- 講談社 (2014年5月15日発売)
本棚登録 : 1343人
感想 : 129件
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
Amazon.co.jp ・本 (368ページ) / ISBN・EAN: 9784062778398
作品紹介・あらすじ
江戸娘と浪華の“すかたん”が恋仲に!?
江戸詰め藩士だった夫が急死し、大坂の青物問屋に女中奉公に出た知里(ちさと)。戸惑いながらも、次第に天下の台所の旨いもんに目覚めていく。ただ問題は、人好きはするが、遊び人でトラブルメーカーの若旦那。呆れていた知里だったが、野菜への純粋な想いを知り、いつしか強く惹かれるように。おもろい恋の行く末は?
みんなの感想まとめ
江戸時代の大阪を舞台に、青物問屋での奮闘と恋模様が描かれた物語は、主人公の知里が生き抜く姿と、彼女を取り巻く魅力的な女性たちの成長を通じて展開します。夫の急死後、青物問屋での上女中として働くことになっ...
感想・レビュー・書評
-
朝井まかてデビュー三作目。
江戸時代の大阪が舞台の、笑えて威勢のいい商家物です。描かれる業界は、植木屋から離れて、青物屋へ。
大坂城へ赴任した武士の夫と共に、知里は生まれ育った江戸から大坂へやってきました。
ところが、頼みの夫が急死。
食い詰めかけたが~ひょんなことから、青物問屋の老舗「河内屋」で働くことになります。
それも、お家さん(女主人)の志乃に仕える上女中として、びしびししごかれることに。
仕事を紹介してくれた若だんな・清太郎は、家にろくに寄り付きもしない道楽息子という噂。
しかし、野菜にかけては真剣で、農家にも熱心に顔を出している。
さまざまなトラブルに一緒になって奔走し、河内屋の事情も知っていく知里。
最初は不慣れで頼りなかったが、ちゃきちゃきの江戸っ子の知里は頑張り屋で、いざとなれば啖呵を切ることもある。
いつしか、清太郎と惹かれあうようになりますが…?
周りにはバレバレになっても、黙って身を引こうとしているじれったさ(笑)
恋愛描写は多くはないけれど、展開がわかりやすくてストレート。
1作目2作目よりも快適な印象で、楽しく読めました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
知里、小万、志乃、おかね、女性陣が魅力的だ。
芯があって、仕事をしている姿がかっこいい。
最初の頃の知里に対する志乃の説教は私にも刺さりました…
ちゃんと仕事します…
武家と商人と農家、それぞれの立場や暮らしがあって、江戸時代らへんの日本史を学び直したくなりました。
難波葱や勝間南瓜、そして田辺村の丸大根
食べたことのないなにわの伝統野菜たち
大阪旅行の際は、551の豚まんとりくろーおじさんのチーズケーキだけでなく野菜も買って帰ろうと思います^^ -
「大坂町人の言葉、振舞いは江戸の心得では何やら知れがたく、異国のごとし。されど大坂ほど食い物の旨く人品の面白き町は他に無く、まこと天晴れ也」。天下の賄所、商都大坂の青物問屋を舞台とした、青物商い&ラブコメ時代小説。
夫の大坂赴任に帯同した知里は、気っ風のいい江戸っ子気質でとにかく食べ物に目がない。その夫が急死し、忽ち生活に困窮した知里は、生きるため、江戸に戻るため、由緒ある青物問屋 近江屋に、お家さん(志乃)付きの上女中として住み込むことになった。志乃は気位が高くて万事に小うるさく、志乃の根性が試されるはめに。また、近江屋の若旦那(跡取り息子)清太郎は、向こう見ずな "すかたん"=「しくじりの多い者、どことのう調子っぱずれな者」。農家が市場を通さず町中で立ち入りを始めたことが問屋仲間の間で問題となる中、清太郎が知里を巻き込んで大騒動を引き起こす。
本作の随所に大坂名物の食材や料理が出てきて、その度よだれが出そうになる。「大坂にはな、天王寺蕪に難波人参、難波葱、木津瓜に勝間南瓜がある。なすびに独活、慈姑、胡瓜や蕗、牛蒡も旨い」!
蔬菜(そさい)という言葉、知らなかった。やさい、青物のことらしい。
著者の歴史・時代小説はこれで4冊目だが、どれもクオリティーが高くて読みごたえがある。他の作品も読みたいな! -
たまーに、上方落語の番組を観ます。流れるようなしゃべりと、様々な人を一瞬で演じ分ける演技は毎回すごいな、と思うのですが、その落語の演目にこの『すかたん』の冒頭を入れてもいいのではないかなあと、思ってしまいます。
夫に共に江戸から大阪に移り住んだ智里ですが、その夫が急死。智里は子どもたちに手習いを教えることで、糊口をしのいでいます。
しかし、大阪の子どもたちに言葉遣いをからかわれ職を失い、その上空き巣に入られ、家賃が払えないという状況に。そこに現われたのが青物問屋の若旦那である清太郎。ただ、この清太郎がなかなかのくせ者で。
智里と大阪人たちとの小気味の良いやり取りと語り口、江戸から来た智里の見る大阪人たちの特性の表現、何より智里の啖呵と開き直りが素晴らしい!
時代小説とはいえ「おたんこなすの唐変木」なんて言葉を自然に読ませる、朝井まかてさんの文章の技量、そしてキャラクターと会話の妙にあっという間に引き込まれます。これを上手い落語家さんがやったら、たぶん一つの演目として通用すると思うのです。
そして清太郎の問屋に女中奉公することになった智里。そこに待っていたのは、清太郎の母親で家の女将である志乃。この志乃の上品でいて、厳しさが随所ににじみ出る関西弁がまた良い味を出してます。そして何より彼女に一本気が通っているのが良い。
立場的に下手すれば嫌味なキャラになりかねないのに、それを感じさせません。そんな志乃にビシバシ鍛えられつつも、徐々に日々の生活に馴染んでいく智里の様子は、時代は違えど上質な朝ドラを見ているよう。
そして、食べ物の描写も良い。青物問屋なので出てくる料理に肉は全くないのに、それでもお腹がすいてくるような気がします。ある意味これは飯テロ小説だ(笑)
若旦那の清太郎は始終フラフラしながらも、野菜に関しては純粋で熱い。青物問屋という自身の立場を省みることなく、一心に行動します。しかし、それが大阪の青物業界を騒がせる事態となり……
そんな清太郎に振り回されながらも、どこか放っておけなくなる智里。そんな折りに頭に浮かぶのが智里の亡夫への思い。この思いがまた切ない……
話の前半はユーモア・ポップ路線だったのに、シリアスにしんみりとも、朝井まかてさんは読ませてくるのです。
そして、そんな智里の恋のライバルはもう一人。清太郎がひいきにしている芸者の小万。志乃の関西弁も好きだけど、この志乃の関西弁も魅力的。柔らかさと可愛さ、でもどこか抜け目無さも感じさせるしゃべりです。
そして物語のラストに魅せる彼女の芸者としての矜持も読ませます。志乃にしろ、この小万にしろ脇役なのが勿体ない……
魅力的な作品だと、その世界に入りこみたくなるときがあるのですが、この小説のラストは特にそれを強く感じました。自分も市場の商人たちと一緒に叫び、その場の空気を感じたくなります。最後の場面にずっととどまっていたい、そんな風に思ってしまいました。
『すかたん』は登場人物たちそれぞれの個性と矜持が連鎖に連鎖を重ね、そして素敵で"おもろい"作品に導かれた作品のように感じました。
朝井まかてさんの小説は久々に読んだけど、面白かったなあ。これからも定期的に、お世話になる作家さんになりそうです。 -
生粋の大阪の商人さんの言葉は、そこいらの関西弁の関西人とは違って、品があっていいなと思ってます。江戸っ子もいいけど、大阪商人さんもいいなーって会話の節々から思いました。
-
流れるような、それでいて、メリハリがきいた
物語の展開に、夢中でページを繰っていた。
主人公の知里も、お家さんの志乃も、女中のおかねも、
芸妓の小万も、そう、女性陣が、生き生きと動きまわり、
魅力的で、片時も目が離せない。
慣れない大阪の町、慣れない女中奉公の中で、
たくましく生きていく知里。
「すかたん」と呼ばれる若旦那、清太郎と共に、
青物問屋、河内屋の窮地に立ち向かう。
大阪というエネルギーにあふれる町や商いの
息遣いが肌をさすように迫って来て、
「どんつく、どん」という太鼓の音ともに、
体が弾んできそうだ。
ともかく、面白かった。 -
うんうん、楽しい。
時代小説ってのは痛快小説が多いのか(時代小説ビギナーです)、わかりやすくって読後スッとする。
大阪の商いの様子がよくわかって、季節や行事事を大切に過ごしていたことを羨ましく思う。あと、なんとなく大阪ってケチ臭い(値切ってなんぼが浅ましい)イメージがあるんだけど、払拭されるような小気味の良さある。
恋ばなありで今村翔吾さん言うように朝井まかてさんの女の時代小説いいわ。好き。 -
大坂ほんま本大賞受賞作
江戸詰め藩士だった夫が急死し、大阪の青物問屋に女中奉公に出た知里が、遊び人でトラブルメーカーの若旦那にかき回されながらも、野菜に傾倒していく話である。
我が家から歩いて5分ぐらいの所にあった天満青物市場が主要な舞台のひとつなので親しみが湧きます。
高田郁の銀二貫も大坂商人の話ですが、こちらは大坂商人の話ぷらすなにわ伝統野菜の話が加わりさらに興味深い。また、会話が大阪弁なのでテンポ良く話が進む。主人公、知里が関東もんなので所々大坂に関する説明が入るので、大阪以外の読者も楽しめると思われる。
巻末に参考文献も挙げられているが、作中に出てくる大阪代官「笹山十兵衛」は実在の人物で作品の中で描かれている経歴の持ち主のようである。知里が奉公する河内屋も享和元年(1808)付けの八百屋問屋37人の中に屋号があったりしてなにげに歴史物っぽい演出もある。
なんとなく続編を匂わせる終わり方ではあるが、著者の本の作り方からいくと多分一話完結でしょうか。 -
-
2012年の作品。昔から男女の組み合わせは東男と京女がよいといわれているが、この話は東女と難波男子の組み合わせ。文化の差異に本人の出自の違いも重なり、場面が次々と展開していき一気に読み進められた。江戸中期の設定でものの流通が問屋ー仲買で安定した供給を維持していた歴史が読み取れ、それに終盤で生産者と市場を結ぶ運搬業者「青田師」まで登場して、今につながる流通の仕組みを知ることができた。それにしても値上がりを期待して思惑買いをして流通が滞るところは今のコメ値上がりに通じるところだと思った。しっかりした時代考証とそんなことないでしょうというお話し部分と織り交ぜて朝井まかてさんのおもろい話でした。
-
武士の後家が生きていくために大坂の青物問屋に女中奉公に上がり、慣れない風習と仕事に戸惑いつつも市場構造の改革を目指す若旦那を支える話。
一言で言えばこんな感じですが、若旦那は信念と人柄だけで暴走するタイプだし、主人公の知里も最初の頃は単なる使えない女子衆だし、お決まりの敵役もなかなか巧みで一筋縄ではいかないところに加え、御家さんや志乃さんといった格好いい女性達の存在が物語を引き締めている。
当時の大坂の様子が窺えるところも良し。 -
最初のとっつきは 悪かったです。
寺子屋を首になった頃は やたら江戸うまれを押し通す やな女です。
青物屋の女子衆として 働き始めてから やっと心根がシャンとしたような。
食べることが好きなことが 人生をいい方に向かわせます。
美味しそうに食べる っていいことなんですね。
ご飯作った人も 食べるの見ているひとも気持ちがいい
この美味しいものいっぱい食べる ということが気持ちも素直にさせ いろんな人が目をかけてくれる。
難しく気難しい御寮さん
何故か 裏の畑の世話を知里に任せる。
ここでいろんな野菜を人に聞きながら育てる。
これが 心を耕したのかな?
たぶん 若くして死んだ亭主の方が 若旦那の清太郎より いいおとこだったんだろうなあ!
清太郎のいい所をわかりながら 主人夫婦の心も解きほぐしていく。
ハッピーエンドが大好きな私好みの ハッピーエンドに向かうお話しです。 -
大坂の老舗の青物商 河内屋の上女中となった若後家 知里の繰り広げる物語。旨いもの好きな江戸っ子娘の主人公とくせのある大坂商人たちの起こす事件が楽しく、爽快な時代小説です。朝井まかてさんの作は初めて読みますが、他の作も安心して読めそうです。
-
登場人物が魅力的。章立てで読みやすく、テンポもいい。最後にはスカッとする。面白い本の要素がすべて入った作品でした。このまま朝の連続小説になってもおかしくない。
-
人情溢れる、どの登場人物も素敵。
着物が見たくなるし、葉物が食べたくなる。
NHK朝ドラのような清々しく温かい終わり方。 -
つまらん
-
青物の商いの話。再読。
前に読んだときよりも、何だか読みにくかった印象。
この本が好きな人におすすめの本
著者プロフィール
朝井まかての作品
