- Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062778749
作品紹介・あらすじ
江戸川乱歩賞受賞作家7名が放つ最強の競作アンソロジーが、
乱歩賞60周年の2014年、文庫化!
七人の作家に届いた挑戦状。
「テーマはデッド・オア・アライヴ、生死の危機。
2013年9月7日正午、主要人物が帝国ホテルにいる短編ミステリーを執筆せよ」
その場所は天国か地獄か、その選択は生か死か。彼らの出した珠玉の「答え」がここにある。
薬丸岳「不惑」
とある事件が原因で13年間眠り続ける恋人をもつ窪田。彼は今日行われる結婚式で復讐を企てるが、同級生の夏目が違和感に気付く。夏目シリーズ最新作。
竹吉優輔「イーストウッドに助けはこない」
違法スレスレの街金で働くコージは、ヤクザの女に手を出した「そのスジ」の叔父を拉致してリンチする羽目になるが、ダメ叔父とコージには大切な思い出があった。
高野史緒「悪魔的暗示」
1918年、帝国ホテルで天才少年は米国スパイの会話を耳にする。各国スパイが血眼になって追う、滅亡したロシア・ロマノフ王朝の“秘宝”の行方は。
横関大「クイズ&ドリーム」
とある目的でホテルに泊まっている川尻の客室を突然訪れた、銀色の仮面をつけた男。彼は「負けたほうが謎のカプセルを飲む」ルールのクイズゲームを強要する。
遠藤武文「平和への祈り」
ケセランパサランを追いかけた先の公園で、ミステリー作家・“遠藤武文”はミカエルを名乗る天使に出会う。自分の肩に世界の滅亡がかかっているとしった作家は……。
翔田寛「墓石の呼ぶ声」
雨宮勇吉は、9月頭の7日間を必ずホテルで過ごす常連客だ。ホテルマンが聞いた彼の過去と、墓石に刻まれた秘密とは。
鏑木蓮「水の泡~死を受けいれるまで~」
ナノバブルと呼ばれる微細な気泡を作る技術で会社を興した凜子。会社は大きくなったが、婿養子の夫には愛想が尽きた。一人酒を楽しむ夜、急に体中をしびれが襲い……。
感想・レビュー・書評
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夏目シリーズの「不惑」、どこか憎めないキャラでコミカルな「イーストウッドに助けはこない」、一番ミステリらしい「終章~タイムオーバー~」がおもしろかった。
帝国ホテルを登場させ、生死の危機をテーマにした、江戸川乱歩賞作家によるアンソロジー。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
7人の作家さんによる競作短編集です。
個人的にちょっと当たりはずれというか、好き嫌いが分かれてしまって、あんまりだな~という作品はななめ読みみたいにしてしまいました。
「クイズ&ドリーム」「墓石の呼ぶ声」「水の泡~死を受け入れるまで~」あたりが好きでした。 -
イーストウッドの夕陽のガンマン好きだった。
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江戸川乱歩賞受賞者による短編集
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7人の江戸川乱歩賞作家への挑戦状。「2013年9月7日正午。主要人物が帝国ホテルにいる短編ミステリーを執筆せよ。テーマはデッド・オア・アライヴ、生死の危機」。挑むは薬丸岳、竹吉優輔、高野史緒、横関大、遠藤武文、翔田寛、鏑木蓮。命懸けの謎に溢れたこの世界は天国か地獄か。豪華競作アンソロジー!
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それぞれ、好き嫌いがはっきりするアンソロジー。
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なかなか面白い企画のアンソロジーである。薬丸岳、竹吉優輔、高野史緒、横関大、遠藤武文、翔田寛、鏑木蓮の7人の江戸川乱歩賞作家が、『2013年9月7日正午。主要人物が帝国ホテルにいる短編ミステリー。テーマはデッド・オア・アライブ、生死の危機』という制約の中で競作したアンソロジー。
薬丸岳の『不惑』は、人気シリーズの『刑事のまなざし』の夏目刑事を主人公にしたもの。制約ある中で、見事に自身の作風を貫いた短編。
竹吉優輔は昨年、『襲名犯』で江戸川乱歩賞を受賞した新鋭の作家。『イーストウッドは助けにこない』という一風変わったタイトルで、ピカレスク風のミステリー短編を描いてみせる。文章とストーリーには勢いを感じる。
高野史緒は江戸川乱歩賞受賞作の『カラマーゾフの妹』を彷彿とさせるような歴史短編ミステリー『悪魔的暗示』を描いている。ふと、『ゴルゴ13』の出生の秘密に迫る作品を思い出した。
横関大は初読みの作家。『クイズ&ドリーム』はこのアンソロジーの中では異風の短編だろう。掟破りではあるが、なかなか面白いと思った。
遠藤武文は『平和への祈り』。これも、少し変わった短編であるが、スッキリしない作品だった。
翔田寛の『墓石の呼ぶ声』は渋くまとまった、もっともミステリーを感じた作品。
鏑木蓮の『水の泡 〜死を受けいれるまで〜』はサスペンスフルな短編。鏑木蓮の作品はハード系とソフト系があるのだが、この短編はハード系で、非常に面白い。
著者プロフィール
薬丸岳の作品





