海賊とよばれた男(上) (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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レビュー : 534
  • Amazon.co.jp ・本 (480ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062778299

感想・レビュー・書評

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  • 「出光」をモデルに、石油を武器として大正~昭和の激動期を生き抜いたある男の一代記。

    表紙を開けると、通常なら「本書にある人名・組織名はフィクションであり・・・」等と書かれている部分に、「この物語に登場する男たちは実在した。」とある。か、かっこええ・・・。

    その男、天下国家の大所に立ち、目先の益に拘泥しなかった。陸軍にもGHQにも、自分を疎み押しつぶそうとする同業者にも凜として屈することがなかった。社員を文字通り「家族」と考え、心底その幸福を考えた(社員への信頼ゆえ、勤怠表も定年制度もなかったという)。

    本当にこういう男がリーダーだったら、頑張って働いちゃうかもなあ。

    それにしても、いい男・いい話すぎる。

    一代で強大な組織を作り上げるには、きれいごとでは済まないだろう。どの程度までがフィクションなのかは分からないが、小説だし紙数もあるので、きれいなところだけつまんだんじゃないのかな。

    あと、他の登場人物・組織がほぼ実名で出て来るが、出光関係だけは仮名なのはなぜなんだろう?

    個々の描写はともかく、「石油を軸にして近代史を見る」視点は面白い。第二次大戦やオイルショックの背景や構図なども明解になる。

    この本を読んだ折も折、出光・昭和シェルの経営統合の話題がニュースになった。シェルと言えば、この本にも敵役として出て来る「セブン・シスターズ」の一角を源流とする。主人公「国岡鐡造」は、草場の蔭で何を思うだろうか。

  • ストーリーはいい話だ。主人公も魅力がある。でも何か物足りない。
    まるでプロジェクトXを見ているよう。頑張ってるな、よくできた人だな…と素直に思えるし雑学情報も得られる。
    しかし小説を読む醍醐味が感じられない。

  • 出光佐三氏をモデルとした一代記の上巻。整然としたテンポの良い文体でサクサク読めます。個性の強い主人公の破天荒な経営にはいちいち驚嘆するばかり(これで事業が上手くいくとは俄かに信じがたい)ですが、小説的誇張もあるのでしょう。一方で「石油」をキーワードに大正・昭和の産業、また戦争の歴史をたどりなおすことができる点が、本書の魅力ではないでしょうか。

  • 旦那さんに私には無理かもしらんね…と言われてましたが、『ゼロ』も挫折したから今度こそは!と読んでみた。
    結果、惨敗。
    いや、読み切ったけど…なんの修行かッてくらい辛かった。

    とにかく主人公が凄い人過ぎる。
    崇高で高邁な理想を持ち続け、その実現に向けてたゆまぬ努力をする。
    ブレないし諦めないし逃げない。
    弱気にもならないし挫けそうにすらならない。

    本を読む時ってどっか誰かに共感したり感情移入したりするけど、いやいやいや、ムリムリムリ。
    こんな超人で聖人のどこに共感しろッて。
    つまり何が言いたいかっていうと、卑屈で後ろ向きな私にはキッツイよ!ッていう。

    イランに船を出したり短納期で製油所をつくるとこなんかは胸アツだったけど、主人公と言うよりチームワークに感動したし。
    でも人気なんだよね?
    楽しめない自分が残念。

  • 石油会社の店主である国岡鐵蔵の性格の良さ、男気、考え方すべて素晴らしい。こんな人いるの?!と。ただ、やっぱり百田尚樹の書き方が好みじゃない。話自体は面白いのに全く引き込まれないし、退屈。映画化するらしいから映画に期待する。

  • 石油会社「国岡商店」店主の国岡鐵造という人の物語。主人公の国岡鐵造という人物がかなり美化されて描かれています。これが全部事実だとは信じ難いです。というか、この本は、ただの伝記ですね。作家独自の発想が入り込む余地もないですし、その当時の情報と国岡鐵造の業績が記されただけの内容であり、百田尚樹さんが書く必要あったのかなと思いました。実際、国岡鐵造の存在自体知りませんでしたし、百田尚樹さんが書いてなかったら読む機会もなかったとは思いますけどね。

  • 15.10/?
    ちょっとご都合主義というか理想主義な気がした。

  • 2015年7月

  • 20150515
    出光佐三の人生は素晴らしいので別の本で読もうと思う。百田尚樹は、どうやら相性が悪い。企画力と構成力以外に、感じるものが無い。

    ―人間尊重

    ―黄金の奴隷たる勿れ

    ―「ただし、ひとつ言っておく」と鐵造は言った。「うちの給料は安いぞ」武知はニヤッと笑った。「知っています」(中略)鐵蔵は立ち上がって武知に握手を求めた。六十一歳とは思えぬ力強い手だった。「今日から君は僕の家族だ」

  • 一文が短く、さほど読解力がなくともサクサク読める。キャラの造形が漫画チックで分かりやすい一方で、人間的な深みがない。
    読者はなにも考えずに読める。思った通りにことが運ぶ。裏切られることはなにもない。要するにスポコンと同じ構造だ。漫画であれば、圧倒的な画力や構成で引きつけることもできるし、名作はいくつもある。小説でも文章力で何とかなるだろうが、本作はそのレベルではない。
    漫画版をオススメする。

    あと、いらない部分が多い。章の枕とか。結局それが言いたいだけなんじゃないのと感じて気が滅入る。

著者プロフィール

百田 尚樹(ひゃくた なおき)
1956年生まれ、大阪府出身の放送作家・小説家。『探偵!ナイトスクープ』の放送作家として活躍。
50歳の時にはじめて執筆した『永遠の0(ゼロ)』で作家デビュー。ヒット作となり、映画化されている。
ボクシング青春小説『ボックス!』が第30回吉川英治文学新人賞候補、第6回本屋大賞の5位に選出され、映画化もされた。『海賊とよばれた男』で2013年本屋大賞大賞受賞。コミック化、映画化された。

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