猫除け 古道具屋 皆塵堂 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 14
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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062779166

作品紹介・あらすじ

妻と母の待つ村に帰る日を心待ちにして、慣れぬ呉服屋勤めを終えた庄三郎は、村で悲惨な目に遭ってしまう。あやしい古道具屋で丑の刻参りの道具を漁るまでに追い込まれてしまったその男は、伊平次と出会い、その古道具屋に住み込むことに。暗くてすぐ騙される男が、曰くだらけの品ばかりそろっている皆塵堂で、はたして立ち直れるのか。そして巷では、猫好きの厳つい棒手振りの巳之助が激怒する、猫をいたぶる事件が起こっていた。

感想・レビュー・書評

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  • 再読。
    『曰く品』も構わず扱う古道具屋《皆塵堂》で今回修業するのは『陰気なすっとこどっこい』の庄三郎。
    彼の重すぎる身の上を癒すには、恐ろしくてお気楽な《皆塵堂》はピッタリか。
    やはりキャラクターが良い。
    気を遣っているんだか面白がっているんだか分からない店主、超現実主義で仕事が出来すぎる小僧、店の経営状況など気にしない地主、猫が好きすぎる乱暴な魚屋、水と鰻と猫が大嫌いなのに何故か猫に空かれる古道具屋若旦那。
    全体の雰囲気もホラーとおとぼけが上手く噛み合っていてテンポ良く読めた。
    最後も上手く収まり、いつものオチ。

  • 「古道具屋 皆塵堂」シリーズ第二弾。
    可愛い表紙と魅力的な登場人物たちでマイルドにはなっているけれど、きちんと怪談。
    今回皆塵堂に現れたのは、朴訥で真面目なのにツキに見放された不運な男 庄三郎。これが本当に可哀そう。第三話「憑いているのは」では、そんな彼に憑いているものの正体が明らかに....とは言っても厄病神ではない。
    前作で主人公だった太一郎もちゃんと実家の若旦那として引き続き主役級で参加。考えてみれば曰く品を扱うこのシリーズには欠かせない存在なのだから当然。猫が苦手な太一郎と猫の鮪助とのやりとりはいつも微笑ましい。

  • 太一郎は前作でおうちに帰ってしまったので、今作ではあんまり出ないかと思いきや…かなりがっつり…いいように使われてますやん(笑。
    新人さんが来て、どうなるかなーと思ってたのでちょっと嬉しい。
    それにしても鰻屋、呪いを送るほどの理由が知りたかったかも。
    何もそれなりに繁昌してる店の向かいで、相手に呪いを送ってまで開店する必要があったのかなぁと。
    そこだけ疑問が残ったかな~。

  • 身内に裏切られ家族を失った不運な男、庄三郎が皆塵堂の居候に。
    一作目から少し時間が経った設定で太一郎が実家の若旦那をしっかりと勤めておりました。
    巳之助が相変わらずだから太一郎の成長振りが目立ちました。
    庄三郎も幽霊が見えてしまう体質だったことから皆塵堂で色々な目に遭ってしまっていましたが周りの人間の姿から前向きに生きる力を貰え、最後は綺麗に収まり読んでいてすっきりとしました。

    しかし、最後の猫の話は残虐過ぎて読むのがきつかったです…。

  • 皆塵堂シリーズ第2弾

    丑の刻参りの件は怖かった~。夜中に読んでてぞくっとした。
    基本的に「憑りついてる古道具」の話なので、悲しい事件の被害者などの話なんだけど、全体的には明るいトーンで読みやすい。猫の件はかわいそうであまりきちんと読めなかった。

    うなぎ屋の話は胸がすっとした。

  • 二巻の方がなんだか読みやすかった
    気の毒な人があんまり死んでないからかな
    かわいそうな人が死んじゃって幽霊になる話はやっぱり夢見が悪い
    そして主人公が入れ替わっててびっくり
    なるほどこんな感じで進んでいくのかな、と思うとまた一段と読みやすくなった

  • 二冊目。猫がたくさんでてくる。続きも読もう。
    2018/3/8

  • 気が滅入る現実に、ぞくぞくする幽霊シーン。怖い要素があるものの、それ以外はとぼけた味わい。いい感じに力の抜けたトリオで、全体としては明るい。太一郎が頼もしく、安心して読める。
    彼らを知らない真面目な男を主人公に、振り回されあたふたするのがユーモラス。

  • 家の借金を返すため、村を出て3年働いてきた庄三郎。
    ようやく母と妻の待つ、田舎へ帰って来たが、庄三郎を待っていたのは。

    どの話も救いようがないような気が滅入る話。
    なのに皆塵堂の面々が絡むと、ちょっと切なく、でもどこかホッコリした気持ちになる。
    鰻屋の掛軸、自殺した許婚の鏡台、重い大八車、釣り忍、猫除けの根付。
    前作、頼りなかった太一郎さんがしっかりと活躍してるのが嬉しい。
    最後の話にニヤニヤが止まらず。

    そんな奴は放っておいても碌でもねえ目に遭うものさ。
    わざわざこちらから関わることはない。

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著者プロフィール

1972年、東京都生まれ。明治大学卒業。2008年に『掘割で笑う女 浪人左門あやかし指南』で第38回メフィスト賞を受賞し、デビュー。怪談と絡めた時代ミステリーを独特のユーモアを交えて描く。『古道具屋 皆塵堂』シリーズに続いて『溝猫長屋 祠之怪』シリーズも人気に。他の著書に『ばけたま長屋』『悪霊じいちゃん風雲録』などがある。

「2023年 『攫い鬼 怪談飯屋古狸』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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