パパの電話を待ちながら (講談社文庫)

  • 講談社
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感想 : 83
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  • Amazon.co.jp ・本 (210ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062777629

作品紹介・あらすじ

ようこそ、「イタリアの宮澤賢治」ともいわれる名作家、ロダーリの不思議な物語世界へ。
シュールでポップ、そして愛がいっぱい!  60年代イタリアから時を超えて届く、あなたへの直通電話。
20世紀イタリアを代表する作家の代表作。大人も子どもも楽しめる珠玉のショートショート!

ビアンキさんはイタリア中を旅するセールスマン。彼は、毎日9時きっかりに電話でお話を聞かせる約束を、娘としていました。
ビアンキさんのお話には、おてんばなミニサイズの女の子をはじめ、バター人やらイルカになる少年やら、宇宙ヒヨコやら、びっくりキャラクターが数々登場。シュールな展開に吹き出し、平和の尊さに涙する、きらめく珠玉のショートショート! 20世紀イタリアの傑作童話登場。

「物語の本質がここにはあって、それもこんなにふんだんに、惜しげもなく美しくならんでいて、こういうお話を毎晩聞いたこの子供は、どんなに心が丈夫になったことだろう。この本を知っている人と知らない人とでは、人生が違ってくると私は思う。愉快で、幸福で、豊かな本!」――江國香織

「おばあさんが殺される『かちかち山』。こわい映画もゲームもなかった頃に、ドキドキで聞きました。生意気ざかりに漱石の『夢十夜』でウットリ。そんな私が子どもだったおとなの人におすすめする1冊。『星の王子さま』のホンワリ感まで、たっぷりつまっています。」――聖路加国際病院副院長 細谷亮太

「カルヴィーノに、ロダーリ。このふたりだけで、イタリアがとんでもない国であるという証明には十分である。ロダーリの作品には、地球という棺桶に押しこまれた想像力の悲しさと、地球をはるかに越えて広がる想像力のたくましさが共存している。読み返すたびに発見がある。要するにおもしろいのだ。」――翻訳家 金原瑞人

イタリア人なら、子どもも大人も、本好きもそうでない人も、みんなが1度は読んでいるロダーリ作品!

感想・レビュー・書評

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  • 週6日家を空けるセールスパーソンのビアンキさんが、幼い娘からの要望で、毎晩娘の就寝前に電話でお話をひとつする、という設定。そしてそのお話56編が収められたのが本書。
    日本の子ども向けのお話はオチがちゃんとあって、しかもハッピーエンドのものが多い。でも、ここに収められたお話はオチがないものや、ハッピーでもアンハッピーでもない終わり方をするものが少なくない。これがイタリア人気質なのかどうかはわからないけれど、オチがなくて、自分でオチを考えなければ収まりがつかないというのが、なんとも楽しい。想像力豊かな大人になるかなあなどと思いながら、自分の子どもに聞かせることができたらさぞ楽しいのでは。幼い子どもをお持ちの皆さまには、ぜひお試しいただきたい。

    • nejidonさん
      strattonさん、お久しぶりです。
      まさにそれをやったワタクシです。
      毎晩読んで聞かせて、そのあと少し内容についてお話しました。
      ...
      strattonさん、お久しぶりです。
      まさにそれをやったワタクシです。
      毎晩読んで聞かせて、そのあと少し内容についてお話しました。
      少しのつもりが、だんだん長くなったり。
      通常の絵本では飽きてしまったのでしょうね。
      とても良く聞いてくれた覚えがあります。
      今気が付いたのですが、翻訳は内田洋子さんでしたね。
      とても懐かしく思い出しました♪
      2021/01/16
    • strattonさん
      nejidonさん

      ここに実践者がいたとは!さすがですね。

      ワタシ自身、結末が大団円というものより、
      読後にあれこれ想像させて...
      nejidonさん

      ここに実践者がいたとは!さすがですね。

      ワタシ自身、結末が大団円というものより、
      読後にあれこれ想像させてくれるような小説が
      好きなので(ポール・オースターとか)、この本も
      楽しめました。

      内田洋子さんと言えば『モンテレッジォ 小さな
      村の旅する本屋の物語』はいい本ですよね。
      2021/01/17
  • 【本の魅力再発見!】『パパの電話を待ちながら』 - IIC TOKYO BLOG
    https://www.iictokyo.com/blog/?p=12511

    『パパの電話を待ちながら』(ジャンニ・ロダーリ,内田 洋子):講談社文庫|講談社BOOK倶楽部
    https://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000206473

  • 想像力が私は乏しいみたい。ファンタジーがのみ込めない。それでも

    アリーチェ·コロリーナ
    進め!若エビ
    逃げる鼻
    どこにもつながってない道
    ジャム作りの名人アポッローニア
    ねんねんころり

    が好きでした。

  • 2020.5.10読了

    文庫の帯に書いてあった、江國香織さんの「この本を知っている人と知らない人とでは人生が違ってくると私は思う」とのコメントに強烈に惹かれ購入し、少し読んで積読になっていた。

    コロナ禍の中、改めて読み直した。
    コメントに違わず、魅力的なお話が並ぶ。

    全61作品の中で、特に気に入ったのは以下の6作品。

    ○うっかり坊やの散歩
     それ、うっかりの範囲を遥かに超えてるから!とつっこまずにいられない。

    ○チェゼナティコの回転木馬
     最も好きな話。空間を超えていく感覚が素敵すぎる。夢中になっている当事者に見えている景色は周りのものにはわからないものだ、と言う風刺なのかもしれない。

    ○コロッセオを盗んだ男
     多分に説教臭いけど、井の中の蛙がそれに気づく切なさが身に染みる。

    ○星へのエレベーター
     読んで字の如くの話だが、子供の頃読んだチョコレート工場の秘密に出てきた縦横無尽に進むエレベーターを思い出してわくわくした。

    ○どこにもつながってない道
     周囲の意見に流されず信じた道を進むことで未来が開けるとの教訓めいたお話ともいえるが、花咲爺さんとかおむすびころりとか舌切り雀なんかに似た構造でも、全く聞こえ方の違うお話にできる例として非常に興味深いと思った。

    ○トロリーバス75番
     日頃難しい顔をして過ごしてるだろう大人達が、束の間童心に帰る雰囲気が素敵。

    幼稚園前後のお子さんのいる方に、読み聞かせ用にお勧めしたい本。

  • 素敵なショート・ショートでした。優しい語り口で語られるお話ですが、不思議だったりハッピーエンドではなかったりといろいろな色でした。星新一さんっぽくてとても好きです。「からくりサーカス」好きにはたまらないお話もあったり。こんなお話を毎夜聞けたなんていいなぁ。大人も楽しめる一冊でした。

    • 橘さん
      円さんこんばんは!
      コメントありがとうございます。

      ちょっとこの本の感想も書いて満足して忘れていたのですが、そうです、藤田和日郎さん...
      円さんこんばんは!
      コメントありがとうございます。

      ちょっとこの本の感想も書いて満足して忘れていたのですが、そうです、藤田和日郎さんのからくりサーカスです。
      確か、自動人形と同じ名前の登場人物が何人か出てくるお話があったように記憶しています。

      わたしもフヂタ先生大好きなんです、うしおととらもからくりサーカスも…最新作の双亡亭はまだ読めていないのですが(>_<)
      2018/01/23
    • 円軌道の外さん
      橘さん、こんにちは!
      ご無沙汰してます(汗)
      風邪など、引いてませんか?


      おおーっ!藤田さんのファンですか⁉
      じゃあ、同士で...
      橘さん、こんにちは!
      ご無沙汰してます(汗)
      風邪など、引いてませんか?


      おおーっ!藤田さんのファンですか⁉
      じゃあ、同士ですね(笑)
      僕の周りに藤田さんのファンは皆無なので、
      かなり嬉しいです(微笑)

      僕も『双亡亭壊すべし』はまだ3巻までしか読んでないけど、
      中毒性ありますよ!
      1巻より、2巻、
      2巻より、3巻とだんだん面白くなってます。
      『からくりサーカス』は
      いちばん好きな作品なので、その絵本チェックしてみようかな~♪

      橘さんは書店や図書館で、
      本を選ぶときのポイントとかありますか?

      良かったら教えてください。


      東京は今年2回目の雪で、
      冷えきってて、外仕事はツラいです(笑)
      (僕は寒さが大の苦手なので)

      今日と明日は久びさに連休なので、
      こたつむりと化して
      (あまりの寒さのため、悪魔の発明品である炬燵と一体化した関西人のこと笑)
      昼から酒が呑める背徳感に浸ります(笑)


      ではでは~♪
      2018/02/03
    • 橘さん
      円さんこんにちは。
      コメントと、たくさんのナイスをありがとうございます(^-^)

      フヂタ先生の作品、大好きですよ!
      思い出すだけで...
      円さんこんにちは。
      コメントと、たくさんのナイスをありがとうございます(^-^)

      フヂタ先生の作品、大好きですよ!
      思い出すだけで泣ける作品ばかりですよね。
      他の読書SNSには同士はいるのですが、やっぱり少ないですね…円さんもフヂタ作品お好きということで、お知り合いになれて嬉しいです☆

      本を選ぶポイントですが、ほとんど作家さん読みですね…それ以外だと、ごはん系の表紙だと手にしてしまいます(^^;
      読みたい本の登録も多いので、そこからも選んでいます。
      円さんはどのように選ばれてますか?

      こちら福岡は明日明後日が雪の予報です…明日出掛けるのに(T-T)
      がんばります……寒いですね……
      2018/02/03
  • 荒井良二さんのイラストがジャケットを飾っていて思わず手に取りました。

    イタリアの宮沢賢治、と言われている作家の作品集。
    短いお話がたくさん。


    特に好きなのは「日曜日の朝」。

    父親の髭剃りを見守る六歳のフランチェスコ。なぜかといえば…


    「もしかしたら、ほっぺたを切るかもしれない、と思って。そうしたら、僕が応急手当てをしてあげるよ」

    「そうだな」

    「でも、先週の日曜日みたいに、わざと失敗して切ったりしないでね」


    そうは言っても子供の喜ぶ顔は見たいもの。

    日曜日の朝の一場面にほっこりします。

  • 2ヶ月くらいダラダラ読んでいた、ロダーリのショートショート。
    話の面白さというより、(イタリア人ってな、こんな感覚なんだなー)という感じで読む。
    ロダーリ好きの小学生だった私ですが、たぶん小学生のときにこの本を読むより、いま読んだのは正解だったなと思う。
    (たぶん小学生だったら飽きて最後まで読めなかった。)
    回転木馬、ジャム作り名人、透明人間、壁のなかの左官屋あたりが良かった。

  • 限りない創造力を感じる、唯一無二の物語が詰まっている。

  • 短い短い話ばかりなのだけど、どれも読み応え十分。
    ファシズムや独裁への皮肉が込められているものも。
    でも、どの話も子どもへの愛情に溢れていて、とても良かった。
    荒井良二さんの表紙もいいなぁ!

  • オトナにもコドモにも聞かせたいショートストーリー。

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著者プロフィール

1920年生まれ、1980年没。イタリアの作家、詩人、教育者。1970年、国際アンデルセン賞を受賞。20世紀イタリアで最も重要な児童文学者、国民的作家とされている。『チポリーノの冒険』『青(あお)矢号(やごう) おもちゃの夜行列車』『空にうかんだ大きなケーキ』『羊飼いの指輪 ファンタジーの練習帳』『猫とともに去りぬ』『ランベルト男爵は二度生きる サン・ジュリオ島の奇想天外な物語』『パパの電話を待ちながら』『緑の髪のパオリーノ』『クジオのさかな会計士』などがある。

「2022年 『うそつき王国とジェルソミーノ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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