海賊とよばれた男(上) (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 11610
感想 : 708
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  • Amazon.co.jp ・本 (480ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062778299

作品紹介・あらすじ

すべてのビジネスマンに捧ぐ。
本屋大賞の話題作、早くも文庫化!

ページをめくるごとに、溢れる涙。これはただの経済歴史小説ではない。

一九四五年八月十五日、敗戦で全てを失った日本で一人の男が立ち上がる。男の名は国岡鐡造。出勤簿もなく、定年もない、異端の石油会社「国岡商店」の店主だ。一代かけて築き上げた会社資産の殆どを失い、借金を負いつつも、店員の一人も馘首せず、再起を図る。石油を武器に世界との新たな戦いが始まる。

石油は庶民の暮らしに明かりを灯し、国すらも動かす。
「第二の敗戦」を目前に、日本人の強さと誇りを示した男。

感想・レビュー・書評

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  • 2013年本屋大賞受賞作品
    「永遠の0」が最高によかったので百田さんのこちらの大作も読んでみたく購読。

    上下巻ある為、下巻の方を読み終えてから感想を書こうと思っているのだが上巻だけでも内容が濃く主人公の国岡に強く惹かれている。

    上巻は国岡の出生から学生時代、就職時代、国岡商店の立ち上げ、苦難、開戦、終戦までの物語。

    国岡、国岡の店員達がこの先戦後の日本をどう生きていくのか?
    楽しみだし、自分の中での気付きや教訓みたいな物も期待している。

  • 「この物語に登場する男たちは実在した」
    のっけからテンションあがります。

    国岡商店の従業員がとにかく凄い。
    店主、国岡鐡造の凄さもよく分かったつもり。

    だけども、戦争、男尊女卑、権力など、時代背景によるさまざまな違和感を一旦飲み込んだ上巻でした。

    さあ、海賊の生き様を見届けさせていただきましょうか。

  • 父が愛読していた本でもあるため読んでみました。
    まず思ったのは、新たな技術の革新とともにその覇権を握ろうとすることから戦争が始まるのだときづけました。
    第二次世界大戦では石油が鍵になっていたとこの本を読むと知ることが出来ました。
    近年ではAIやインターネットにより技術によって争い事が起きるのではないかと読む度ヒヤヒヤしました。
    しかしその脅威の成れの果てに国に全てを委ねて統制しまくった結果全てのスピードが落ち恐ろしい事になると下の長い解説で身に染みて感じることが出来ました。

    日本では「組織」が作られる→トップが決まる→下部組織が作られその管理者が決まる→順次下部組織が作られる→最終的に大組織の完成
    小さいことを決めるにも上に伺う。巨大組織は非常に柔軟性のない組織になる
    自由主義経済の下では全てのものが政府の統括ではない。自由に販売をする
    →あらゆる物資が欠乏してる日本では統制及び配給もやむを得ない。しかし経済は生き物のように管理しようとしても、計算通りには動かない。市場が混乱すると、1番損をするのは消費者であり、最も得をするのは利権をもったものたちになる。→共産主義の経済を見ればわかる

    主人公の言葉に

    「エネルギーの出方が恐怖より愛で動く
    その愛のパフォーマンスで人を動かしてきた」

    という言葉があります。
    この一文だけで主人公の理念や人柄がにじみ出ていると思いました。

  • 震えます。何度も。
    「士魂商才」「店員は家族」「大地域小売」
    その信念・生き様を見て奮い立ちます。最高。
    下巻が楽しみです。

    ⚫︎日本の女として、凛とせよ。
    (空襲時の多津子への言葉)

    ⚫︎人間尊重、就業規則も出勤簿、馘首も定年もない。
    自分に子供ができないのも、店員たちをしっかり育てよとの天からの言葉だ。

    ⚫︎「一緒に乞食をしよう」
    ただ信念だけが言わせた言葉だった。信念を失えば身体が生き延びようと、死んだも同然。

    ⚫︎GHQも恐れない。サムライのような男。そして海賊と呼ばれた男。
    門司、下関の漁船の運搬船の燃料7割を賄った。
    石油特約店たちは暴れ回る国岡商店の伝馬船を見てそう呼んで怖れた。

    ⚫︎油のタンクに笑顔で潜る男たち。生き甲斐と喜びをもっていなければ、あんな表情はできない。

  • 今まで読んだ小説の中で1番面白い良かったです。
    組織で働く人に、「働くことへのモチベーション、やりがい、帰属意識」などについて問いかけてくれる内容です。本書を読んだ後、誰かのために尽くしていこうと思えるようになりました。
    また、戦前、戦中そして戦後の石油産業の勃興と大戦の史実が詳しく説明されており歴史を学ぶ楽しさを知ることができた一冊でした。本当に良かったです。

  • 胸熱♪
    年表を読んでるみたぃだが しっかり物語にもなっていて モデルになった出光佐三 の事をもっと知りたくなった。

    「黄金の奴隷たるなかれ」今の世の中にこそ、そぅあるべきだと思う。

    そのまま 下巻へ

  • 上・下巻、完読。

     序章の前にある一文。「この物語に登場する男たちは存在した」シンプルなメッセージが素敵すぎる。

     目まぐるしい時代背景の詳細な描写、主人公(国岡)が手がける事業展開のスピードに追いついていくのが大変だった。正直、読むことに挫折しかけた。しかし、下巻は感動と涙で溢れかえった。読み続けて良かったと思った。

    感想の詳細は下巻へ


  • 石油を武器に、敗戦した日本の再起を図った国岡鐵造の物語。

    歴史小説が得意ではないなかったが、アツい男の姿に惹かれてとても面白く、下巻が気になった。

  • 石油の一滴は血の一滴!
    日本敗戦の背景に石油が大きく関わっていたとは考えたこともなかった。
    百田さんの作品なので史実に則った作品なんだと思う。日本は負けるべくして戦争に負けた。軍部の過ちが多かったのは事実だが、日本が戦争という渦に飲み込まれ抗えなくなったのも致し難く感じた。

    この作品を読んで、正直、自分は国岡商店で働きたくないかな〜と思った。完全なブラック企業だし!でも、戦後を生きてきた人達はそこに楽しみを見つけられたのかもしれないですね。会社の利益より国の利益を優先!恐れ入ります。

  • (上下巻合わせてのレビューです。)

    数年前、本屋大賞に選ばれて、ドラマにもなり、話題になった本。
    機会があってようやく読めました。
    上下巻あって、結構なボリュームかつ壮大な物語。

    ガソリンスタンドでよく見る出光の出光興産を創業した
    出光佐三氏をモデルとした物語。
    戦前に創業し、海外展開していたものの、
    敗戦により海外資産をすべて失い、
    またゼロから組織を発展させた出光氏の壮大な物語は、圧巻の一言。
    特に出光氏の価値観・哲学にブレがなく、読んでいて気持ちが良い。

    上巻は、GHQに戦犯扱いされてしまった主人公の戦いが、
    後半はイランからの石油輸入劇がクライマックスか。
    上巻は期待していたほどでもなかったかな…と思っていましたが、
    下巻に行くに従って、物語が壮大になっていって段々面白くなってきました。

    ただ、テーマが石油なんですよね。
    気候変動の面から、これからはどんどん戦犯扱いされていきそうな石油。
    そういう意味では、段々読まれなくなっていく本なのかな、とちょっと寂しさも感じた本でした。

    あと、イランの歴史をあんまり知らなかったのですが、
    (この本に書かれたことが真実であれば)
    今のアメリカと敵対しているイランを作り上げたのって、
    アメリカの自業自得のような気がしました。。
    改めて、正義の難しさを感じました。
    (それぞれの国に正義がある。)

    個人的には、「永遠の0」の方が好みですが、
    こちらも著者の対策であることは間違いないですね。

    ※永遠の0
    https://booklog.jp/users/noguri/archives/1/406276413X

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著者プロフィール



「2022年 『橋下徹の研究』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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