ノクチルカ笑う (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 29
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062779296

作品紹介・あらすじ

「死体って、光るのかな」文化祭の準備中、お化け屋敷の人形を見て呟いた女子の一言を、沖津は聞き逃さなかった。お化け屋敷のネタがばれクラスが崩壊の危機を迎えるが、やっとのことで開催にこぎつけた文化祭。そのまっただ中、つっつくことが趣味、人を陥れることばかりを考えて生きているイケメン沖津の最大の興味は、人形を作った美術部・真名井に光る死体の秘密を聞き出すことだった。卒業生・由良彼方が美術部教師として赴任する、「由良シリーズ」最新作。

感想・レビュー・書評

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  • いつの間にかひっそりと続いていた由良シリーズ。
    謎の解明も魅力的だが、本作の心に残るポイントは、うまくいってないクラスでの、モヤモヤした雰囲気の描写だ。なぜこんなにも息苦しいのか、、、。自分の理想との乖離、心がうまくついていかない状態が思い出されて苦しくなる。
    解決もしたが、何かドロリとした感情が残った。

  • 久しぶりに由良シリーズ……とは言ってもほとんど出ていないけど。でもこういう形でシリーズが続いていくのも良いんじゃないかな、と個人的には思う。
    読み終わった印象は、暗い?黒い?そんな感じ。でも嫌な感じはあまりしない。主人公2人の抱えているものがあまりにも日常的でなさすぎて、ピンとこないからっていうのもあるかもしれない。むしろ文化祭前にクラスがギスギスしていた時の方が苦かった。自分はもう高校生の年ではないけど、あの年頃の、教室の、クラスの、ギリギリで保たれている均衡はよく分かる。感情と理性の間。子供と大人の間。前半にそういった高校生独特の空気がとても感じられたからこそ、より後半の歪さが浮いて見えた。
    あと、内容のことではないけど。イラストが変わるだけでだいぶ印象も変わってくる。本って不思議だ……

  • 爽やかな学園小説かと思いきや、途中で垣間見え、ラストにはある程度ハッキリする背景の何とまあ黒いこと。
    なまじ大半を占める表面的なストーリーが面白いだけに、この居心地の悪いアンバランスさが妙な魅力に思える不思議な作品でした。
    もう1つ付け加えると、由良君は完全にオマケの扱いでした。

  • 久々のシリーズ新刊。

    高校の文化祭のざわめき。

    その中に、いろんな思いが渦巻いてるなー。

    物語は2部構成。

    ちょっとブラックな感じかな。

  • サイコパス!!!

    由良シリーズといいつつ、出番ちょろっとだし…(; ^ω^)
    由良シリーズって裏切りじゃん(; ^ω^)

    サイコパス沖津と、そのサイコパスに気付いてしまった真名井の話。

    真名井の叔母が「私がどこへ出ても恥ずかしい大人だから」に「そうだよ!」って否定しねえのかよ!って笑っちゃいました。


    文化祭の出し物、お化け屋敷を作ってる最中、誰かがネットにお化け屋敷の裏方写真を掲載。
    ネタバレしたお化け屋敷なんて楽しくない。ってことでみんなは大騒ぎ。
    リーダーの国近を責めたり、犯人探しをしたり…。
    真名井は別にそのままやればいいだろ。二年七組ががっかりするだけで、誰もがっかりしねえよ。と思いつつ、その場を鎮めるために「ちょっと変えればいいだけだろ」と案を出す。
    犯人は沖津なんだけどね。

    真名井は沖津がバラしたと気付いて取引をした。

    真名井が作った人形。真名井は国近に「光らせなくていいの?」と聞いた。
    真名井は小さい頃に家族を亡くした。
    母親が妊娠中に、父親が外で女を作っていたから、狂った母親は弟が生まれてすぐに父と弟二人を殺した。
    川に川の字になるように転がせて。
    そして、真名井はキャンプに行っていたから殺されなかったが、母親は山の中で迷って死亡した。
    その後、叔母に育てられた。

    父親と弟の死体に夜光虫が付いていたから、真名井は文化祭で使う人形にも、光らせなくていいのかと問うた。

  • 9月27日読了。図書館。

  • ずっとノクルチカだと思ってたよ~~。
    真名井くんがもてるのはなんとなく分かるよ・・・職人気質文化系(草食とは言ってない)。
    沖津くんはね!!これはいいクズと見せかけてラストのお姉さんの・・・あの・・・、怖かった・・・。陰鬱ダークさが『夜宵』ぽいです。

  • 帯タイトルは
    ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
    「光る死体」の謎が
    校舎を揺るがす。

    傑作「由良シリーズ」の描き下ろし新作が登場!
    ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

    しばらく読書から遠ざかっていたので
    リハビリの一冊でした。

    「うつろい揺れる」年頃。
    「小さな爆発」を繰り返している年頃。

    舞台は高校の文化祭前の準備時間。
    どんな人の懐にもすっと入りこめる沖津。
    人をひきつけ空気を変えられる真名井。

    それぞれが抱え隠していること。
    それが見えない隔たりとなっていること。

    めんどくさいけどラクだからいいや、とか
    あいつ何か気に入らない、とか
    微熱な苛々をどうやって発散するのか。

    文化祭準備中に起こった事件。
    日常が崩れ爆発する瞬間。

    踊ってるのか踊らされてるのか。

    どこにでもありそうな日常に
    「光る死体」が入り込むことで
    ミステリー感もあります。
    読後感は爽やか。

    由良がどう登場するのか気になっておりましたが、
    とっても少しだけ。残念。

    由良が高校生だった頃の物語は、
    作品中を軽やかに必死に駆け抜けてくれていましたが
    今作はすでに「大人」になっており
    物語の外側の人物でした。友情出演です。

    でもやっぱりこのテイストの話、好きです。
    また読書再開し始めます!

  • 三部作で綺麗に完結してたから続くとは思わなかった。そして絵が変わってたのがひたすらに残念でならない。也さんの絵がほんとに好きだったので。そして由良くんがほんとに関わらなさすぎて、由良シリーズというか、スピンオフみたいな感じでやればいいのになと、思ったり。本文を読むとやっぱり引き込まれる文章で、ぐさぐさと来る感じは相変わらずで嬉しい反面複雑な気分だった。まだ続くのだろうか。多分買ってしまうのだろうな。

  • 個人的に好きです。

    高校生、文化祭いいな~。楽しかったな~。
    当時の自分にとって文化祭とは、あまり大切なものではなかった。何かを一生懸命準備したという思い出もない。
    今思うとそれはとてもモッタイナイことだ。

    この話に出てくる高校はとても文化祭に熱心。

    ついこないだ由良シリーズ一作目『プシュケの涙』を読んだ。これは面白いと思い、すぐにこの本を見つけた。
    一作目同様、青春感がすごい。爽やか。爽やかミステリー?

    脳内で通っていた高校を舞台にストーリーをすすめていた。楽しい。

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著者プロフィール

第10回電撃ゲーム小説大賞金賞を受賞し、受賞作の『我が家のお稲荷さま。』(電撃文庫)でデビュー。本作はシリーズとなりアニメ化される。主な著書として『プシュケの涙』シリーズ(講談社文庫)、『おーい!キソ会長』シリーズ(徳間文庫)、『オコノギくんは人魚ですので』シリーズ(メディアワークス文庫)、講談社BOX『夜宵』シリーズ、などがある。

「2020年 『虫籠のカガステル 下』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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