海賊とよばれた男(上) (講談社文庫)

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  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (480ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062778299

感想・レビュー・書評

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  • 本書をただのある石油会社の社長の自伝的小説と思ったら大間違いである。本書を通して国岡鐵造(出光佐三)という人物の生き様や信念が貫かれており、思わず男惚れしてしまった。商人は自己の利益を最優先に考えているものだと思い込んでいた私にとって、鐵造は規格外な人物に映った。歴史に即した内容となっており読んでいて非常に面白く、かつ非常に学びに富んだ作品である。特に人を束ねる立場にある人にお勧めする。

  • やはり歴史小説は面白い。

    ただ、なぜ主人公を実名にしなかったのかという疑問が最初にわきました。

    内容は個人の誹謗中傷など一切なくほとんど事実だと思われますが・・何か出光家から「待った!」がかかったのでしょうか?

    それにしても、敗戦で負け犬根性に成り下がっていた多くの日本人の中で、孤立無援でこれだけ自分の信念を貫きとおし、その夢を実現させた彼の手腕はやはり驚異です。

    その強引ともいえる手法には毀誉褒貶があるでしょうが、彼の信念に共鳴して集う多くの人間がいたという事実は、やはり魅力的な人たらしだったのでしょう。

    昔、「民族資本」って何だろう?と思ってはいましたが、「外国資本」と対義語で使われていたのですね。

    こうした事実をもっと早く知っていれば、出光SSでしか給油しなかったのに・・

    とはいえ、企業の神格化はいけませんので、問題も指摘しておきます。

    諸問題:(ウィッキペディア)
    ・出光タンカー廃油投棄事件 - 1980年(昭和55年)
    出光のタンカーが洋上に廃油を不法投棄していた事件が発覚した。
    出光は原油を運んだ空きのタンカーに廃油を積み込んで洋上で投棄していた。
    当時、国会でも海洋汚染の問題として取り上げられた。

    ・公害防止協定の虚偽報告 - 2003年(平成15年)
    愛知製油所において、愛知県および知多市との公害防止協定に基づく報告データを虚偽報告した。
    2003年(平成15年)1月から2005年(平成17年)12月までの3年間、愛知県および知多市に報告した管理項目の報告データ1,454件中584件において測定データと異なっており、報告値を改ざんしていた。
    この虚偽報告のうち、ばいじん総排出量1件、ばいじん濃度16件の協定値超過であった。
    なお、ばいじん濃度16件中2件は「大気汚染防止法」および「電気事業法」の規制値を超過していた。
    本事件は、電気事業法に関する中部近畿産業保安監督部の立入り検査(2006年(平成18年)2月22日)中、過去のばい煙管理項目について整合の取れない記録が確認されたことを契機に社内調査した結果判明した。

    ・北海道製油所の火災不届け事件 - 2003年(平成15年)
    北海道苫小牧市の製油所における火災を消防署に届けず、報道された。

    最初のタンカー廃油投棄事件は出光佐三が経営から既に退き、第4代の社長の時、しかも亡くなる1年前の出来事ですので、社名に泥を塗ったと烈火のごとく怒ったのでしょうね。

    ヤマト運輸もそうですが、創業者がどんなに偉くても、その魂を引き継げない経営者にバトンタッチされると企業は容易に腐っていくという事例なのかもしれません。

    文庫本での堺屋太一氏の解説は、元通産官僚としての「官僚の倫理と論理」について説明をしています。

    ことごとく出光を目の敵にした当時の官僚には「愛国心」がないのかという疑問に対し、戦後の復興期に必要だった「供給安定、過当競争排除」こそが優先されるべき目標だったとしているが、抜け落ちているのは技術革新や企業努力によってのコスト削減での消費者への利益還元だったと告白しています。

    ただし、官僚の企業寄りのスタンスは未だに彼らの省益確保という名目で温存されているのには困ったものです。

    そして百田氏がこの小説を書くきっかけになったのが、

    朝日放送の人気番組『探偵!ナイトスクープ』に「アポロマークの首から下はどんな感じなのか調べてほしい」という依頼が送られたことがある。
    ちなみに同番組のチーフ構成作家・百田尚樹は、後に創業者の出光佐三と日章丸事件をモデルとした小説「海賊とよばれた男」を著している

    というめぐり合わせだったことも面白い。

  • 石油と歴史の関わりが知れた。

  • 『35年後、日本人が誇りと自信を持っている限り、今以上に素晴らしい国になっておる。』

    実はハードカバーの頃にも購入しましたが、まったく読まずに売却してしまいました。しかし、2016年に映画を観て原作を読みたくなり、文庫本を購入したのでした。まあ、本との出会いもタイミングがありますから。



    国岡商店が成長する前、当時でもありえないような巨額の融資をしていた銀行がありました。何故、そんな融資が昔とはいえ成立したかといえば頭取決済だったからでした。

    国岡鐡造をよく知る門司支店の支店長が鐡造から融資を頼まれ、頭取のもとへ直談判しに行ったところ、頭取は「国岡鐡造という男に会わせろ」と言い、数日後に鐡造が頭取の自宅を訪れました。初めて顔をあわせた2人はしっかりと相手の目を見つめ、その後は庭を眺めながら終始無言のまま別れたそうです。しかし、まるで禅問答のようなこの時間を経て、頭取は国岡商店への融資を認めたのだそうです。(映画にこのシーンがないのは残念)

    ただ、対面して同じ場にいるだけで認められる人間とは、どのような人でしょうか?私にもお会いした瞬間、「この人は本物だ!」と感じた人がいます。国岡鐡造、改め出光佐三はどれほどの器をもつ人だったのか?考えただけで身体が熱くなります。

    どんな組織であれ、そのリーダーのあり方が組織を決めると改めて感じました。その偉大なリーダーである出光佐三が50年前に創業55周年祝賀会の光景を眺めながら側近から35年後の日本について訊かれ、答えたのが冒頭の言葉です。

    『日本人が誇りと自信を持っている限り、今以上に素晴らしい国になっておる。』

    出光佐三さんに恥じない日本にしたい!大きなことを言うようですが、私が出来ることはすべてやります。全力で。

  • 正しいことを貫くタイプのストーリーでどんどん引き込まれる。
    あえて時系列にせず終戦直後から話を始めるのもうまい。

  • 映画は見ていないが、いつか読もうと思っていた。
    感動する。

  • 本好きの上司に頂いた本。
    1ページ目から滅茶苦茶面白かった。早く続きが読みたいのに、また1ページ目に戻り読んでしまう…。
    ウチの会社の社長に読ませたい。笑

  • 本はぶあついが、いっきに読んだ。

  • 映画が先。
    2時間じゃ納まってないんだな~と思って読みたかった。
    確かに収まらない。
    この行ったり来たり感、むしろ時系列の方が解りやすいか…?

  • 文句なしの最高傑作!!

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著者プロフィール

百田 尚樹(ひゃくた なおき)
1956年生まれ、大阪府出身の放送作家・小説家。『探偵!ナイトスクープ』の放送作家として活躍。
50歳の時にはじめて執筆した『永遠の0(ゼロ)』で作家デビュー。ヒット作となり、映画化されている。
ボクシング青春小説『ボックス!』が第30回吉川英治文学新人賞候補、第6回本屋大賞の5位に選出され、映画化もされた。『海賊とよばれた男』で2013年本屋大賞大賞受賞。コミック化、映画化された。

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