海賊とよばれた男(下) (講談社文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (448ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062778305

作品紹介・あらすじ

この男の生き様は美しい。
本屋大賞の話題作。読まずに語るな。

愛する家族、社員、そしてこの国の未来のために。
この奇跡のような英雄たちは、実在した。

敵は七人の魔女、待ち構えるのは英国海軍。ホルムズ海峡を突破せよ! 戦後、国際石油カルテル「セブン・シスターズ」に蹂躙される日本。内外の敵に包囲され窮地に陥った鐡造は乾坤一擲の勝負に出る。それは大英帝国に経済封鎖されたイランにタンカーを派遣すること。世界が驚倒した「日章丸事件」の真実。

若き頃、小さな日本の海で海賊とよばれた男は、石油を武器に、世界と対峙する大きな野望を持っていた。
「ゼロ」から全てが始まる。

感想・レビュー・書評

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  • ふーーーーー。
    読んだぞ読み切ったぞ。
    頭の中で♪風の中のすばるー♪とBGMが勝手に流れながら、時に熱い涙を流しながら、最後の解説まで全部読み切った!
    もう凄かった!としか言いようのない読後感。充足感。
    しかし、日本人って昔からこうなの?
    出る杭を打ちたいのが日本人なの?
    自分で努力もしないくせに勝手に妬んで僻んで蔑んで陥れて?腹立つよねー。
    あ、脱線した。
    足並みを揃えるのが美徳なのかもしれないけど、良いところ、良いものは良いと認めて伸ばせる社会になろうよ。
    それでも己の信念を曲げずに戦う姿に部下は皆信じて付いていったんだよね。
    私はさ、今まで社員になったことがないのね。
    いや、ずっと働いてはいるのよ?正社員になったことがないってだけで。
    やっぱり上に立つ人って大事で、この人の下だから働こうって付いていこうって思うし、こんな人の下にいるくらいなら辞めようと思って辞めたこともある。
    今の日本ってどうなんだろう?
    政治家も大企業の社長も確固たる信念を持って仕事をしているのかね?
    自分の仕事に誇りを持っている人ってどのくらいいるのかね?
    まぁそんな私も偉そうなことを言える立場ではないので。
    物が溢れる程にありすぎるこの時代、未来に希望が持てる社会にしたいよなー。と改めて思う私なのでした。

    • 翠さん
      (*≧∀≦*)
      ◯ロジェクトX…!!(言いたかっただけ笑)
      (*≧∀≦*)
      ◯ロジェクトX…!!(言いたかっただけ笑)
      2024/09/13
    • コルベットさん
      さいごのエックスのエコーまでちゃんと聞こえましたw
      さいごのエックスのエコーまでちゃんと聞こえましたw
      2024/09/13
    • 翠さん
      ヽ(*^ω^*)ノ
      ヽ(*^ω^*)ノ
      2024/09/13
  • 「日本人たれ!」
    それを貫いた経営者、国岡鐵造の一生を読み終えた。
    つねに四面楚歌の状況で、喧嘩を仕掛けた風雲児。
    強引な命令に答えることが喜びという部下たち。この部下がいなければ彼の成功はなかったと思うが、それも彼の人間を信じるというポリシーがあったからこそ。
    ちょっとご都合主義的に物事が進むきらいもあったが、昭和を駆け抜けた傑物の一生を堪能した。

  • 2013年本屋大賞受賞作品
    以前に読んだ「永遠の0」と似ているのだが、また一味違う読後感。
    この作品も自分が今まで読んだ本の中で最上級の作品だと感じている。
    出光の創始者である出光佐三さんがモデル。史実とフィクションが組み込まれながらの作品で凄く読み応えのある作品だった。

    国岡鐵造の日本男子としての格好よさが終¹始作品に溢れている。その根底にあるのは人間尊重の精神。強く愛が含まれている。
    こんな男になりたい、目指したい、なってみせたいと作中何回思った事か…

    感想を書こうと思えば作中の様々な局面で幾らでも書けそうだが、つまるところはやはりどの場面でも「愛」だろうと感じる。
    なかでも日田重太郎とのエピソードが最高に胸を打つ。友情とも愛情とも仲間ともなんとなく違い、精神上の繋がりという感じの関係性は言葉では言い表せない。そんな間柄の人は自分にはいない。
    素直に羨ましかった。
    作品とは違うが読後二人を調べてみれば年老いた日田さんが和装で椅子に座り、その後ろからスーツ姿の年老いた出光さんが日田さんの両肩から両手をまわしている写真を発見した。二人の少年のような笑顔で胸がいっぱいになった。
    なんという写真だろうかと胸がつまる。

    最後「仙厓和尚」の「双鶴画賛」に看取られて鐵造は息を引き取る。戦後生き抜く為に一度手放したが再び戻ってきた絵。
    一方の鶴は国岡自身だろう、もう一方はと考えた。色濃い国岡の人生の中で当てはまる人物は幾らでもいる。それもそうだろうとも思うが、そのもう一方の鶴は日本という国にも感じられる。そうして考えてみると国岡だったはずの鶴は今を生きている自分たち日本人に向けている未来になっているのでは?とも感じられた。

    士魂商才、自分も飲食店の店主として忘れないように、また何度でも読んでいこうと決意している。

  • 海賊は、道無き道を切り拓いた偉人でした。

    偉人の生き方をとやかく言うつもりはありませんが、最初の奥さまユキさんとの関係は残念でならなかった。最後の最後に触れてくれたのだが、んー、救われなかった。鐡造の本心なのか?
    モデルとなった人物についてはあらためて色々調べてみたい。

    「私は、人間を信頼するという考え方を広めていくことこそ、日本人の世界的使命と言っています」

    再確認→戦争は本当に本当に愚かなこと。

  • 最高でした。
    あの出光興産の創業者である出光佐三の若き日々から亡くなるまでの物語(作中では国岡鐡造の国岡商店)。
    石油業界にこんな歴史があるなんて知らなかった。
    恐らくすべてノンフィクション。
    事実は小説よりも奇なりという言葉があるけど、どんな物語より劇的な人生だと思う。
    歴史や日本史に詳しくなくても、難しいところはサーっと流して問題ない笑
    充分すぎるほど楽しめた。ガソリンスタンド通る時に見る目変わる。
    出光佐三さんが同じ日本人で良かった。
    若い人こそ読むべき作品だと思う。

  • 自分の正義を生涯に渡って貫いた偉大な人の物語でした。
    常に利己的ではなく、日本人、店員のことを第一に考えること。
    人が何よりも大切であることを改めて教えられるような一冊だった。

    こんなかっこいい人になりたいと思う。

  •  主人公(国岡)は、隙あらばチャンスと考え、事業を拡大していく。その豪快さと勘の鋭さに驚嘆した。学生の時から、これからは石油の時代になる。と考えていたことも、圧巻させられた。海賊とよばれてきた意味がすぐに分かった。

     国岡は強さと優しさを併せ持つ男であった。

     社長(国岡)と従業員の信頼ある関係性に心を奪われた。国岡は社員を家族と考え大切にしていた。従業員も皆、彼の魅力に惹きつけられた。

     「国岡と共に懸命に働くこと」この志を共有した仲間たちとの仕事は、何よりも尊い喜びであった。人からの温もりに満ちた職場は、厳しい環境であっても、きっとかけがえのないものなのだろう。自分も身を置いてみたいと心から思った。

     日章丸がイランへ向かう旅路の場面が一番好きだ。死と隣り合わせの航海に、快く承諾した船長(新田)。彼の巧みな技術、責任感、優しさが魅力的だった。ドキドキ、ハラハラの展開に胸が高まった。新田と乗員達とのやりとり、国岡からの手紙に何度も涙で溢れかえった。

     国岡は家族、社員だけでなく、消費者の気持ちを尊重し続けた。利益より世界中の消費者側に寄り添う信念に感銘を受けた。さらに、日本の為、他国の為に舵を取る仕事のやり方は彼にしかできないことだと思った。世界の偉大なる父のように感じた。

     生涯を通して「人は財産である」と人を心の底から大切にする生き方。純粋に素敵だと思った。

  • 学生時代の4年間、出光のガソリンスタンドでバイトしていた私にとって、多少出光佐三氏は知っていたのだが、これほど過酷な環境を生き抜き歴史が作られていたことはまったく知らなかった。
    当時控え室に出光佐三氏のお言葉が飾られていたのを思い出す。(内容までは覚えていないが)

    自伝的小説なのだがミステリーのように先が気になり、当時の状況と重なりあうと歴史書のバイブル的な様相も呈する。
    石油業界のこれまで、国岡商店(出光興産)のこれまでを今更ながら知ることが出来て大満足の一作。

  • もぅ一気読み。なのに途中 涙で何度も……
    伝記であり物語でもあり道徳の教科書でもある。

    出光のホームページ 「5つの主義方針」も読んだ、互譲互助、無我無私 心に刻みました。

    出光佐三 カリスマ経営者と言うより「国士」ですね。
    いゃ、戦後復興にあたった日本人 全てが国士だったのだなぁっと 今日を感謝!

    誇りと自信を失わずにいよう。

  • 学校では教えてくれないような日本の歴史が勉強できる名作!中学くらいの日本史で教えてくれれば歴史に興味を持ったかも。
    今も続くイランとアメリカの関係は石油が大きく関わっていたとは。イランに同情してしまった。。
    しかし色々とイギリスの歴史って真っ黒だな!

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著者プロフィール



「2022年 『橋下徹の研究』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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