ラバー・ソウル (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
3.72
  • (131)
  • (212)
  • (184)
  • (45)
  • (6)
本棚登録 : 2064
感想 : 220
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (688ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062778466

作品紹介・あらすじ

洋楽専門誌にビートルズの評論を書くことだけが、社会との繋がりだった鈴木誠。女性など無縁だった男が、美しいモデルに心を奪われた。
偶然の積み重なりは、鈴木の車の助手席に、美縞絵里(みしま・えり)を座らせる。

大胆不敵、超細密。
ビートルズの名曲とともに紡がれる、切なく衝撃の物語。
空前の純愛小説が、幕を開ける――。

寄せられた絶賛の声!

ミステリー史上に残る衝撃だ!(金高堂土佐山田店 生駒聖氏)

度肝を抜かれました(東京都 60代 女性)

「えぇー、何これ!?」(千葉県 30代 女性)

再読後、納得し驚嘆した(長野県 30代 男性)

半端なくお見事。大傑作(東京都 50代 男性)

読み終わってしばらく、言葉を発せなかった(東京都 20代 男性)

あいた口がふさがらない(兵庫県 10代 男性)

終盤に唖然とし、読み終えた後呆然とした(神奈川県 30代 男性)

圧巻。この本そのものが、完成された芸術作品のようでした
(紀伊國屋書店 横浜みなとみらい店 安田有希氏)

その意味がわかったとき、やられるのです。がつん、とでなはく、ぐさり、と。(精文館書店中島新町店 久田かおり氏)

恐ろしく優しい小説(兵庫県 10代 女性)

哀しさと羨ましさでいっぱいになってしまった(京都府 40代 女性)

鈴木の一生を賭けた犯罪と恋が、無駄だったとは思えない(大阪府 30代 女性)

せつなくてせつなくて、たまらなかった(愛知県 30代 女性)

私は私がそうするように、鈴木誠が人を愛しているとは信じられなかった。愛することに、罪はないはずなのに。(福井県 20代 女性)

ミステリとしての衝撃度、ビートルズを用いた精巧度、恋愛小説としての純度、いずれもが抜きん出た類のない傑作!(ときわ書房本店 宇田川拓也氏)

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • ★5 ビートルズの素敵な調べと共にストーカーが美女に迫る サスペンスミステリーの名作! #ラバー・ソウル

    容姿に病患をもつ主人公は引きこもりの生活をしていた。唯一ビートルズへの情熱と知識は誰よりも持っており、ほんの少し社会とつながりができつつあった。そんな中、美人モデルとの出会いがすべてを狂わせていく…

    面白いっ これは名作ですね。

    なにより小説がお上手、文庫700ページ近くある作品なのに一日かからず読めました。序盤からどんどん引き込まれ、登場人物の独白で物語が進んでいく書きぶりがうまいっ

    登場人物の描き方もさすが熟練のプロといった感じ、そして端々から見える主人公の狂気、我欲、そして愛情がなにより怖い。ミステリーとしても良くできており、中盤これはどうなるんだという感じでしたが、最後にはこうなるのですか… まさかの発想力に感服しました。

    しかし総じて悲しいお話ですね。
    もてない男の同類として、なんとなく主人公の気持ちはわかるなぁ いやもちろん、ここまでやらんけども。

    最後に音楽のお話を。
    自分もビートルズは大好きですが、どちらかというと初期の作品が好みですね。シンプルでも新しさが光っていて、四人の才能と若々しさが感じられます。ラバーソウルは改革期の作品でNowhere Man、In My Lifeあたりが趣があってお気に入りです。

    ともあれミステリー好きは読んでおくべき名作、おすすめです!

    • autumn522akiさん
      shukawabestさん、コメントありがとうございます。
      in my life いいですよね。曲も歌詞も大好きです。

      たしかに岡嶋...
      shukawabestさん、コメントありがとうございます。
      in my life いいですよね。曲も歌詞も大好きです。

      たしかに岡嶋二人&井上夢人さんは安定感抜群ですよね、さすがプロの小説家といった感じです。

      六人の嘘つきな大学生は、まだ単行本出てから1年くらいなので、
      文庫化は早くても1年後ですかね><

      またぜひコメントくださいませ!
      2022/04/15
    • shukawabestさん
      shukawabestです。
      先ほど読み終えました。複雑な気分です。良い作品ですが。autumn522akiさんと読後感似ているかな、とレビ...
      shukawabestです。
      先ほど読み終えました。複雑な気分です。良い作品ですが。autumn522akiさんと読後感似ているかな、とレビューを再見して思いました。
      2022/05/17
    • autumn522akiさん
      shukawabestさん
      おおお、読了されたのですね!おめでとうございますっ

      切なさ、腹立たしさ、愛おしさ…でも主人公の気持ちもわ...
      shukawabestさん
      おおお、読了されたのですね!おめでとうございますっ

      切なさ、腹立たしさ、愛おしさ…でも主人公の気持ちもわかる。
      みたいな読後感ですよね、複雑な感情にしてくれます。

      コメントありがとうございました!
      2022/05/18
  • なんてこったい!の一冊。

    せつない、なんてこったいがリピートして止まない。

    誰もが目を背ける顔で生きてきた鈴木誠、彼の胸の内は計り知れない。

    孤独と絶望を背負い、唯一の拠り所はビートルズ評論。
    それが導いた一筋の光。
    そこから彼の人生が一変、一人の女性を見つめる時間に。

    異常なまでの執着、ねっとり絡みつく視線に嫌悪感を抱きつつも、今までの数々の仕打ちを語られるたびに心は複雑な思いで揺れた。

    そこに思わぬ一撃。
    まさかの展開に絶句。

    この見事なハンマーに心まで砕かれた。

    多種多様の幸せを感じ、涙せずにはいられないサスペンス。

  • なんとも言えない読後感。ただただ切ない。

    本作は、浅倉秋成さんの『六人の嘘つきな大学生』のインタビュー形式のように、『ノワール・レヴナント』ほどのデブっちょ長編ですが、本の作風や構成を例えているだけですので、感想ではありません。あしからず。

    さて概要ですが、本作は、モデル達が集う撮影現場に同行した男性が、ある『事故』によって一人のモデル(女性)との出会いに運命や奇跡を感じる所から始まります。

    その後、『事故』から『事件』を誘発し、事件の関係者が事情聴取を受けているような描写で一つ一つが追想されるのですが、私は中盤辺りで妙な違和感を抱きました。

    (なぜ、この人はこんなに喋れるのだ?)

    そんな違和感は最後の章で明かされるのですが、分かった所でスッキリしなかった。なんとも言えない読後感。ただ、どんな些細なことでも、受け取る人にとって『幸せ』を感じることはあるんですよね。

  • 期待した衝撃は得られず、冗長した印象が付き纏う。救いはBeatles。

  • 偶然出会ってしまった、鈴木誠と、美縞絵里。

    ビートルズに異様に詳しいフリーライターであった鈴木誠は、いかにして美縞絵里のストーカーとなっていったのか。

    ビートルズのアルバム、『ラバーソウル』の曲名とともに進む物語は、まるで心地のよい音楽のように、しかし不協和音を伴いながら、響いていく。


    600ページを超える、大作であるのにも関わらず、途中で読み飽きたりしないのは、何故だろう、全く説明することができない。

    この物語がいかにして終わるのか、それが気になって仕方がなかったからかもしれない。


    この物語は、異形のラブストーリーなのか、それともミステリーなのか。
    その答えは、最終章のボーナストラックで明らかになる。

    手に取ったら止まることなく最後まで読んで欲しい一冊。
    長すぎるからと諦めたら、きっと人生損している。
    そう思わされる読後感でした。

  • 凄く先が気になり太い文庫ですがほぼ一気読みです。
    面白かったです。
    最後の方には全てがわかり、本当に面白かったです。

  • ビートルズ愛に溢れているのに、読んでもビートルズ聞きたくならない珍しい小説。
    見た人が絶叫してしまう位の醜形の男性(ホウライエソという深海魚に似ているらしい)が、ひょんな事からモデルの女の子に恋をしてしまった事から、殺人事件に発展してしまうのでありました。
    分厚い本でとても沈鬱な本でしたが、読んだあとは切ない気持ちになってしまいます。確かにこれは名作の一つに数えられるのも分かる。

    さて、本編はネタバレ厳禁なので、醜形についての言及になります。結局世の中見た目だろうというのは最終結論。不細工とかイケメン、美女、という以外にも「頼りがいがありそう」「やさしそう」「賢そう」など色々な要素が有って、美醜だけで測れない部分があるのも誰しもが納得するところだと思います。
    しかしこの本で描かれている「醜さ」というのは一緒にいる人が気分が悪くなるレベルの「異形」という事になります。実際難病などでそういう外見になってしまった人も現実にいると思われ、「こんな反応ないだろう」と思いながらも、想像を超える「異形」に出会った時にどういう反応をしてしまうのかと思うと落ち着かない気持ちになります。
    特別差別的な意識は無いと言い切れる自信はあるのですが、いわゆる嫌悪という気持ちは本能的なものなので、受け入れられないという本能的気持ちと、受け入れたいという理性的な気持ちでぶつかり合うのでしょうか。
    色々考え込みながら読んだ本でした。

  • 醜い風貌の鈴木がモデルの絵里に心を奪われストーカーと化す話。ホウライエソ似の鈴木の言動が怖いし気持ち悪い、どうなるんやろ、と思ってた矢先の衝撃!とりあえず最終章は2回読み返したし、即再読した。もうめちゃくちゃ面白い、びっくりした!

  • まさかこんなオチになるなんて。

    分厚いですがあっという間に読み終わりました。

    そしてラストが切なすぎる。主人公的には報われた最後なんだろうけど、こっちからしたら何でそんな女なんかのためにって。

    気持ちはわかるけど、なんか悔しい。

    衝撃感はそこまでないですが、胸が熱くなるそんなお話でした。


    宇野はいったい何のために出てきたんだ?笑

  • 真実を知ってから、少し戻って読み直してみた。
    鈴木誠の想いに胸が苦しくなった。

    金山さんの最後の「ほら、笑っている。」の一言が、切なさをより一層強くさせ、笑顔を見分けられるのは金山さんだけだってことを、なんか実感させられたというか。

    はぁ…。

    久しぶりに、こんな気持ちになった。
    小説読んで泣きたくなった。

    忘れる前に二周目読みたい。

全220件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

昭和25年生まれ。昭和57年に徳山諄一との岡嶋二人名義で第28回江戸川乱歩賞を受賞してデビュー。平成4年に『ダレカガナカニイル……』(新潮社)で再デビューした。代表作に『ラバー・ソウル』(講談社)など。

「2020年 『平成ストライク』 で使われていた紹介文から引用しています。」

井上夢人の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
伊坂 幸太郎
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×