に笑う』『ラブセメタリー』など多数。

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