恋愛小説 (講談社文庫)

  • 講談社 (2014年9月12日発売)
3.48
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感想 : 19
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  • 本 ・本 (560ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062779180

作品紹介・あらすじ

23歳の美緒には、大好きな彼の健太郎がいる。かっこよくて、優しくて、結婚するんだろうな、と思っている彼が。――しかし、ついサスケと寝てしまった。健太郎と一緒にいるのが絶対に幸せだし、なにより健太郎のことを美緒は好きなのだ。それでも、サスケのことも好き――そんな身勝手な美緒とサスケの恋は、次第に様相が変わる。あるひとりの女の、身勝手で未熟で生々しくも鮮やかな、恋愛大河叙事小説。


『るり姉』『しずかな日々』『その青の、その先の、』――心の襞を描く作家・椰月美智子が贈る「生きた」恋愛大河小説。

二十三歳の美緒には、大好きな彼の健太郎がいる。かっこよくて、優しくて、結婚するんだろうな、と思っている彼が。

――しかし、ついサスケと寝てしまった。

サスケは、実は健太郎と美緒ともともと同僚だった男の子。確かに話が合うし、一緒にいて楽しいし、昔から仲はよかったけれど、その頃は同じ会社の彼女がいた。健太郎の方がイケメンだし、育ちがいいし、家族も仲がいい。健太郎と結婚するのが、絶対に幸せだし、なにより健太郎のことを美緒は好きなのだ。それでも、サスケのことも、別に好きなのだ。
そしてサスケは、健太郎という彼がいるけれど、自分には今特定の彼女はいないけれど、美緒のことが大好きなのだ。

いいじゃない、気が合う同士、会いたいもの同士、会ってるだけなんだから――。
しかしそんな身勝手な美緒とサスケの恋愛は次第に、様相が変わり始める。

好意、愛情、執着、秘密、嫉妬……。人を好きになる気持ち、好きでいる気持ち、恋愛の感覚全てが書きとめられた、恋愛小説の真骨頂。 あるひとりの女の、身勝手で未熟で生々しくも鮮やかな、恋愛大河叙事小説。

感想・レビュー・書評

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  • 端的に言えば、主人公(女性)と恋人含めたその周辺の恋愛模様を、数年の間、のぞかせてもらうような小説。

    この小説には「ヒロイン」は出てこない。多くの人に共感してもらえるような女性はでてこない。特に主人公。
    私の身の回りにも覚えがない女性ばかりだ。
    しかし、本来、恋愛に素直に反応するならこの小説のような反応をすることなのか。大人になると、いろんな「制約」を自分に課してしまうことがあるが、この小説の女性にはそういうのがあまり見られない。

    一方、登場する男性は比較的好感が持てる。(もちろん全員ではない)
    女性はとがらせ、男性はまるめて、物語のバランスが保たれている(ように思う)。

    とはいえ、社会にはひとくせもふたくせもある人たちの集まり。
    自分があまり見えてないだけで、本当は社会のどこかしこで、小説のような世界が展開されてるのではないかとも思う。

    その意味では自分が見えてない世界を気づかせてくれるという小説だったかもしれない。

  • まあまあ長い文章であり、かつ恋愛以外の要素がほとんどないし、大きな事件が起きるわけではないけど、ついつい読み進めてしまう面白さがあった、感情移入できる部分とできない部分が交互に出てきて、読むのにちょっと体力を使うくらい、のめり込んでた本、最後の解説まで含めてすごい読後感ある本だった、時代は今とはちょっと違うけど女の人ならみんなどこかしら共感できるんじゃないかと思う。

    主人公はすごいわがままで何言ってんだこいつみたいなことばっか主張する女だけど、本当は私もこういうふうにできたらいいのにってどこかで嫉妬してるからそう思うのかもとも思った(もちろん理性や倫理に欠ける行動は違うけど)、冷静になれる恋愛と狂おしいほどに苦しくなる恋愛は両立できないし、どっちかの恋愛をしているときにはそうじゃないほうの恋愛につい憧れてしまったりするけど、結局恋愛に正解はないんだなと思う、ただ好きな人とずっと一緒にいられたらいいのに

  • 傑作「るり姉」の作者による長編エロ小説。「恋愛小説」よりも「モンスター」のタイトルの方が合っているのでは?男を翻弄する主人公の行動は驚愕的、作者の妄想が暴走している。

  • 長い…とにかく長かった。読み終えるまでに主人公の浅くて幼稚な恋愛感情に飽きてしまい、苦痛で仕方なかった。それでも最後まで読んだのは、たぶん、自分が忘れてしまった若い頃の恋の落ち方や終わり方を、思い出したかったからなのかも。でも、こんな恋愛感も主人公の自己中心的な身勝手さも、よくよく考えてみても共感できる部分が少なくてやっぱり読むのは時間の無駄だったかも。。
    作者の他の作品は読んだことがないですが、、ここまで若さ溢れる恋心の嫉妬や移ろいを、ある程度の年齢を重ねた人間が描けること自体が、とにかくすごいと思う。

  • 破綻しそうな三角関係の行方は…。恋愛の感覚、感情の全てが描かれた恋愛大河叙事小説。
    椰月さんってこんな文体だったっけ?というのが第一印象。言葉が、単語が、非常に多くて
    前半は読み難く感じました。そして主人公の美緒が“あまりにも”なのに驚かされる。
    明るくサッパリした気性で可愛い美緒ちゃんは、自分だけが大事でご都合主義で魔性の女。
    振り回される男性陣が哀れに思えたが、この物語に出てくる男女は皆がそんな感じですね。

    好きで好きでたまらなくて、隣にいるだけで幸せオーラが溢れる。反対に、さっきまで
    楽しかったのに些細なきっかけでどす黒い感情が沸き上がる…。嫌になるくらいにリアル。
    屈託なく全てを傾けられる、こんな恋愛はもうできない。これも一つの青春、だと思う。

  • よくある恋愛小説。
    ただし、心理描写がとても細かい。
    ごちゃごちゃして、最終的にはあっさりと終話。
    ーーー
    23歳の美緒には、大好きな彼の健太郎がいる。かっこよくて、優しくて、結婚するだろうなと思っている彼が。しかし、サスケと寝てしまった。気が合う同士、あってるだけだからいいじゃん、と思っていたがーー。行為、愛情、執着、秘密、嫉妬……。恋愛の感覚、感情のすべてが描かれた恋愛大河叙事小説。

  • 途中で飽きてしまった。恋愛物語。

  • 登場人物が、ほぼ全員ビッチという...(^ ^;
    すがすがしいほどに(ある意味)クズな小説(^ ^;

    当人たちは「恋する気持ち」にまっすぐなのでしょうが...
    むかし「愛は地球を滅ぼす」と言った奴がいたが、
    正にそんな感じにさせられる(^ ^;

    まともに読むと人間不信になりそうな一冊(^ ^;

  • とても分厚い本。
    中身の内容もとても分厚い。

    個人的には好きです

  • 表紙買いしたけど、正直失敗だったかなあ…。恋愛ものにしてはけっこうな長編だったけど、最後のほうは読むのが苦しかった。いろんなひとのいろんなエピソードが入ってるけど、詰め込みすぎ、だったんじゃないかなー。もっと短いお話だったら面白かったかも、と思うくらいには。


    終盤にかけて、終わりかけの恋を読むのがしんどかった、というのもある。
    恋愛の終わりって、しんどいよね。うまくいかないのはわかってるけど、別れられないあの空気。


    それにしても、岡見美緒。
    恐ろしい女や。
    自分本位すぎて、共感はできない。

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著者プロフィール

1970年神奈川県生まれ。2002年、第42回講談社児童文学新人賞を受賞した『十二歳』でデビュー。07年『しずかな日々』で第45回野間児童文芸賞、08年第23回坪田譲治文学賞、17年『明日の食卓』で第3回神奈川県本大賞、20年『昔はおれと同い年だった田中さんとの友情』で第69回小学館児童出版文化賞を受賞。『明日の食卓』は21年映画化。その他の著書に『消えてなくなっても』『純喫茶パオーン』『ぼくたちの答え』『さしすせその女たち』などがある。

「2021年 『つながりの蔵』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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