古道具屋皆塵堂 (講談社文庫)

  • 講談社 (2014年3月14日発売)
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  • 本 ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062777964

作品紹介・あらすじ

跡取りとされた弟の急死で、浅草の道具屋に呼び戻された太一郎。道具屋をやり直すには年を食いすぎている太一郎は、深川の古道具屋皆塵堂で修行することに。太一郎には、幽霊が見えるという人に言えない秘密があった。だが皆塵堂にあるのは、首吊りや夜逃げのあった家から持ち込んだ、いわくつきの品ばかり。見たくもない幽霊と向き合う日々が始まった。そして向島の猫屋敷で、太一郎は封印していた幼い日の記憶をよみがえらせる。


浅草阿部川町の道具屋に長男坊として生まれた太一郎は、十歳になったところで父親に跡取りから外され、弟音次郎が店を継ぐことになる。太一郎は奉公先を盥回しされ、ようやく経師屋の職人で落ち着こうとしたころ、音次郎が病死し、急遽、実家に呼び戻された。道具屋の修行をやり直すには年を食いすぎている。父親が送り込んだのは、深川の皆塵堂という古道具屋だった。
そこはいわくありの品々をかき集め並べている店だった。店主の伊平次は、年中釣り人の格好をしている呑気そうな男だ。太一郎には、人に言えぬ秘密があった。それは、モノに憑いている幽霊が見えるということ。首吊りや夜逃げのあった家から家財道具を仕入れている皆塵堂では、瑪瑙の簪に憑いている女の幽霊、蒔絵櫛に憑いた呪いなど、なにか憑いているモノばかり。
幽霊と猫が苦手の太一郎には、難行苦行の修行が始まった。幼馴染みの呑み助の棒手振り巳之助や小僧の峰吉など、仲間とともに、摩訶不思議な出来事に巻き込まれていく。
そして、向島のなぜか猫が集まる屋敷を訪れ、ぼろぼろの着物を着た女の子の幽霊を見たとき、太一郎の封印されていた幼い日の記憶がよみがえる。それは?

感想・レビュー・書評

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  • 訳あり商品承ります
    別に困りませんし
    安く買って
    安く売ります

    ただ、呼ばれるように誰か
    人が
    流れ着きます

    最初は…
    一番使える奴です

    んで
    その後は結構
    猫三昧小説でしょうかね?

  • こういうのって一期一会だよなあと、本屋さんでみかけて気になったものは購入するようにしています。読むのが何年もあとになることもありますけれど(だからダブリ買いをちょこちょこしてしまう)

    これは多分、夏くらいに購入してずっと枕元に積んであったもの。ついに読んだよ! 読んだよー。

    最初の話はぎこちなくて、なんとなく固くって、このまま最後までいくと辛いかも、なんて若干の心配がありましたが、2話からはそうでもなくって、するすると読むことができました。結構おもしろいじゃんあっさりしてるけど! とか。

    もし、不満をあげるなら

    なんで最初のキャラクター紹介に鮪助がいないんだ、ここ大事でしょうぉぉぉ(いえ、出せないのはわかるんですよわかるんですけども)!

  • 面白かった!
    皆塵堂の主人の伊平次が個性的すぎる♪
    幽霊の見えるたちの太一郎が、曰くつきの商品の集まる皆塵堂へ修業に行くことでいろんなことが動き出す。
    長男である太一郎が、なぜ、1度は跡取りの座から降ろされたのかの謎は意外なもの。父親は、彼を疎んじたわけではなかったことにほっとした。
    太一郎の幼馴染巳之助がいい味を出している。
    彼と美津との経緯は、冷や冷やさせられたけど、ま、いいところに着地したという感じかな。
    シリーズの続きが楽しみ。

  • 道具屋の長男なのに跡継ぎから外され、他家をタライ回しにされた挙句、実家を継ぐことになり皆塵堂へ修行に出る太一郎の因縁話の第一巻。
    いわく付きの道具たちに、幽霊が見える太一郎という体で話は進むが……。
    そういう理由だったか〜!

  • 前に一度読んだの忘れてまた借りてしまった。
    ところどころグロい。
    エピソードごとのラストでも決してハッピーエンドじゃなし、モヤっとした感情のまま終わる。
    でも、面白かった。お化け、幽霊が出てきて、太一郎が最後には自分が幽霊が見えることを明かして(周りは知ってるのに)、自分の殻から一歩前に出たのがいい。
    皆屑堂の伊平次が飄々としていい。
    他の方の感想に「猫がたくさん出てきて、猫好きな人じゃないと面白くないかも」ってあったけどなんで?
    最後のエピ以外、猫は出てなくて、それでも面白かった。
    続編あるのを知らなかったので、これから読み進めようと思う。

  • 古道具にくっついてるのがかわいい付喪神とかカッコイイ妖怪とかではなくて幽霊なんで、多少ビビリながら読み始めましたが表紙のイラストどおり、のんびりしたもんです。
    現代でも異世界でもなく、江戸時代の下町なのがお伽噺っぽくて良いですわ。かわいい猫もいっぱい出てくるしね。

  • 道具屋には向かない男★★★
    鰻の住み処★★★
    鈍刀が切る縁★★★
    その娘はやめておけ★★★
    猫屋敷に棲むもの★★★

  • 初めましての作家さん。

    やってしまいました。
    カバーイラストから、妖系かと思って購入したら
    幽霊の方でした。
    幽霊系は、描写の好みがあるのでね・・・
    幽霊扱いの人情モノは無理でしたぁ~_| ̄|○
    キャラは、それなりだったと思うのですが
    やはりテンポとかが合いませんでした。
    シリーズ化してるので、軽めの幽霊系人情モノが
    お好きなら、楽しめると思います。

  • 読みやすかった。終わりも良い感じだったけど、続きもあるのか。

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著者プロフィール

1972年、東京都生まれ。明治大学卒業。2008年に『掘割で笑う女 浪人左門あやかし指南』で第38回メフィスト賞を受賞し、デビュー。怪談と絡めた時代ミステリーを独特のユーモアを交えて描く。『古道具屋 皆塵堂』シリーズに続いて『溝猫長屋 祠之怪』シリーズも人気に。他の著書に『ばけたま長屋』『悪霊じいちゃん風雲録』などがある。

「2023年 『攫い鬼 怪談飯屋古狸』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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