人生オークション (講談社文庫)

  • 講談社 (2014年2月14日発売)
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本 ・本 (256ページ) / ISBN・EAN: 9784062777605

作品紹介・あらすじ

捨てるって、気持ちいい!

『三千円の使いかた』の著者による、
部屋が片づく、心が軽くなる、デトックス小説!

【内容紹介】
不倫の果てに刃傷沙汰を起こして謹慎中のりり子叔母さんと、就活に失敗してアルバイトをする私。
一族の厄介者の二人は、叔母さんのおんぼろアパートの部屋にあふれるブランドのバッグから靴や銀食器、
着物までをせっせとネットオークションにかけていく――。


【担当編集より】
今、私の部屋は奇跡的にきれいです。

部屋に「いらないもの」が溢れている。
「片づけなきゃ」と分かっているのに、動き出せない――。
本作はまさに、そんな私のための物語でした。
読めば、明日がきっとより素敵なものに変わる。
優しく、軽やかに背中を押してくれる一冊です!(編集T)

感想・レビュー・書評

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  • 短編2作で構成

    なんてことないヒューマンドラマ
    だけど、同じ出来事でも
    人によって見えかたも違う
    第3者は、もっと見えかたも違うし 真実は目にしてないので思い込みや憶測で話しは 本人達と関係ないところで勝手に進んでいく

    結局 事実なんて1番大事だけど
    殆どの事実はアヤフヤになって終る世の中を良くかけてる
    (1つ目の話)

    結局、おばさんが悪いか、相手が悪いかは
    絶対に分からない
    ハッキリしないのに他人が広げる
    そんな感じでしたね。

  • 「人生オークション」
    私も、ヤフーオークションを行ったことがある。買う方専門だったけれど。
    オークションを通して、二人で断捨離していく中で、おばと姪の関係が変わっていくさまが面白い。いつしかおばの中に自分を発見し、瑞希自身が自分を外側から見ることができるようになっていく。
    「あめよび」
    美子とその彼氏ゴリちゃんのもどかしい恋愛話。愛し合っていたのに二人の選択した道は・・・。過去の体験や『秘密』がどうあれ、それをオブラートに包むことが優しさなんだろうか。そんな釈然としない終わり方だった。

    リアリティがなくても希望の持てるフィクションの方が好きな自分に気づいた。

  • 『人生オークション』と『あめよび』の2作品。

    『人生オークション』
    真実がどうであれ、大事な人達に信じてもらえないことは、やはり悲しい。どこかにあった虚しさが叔母さんに物を買わせていた?自分を見て欲しいみたいな?瑞希は人生の経験の無さへの焦り?就活も自分の事なのに、どこか他人事?いや、自分への自信の無さのせい?なぜだろう、共感するところはあるけど、なんかモヤモヤする。

    『あめよび』
    恋愛での二人の価値観の違い?それぞれの過去や、考えがあるのだろうけど、頑なになるほど、相手の思いが見えなくなる?ラストを読んで、美子が今後、心から幸せに暮らしていけるか心配になった。これも、共感するところはあるけど、なんかモヤモヤする。

  • 「人生オークション」と「あめよび」の中編二本立て。
    「人生オークション」では、何て事ないストーリーなんだけど、人生何を捨てて何を持っているべきなのか、考えさせられてしまった。
    物なんていらないのかも。

    「あめよび」は、最後の解説を読んで、あ~そういうことかとラストシーンに納得いった。

  • 原田ひ香さん4冊目。BOOK・OFFで出会う。
    ほんとに、原田ひ香さんが描く物語の登場人物たちはリアルというか現実味があるというか。等身大の姿ですごく好きです。
    この本は人生オークションとあめよびのにほんだて。
    人生オークションは、ワケありのおばさんりり子と就職しそびれた瑞希が関わりあいながら「今」に折り合いをつけてゆく物語。
    あめよびは、30歳になる美子とその彼氏ゴリちゃんの煮え切らない恋愛談…。と言ってしまうとそれまでなんだけど、それだけじゃない、何とも深みのある物語。最後の展開よきでしたが、知識不足なのか読み切れてないところが…(笑)。
    解説読んでもう1回読み直したくなります。
    原田ひ香さんの物語、リアリティのある現実味のあるところが好きです。次は何読もうかな。

  • ①人生オークション
    ②あめよび
    の2作品からなる書籍

    ①は、山のようにたまった不用品をヤフーオークションで次々に販売していく間に人生も整理され、前に進むチカラが育まれていくはなし。
    オークションの楽しさ、その中で見えてくるもの、人生の不条理、その不条理を受け入れる強さを身につけるまでのお話しだったのかな。人生には自分を表現するスキルも重要だと思いました。

    ②は、恋愛のお話。その時、わからなかったものが、ずいぶん経ってからわかるということは、多くの人が経験すると思うのだけど、この主人公は恋愛がその場所でした。わからないことを受容する力って大切だと思うけど、せつない面もあるのかな。
    ②は、あとがきを読むと再読したくなる話し。物語の理解度は教養の差も影響するんだな。

  • 『人生オークション』と『あめよび』の2話収録。
    連作系かな?と思ったら全く違うお話しでしたが、2話とも楽しく読みました。

    人生オークションは、就活に失敗した主人公と叔母さんの会話や距離感の描かれ方が良かったです。

    あめよびは、結局『諱』はなんだったんだろうとモヤモヤしましたが、解説を読んでスッキリ。
    スッキリしたら、2人の関係の見え方も変わりました。

  • 「人生オークション」と「あめよび」の2編の作品が入ってました。

    「人生オークション」
    今はメルカリが主流だけど、10数年前はヤフオクだったな…。
    りり子叔母さんが物を一つ一つ手放して、心も生活も立て直して行く様が良い感じでした。
    りり子叔母さんは生き方が不器用で真面目なのかな、あ、でもそうなら不倫なんかしないか。
    物の手放し方は潔さもあって私も見習いたいところではあります。

    「あめよび」は不思議な作品でした。
    読解力ないのかな。
    最後の解説を読んで「ふーん、そうなんだー」て感じで。

  • 「人生オークション」と「あめよび」の2編の短編。
    読むやすく面白かったけれど、どちらもスッキリした読み終わりではなくモヤモヤ感とちょとしたイラっと感が残る。

    人生オークションでやってもいない事を認めた叔母のリリ子に対して「いかにもやりそうなことと、やったこととは違う」見当違いのヒロイズムに酔っていると怒りまくる瑞稀にひよ子が「やったと思われていることと、実際にやったことは違います。でも、そんなふうに言い切れるのは瑞稀さんが恵まれた人生を送ってきたから」「ある世界では実際にやったことより、やったと思われていることの方が重要だったりするんです」と説明するシーン。

    これ、ずーんときましたね。
    わたしは叔母のリリ子さんと同じく、そういう風に思われてしまっていること自体に凹んでしまい、諦めてしまうから……。



  • 有吉佐和子さんのような小説を書きたい、とおっしゃる原田ひ香さんの作品を初めて読んだのです。

    おもしろい。うまい。知らなかった!
    特に中編二つ目の「あめよび」が人生の機微溢れまくりで、切なくていい。
    調べるともうすでにすごい著書、作品の量。
    わらわら。

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著者プロフィール

1970年神奈川県生まれ。2005年『リトルプリンセス2号』で、第34回「NHK創作ラジオドラマ大賞」を受賞。07年『はじまらないティータイム』で、第31回「すばる文学賞」受賞。他の著書に、『母親ウエスタン』『復讐屋成海慶介の事件簿』『ラジオ・ガガガ』『幸福レシピ』『一橋桐子(76)の犯罪日記』『ランチ酒』「三人屋」シリーズ等がある。

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