海賊とよばれた男(上) (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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レビュー : 536
  • Amazon.co.jp ・本 (480ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062778299

作品紹介・あらすじ

すべてのビジネスマンに捧ぐ。
本屋大賞の話題作、早くも文庫化!

ページをめくるごとに、溢れる涙。これはただの経済歴史小説ではない。

一九四五年八月十五日、敗戦で全てを失った日本で一人の男が立ち上がる。男の名は国岡鐡造。出勤簿もなく、定年もない、異端の石油会社「国岡商店」の店主だ。一代かけて築き上げた会社資産の殆どを失い、借金を負いつつも、店員の一人も馘首せず、再起を図る。石油を武器に世界との新たな戦いが始まる。

石油は庶民の暮らしに明かりを灯し、国すらも動かす。
「第二の敗戦」を目前に、日本人の強さと誇りを示した男。

感想・レビュー・書評

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  • 60歳の男の人が主人公なのにこのドキドキ感ギラギラ感は何?
    国岡鐡造、底知れない男。
    石油の重要性に誰よりも早く気づいた鐡造は石油に情熱を注ぐ。
    そして、自分の利の為ではなく、消費者に石油を安く提供する為に様々なものと戦っていく。
    再現ドラマのように淡々と話は進んでいきとても読みやすい。
    難しい用語も特に出てこないのでよかった。
    満州事変のあたりが苦手でちょっと躓いたが、思わぬ人と再会でき目が醒めた。

    「石油の一滴は血の一滴」この言葉が頭から離れない。
    資源豊かなアメリカと戦争して勝てると思っていたのだろうか。
    石油がほとんどなくなった時に戦争をやめていれば、原爆投下はなかったのに。
    国岡のような男がもっとたくさんいたならとも思うけど、あの時代では誰がいても無理だったかな…
    戦後の国岡はどうなっていくのだろうか。下に期待。

  • 「出光」をモデルに、石油を武器として大正~昭和の激動期を生き抜いたある男の一代記。

    表紙を開けると、通常なら「本書にある人名・組織名はフィクションであり・・・」等と書かれている部分に、「この物語に登場する男たちは実在した。」とある。か、かっこええ・・・。

    その男、天下国家の大所に立ち、目先の益に拘泥しなかった。陸軍にもGHQにも、自分を疎み押しつぶそうとする同業者にも凜として屈することがなかった。社員を文字通り「家族」と考え、心底その幸福を考えた(社員への信頼ゆえ、勤怠表も定年制度もなかったという)。

    本当にこういう男がリーダーだったら、頑張って働いちゃうかもなあ。

    それにしても、いい男・いい話すぎる。

    一代で強大な組織を作り上げるには、きれいごとでは済まないだろう。どの程度までがフィクションなのかは分からないが、小説だし紙数もあるので、きれいなところだけつまんだんじゃないのかな。

    あと、他の登場人物・組織がほぼ実名で出て来るが、出光関係だけは仮名なのはなぜなんだろう?

    個々の描写はともかく、「石油を軸にして近代史を見る」視点は面白い。第二次大戦やオイルショックの背景や構図なども明解になる。

    この本を読んだ折も折、出光・昭和シェルの経営統合の話題がニュースになった。シェルと言えば、この本にも敵役として出て来る「セブン・シスターズ」の一角を源流とする。主人公「国岡鐡造」は、草場の蔭で何を思うだろうか。

  • 鈴木商店破綻や日章丸事件など、時代背景がリアルなノンフィクション作品。終戦後の荒廃した時から、メイン商材である油を扱えなくなって窮地に追い込まれても、何が何でも国岡商店を残して、店員の首を切らない。国岡商店が絶対に諦めないことが、日本全体の為になると考えて利益度外視で業務を遂行していく。店主の理念に惚れた店員たちが一致団結する姿は感動的でした。

  • ストーリーはいい話だ。主人公も魅力がある。でも何か物足りない。
    まるでプロジェクトXを見ているよう。頑張ってるな、よくできた人だな…と素直に思えるし雑学情報も得られる。
    しかし小説を読む醍醐味が感じられない。

  • 山崎豊子『不毛地帯』を思い出した。やはり石油にまつわる起業には伝説となる話が多いのか。まあ、どこの会社でもそれなりに創業者の伝説はあるだろうけど。
    国岡氏が理想とした企業の姿はどこまで実現できるのか。

  • 信念のある人は強い。
    それを再認識させられた本でした。

    国岡鐵造しかり、日田重太郎しかり、こうした強い信念を裏打ちしているものは何なのか、信念のない私としては知りたいところです。

    個人的に上巻のクライマックスは満鉄向けの機械油性能比較のところ。
    優れているはずの自分の油が満鉄の規格に合わないならば、規格を見直すよう満鉄に求めたり、アメリカのスタンダード石油と勝負したり、やはり強い信念の持ち主でないとできない所業だよなぁ。

  • 明治から昭和にかけて石油会社の奮闘劇を描いている。主人公国岡鐵造は何があっても諦めない。一度決めたことはやり遂げる。という芯の通り過ぎた男で、そんな彼だからこそ付いてくる部下も強靭で芯のできた人間である。どんな大きな圧力に対しても真っ向から勝負して行く姿は日本男児という言葉がぴったりで、こんな人が実在したんだと思うと、読んでいて武者震いが起きる。利益を顧みず、黄金の奴隷勿れという彼のモットーが彼を突き動かし、またその姿を見た人たちが心を打たれ彼に協力をし始める。昭和の初期はGHQや政府との対決はとてもかっこいい。
    頑張れ国岡と言いたくなるような作品。

  • 下巻にてコメントします!!...が。
    脱帽と、共感した本っす!!
    宮部さんが出てきた所は、何故かウルっときた。

  • 本の厚みに読めずにいたが、読み始めたら長さなんて感じない。すごく良い短編をいくつも読んでいるよう。最初から最後まで感動の連続。
    永遠の0と時代が重なっているので、補足しあえている。

  • すっごくおもしろかった。
    ごちゃごちゃ言わず、端的に起こったことや気持ちをずんずん書いてるからダイレクトに伝わる。
    小説としてはちょっと、みたいな感想が多いけど、想像力が少し足りないのかなぁと思う。端々で泣きどころ満載の熱い男気があふれてるのに。
    本を閉じる時間が惜しい。

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著者プロフィール

百田 尚樹(ひゃくた なおき)
1956年生まれ、大阪府出身の放送作家・小説家。『探偵!ナイトスクープ』の放送作家として活躍。
50歳の時にはじめて執筆した『永遠の0(ゼロ)』で作家デビュー。ヒット作となり、映画化されている。
ボクシング青春小説『ボックス!』が第30回吉川英治文学新人賞候補、第6回本屋大賞の5位に選出され、映画化もされた。『海賊とよばれた男』で2013年本屋大賞大賞受賞。コミック化、映画化された。

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