NO.6〔ナンバーシックス〕♯9 (講談社文庫)

  • 講談社
3.84
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感想 : 60
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062778923

作品紹介・あらすじ

炎上する矯正施設から間一髪で脱出した紫苑とネズミ。崩壊する聖都市NO.6、その先に広がる新たな世界とは。感動のクライマックス

感想・レビュー・書評

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  • No.6内に戻ったあとはパタパタとあっさり終わった感があり、少し物足りなかったラストになりました。
    今まで主観をもってきたキャラクターがあまり登場しなくなってしまったのもさみしく思いましたし、崩壊後ももう少しだけでも描写してほしかった。

    結局はたくさん血は流れましたが、紫苑が踏ん張って良い都市にしていくこと、ネズミと森のカミが納得できる未来になってほしいと願います。

  • 遂に最終巻。NO.6が如何にして創られたのか、エリウリアスとは何者なのか、ネズミは…等、残された謎が語られてゆく。
    矯正施設に潜入するまではあれだけ緻密に描かれてきたのに、最後の月の雫の崩壊は呆気ない。『THE MANZAI』にも感じたことだが、あさのあつこの作品は感情を入れ込んで書きまくり、最後には息切れして終わりを焦る書きぶりが多いような気がする。世界観の設定は面白いのに、読破後の残念感が否めない。

  • 昔途中まで読んでた話。続きが気になって大人買いして読んだけど、やっぱ面白い

  • あさのあつこさんの【NO6】第9巻、最終巻。長い戦いは遂に終盤戦に突入し、幕を閉じました。が、ここまでの惹き込まれるようなストーリー展開ではなく最後は本当にらあっけなく終わってしまった印象です。もう少し盛り上げて欲しかった感が残ります。

  • 小学校の図書室で読んだ本、再読。
    内容は全く覚えてなかったけど、この本がどこの本棚にあったのか、どの席で読んでいたか、どんな気持ちでよんでいたのかは、しっかりと覚えている。
    小学生の頃は、紫苑とネズミのような名前をつけられない2人の関係性には出会ったことがなかったから、すごく衝撃を受けた記憶がある。

    文体が、一つ一つずしりと重いイメージ。だからこそすぐに読める量なのにこんなにちびちび読んでしまった。アメリカンジョークみたいな言い回しが多く出てくるので、登場人物は少しキザな印象をもつ者が多い。

    登場人物一人一人が濃くて、読めば読むほど愛せてくる。
    ただ、筆者は容赦なく登場人物を殺しにかかるから、びっくりした。「こいつは生き残る」と思ってた人たちがバンバン死ぬ。筆者の覚悟を見た。

    終わりは、我々に想像の余地をこれでもかというぐらい残してくれた。個人的にはもう少し細かく書いてくれても嬉しかった。

    ネズミと紫苑、陰と陽、二つの魂の物語だった。

  • ★4.5
    名作なのは知ってた。ずっと読んでなかったこなかったことをとても後悔した。
    ディストピア小説の金字塔!って感じ。
    ストーリーも分かりやすいし、キャラも立ってる。
    一人一人の生い立ちとか、経験とか、すべてがギュッと詰まってて。でも紫苑に会ってみんな自分の感情がぐるぐる分からなくなって、紫苑は紫苑でネズミ達に会ってすべてがひっくり返って、そんな中で自分も揺らいでいく。

    紫苑が自分で気づかないまま闇に落ちていく過程がいい。ネズミはそれを間近で見て、感じで、心動かされたあの純粋無垢な紫苑に戻って欲しいと願う。そんな自分が嫌になる。

    NO.6はただの実験施設だったんだね。
    人が人を支配しようとするその過程。
    泣きはしなかったけど、正しいことってなに?とか、仲間を守るためなら人を殺めていいのか?とか、基本的な、でも根幹的な問いかけが多い本でした。

  • 寄生虫は、自分が生きるために宿主の行動を変える。危険なことは冒さず、穏やかに過ごす。そう言う人間になる。
    ネズミは主人公をどこか恐れているような描写があったし、物語の途中でも主人公の狂気が垣間見れる箇所もある。
    と言うことは、主人公の穏やかな性格は生来のものではなく、寄生虫によるものだったとしたら…。そう考えると、背中がぞくりとする。

  • 最後のアレは必要だったのか? 中途半端なBL感なら、無い方がいい。やるならもっと、バーンとやってほしい。
    駆け抜けるストーリーは面白かったのに、全体的にくどい言い回しと、じれったいBLが残念。

    紫苑がたまに違う顔を見せるのは何だったのか?説明ないまま?そりゃないよ~。

  • ついに最終巻。

    矯正施設を破壊し、No.6へ突入。
    人々が「月の雫」へ押し寄せる大混乱の中を紫苑とネズミは進んで行く…そして、エリウリアスとの対話…。あまりにも早く(ページ数の関係?)、あっさりと決着が着いてしてしまい、少し物足りなさが残ってしまった。

    それに、あれほど紫苑の帰りを望んでいた火藍さんが、ようやく紫苑たちと再会できたシーンが、ネズミのたった数行のセリフで終わってしまったのが残念…!この場面はもっと見てみたかった…!!

    途中までは紫苑の感情に移入し、彼の目を通してNo.6の世界に入り込むことができたが、8巻にてネズミが敵の弾丸に倒れたあたりから、いきなり紫苑が変化してしまったように感じ、突き放され、置いてけぼりにされたような気分に…
    しかし、それとは逆に今まで無頓着だった人の命の大切さを赤ん坊のシオンと過ごすうちに気付き、矯正施設では紫苑とネズミが帰ってくるのを力河と待ち続け、敵にも立ち向かっていったイヌカシが、どんどん好きになっていきました!これからのイヌカシとシオンの成長も見てみたいです。



    全巻を通しての感想、
    「生きる」ということについて凄く考えさせられました。ただ、日々を送ることだけが「生きる」ことではない。頭を使って考え、感じて、動き出す。行動することが大切なのだと気付きました。今のままでは何も変わらない。人から与えられた環境に安住し続け、困難な問題も他人に任せ続けているばかりでは何も問題解決しないのだと…。

    紫苑やネズミたちのように、お互いを信じ合い、必死に考え、理不尽な世界に命懸けで抗う力強さを私も見習っていきたいです。

  • 何度目かの再読最終巻。次々と明かされていくNO.6の闇の部分、そしてネズミの過去…。ページをめくる手がとまらず一気に読んでしまいました。生きるということ、今自分が生きている世界のこと、未来のこと、色々なことについて考えさせられた作品でした。この物語の後、紫苑がどのような世界を創っていくのか気になりますが、きっと素敵な世界を創ってくれると信じたいです。この物語に出会えたことを、改めて感謝します。再会を必ず。

  • 最終巻。途中はすごく盛り上がったけど、そういう読者ばかりじゃないから。どうしたんだろうこの結末。いくつか謎も残ったままだし、あっけなかった。
    ダブル主人公みたいな話はどちらも死なないのが鉄則だけど、ここまで悪運強いのもすごいねネズミ(褒め言葉)。

  • 小学生の時に出会い、それから今まで大好きな本です。
    紫苑とネズミの関係性に魅力を感じます。2人の関係は友人とも家族とも恋人とも言えないですし、むしろそれら全てを含んでるような気もします。

  • 想像してたより、あっさり終わった感じ。
    ネズミの美声が伏線だったのねー!

    この物語の焦点は、理想都市No.6の闇が暴かれるところなのね。
    寄生蜂のくだりは、最終的にもっと悲惨な状況になって、No.6の上層部をコテンパンにして終わるの想像してたけど、なんとも平和的にあっさりエンドだったわ。

  • せっかくネズミのことを救ってくれた医師があっけなく治安局に殺されてしまうという展開にはやるせないものを感じました…。ですがこの物語を通して、何の罪もない人々が何度もNo.6の犠牲となっていたことを思うと、この出来事はNo.6の非情さを改めて突きつける効果を発揮したのではないかと思います。紫苑がこれから新たなNo.6を創り上げていくのをネズミが側で一緒に見守ってくれないのは寂しいことですが、「本当の街」を創りあげられた時にはもう一度絶対に再会出来るのだろうと思わせてくれるラストでした!

  • 2023/03/11

  • 2019/04/18 再読。

    2023/03/24-26 再再読。

    ・おわっちゃった~。まだビヨンドあるけど……

    ・ダストシュート落ちてるところの初っ端から、ネズミへの愛の独白が止まらない紫苑やんばいな。でもほんとに、再会してから今までたくさんたくさんのできごとやそれに伴う感情があって、相手に抱く思いの変化や自分に対する自責の念だったりがあっても、あの日ネズミが伸ばした腕を紫苑が握ったのだけは真実だ、というのはすごく強い芯みたいなものだな。

    ・ふたりにとって確実に強烈な原体験であっただろうし、もしふたりが4年後再会しなくてもこの思い出でしぶとく生き続けられてたろうなと思う。


    ・ネズミを病院に運んで、イヌカシに肩を抱いてもらったときに支えてくれる体や声や温もりがありがたい、と感謝した直後に「ぼくが欲しいのは、この温もりではないのだ。この身体、この囁き、この腕ではないのだ。」って思うのちょっとウケちゃった。どんだけネズミのこと好き……

    ・ネズミを治療してくれた医師、そういえばこんな人もいたっけな!なんで忘れてたんだろ!て思ったら直後に死んじゃってた。アニメではどうなってたっけな…… 楊眠関係がかなり変わってるんだよな。


    ・人知を超えた支配者、それを鎮めることのできる少数の人、というのは今思うとかなりガッチガチのSFだな。初見/初読のころは、エリウリアスの存在がだいぶ浮いてるように感じてた気がするんだけど、ディストピアといえどかなり理解しやすい(未来としてありえなくないくらいの)世界観の中に急にブッ飛んだフィクションの存在が出てきたからかも。

    ・あと、エリウリアスって海外の神/異形っぽい感じ? クトゥルフとかそういう……クトゥルフ読んだことないから細かくはわかんない。適当なこと言ってる。ごめん。あんまり日本の神っぽくない感じだなって思った。

    ・そもそもNO.6(都市)が宗教とかほぼ無くなってるからな。だからかも。おもしろい。


    ・「きみのいない世界なんて、意味がない。ネズミ、なんの意味もないんだ」←ほんとにすごいな紫苑少年は。情熱的にもほどがある。大きくなったらどうなっちゃうの。

    ・エピローグの終わり方もすご~く良いな…… 壁がなくなったこと、地下世界に住んでいた人が森で定住できるようになったこと、矯正施設の跡が公園になったこと(これはちょっと怖いな)、変化したことを描写して、NO.6という都市を過去のものにしたラスト、良い……

    ・良い小説!こんなの中学生のときに読んだらおかしくなっちゃうよな(おかしくなった人より)。実はビヨンドの内容はほとんど覚えてないので楽しみ。本編よりも読んだことない気がする。

  • 一冊が薄いので、全9巻あっという間に読み終わった!とにかくネズミがイケメンで、紫苑と友情以上の感情が芽生えてくるあたりも胸キュン。
    ただ矯正施設潜入からのくだりは残酷すぎて、ちょっと引いたくらい。でも目を背けずありのままの残酷さを描いた筆者もすごいなと。
    ウクライナとロシアのことに想いを馳せました。

  •  展開が駆け足であっけない印象はありましたが、私はこのような、さらっとした終わり方が好きでした。作中の歌では、よく風という言葉が登場しましたが、物語も風のように過ぎ去っていきました。あの人はどうなったのだろう、そして何よりNo.6の未来は?などと、想像の余地がたくさん残されていると思います。「再会を必ず。」この言葉が好きです。
     一方で、人知を超えたエリウリアスの存在は個人的には受け入れ難かったです。人知を超えた存在を認めないという点で、私は壁の内側の人間なのかもしれません。
     全体を通して、キャラクターと世界観が魅力的であり、私にとっては定期的に気軽に読めるラノベ的な存在で、大好きな作品です。

  • ‪今の世界もNo.6の様な部分があるのかな。ピンクレディが流行ってる最中、別の場所では大量虐殺が為されていた様に。光と陰は案外近いのかもしれない。希望とは、理想とは何か、考えされられる物語でした。

  • 2019.5.4
    所々のBL感に拒絶反応。
    悲壮感も中途半端に感じた。
    児童文学くらいの位置付けなのか…?
    読み切った自分を褒めてあげたい。

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著者プロフィール

岡山県生まれ。1997年、『バッテリー』(教育画劇)で第35回野間児童文芸賞、2005年、『バッテリー』全6巻で第54回小学館児童出版文化賞を受賞。著書に『テレパシー少女「蘭」事件ノート』シリーズ、『THE MANZAI』シリーズ、『白兎』シリーズなど多数。児童小説から時代劇まで意欲的な執筆活動で、幅広いファンを持つ。

「2013年 『NO.6〔ナンバーシックス〕(8)特装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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