サウスバウンド (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 202
レビュー : 17
  • Amazon.co.jp ・本 (672ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062779357

作品紹介・あらすじ

父は国家権力が大嫌い。どうやらその筋では有名な元過激派で、学校なんて行くなと言ったり、担任の先生にからんだり、とにかくムチャクチャだ。そんな父が突然、沖縄・西表島(いりおもてじま)に移住すると言い出し、その先でも大騒動に。父はやっぱり変人なのか? それとも勇者? 家族の絆、仲間の絆をユーモラスに描いた傑作長編。

感想・レビュー・書評

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  • 少年の成長していく様を描いた奥田ワールド全開のパワフル小説
    お金って、世間って、一体なんだ?って考えさせられた。これからの人生を生きるヒントになった。

  • 評価は5。

    内容(BOOKデーターベース)
    父は国家権力が大嫌い。どうやらその筋では有名な元過激派で、学校なんて行くなと言ったり、担任の先生にからんだり、とにかくムチャクチャだ。そんな父が突然、沖縄・西表島に移住すると言い出し、その先でも大騒動に。父はやっぱり変人なのか?それとも勇者?家族の絆、仲間の絆を描いた傑作長編。

    だめだめ男のお父さんだが、懸命に働いて「誰のお陰でメシ食えてるんだ!」という父親よりも、いざというとき頼りになる。だから、元お嬢さんの奥さんは付いていくんだろうなぁ~過激すぎるのも怖いけどある意味人生を知り尽くしているので何ごとにも動じない姿はちょっと良かった。
    子供同士のやり取りも少し大人が入るが、やっぱり子供というアンバランスさが出ていてホノボノとした。

  • 素晴らしい作品。
    読み始めから読み終わるまで、まるで主人公の少年に乗り移ったかのように、ストーリーを追体験できる。

    舞台となる島へ旅行に行った気分にまでさせてくもらえる、素晴らしい作品。

  • 家族がいれば住めば都。

  • 映画版に村井美樹さんが南先生役で出演してゐましたので、原作を読んでみました。わたくしは上下分冊の角川文庫版を購買しましたが、実はその後、合本が講談社文庫から出てゐましたね。ここではこちらを挙げておきます。

    主人公は上原一郎なる元過激派。東京で妻と三人の子供と暮らしてゐながら、いまだに活動家時代と同じ思想を持つてゐます、国家といふものを認めず、税金は払はず社会保険には加入せず、子供には学校なんか行くなと言ひ放ち、アジ行為を繰り返す人であります。困つた人。
    長男の二郎はそんな父親に迷惑を被つてゐます。本編はこの二郎君の視点で進みます。不良中学生の「カツ」に恐喝されながら勇敢にも戦ふ一面を持ち、成長を見せるのでした。父と同じ仲間のアキラおじさんも存在感を見せます。映画では出てこなかつたなあ。

    そして父は国家に頼らない自給自足の生活を求めて、一家で沖縄・西表島に移住してしまひます。公営住宅もあるのに、わざわざ電気も水道もないあばら家で生活を始めるのですが、そこは本土の資本が入つてゐて、開発予定の土地でした。上原家は不法占拠してゐたといふ訳。退去に応じぬ父。当然いざこざが発生し、果てはテレビにて強制撤去と最後まで抗ふ父の姿が全国に曝され......
    そして最後に父と母が選択した生き方とは......? 結局この上原一郎さんは、家庭を築いてはならぬ人でしたね。

    どうも映画を先に観たせいか、上原一郎が行動する度に、わたくしの脳内ではトヨエツが喚いたり暴れたりするので困りました。ただし原作では「ナンセンス」とは言ひません。官憲と戦ふ姿は痛快とも言へますが、単なる我儘なおつさんとも申せませう。小説としてはまことに読み易く、むしろ軽い印象です。骨太の小説を好む人には物足らぬかも知れません。しかし「結局、何を言ひたいの?」などと問ふては不可ません。上原一郎といふ人物のキャラクタアでぐいぐい押していく作品なので、この人物が合はない人にはつらい一作かもね。
    ぢやあ、又。

    http://genjigawa.blog.fc2.com/blog-entry-674.html

  • 配架場所 : 文庫
    請求記号 : BUN@913@O104@2
    Book ID : 80600057976

    http://keio-opac.lib.keio.ac.jp/F/?func=item-global&doc_library=KEI01&doc_number=002523563&CON_LNG=JPN&

  • 分厚い本。
    前編の第一部は、主人公の二郎が通う東京の小学校が舞台。
    小学生なりに同級生や上級生との関わり合い、そして元過激派の常識はずれで問題を起こす父への反感など、子供と言えども一人の人として悩み戦い成長していきます。
    後編の第2部は、東京では住みづらくなった二郎家族が西表島に引越しし、物語の背景が島民たちの温かさを含みガラリと変わります。
    東京での生活とは打って変わり活き活きと生活する父、そしてまたしても権力と戦う父と母の姿を目の当たりにし、二郎は成長していきます。

    国家権力がだ嫌いな父のキャラが面白い。
    他と関わるたびにムチャクチャで問題を起こすけれど、言っていることは的を得ているところが痛快であり身につまされる。
    二郎と一緒に、戦うことの意義を学んだ気がする。

    協調性ばかり気にして、戦うことを忘れてしまった大人にお勧めの一冊。

  • もうサウスバウンドが出てから10年か、と時の早さに驚く。この本を読んだ時は絶望的に仕事してなかった。そして再読した今もあまり仕事していない。
    仕事が少ない時期に惹かれるのかもしれん。

  • 前半と後半でだいぶ様子がちがう。構成がめちゃくちゃなようで、多分実はめちゃめちゃ考えられてる。
    父ちゃんはなんだかんだいって憎めない。
    涙あり、笑いあり、感動あり、かなり好きな感じ

  • ある5人家族・上原家のお話。
    元過激派で左翼派の破天荒な父親・一郎と、彼に呆れつつふりまわされる長女・洋子、長男・二郎、次女・桃子と、父親と子どもたちを優しく見守るが謎多き母・さくら。
    前編、後編と分かれている。全編にわたり、小六の二郎の目線で描かれる。前編は、東京の中野が舞台。後編は、沖縄の西表島が舞台。
    上原家は母が一人で喫茶店を切り盛りする。対して、父は自称・作家と言いつつ、家ではごろごろしている。そして、年金取り立て、かつての活動家達、二郎の学校の教師など、あらゆる人間とあらゆることで争い、持論を振りかざす。二郎はそんなちょっと変わった家庭で過ごしながら、また、彼も不良上級生達との争いに巻き込まれ親友達と共に悩み、攻防を繰り返す。11歳ながら悩みは尽きない。

    後編は、父の一言で、一家は父の故郷である西表島に移り住むことに。島の人達の優しさに触れながらも、またそこでも父と上原一家には様々な厄介ごとが次々と降りかかっていくのだった。
    何と言っても父、一郎の存在感が半端じゃない。「俺は日本人をやめる、年金など払わない、学校など行く必要はない。」
    とめちゃくちゃな事を言う。自信満々に。
    正直この偏屈親父に、私もイライラさせられっぱなしだったが、終盤は何だかカッコよく思えてくるのが不思議だ。
    破天荒で自分を曲げることのない父だが、二郎には、自分の生き方、考え方を押し付けない。
    「お父さんを見習うな。お父さんは少し極端だからな。けれど卑怯な大人だけにはなるな。立場で生きるような大人にはなるな。これは違うとおもったらとことん戦え。」と。
    このシーンは良かった。
    家族のために普通に働けよ!と何度も思ったけどね。

    前編の、クラスメイト達とのシーンも好きだな。愛着が湧いてきて、別れは私も寂しく感じた。家族だけでなく、友情の魅力も感じることのできる一冊となっていると思う。

    映画化もされているらしい。父がトヨエツ、母が天海祐希、そして長女の洋子が北川景子だって。これは面白そう。見てみよう。

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著者プロフィール

おくだ・ひでお
1959年岐阜県生まれ。プランナー、コピーライターなどを経て1997年『ウランバーナの森』でデビュー。2002年『邪魔』で大藪春彦賞受賞。2004年『空中ブランコ』で直木賞、2007年『家日和』で柴田錬三郎賞、2009年『オリンピックの身代金』で吉川英治文学賞を受賞。著書に『最悪』、『イン・ザ・プール』、『マドンナ』、『ガール』、『サウスバウンド』、『家日和』、『無理』、『噂の女』、『我が家のヒミツ』、『ナオミとカナコ』、『向田理髪店』『ヴァラエティ』など。映像化作品も多数あり、コミカルな短篇から社会派長編までさまざまな作風で人気を博している。

「2017年 『新装版 ウランバーナの森』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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