東京湾 海中高校 (講談社文庫)

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  • 講談社
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感想 : 20
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062777773

作品紹介・あらすじ

「浜村渚シリーズ」の青柳碧人が描く、儚くも美しいSF青春小説。エネルギー問題、環境問題にも真っ向から取り組んだ、初期の傑作!

感想・レビュー・書評

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  • 近未来の東京湾海中都市。
    SF的青春小説かなと思いつつ読みましたが、そうではあるけれど、ちょとした社会派。
    2010年「千葉県立海中高校」改題。
    今までも、消滅してきた故郷がある。
    それを未来に移し、政治的に作られた都市を再び政治的に消滅させられる少年少女。
    その消滅を予測していた少年が過去を振り返りながら語ります。
    海中での日常生活の様子は、近未来的に楽しく読めました。

    • 土瓶さん
      (・・?
      「千葉県立」を「東京湾」に改題?
      千葉県じゃ売れなくて東京に変えたのかな。
      それって、そんなに効果あるんだろうか。とか。
      ...
      (・・?
      「千葉県立」を「東京湾」に改題?
      千葉県じゃ売れなくて東京に変えたのかな。
      それって、そんなに効果あるんだろうか。とか。
      「千葉県立海中高校」を読んだ人が続編と思って間違って買ったりしないのかな。とか。
      いろいろ邪推しますなぁ。
      本題以外が気になる病です^^
      2023/12/27
    • おびのりさん
      東京湾だからいいんじゃないの?
      東京湾だからいいんじゃないの?
      2023/12/27
  • 青春のようで違うような感じだった気がする

  • 生まれ故郷がなくなる経験って、これからの時代もっと増えていくんじゃないかな。
    そういう意味で先駆的というか。

    サイエンスのぎっちり詰まった設定で青柳さんらしさ全開です。
    海浜幕張あたりに土地勘があるとより面白く読めます。
    20150531

  • あってもおかしくないSF感。面白かった。

  •  海中都市の高校。女子高生と、卒業生の高校教師が交互に語る。理系の説明あり、青春あり、淡々と送る大人のつまらない生活あり。なんですがなんとなく中途半場感が。大体こんな天才が、しけた教師になります?学校生活ももうちょっと盛り上がってもいいかな。

  • 自分が生きてきた町が無くなるというのは、どのような感覚なのだろうか。そのような事態に向き合ったことが無いから、本当のところはわからない。

    福島の原発事故で今も住み慣れた町に戻れない人たちがいる。

    「全世界を本当に幸せにするエネルギーって、ないんですか?」

    作中で主人公が問いかける。


    先日、消滅可能性自治体というものが発表され、話題になった。

    日本の約1800市町村のうち896自治体が2040年までに消滅するというもの。

    問題は見なかったことにしようとする日本のこと。「そんな大げさなこと言って~」と結局、何もしない何もできないだろう。

    事故でも事件でも天災でもなく、町が消える。

    作中ででてくる海底都市に、作者からのメッセージがあるように受け取った。


    かつて、東京湾に海底都市がつくられた。

    海洋エネルギーと安価なコンクリートからなる人工都市は究極のエコ都市としてもてはやされた。

    そこで生まれ育った木口夏波は高校生活を仲間たちと遊び、剣道部で汗を流し、憧れの先輩と付き合い、青春に過ごしていた。

    ある日、インターネットから映画館のスケジュールを印刷しようと立ち寄った教室で、何かプログラムを打ち込んでいるメガネの生徒に出会う。

    その生徒、牧村光次郎は海底都市の危険性に気が付いていた。


    かつて存在し、すべて海底に沈んでしまった町の追憶が語られる。

  • 20140822

  • 書店でなんか、おもしろそうと一目ぼれ。

    海流発電をからめたSF系な小説。

    科学が進む先に、環境保全と人類活動が両立はありうるか、考える1冊。

    もちろん、青春群像劇としても、おもしろかった。

  • こんな都市があったら、さぞ面白いだろうなぁ。

  • 故郷が消えて無くなる。真実を知りながらも、それをひた隠しにする大人と社会。第三者に故郷を蹂躙されることへの憤りとどうすることもできないやるせなさ。海の底に沈んだ街と一緒に静かに眠っていたほろ苦い青春の記憶が徐々に蘇っていく。

    個人的に自分の故郷と重なる部分が多く、共感する部分も多かった。

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著者プロフィール

1980年千葉県生まれ。2009年『浜村渚の計算ノート』で第三回講談社birth小説部門を受賞しデビュー。「ブタカン」「西川麻子」「猫河原家の人びと」などシリーズ多数。2019年刊行の『むかしむかしあるところに、死体がありました。』が各ミステリーランキングや書店年間ランキングにランクインし、本屋大賞にもノミネートされた。

「2023年 『あかがみんは脱出できない(1)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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