私たちが星座を盗んだ理由 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 1221
レビュー : 129
  • Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062778206

作品紹介・あらすじ

難病の女の子のため、星座を一つ消して見せる男の子を描く表題作ほか、ラストに残酷なまでに衝撃的などんでん返しが待つ傑作短編集!

感想・レビュー・書評

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  • 恋のおまじないにのめり込んでいく女子高生を狙う圧倒的な悪意。
    秀逸な青春小説が土壇場で反転するラスト一行に戦慄必至!((((((゜ロ゜;
    『恋煩い』、

    目覚めれば記憶がなく、絶海の孤島にある「妖精になるための学校」に入学させられていた少年。
    大人にならずに子供のままでいられる世界に違和感を覚えた少年は
    クラス委員長のウミネコたちと島からの脱走を企てるが…。
    ラスト一行の数字をヒントにネットで検索すると
    物語の根底を覆すある事実が浮かび上がります。
    二度読み必至!
    『妖精の学校』、

    事故で死んだ青年の携帯を利用し、どん底の人生を逆転するため
    死んだ青年の彼女に近づく男…。
    これまたラストで意外な真相が暴かれる!
    『嘘つき紳士』、

    触れただけで人間を石にしてしまう石喰いという怪物と村人とのスリリングな死闘。
    10数年の月日が流れ、ある時村に石化した人間を元に戻す能力を持った怪しい男が現れる…
    愛する者を石にされた少年の哀しみが胸に沁みる
    『終の童話』、

    七夕の日、夜空に輝く星(首飾り座)を消して、首飾りにして病室の姉にプレゼントすると言った男の子。
    その言葉どおり、七夕の夜空から
    星座が一つ消えた…。
    病弱な麻里とやんちゃな姫子の姉妹、
    そして二人の憧れである夕兄ちゃんの悲しき三角関係をリリカルに描いた表題作
    『私たちが星座を盗んだ理由』

    など、ミステリーの醍醐味が存分に味わえる
    切れ味鋭い全5話の短編集です。


    ラブストーリー、ファンタジー、現代を舞台にした犯罪劇、童話など
    バラエティーに富んだ形をとりながら、
    江戸川乱歩が名付けた「プロバビリティの犯罪」や
    ある島についての歴史的認識、
    東京での借金難民の実態と携帯による犯罪への警告、
    星に関する詳細な知識と
    普通の顔をした人間の中に巣くう圧倒的な悪意など
    1話1話なかなか考えさせられるところもあり、
    なおかつすべてのストーリーにドンデン返しが用意されていて
    (すべての作品がラストの数行で見事に反転する構成はお見事!自分の予想の遥か斜めを行く結末だったし!)

    おそらくはミステリー好きじゃなくともページを繰る指が止まらなくなること必至です。
    (個人的には『恋煩い』と『妖精の学校』に引き込まれた。巧妙に仕掛けられた伏線とその回収の妙、そして背筋が凍るようなラストの衝撃が切れ味抜群でした!)


    ただどの話も読後感は残酷だったり救われなかったり、
    ダークでビターな苦味が残るものや
    切なさが残るもの(はっきり言ってバッドエンド)ばかりなので、
    綺麗なハッピーエンドや
    すっきり解決した話が好きな人には
    やや不満が残るだろうし、
    好き嫌いのハッキリとした作品だと思います。

    しかしながら、僕個人としては
    北山さんは初読み作家だったけど、
    映像喚起力に優れた、
    童話的でファンタジックな世界観がかなりツボだったし、
    また次も読んでみたいな。

  • また騙されてしまった…表紙とタイトルに。
    5つの話からなる短編集。まさか、そんな終わり方とは!と一話目から衝撃だった。どの話もなんとなく救われないラストで、読み終わった時に切ない気持ちが襲ってくる。一話読む度、次の話こそは嫌な終わり方じゃないよねと思いながら読むのに、やっぱり複雑な気持ちになるラストで期待は裏切られる。でもある意味予測していない結末だったので、そのドンデン返しは面白かったかも。

  • ミステリーというのかサスペンスというのか。

    表題作は切ない。私は断然一話目の「恋煩い」がゾワッ。残酷だぁ〜

    次いで二話目の「妖精の学校」も。
    それがどこで、何を意味するのか分かった時に寒気がした。怖すぎ。


    ホラーとは違う、背筋がゾワッとする感じ。

    ただ、どこかファンタジーの様な、異世界の様な雰囲気を醸していて、とってもミステリアスな空気を纏った一冊。


    どのお話も初めの流れから一転、覆される感じが共通してる。


    でも可愛らしい装丁とファンタジーな題名に惹かれて、ほんわか系のお話を想像して買ったから、そこが一番覆された!

    やられた〜!

  •   短編集です。「妖精の学校」を読んだときの衝撃は忘れがたい。正確にいうと、読み終えた当初は、どういうことかわからず、そのあと最後に出てくるある数字をググることで、衝撃を受けたのですが…

     少年が目を覚ますと、妖精の学校という孤島に連れてこられていた。そして少年には過去の記憶がなく、同じような境遇の子供が何十人もいるようで…。そして彼らはいずれ妖精になるため島で勉強しているらしく…。そんな感じの内容です。

     この手の管理社会、あるいはディストピアを匂わせる作品は大好物なのですが、読み終えてみると予想の斜め上からくる社会派要素に驚きました。

    すべてを知ってから思い返すと、言葉や表現の意図、思惑や利権に踊らされる子供たちの残酷さや無情さなど、色々なことを考えてしまいます。

    作中で話がすべて明らかにならず、簡単ではあるけれど自分で調べてみたからこそ、より話が印象的なのだろうかな、と思います。

     もう一つ印象的なのは「終の童話」

     人を石化する魔物や、それを解く呪術士がいるというファンタジーの世界観で、その世界観だからこそ起こり得る事件が描かれます。

     特殊な設定だから生きる動機の謎が、面白かった。結末のちょっとぼかしている感じも、より物語の痛切さを表しているようで、味わい深い作品でした。

  • Tぬオススメ本。最後にグラッとくる5本の短編集。
    ファンタジー要素のモノが苦手なため☆2つ。
    「妖精の学校」はなかなか読むのがつらかったけど、それ以外は思いの外スイスイと読めたかも。
    読後感が悪いと言うほどではないのだけど、うーんとうなってしまうかな。
    最初の「恋煩い」は女の執念を感じて壊しけど面白かった。あ、怖いの間違いです。

  • 見ているだけの片想いをずっと続けてきた。一年先輩の彼は、半年もしたら卒業してしまう。
    友達から両想いになるおまじないを教えてもらった女子高生は、バカバカしいと思いつつも
    彼に近付きたい一心で試してみることに…。全てはラストで覆る!五編からなる短編集です。

    恋のおまじないに囚われた女子高生、記憶のない子供達が暮らす不思議な寄宿学校、
    拾ったケータイで詐欺を目論む男、村に現れた石の怪物、夏の夜に星座を消した男の子。
    ファンタジーから現実における話までバラエティ豊かな五編。どれも楽しんで読めました。
    「恋煩い」はなかなかのインパクト。一話目だから尚のこと強く印象に残ったのかな。
    短編集で全話面白く感じられるのはアタリ、ですね。なんだか嬉しくなりました(о´∀`о)

  • どの話も題名からは想像つかない結末が待ち受ける短編集。
    『終の童話』と、本のタイトルにもなっている『私たちが星座を盗んだ理由』が好き。
    『終の童話』は、展開も予想しなければ、その「終」も予想外。果たしてあなたなら、どうするだろうか。
    『私たち〜』は、すれ違いの違え違い。星座に含まれた物語と、星座を眺める人の数だけの物語。
    美しいく、残酷な、ミステリ短編。

  • 即理解できなかったものの、時事問題を絡ませた一編が意表を突いてツボにはまった。

  • 北山猛邦は『『瑠璃城』殺人事件』以来気に入っている。
    しかしこれまでのところ、彼の作品はあまり面白くはないと思っている。
    これは矛盾ではなく、設定や世界観が気に入っており、一方で彼にはそれを元にストーリーを作る力が足りていないのだろうという感じだった。
    しかしこれは、ちゃんと面白い。

    形態としては、短編集。
    5篇のしっかりとした毒の入った物語が楽しめる。


    ・恋煩い
    女2人、男1人の3人組の幼馴染。
    主人公の女の子は先輩に恋をしており、また幼馴染の2人がくっついてくれることを願っている。
    そんな平凡な日常で、平凡に恋のおまじないの噂を実践していく。

    ・妖精の学校
    最初から明らかにダーク。
    謎の閉鎖空間で暮らす子どもたち。
    あるときそこで目覚めたが、以前の記憶は殆ど存在しない。
    ここは何処で、何のためにある?脱出を企てる。

    ・嘘つき紳士
    拾った携帯電話は、事故死した男が事故の際に落としたものらしい。
    男の彼女はまだそのことを知らないみたいだ。上手くすれば借金を返せるのでは。

    ・終の童話
    襲った人を石にしてしまう怪物に、村が襲われた。主人公の大事な人も石化させられてしまう。
    10年後、村には石化を治す術を持った男が招かれる。

    ・私たちが星座を盗んだ理由
    主人公には病弱で入院している姉がいた。
    姉妹ぐるみで幼馴染である姉のクラスメイトの夕兄ちゃんと毎日見舞いに行っていた。
    夕兄ちゃんのことが好きだったが、彼は姉のことしか見ていない。

  • 小さな?ミステリ短編集。
    表題のお話は一番最後に載ってました。
    可愛らしいお話かと思いきや、最後にえーっっ‼︎って裏があったり、SFのお話があったりとどのお話も楽しめました⭐︎
    でも、表題のお話がやっぱり印象的かなぁ。
    とても可愛らしくて、ちょっと切なかったなぁ。笑

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著者プロフィール

2002年、『『クロック城』殺人事件』(講談社ノベルス)で第24回メフィスト賞を受賞しデビューする。代表作として、デビュー作に端を発する『『瑠璃城』殺人事件』(講談社ノベルス)などの一連の<城シリーズ>などがある。

「2020年 『ステイホームの密室殺人 1 コロナ時代のミステリー小説アンソロジー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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