人生オークション (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
3.54
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本棚登録 : 185
レビュー : 23
  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062777605

作品紹介・あらすじ

ワケありアラフォーりり子叔母さんと就職できずに大学を卒業してしまった私。一族の二人の厄介者が売るのは、“人生のお荷物”。

感想・レビュー・書評

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  • 読後感がすごい。さらっと流してから二度見しちゃうみたいな。
    でも解説がえらそうだしうるさくて台無し。これから読む人は解説は読まないかむしろ先に読んどくのをオススメします。

  •  この人の小説を読むのはこれが初めて。2007年にすばる文学賞を得てデビューした人だそうだ。

     表題作「人生オークション」と「あめよび」という2つの中編を収めている。『群像』に掲載されたものだが、よくも悪くも『小説すばる』的な作風と感じた。サクサク読める軽いタッチで、文章も映像的なのだ。

     脚本の世界でも活躍している人だそうで、読むと「さもありなん」と思う。とくに表題作がそうだが、少し手直しするだけでドラマや映画のシナリオになりそうな小説なのでる。

     女性が書く恋愛小説や青春小説のステレオタイプから遠く離れている点に好感を抱いた。
     たとえば表題作は、不倫のもつれから傷害罪で逮捕された困った叔母さんと、就職浪人中の姪っ子の物語。主人公は若い姪っ子だからある種の「青春小説」なわけだが、いまどきの青春小説にありがちな設定や展開を注意深く避けている印象なのだ。

     ストーリーの軸になるのは、事件のせいで一人暮らしを始めた叔母が狭いアパートに持ち込んだ膨大な品々(ブランド品など)を、ヤフオクで売りさばいていくプロセス(ゆえに「人生オークション」)。この設定が意表をついていてよい。
     そして、オークションで品物を売っていくプロセスが、そのまま叔母と姪の“生き直し”につながっていくあたりの展開もうまい。

     併録作「あめよび」は、眼鏡店勤務のヒロインと、フリーターをしながらラジオの「ハガキ職人」を極めることに生き甲斐を見出す男のラブストーリー。この設定自体がやはり意表をついているし、展開にも並々ならぬ独創性がある。

     こうした独自路線をもっと追求して、オンリーワンの女流作家になったらよいと思う。ありがちな恋愛小説・青春小説を書く作家ばかりが増えても仕方ないわけだし……。

     かなり気に入った。この人のほかの作品も読んでみることにする。

  • ワタシにとって、3冊目の原田ひ香さんの小説。
    「人生オークション」は、ヤフオク関連はあるあると思いながらも・・・、お話はなんだかしっくりこなかったなぁ・・・
    「あめよび」は、白石さんが気になるけど、どうなんだろう?関係あるのかないのか・・・?
    そして、解説を読んで???
    近現代史を学び直したほうがいいようです・・・ワタシ。でも、解説のような、そういう話なのかなぁ・・・?
    こちらもピンとこない。

  • 3.5
    一気に1日で読んだ。
    人生オークションは、最後のお父さんがいい。
    あめよび、ひきこまれた。名前の物語。あなたの人生は、あめよびなのよ。他人同士なら本来なんてことないはずの小さな気持ちのすれ違いや考え方のすれ違いが、人生のすれ違いになってしまうのが大人の恋人同士の悲しいところ。

  • りり子叔母さんの部屋の片づけを手伝う瑞希。
    関係性が徐々に変化していく様子が面白い。
    不倫相手を刺していないのに加害者になってしまっている叔母と、あえて就職することを拒んだ理由を言えずにいる瑞希。共通点は文学の話だけではないよね。

    この本が発行されたのは2011年で、不用品をネットのオークションで次々に売っていくが、ちょうど今読んでいる柚木麻子の『マジカルグランマ』ではメルカリを利用。
    時代の差がちょっと面白い。

    ところでりり子の不倫相手は白石さんで、『あめよび』にも白石さんが登場するが(眼鏡店の社長)、同じ人ではないよね。

    はがき職人サンシャイン・ゴリラ 輝男が持つ「諱(いみな)」って、初めて知ったけど、本当にあるのかな。

  • お、面白かったー!!ぐいぐい引き込まれた!原田ひ香、食わず嫌いしてる場合じゃなかった!読んでよかった!
    表題作・人生オークションも面白かったけれど、あめよびの方が、引き込まれました。解説を読むとまた更にぐっときます。これはもう、読み返すしかない!
    2017.07.06

  • 不倫の果てに傷害事件を起こした叔母。
    そんな叔母の引っ越し荷物の片付けを手伝う姪の瑞希。
    叔母がバブルの時代に買ったブランド品等を片付けるためにオークションに出していく。
    同時収録の「あめよび」は、ラジオが縁で付き合うようになった二人のちょっと寂しい物語。
    もうひとつの名前である「諱」を持つという彼は、好きだけど絶対に結婚は出来ないという。結婚したいと思い始める彼女とすれ違いが始まる。

    2016.9.30

  • 瑞希と私はたぶん似てて、だから就活の話はすごくもやもやした。
    瑞希にもそのうち、どうしてもほしいものが見つかると願う。

    あめよび は、なんだかしっくりこなくて、登場人物の気持ちもわからなくて、あんまり好きになれなかった。
    もう一回読むべきか悩む。

  •  すごい人物配置の妙である。
     おばさんがミチルさんと被るというか、このはかなくも弱いのにたくましく生きる力は何だろうと思う。
     あと、めがね作りたくなりました。めがねにはロマンがある。

  • 人生オークションとアメヨミという短篇が2つ入ってました。
    人生オークションはしっとりと前向きな感じ。
    アメヨミは男としてはすごく切なく辛かった。
    ゴリラさんの気持ちすごく分かるわ〜

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著者プロフィール

1970年神奈川県生まれ。「リトルプリンセス二号」で第34回NHK創作ラジオドラマ大賞受賞。「はじまらないティータイム」で第31回すばる文学賞受賞。著書に『東京ロンダリング』『三人屋』『ラジオ・ガガガ』『ランチ酒』『三千円の使いかた』『DRY』『ランチ酒 おかわり日和』『まずはこれ食べて』『口福のレシピ』など著書多数。

「2020年 『一橋桐子(76)の犯罪日記』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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