パラドックス13 (講談社文庫)

  • 講談社 (2014年5月15日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (576ページ) / ISBN・EAN: 9784062778275

作品紹介・あらすじ

禁断のエンターテインメント、ついに解禁!
--これからの13秒間は、何も起こしてはならない。

13時13分13秒、街から人が消えた。無人の東京に残されたのは境遇も年齢も異なる13人の男女。なぜ彼らが選ばれたのか。大雨と地震に襲われる瓦礫の山と化した街。そして生き抜こうとする人達の共通項が見えてくる。

世界が変われば善悪も変わる。
殺人すらも善となる。
極限の状態で見えてくる人間の真理とは。
--この世界の謎を解く鍵は、数学的矛盾<パラドックス>にある。

みんなの感想まとめ

極限の状況下での人間の心理と選択を描いた物語は、13人の男女が突然無人の東京に取り残されるという衝撃的な設定から始まります。彼らは「P-13現象」によって、存在しないはずのものが現れる不思議な状況に直...

感想・レビュー・書評

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  • 著者、東野圭吾さん(1958~)の作品、ブクログ登録は39冊目。

    本作の内容は、BOOKデータベースによると、次のとおり。

    ---引用開始

    13時13分13秒、街から人が消えた。無人の東京に残されたのは境遇も年齢も異なる13人の男女。なぜ彼らが選ばれたのか。大雨と地震に襲われる瓦礫の山と化した街。そして生き抜こうとする人達の共通項が見えてくる。世界が変れば善悪も変る。殺人すらも善となる。極限状態で見えてくる人間の真理とは。

    ---引用終了

  • 久しぶりの東野圭吾作品。

    梅雨時に、学校図書館にある雨の小説を探していて、見つけたのだが、かなりのページ数だったのでひとまず置いていた。

    12年前に単行本として出版された作品だが、今読んでもタイムリーな感じさえする。
    P-13現象による13秒の時間の歪みが、この地球にもたらすものとは…。

    ものすごく壮大な設定で、この話の着地点はどうなるのだろうか?という一点で、最後まで一気に読んだ。
    13人だけが生存する世界が現実の世界なのか、だとしたら、一瞬にして消えた人々は一体どこに行ったのか?
    やはりここは、歪められた空間に存在するパラレルワールドなのか?

    次々と起こる災害や13人のサバイバルの様子が、リアル過ぎるのだが、この小説自体が、東日本大震災の前に書かれていることにも驚く。
    存在すべきでは無い知性生命体を宇宙の摂理が抹殺しようとしている…というP-13現象にまつわる解釈は、今の地球に言えることのようで、この小説の中で起こる事象は、近未来の予告か?と思えるほど。
    2021.9.18

  • 東野圭吾『パラドックス13』——その瞬間、世界は静寂に包まれた
    ------------
    1.あらすじ
    3月13日13時13分13秒、世界が消えた

    突如発生した「P-13現象」によって、東京から人々が消え去る。

    その瞬間は、3月13日午後1時13分13秒——“13”が重なる不吉な時刻だった。

    残されたのは、偶然にもその時間に特定の行動をしていた13人。

    警察官の久我誠哉と弟の冬樹を中心に、母娘、女子高生、老夫婦など、年齢も背景も異なる人々が無人の東京に取り残される。

    電気も水も止まり、都市は廃墟と化す。

    彼らは渋谷、新宿、池袋をさまよいながら、東京駅で合流し、やがて総理官邸にたどり着く。そこには、P-13現象に関する機密資料が残されていた。
    ------------
    2.テーマ
    時空の歪みによって「存在しないはずのもの」を残す可能性があるという。そして、再び発生する危険性も——。

    生き延びるためには、誰かを犠牲にしなければならない時がある。

    そのとき、人はどれほど冷静に、犠牲になる人を見送れるのか?

    死ぬことが必須の選択となったとき、人間は躊躇するのか?
    ------------
    3.問う
    物語を読みながら、何度も自分に問いかけることになった。

    ①死に至る方法をどのように選択するのか?

    ②苦境の連続のなか、人間が絶望しないで前に進めるのは、一人だけの意思なのか?
    それとも、誰かの役に立ちたいという共助の気持ちからなのか?

    ③極限状態の中で、人は何を守り、何を捨てるのか。
    その選択の瞬間にこそ、人間の本質があらわれる。

    登場人物たちは、ただ生き延びるために動いているのではない。

    誰かのために動くことで、自分の存在を確かめているようにも見える。

    その姿が、静かに胸を打つ。
    ------------
    4.沈黙の中に響く
    『パラドックス13』は、サバイバルのスリルだけでなく、人間の心理に深く踏み込んだ作品。

    極限状態でこそ露わになる本性、そして選択の重み——

    その描写が、読者自身の価値観を揺さぶる。

    「もし自分がこの13人の中にいたら?」

    生きることの意味。
    誰かと共にあることの重み。

    そのすべてが、物語の中に息づいている。

  • 東野圭吾の長編小説。
    やっぱり安定で読みやすかった東野さんの書籍、会話・展開がテンポ良く進んで行く所がとても面白かった。
    荒廃し災害により崩壊していく世界で生き残ろうと13人の人間が生き残ろうと奮闘していく物語だが、ミステリーよりSFサバイバル要素が大部分を占めている。極限状態での前では社会のルールは一切通用せずその上でどんな形で生きる希望を見いだしていくところの流れがとても面白かったです。しかし、その中でも命を落としていく人物が多く、とても苦しくなりながら読んでいった。みんなを鼓舞していく存在であった山西夫婦が最初に亡くなり、良くも悪くもムードメーカーであった新藤も災害に巻き込まれて死亡するという死があっという間に人を飲み込んでしまう所がこの世界のシビアを肌で感じることが出来て生きることの意味などを問いかけられたような気がしました。それは主人公の兄・誠哉も同様で二回目のパラドックスの寸前で亡くなってしまい元いた世界に戻る事が出来なくなってしまう。一瞬の選択が自分の一生左右してしまったのがとても切ないなぁと感じました。最後にはP-13の別世界での出来事が記憶として引き継がれずに終わっていったのが今までの足掻きが無かった事になるのがとても切なかったが、最後に生き残り現代に戻ることが出来た冬樹と明日香の希望の残るラストがとても良いなと思いました。
    日本という災害大国に住む中でその中での常識や価値観が大災害によって一気に崩されていく、コロナ禍で様々な価値観が変わっていった中で自分自身も生きる意味や状況をどう切り拓いていくかを考える良い本だと思いました。

    この作品をアニメ化した際の声優陣を自分なりのキャスティングしてみたので読む際に参考にしてください(敬称略)。
    久我冬樹:小野友樹
    久我誠哉:杉田智和
    中原明日香:小松未可子
    山西繁雄:菅生隆之
    山西春子:小山茉美
    戸田正勝:楠大典
    小峰義之:小林親弘
    富田菜々美:佐藤聡美
    新藤太一:興津和幸
    白木栄美子:茅野愛衣
    白木ミオ:小原好美
    河瀬:安元洋貴

  • 東野圭吾さんのSF作品。
    3月13日の13時13分13秒、街から人が消えた中、無人の東京に残された13人の男女が極限状態に追い込まれていく物語。
    500ページを超える長編ですが、追い込まれていく状況に目が離せなくなり、一気読みでした。
    リーダー的な立場にある誠哉は冷静で合理的な人ですが、それゆえに周りに理解されない考えに陥っていく。その他の登場人物も、善悪の区別がつかなくなっていく。人間の真理とはなんなのか、考えさせられました。SF作品ですが、実際に起きてもおかしくはないと思わせてくれるリアルさはさすがです。

  • 3月13日13時13分13秒。
    東京の街から人が消える。
    残されたのは13人の老若男女。
    地震、大雨、洪水…
    東京が廃墟と化していく…

    生き抜くために、協力する13人。
    1人、2人と…

    P-13現象とは何なのか…
    生き残れるものはいるのか…

    13人の共通項は途中から見えてきた。
    もうひとつの世界での生死がどうつながっていくのか…
    この世界でどう生きていくか…
    生きていれば、希望は見えてくる。
    どんな状況であっても生きることを最優先すべきだと。
    決してあきらめてはいけない。

    結果的に…

  • 読みだすと止まらない系。

    一瞬、『滅びの前のシャングリラ』と似てる?
    と思いきや、
    人類滅亡ではなく、
    人類消えちゃいました。というお話でした。

    13人をのぞいて。

    わずかな人間だけが生きる世界。
    通常の善悪が通用しない。
    その中で食欲、性欲、生きる欲と向き合うには。

    ハラハラドキドキ、
    ジェットスターに乗った気分で一気読みしました。

    最後にちょっとだけ救われるのはよかったな。

  • 突如人が消えた東京に唯一残された13人の男女。
    多くの困難と災害を目の前にしても生き抜こうとする者達。
    極限状態から見える人間の真理を描いた物語。
    SFかつサバイバルで疾走感ある展開。
    かなりのめり込んで読んでいました。
    この極限状態の世界と自分を重ね合わせ。
    自分はどう考えるか。そんな思いにもさせられました。
    終盤になってもどうなるか読めず。ラストで見た結末。
    こういう終わり方なのかなとも。

  • 「生きる意味を知るためには、ただひたすら生を求めるしかない」

    変わり果てた、瓦礫の東京ジャングルを生き抜くSF小説。
    パラドックス=論理的にあり得ない数学的矛盾。3/13、13時13分13秒に予測された時空の歪み。
    残された13人の共通点は⁈

    物語をどう終結させるのか?最後までハラハラした。本書は2009年に刊行、その後に東日本大地震が起こったわけで…。津波の映像とその後の町並みが脳裏に浮かんだ。

  • 突如として自分達13人の老若男女以外の動物が存在しない世界となった東京でのサバイバルを描いたパニック小説。問題発生と解決を繰り返しながら状況は悪化を辿るが、徐々にこの状況の謎と脱出する方法が朧げながら判明するが、その対処に意見が分かれていく。ラストは完全なハッピーエンドではなく、途中で?と思う箇所もあったが、楽しく一気読みした。

  •  久し振りに読んだ東野圭吾作品。SF要素を含むポストアポカリプスでのサバイバル。東野圭吾作品としては哲学的な示唆に富む。

     十三人の登場人物が個性的。自分としては、警視庁のエリート官僚で鋼鉄の如き合理主義者である誠哉と、途中から合流したヤクザの河瀬が推せますね。
     河瀬って粗暴な一方で、その実けっこうクレバーというか、いやに聡明なところがあったりするのが印象的でした。嘗てはSF小僧だったというバックボーンの表れですかね。

  • 13時13分13秒、街から人が消えた
    残されたのは13人の老若男女
    大雨と地震に襲われ崩壊していく街
    なぜ、この現象は起こっているのか
    なぜ、彼らが選ばれたのか

    東野圭吾、頭良すぎ!
    この現象、残された人、結末、謎のままではなくちゃんと納得できる理由があるのがよかった!

  • 東野圭吾さんの作品の中でも特にSF色の強い1冊。途中のサバイバルの真っ只中に放り込まれた人々、特に主人公の兄弟の口論の中に主題がある。なるほど。ただ、物語としては、『結局何だったんだ?この人達の苦労は?』って感じで、最後突き放されたような感覚がありました。

  • 苦手意識を持っていたSF要素を含む作品だったけれど、
    続きが気になりスラスラ読み進められた。
    普段の世界とは違う世界で生きる13人の心情と、それぞれの結末がリアルで良かった。

  • 東野圭吾がSFとは珍しいな、と思って手に取ってみました。
    もちろん面白かったのですが、やはり東野圭吾はミステリーの方が合っているな、とも感じさせられました。

  • もっと有名になってもいいと思う東野圭吾作品1位。
    東野圭吾作品といえば、リアリティのあるミステリーだが、本書はまさかのSFサバイバル。が、SFながらふわっとしたまま終わらず、しっかりと納得のできる結末が準備されているなど、東野圭吾の良さも残っている作品。
    こんなに駆け抜けるように読み終えた小説は久しぶり。
    ゲームとか漫画が好きな人は絶対好き。

  • 本当だったら死んでいたはずなのにp-13のせいで無理やり別次元の世界で生かされた。もし仮に皆んなが誠哉の言うことに従ってこの矛盾の世界で生きていくと決め、生きていくことができたらどうなっていたのか。その場合現実世界では同じように時が流れ、誠哉たちはそのまま死んだ存在になっていたのか。
     自分が普段何気ない生活をしていても不意にデジャブ感じる瞬間がある。それはもしかしたら存在しないはずの記憶が心のどこかに残っているのかもしれない。

  • 警察官の主人公は犯人から銃撃され、命をおとした・・・はずだったが、パラレルワールドに引き摺り込まれてしまう。

    同様に命を落としたりはずの人達と出会い、パラレルワールドから生還した先には!

    読み手の好みは分かれるような内容ですが、私的には好きな部類でした。

  • ファンタジーとも違いますし、SFなんですかね?
    今回は大がかりな話でしたね。
    映画になってしまいそうな。

    東野圭吾さんの作品は本当にテンポがいい。
    次から次へと何かが起こり、先へ先へと進みたくなる。

    結末を想像しながら読み進めるのですが、
    こうなって欲しい!という結末ではなかったな。。。

    ハッピーエンドなのかもしれませんが、
    もっとハッピーなのがいい!

  • 東野圭吾のSF小説は初めて読みました。
    ページターナーな作品。

    異世界転生モノが溢れている近ごろ+ 連載されていた2009年からは技術が進歩しすぎているので、もしスマホがある時代だとどんな物語になっただろうとも思ってしまった。

    自分勝手な行いをした人(老人は状況下ではやはり足手まといだから?)容赦なく死んでいく感じ。地球が鉄槌を下すのが怖すぎて。
    13:13を待つ時に、電波時計さえも人を滅ぼすために時を変えていたのが恐怖でしかない。。。

    誠哉さんが始終正しいなと思っていたけど、アダムとイブのイブになって欲しいと女性に頼むところは鳥肌が立った。きしょすぎて。村を作って人類を救いたいと急に言い出したので焦った。
    河瀬も悪いやつではなかったのにちょっと残念。

    東京が破壊されていく様子が辛かった。
    ひもじさや捌け口のない性欲、死への思い、こんなに過酷な状況で1ヶ月も私は生きていけるかな。
    SFなので、別の世界だとしか思えないけれど、大きい災害が起きた時には同じ経験をすることになるのかな。
    どんな理由があろうと生きることを選べば希望は見出せる世界だったらいいな。

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著者プロフィール

1958年、大阪府生まれ。大阪府立大学電気工学科卒業後、生産技術エンジニアとして会社勤めの傍ら、ミステリーを執筆。1985年『放課後』(講談社文庫)で第31回江戸川乱歩賞を受賞、専業作家に。1999年『秘密』(文春文庫)で第52回日本推理作家協会賞、2006年『容疑者χの献身』(文春文庫)で第134回直木賞、第6回本格ミステリ大賞、2012年『ナミヤ雑貨店の奇蹟』(角川書店)で第7回中央公論文芸賞、2013年『夢幻花』(PHP研究所)で第26回柴田錬三郎賞、2014年『祈りの幕が下りる時』で第48回吉川英治文学賞を受賞。

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