妖怪極楽 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 109
感想 : 17
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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062778442

作品紹介・あらすじ

「歌舞伎町に行って日本語教師になる」。親の猛反対を押し切って田舎から東京・新宿に来た女子大生・花。唯一のアテは謎の祖父・周蔵じいさんだ。住所を辿って行き着いた場所は新宿コマ劇場跡地、いまは「歌舞伎砦」という異名で知られるひび割れたコンクリートの魔窟だった。ぶんぶんうなる歌舞伎砦の中へ、猫耳の外人ホストに案内される花。砦は魑魅魍魎たちの巣窟で、海外から歌舞伎砦に流れ着いてきた各国の妖怪だらけだった。そして花を待ち受けていた語学クラスは、とんでもない事件が頻発して妖怪達の妖術合戦と化し、教室は大混乱。砦の秘密をさぐり、花は砦の主の元を目指す!

感想・レビュー・書評

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  • 新宿コマ劇場が妖怪の砦になっているというのがユニークな設定だ。グーグルマップで見ても、ぼんやりしていて、いわば治外法権の領域で、警察も手が出せない。九州の五島列島の久賀島の網元のお姫様の花が父親の反対を振り切って叔父周蔵周蔵の誘いに乗り、なんと妖怪の日本語教師になって仕舞うのだ。弟の直人もついてくる。初級日本語教室の妖怪たちはいい人柄のように見えたが、その日からたちまちとんでもないことが起こり始める。砦の頂上を目指して登っていくことになるが、奇想天外なことが待ち受けている。花姉弟、父母、妖怪たち、みんななかなか個性豊かで面白かった。結局、叔父周蔵がとんでもないやつだったのだ。

  • 「金星特急」が面白かったので、一般文芸レーベルで読めるのは嬉しいなーと喜んだのだけど、ちょっと期待外れだったな。
    大風呂敷を広げすぎて、なんとか畳んではみたものの、ぐちゃぐちゃに…というような印象。

  • うーん、うーん、なんだろなぁ。それで?と問いたくなる終わり方でした。なんか大人も大人なのに大人気ない年寄りが若かりし頃しでかしたことを若い世代に押し付けて、自分は楽しんでるっていうね。それになんで赤子が長崎弁なんだろ?

  • 花は大変だな。
    読み始めも終わりもこの感想を抱いた(笑)
    親ってあんな感じの子離れ出来ない人いるから子供が苦労してることもあるんだよなぁ。
    でも、花は自分で道を切り開いたから偉いわ。
    それにしっかりしてる。大学生とはいえ、計画性が凄い。

    歌舞伎砦良いな~。
    歌舞伎砦に住みたくなったわ。
    日給5万円て破格すぎる。
    虎人様のことは周蔵おじさんの子が片をつけたから大丈夫だし、砦の上級妖怪こと周蔵おじさんの彼女も収まるとこに収まったし、これからの歌舞伎砦に住むのはそう悪くないと思う。
    ただ、彼氏を作るのが難しいのと子守りがあるけど(笑)
    花は彼氏作れないだろうな~。
    警視庁の見張りがある上に虎人様がいるから…。

    直人はファンファンと良い感じになるのかな~と思ったのに、ちょっと道のりが遠いかなまだ?
    ファンファンが意識してるからうまく行けばトントン拍子にくっつきそうだけど。
    まあファンファンは直人と致してしまったし若い男を意識するから仕方ないか。

  • にぎやかでたのしい。続編あってもいいのに。

  • 島のお嬢様が父親の反対を押し切って東京まで強行家出をした。
    叔父を頼ってたどり着いたのが、歌舞伎砦。
    そこに住み着くのは外国人に化けた妖怪だった。
    日本語教師として呼ばれた主人公の本当の目的は!

    色んなことが起こるんやけど、あまりハラハラドキドキしない。
    文章のドタバタとは対照に、ふーん、って感じで冷静に読みきってしまった(;´∀`)
    歌舞伎砦をネットで検索してしまった…(笑)

  • 読み始めは気が乗らず、島を出るくだりや歌舞伎町の雑多な空気感にやられていましたが、p113あたりからジンジャー可愛い、と思い始め、虎人様に会いに行くというあたりからページを繰る手が止まらなくなりました。

    「金星特急」と同じく「言語、熱帯、性、異種の者、国家規模」がキーワード。
    砦の中の冒険譚は文庫1冊としてはちょうど良い分量で、花の今後が気になります。
    可愛いジンジャーと恋仲になってほしいけど、赤ん坊もあっという間に大きくなってかっこよく口説いてくれてもいい。
    でもフラグ的には虎人様が人間の心の機微やら習慣に理解を示して花を落とすのでしょうか。
    金星に似た異種族のKY感が遠慮なくためらいなく描かれていますからね。
    歌舞伎町の平和は花にかかっているといっても本当に過言じゃないみたいです。

    続編、ありそうですよね。
    手持ちが第2刷なので、恐らく売れ行きも良いでしょうし、はやく嘆きの処女花の妖怪砦譚その2が読みたいです。

  • とても読みやすい。相変わらず変わらない。キャラが多いが、気になるキャラがいなかった。
    前作が良かったのを引きずっている…。

  • 日本語教師の職が東京にあると聞き、田舎を飛び出した女子大生の花(はな)。歌舞伎町の外人ホストに催眠術をかけられ、廃墟寸前のビルに連れ込まれる。そこは魑魅魍魎たちの巣窟「歌舞伎砦」、外人ホストの本性は猫の妖怪だった。法外な高給に誘われ妖怪の日本語教師となった花を待ち受ける運命とは!?〈文庫書下ろし〉

  • 異文化・異種族が混じり合った結果、独特でエキゾチックな新しい秩序や奇妙な調和が生まれているかんじが、金星のわくわく感と通じるものがありました。リアルに世界旅好きらしい作者ならではのこの感じがとても楽しくて好きです。
    重版も決まったそうですし、続編が出ると嬉しい。

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著者プロフィール

うれしの・きみ
長崎県出身。魚座・B型。『小説ウィングス』2006年夏号『パートタイム・ナニー』にてデビュー。著書には講談社文庫『妖怪極楽』のほか、『ペテン師一山400円』、『金星特急』シリーズ、『異人街シネマの料理人』シリーズなどがある。世界放浪とお酒が好き。

「2016年 『黒猫邸の晩餐会』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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