薔薇を拒む (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062778343

作品紹介・あらすじ

陸の孤島で起きた殺人をめぐり、屋敷に関わる者たちが疑心に陥る。悪意すら美しく描かれる新感覚ミステリー。著者講談社文庫初登場!

感想・レビュー・書評

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  • 事情があって施設で育った博人は、同じような境遇で育った樋野と共に山奥の洋館で働き始める。
    他に居場所があるわけでもない二人は、少しずつだが洋館での暮らしに馴染んでいく。
    意外にも博人は、ゆったりと自分だけの時間を過ごすことが出来る生活を楽しんでいた。
    少しでも長く、この洋館での暮らしを続けたいと願うほどに。

    やがて博人と樋野は洋館に住む令嬢・小夜に恋をする。
    それぞれ心に傷を持つ博人と樋野。
    大切だからこそ近づくことをためらってしまう博人。
    大切だからこそ壊してしまいたいという破壊衝動をかかえている樋野。
    同じように傷を隠したまま生きてきた小夜には、二人はどんなふうに映っていたのだろうか。
    彼らが洋館に雇われた理由もすべて知ったうえで、彼らを受け入れていた彼女は哀れだ。
    けれど、結局のところそれも自己満足でしかない。
    館に住む人それぞれが本当の気持ちを隠し、表面上を取り繕っていたために少しずつ歪んでいく世界。
    人は誰でも身勝手な部分を持っている。
    だが、それをあからさまにしないのは第三者の目があるからだ。
    ストッパーとなるべき存在がいないとき、人の欲望はどす黒いものへと変化していくのかもしれない。
    博人は結局幸せになったのだろう。
    それが真の幸せと呼べるものかどうかは別として。

  • 心に闇を持つ少年が山奥の館で過ごす数ヶ月。
    近藤さんの本は読みやすいし、ぐいぐい引き込まれて一気に読んでしまった。山奥の館、湖畔、美しい少女、そして殺人事件…物語の中に流れる耽美な世界観が好きだ。
    事件の結末(犯人とか…)についてはあっさりとしていたが、その後の展開にゾクッときた。

  • デビュー作「凍える島」が好きで、近藤史恵にはまった人間ですから、嬉々として買った。ちなみに「ガーデン」も好きだし、「桜姫」も、「青葉のころは…」も大好きである。
    この話は、ミステリーでは、ない。と思う。しかし、こういう痛々しい青春群像劇はやはり、このひと特有の崩れない退廃的な世界観がここちよく、満足して読了した。
    うつくしい少女、血のつながらない母、少女に焦がれるもと「殺人者」たる少年二人。閉ざされた館。
    こういうのがもっともっと読みたいのよー。とぼやいてみる。世間の需要に逆らっている気がするけど。もとめてるのですよ…。

  • 人里離れた金持ちの邸宅にやとわれた少年二人。設定が現実離れしていたがなかなか面白かった。

  • 孤立した山の中に暮らす人々。こんな組み合わせで、間違いが起こらない方がおかしい。
    まるで、起こってほしいと願っているような…?人里離れた屋敷、不可解な殺人とくれば
    クローズド・サークルものへの期待が高まりますが、本作はそれとは違うタッチの作品です
    辛すぎる過去、心の闇、秘めたる激しい恋心…。どことなくゴシックでロマンティックな雰囲気がある物語。
    ハッとする仕掛けもあり、ボリュームのわりに楽しめた一冊でした。

  • 作者の作品は読みやすいし、ストーリーにも深みがあります。思慮深い主人公目線で多く語ってくれるので感情移入しやすく、読みながら色々と考えさせられます。
    復讐に多くのお金を掛けリスクを背負う価値を見出すほどの光林氏の卑屈な感情が理解出来ないかな。また、小夜が以前の人同様に樋野に惚れた振りをしているほうがなんとなくしっくりくると思いながらも、より印象深い結末のためには仕方ないか。小夜が樋野に惚れるためのもう動機が欲しかったと思う。

  • 2017年8月29日読了。
    2017年49冊目。

  • 視点人物の性格設定が好きだった。
    一人で静かに過ごせる環境は素敵ですよね。
    ゴシックロマンは良いなあ。
    ラスト、ほんとは想いは通じてるんじゃないかな?と予想。

  • ただ後味が悪い
    結局だれが可哀想なのかも分からない

  • 両親を亡くし、施設で暮らす17歳の博人。
    人里離れた洋館で住み込みで3年間働けば大学の学費と生活費を負担してくれるという仕事に惹かれ、同い年の樋野とともに屋敷で博人は働き始める。
    屋敷の娘・小夜に博人は恋心を抱き、穏やかな生活を送るが、殺人事件が起こる。

    なぜ暗い過去を持つ少年二人が集められたのか、屋敷の人々が持つ秘密は何なのか、物語が進むごとに少しずつ明かされていきます。
    非日常の世界に漂う不穏な空気はとってもスリリングで、ページをめくる手が止まりません。

    ミステリーとしてはちょっとありがち。
    謎の論理的帰着に納得するというよりも、物語の退廃的な雰囲気にときめきながら読むという方向で楽しみました。

    むしろ理詰めの思考はいらないかも。
    それは物語の優美な雰囲気を遠ざけてしまうかもしれません。

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