パラドックス13 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 7411
感想 : 546
  • Amazon.co.jp ・本 (576ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062778275

作品紹介・あらすじ

禁断のエンターテインメント、ついに解禁!
--これからの13秒間は、何も起こしてはならない。

13時13分13秒、街から人が消えた。無人の東京に残されたのは境遇も年齢も異なる13人の男女。なぜ彼らが選ばれたのか。大雨と地震に襲われる瓦礫の山と化した街。そして生き抜こうとする人達の共通項が見えてくる。

世界が変われば善悪も変わる。
殺人すらも善となる。
極限の状態で見えてくる人間の真理とは。
--この世界の謎を解く鍵は、数学的矛盾<パラドックス>にある。

感想・レビュー・書評

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  • 久しぶりの東野圭吾作品。

    梅雨時に、学校図書館にある雨の小説を探していて、見つけたのだが、かなりのページ数だったのでひとまず置いていた。

    12年前に単行本として出版された作品だが、今読んでもタイムリーな感じさえする。
    P-13現象による13秒の時間の歪みが、この地球にもたらすものとは…。

    ものすごく壮大な設定で、この話の着地点はどうなるのだろうか?という一点で、最後まで一気に読んだ。
    13人だけが生存する世界が現実の世界なのか、だとしたら、一瞬にして消えた人々は一体どこに行ったのか?
    やはりここは、歪められた空間に存在するパラレルワールドなのか?

    次々と起こる災害や13人のサバイバルの様子が、リアル過ぎるのだが、この小説自体が、東日本大震災の前に書かれていることにも驚く。
    存在すべきでは無い知性生命体を宇宙の摂理が抹殺しようとしている…というP-13現象にまつわる解釈は、今の地球に言えることのようで、この小説の中で起こる事象は、近未来の予告か?と思えるほど。
    2021.9.18

  • 突如人が消えた東京に唯一残された13人の男女。
    多くの困難と災害を目の前にしても生き抜こうとする者達。
    極限状態から見える人間の真理を描いた物語。
    SFかつサバイバルで疾走感ある展開。
    かなりのめり込んで読んでいました。
    この極限状態の世界と自分を重ね合わせ。
    自分はどう考えるか。そんな思いにもさせられました。
    終盤になってもどうなるか読めず。ラストで見た結末。
    こういう終わり方なのかなとも。

  • 「生きる意味を知るためには、ただひたすら生を求めるしかない」

    変わり果てた、瓦礫の東京ジャングルを生き抜くSF小説。
    パラドックス=論理的にあり得ない数学的矛盾。3/13、13時13分13秒に予測された時空の歪み。
    残された13人の共通点は⁈

    物語をどう終結させるのか?最後までハラハラした。本書は2009年に刊行、その後に東日本大地震が起こったわけで…。津波の映像とその後の町並みが脳裏に浮かんだ。

  • もっと有名になってもいいと思う東野圭吾作品1位。
    東野圭吾作品といえば、リアリティのあるミステリーだが、本書はまさかのSFサバイバル。が、SFながらふわっとしたまま終わらず、しっかりと納得のできる結末が準備されているなど、東野圭吾の良さも残っている作品。
    こんなに駆け抜けるように読み終えた小説は久しぶり。
    ゲームとか漫画が好きな人は絶対好き。

  • まさにSF
    いつか地球がこうなるのか?

  • 時間と空間を扱う小説は数多いがさすが東野圭吾、理解しやすい。
    物事の善悪は絶対的なものではなく、属するコミュニティにより揺さぶられる。
    自分の判断で悪と決めつけ他人を否定する行為は早計なのだろう

  • SF作品に見えて実は都市型サバイバル小説だ。

    エリート警察官僚の兄と、落ちこぼれ熱血刑事である主人公の弟を中心に(ざっくり言えば)ブラックホールの爆発で生じた13秒間のタイムスリップの狭間の世界に取り残された人々の東京でのサバイバルを描く。

    この兄貴がとにかくすごい。
    警察で培ったたぐいまれなる危機管理能力と人心掌握術をもち、被災後わずか数時間で防災無線で生存者を呼び集め、荒廃した東京で政府の機密情報を探り当て、わずかな天候の変化から河川の氾濫を察知し、電動ドリルと針金だけでマンションのドアをいとも簡単に開錠し、インフル患者をまとめて看病しても感染せず、愛用の腕時計は瓦礫や洪水をくぐり抜けても電波時計よりも正確に時を刻み続ける。
    そりゃ弟がひねくれるのも当たり前という、スーパー兄貴だ。

    そんな彼だから、他の登場人物が、必死で元の生活に戻れることを目指してサバイバルするなか、彼だけは新しい世界で(みんなで)生きていくこと選択する(そして、顰蹙を買う)。天才の発想は、たとえ合理的であっても、一般大衆には受け入れられない、という端的な事実だ。

    結局、一般大衆の代表たる弟だけが、なんとなーく兄貴を理解したところで、物語は終わる。

    いわば知恵の兄貴と、本能の弟が、サバイバルのなかでうまいこと折り合いをつけていくストーリーだ。

    長いストーリーの割に、一気読みできるのは、さすがの東野圭吾といったところ。
    感動よりもエンターテイメントを楽しむ作品なので、そんなスーパー兄貴の活躍をにやにやしながら気軽に楽しむことが一番、な作品。

  • 久々に独立した長編の東野圭吾作品を読みました。
    最初に書かれたのは2009年頃の作品です。

    冒頭からSF感満載の導入で始まるのですが、
    舞台はまさにSFという感じです。
    世界が同時に13秒間タイムスリップする、
    という事象がまず設定され、
    そうなった場合の矛盾から生まれる事象の中に
    巻き込まれた13人の男女を描いていきます。

    その設定の細かいところなどを書いていくとキリがないですが、
    さすが東野圭吾さんと思わされる筆力で
    実際にそういうことがあるのかもしれない・・・
    というくらいには説得力のある設定でした。

    設定はSFであるものの、
    主たる題材はどちらかというとサバイバル要素が強く、
    絶体絶命都市というアイレムのゲームが昔あったのですが、
    それの大規模版という印象を受けました。
    (なにせこちらは世界規模)

    世界から13人を除いてすべての人が消えてしまった、
    という状況を想定すれば大筋イメージできると思います。
    あらゆるインフラ、サービスが停止、破壊されていく中で、
    地震、豪雨、津波、地盤沈下など天変地異が襲ってきます。
    そんな中でどうやって生き延びていくかという姿を
    13人の男女に焦点を合わせて描いていくわけです。

    サバイバルの中でのカルネアデスの板のような選択が
    繰り返し繰り返し題材を変えて登場人物を襲ってきます。
    その中には食料、性欲、病気、倫理など
    いろいろなテーマで厳しい判断を考えることとなります。
    このあたりが一番の読みどころだったかなと思います。

    大オチとなる、世界の謎の解明と収斂は
    かなり力技のような展開で終わりに向かっていきますが、
    きちんと終わってくれる点は嬉しかったです。
    (読者に投げっぱなしで終わる系は余り好きではないので)

    しかしこれを2009年頃に書いてたというのだから、
    そのタイミングに驚くばかりです。
    2011年3月に東野さんはどう思ったんだろうなぁ。
    自分の書いたことが現実になってしまったのか?
    と1mmくらいは思ったのかもしれません。
    そして震災前に書いたこの小説の描写が
    震災当時に見た光景を充分に描いているというのが
    また驚きです。

    一気読みの一作でした。
    ぜひ、東野圭吾作品未読の方にも、既読の方にも
    読んでもらいたいと思える作品です。

  • 私的にあり得ない破滅系は好きなので評価は高めです。


    冒険物というか、クリムゾンの迷宮みたいなハラハラする展開が好みの方は合うと思う。

    あり得ないんだけど、今のこのご時世を見れば有り得ない事なんて無い気しちゃう。

    日本映画にありそうな脚本を読んでる感じはあった。

  • 友人からのお勧めで、購入を決意。
    東野圭吾さんの作品なので、またしても推理小説なのかなと考えていたのだが、私の想像とは全く異なっていた。
    これは、人が突然消えた世界でなんとか生き抜こうと努める13人を描いた話である。要するに、サバイバル小説だ。(謎めいた部分がないといえば嘘になるのだが、ミステリー要素を前面に出しているようには感じられなかった)
    これまでの既成概念や善悪の基準が通用しないことを、登場人物と共に考えさせられる内容だった。

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著者プロフィール

1958年、大阪府生まれ。大阪府立大学電気工学科卒業後、生産技術エンジニアとして会社勤めの傍ら、ミステリーを執筆。1985年『放課後』(講談社文庫)で第31回江戸川乱歩賞を受賞、専業作家に。1999年『秘密』(文春文庫)で第52回日本推理作家協会賞、2006年『容疑者χの献身』(文春文庫)で第134回直木賞、第6回本格ミステリ大賞、2012年『ナミヤ雑貨店の奇蹟』(角川書店)で第7回中央公論文芸賞、2013年『夢幻花』(PHP研究所)で第26回柴田錬三郎賞、2014年『祈りの幕が下りる時』で第48回吉川英治文学賞を受賞。

「2022年 『希望の糸』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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