サウスバウンド (講談社文庫)

  • 講談社 (2014年10月15日発売)
3.71
  • (45)
  • (93)
  • (70)
  • (16)
  • (3)
本棚登録 : 1023
感想 : 59
サイトに貼り付ける

本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

Amazon.co.jp ・本 (672ページ) / ISBN・EAN: 9784062779357

作品紹介・あらすじ

父は国家権力が大嫌い。どうやらその筋では有名な元過激派で、学校なんて行くなと言ったり、担任の先生にからんだり、とにかくムチャクチャだ。そんな父が突然、沖縄・西表島(いりおもてじま)に移住すると言い出し、その先でも大騒動に。父はやっぱり変人なのか? それとも勇者? 家族の絆、仲間の絆をユーモラスに描いた傑作長編。

みんなの感想まとめ

家族の絆と成長をユーモラスに描いた物語は、元過激派の父とその息子の視点を通じて展開されます。物語は、父の無茶苦茶な行動に悩まされる息子の心情から始まり、東京から沖縄・西表島への移住をきっかけに、家族の...

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • なんて瑞々しいんだろう。本当に大人が書いたのかな?と思うほど、十二歳の少年の心がすぐそばに感じられる。奇しくも十二歳の子を持つ親としてとても興味深く一つ一つの文章が愛おしく思えました。子どもだって、いや、子どもだからこそ、ぐっと素直に自然の摂理や人の温かさを受け止めて理解することができるんだな。東京編から沖縄編へ一気にトンネルを抜けて世界が広がるそのスケールとスピードが心地よく最後のページを迎えることが寂しくもありました。

  • 過激派の無茶苦茶な父親、上原一郎。
    前半は本当に酷くてこんな父親だったら人生終わりだなと思わせるくらいの書きっぷり。
    沖縄移住も唐突すぎて子供達が可哀想すぎる。
    と思いきや、2部になるとみんな生き生きで父のことを毛嫌いしていた姉までも移住してきて同居生活に。

    前半と後半で父の印象が真逆になる作品。
    ボリューム満点で2冊分読んだ気分。

  • 元過激派の上原一郎を父に持つ小学生・上原二郎。
    国家権力が大嫌いな一郎は、国民年金を払わなかったり、修学旅行費が高いと学校に怒鳴りこんだりと、一郎のメチャクチャな行動に、二郎は頭を悩ませられる…
    二郎は二郎で、中学生・カツからのたかり、いじめに悩まされていた…
    そんな折、一郎から西表島に移住することを告げられる。
    移住した西表島でも大騒動が…

    一郎はなんと迷惑な親だと思っていた。
    でも決して間違ってなかった。
    修学旅行費のことにしても。
    かっこいい父親じゃないか。
    間違ったことに間違っている人間がどれだけいるか。

    そんな一郎を、何も言わず、陰から支える母・さくらもかっこいい。本当に好きなんだろうな。
    中野のころはあまり存在感がなく、⁇な存在で、メチャクチャな一郎に何も言わず…
    一郎が決して間違っていないと思ってたんだろうな。よっぽどのことがあればって感じで見守っていたんだろう。
    西表島に来てからはいきいき。
    『御茶ノ水のジャンヌダルク』の異名通りの活躍も。

    二郎もカツに対して、最後に自分できっちり型をつけることができて、よかったよ。この父と母の子なんだから、決してカツになんか負けるはずがないんだから。
    二郎も一郎を本当にかっこいいって、思ったはずだ。

    長女・洋子も西表島でいきいきと。

    西表島の上原家、本当にいい家族だった。
    上原家、最高!!

    700ページ弱、あっという間に読了。
    最初は長いかなって、思ったけど、おもしろかった。


  • 元伝説の過激派の父を持つ主人公の小学生が、そんな父に翻弄されながらも、友情や恋を経験しながら成長していく。前半の東京中野の下町の雰囲気からの後半の西表島でのサバイバルな生活の描写が面白いのと、登場人物のそれぞれのキャラクターが立っているのが面白い。

  • 図書館で文庫本を借りようとふらっと棚前に行き、なんとなく聞いたことのあったこの本をピックアップ。大きく2部に分かれ、前半はややリアルな都会の話、後半はやや童話的な西表の話。沖縄の人物描写はとても心地よかった。
    2部の終盤はやや失速感があったが、全体通して面白かった。令和の時代にどんな規模で残っているのかはわからないかが、活動家ってこんな人達なんだなぁ、と少しイメージが沸いた。共感は全く出来ないけど。

  • 第1章も第2章もそれぞれ面白くて、続きが気になって仕事が手につかなくて困るほど。2冊分くらいのページ数だが長さは感じなかった。元過激派で今はアナーキストの父と御茶ノ水のジャンヌ・ダルクと言われた母。もっと小難しい話かと思ったら(小難しい解釈もできるけど)、エンターテイメントだった。いやぁ楽しんだ。

  • 友達のオススメ本。
    二部構成の壮大な物語。読み終わり、自分のこれまでやこれからの生き方について思いを馳せてしました。主人公の二郎をはじめ、子供たちはこれからも逞しく生きてよくのだと思います。
    自分を貫き通すことで、人には芯が出来てくるのでしょう。主人公のお父さんはとても極端ですが、自分の中で小さな、とても小さな事でも良いから何か譲れないものを持つ事は大切なのだと学びました。
    物語の後半には二郎に対し、「お父さんを見習うな」とも伝えています。あくまでも自分の人生は自分で決めろという父親としての息子に対するエールには心が熱くなるものがありました。
    感情を動かされる小説でした。

  • 前半は東京の中野後半は西表島の生活。
    過激派の父、 喫茶店経営の母親、十歳以上年上の姉、小学6年生の二郎、小学生の妹の5人家族。
    東京で生きづらくなった父親は、家族で移住する。島での自給自足生活がみんな板についてくる様子が中野とは全く違い、たくましい。でも父親は戦い続け一貫して主張を変えない。兄弟も中野時代より結束が深まり、父親の生き方を認められるようになり、この家族にとってはいい選択だったのだろうと思う。読んでいる間いい時間を過ごせた。

  • 父すげー…!でも自分の父だとちょっと困るよなあ笑
    主人公の気持ちすごいよくわかった。父はあまりに身勝手だけど国が正義とも思えないよな。
    二郎はいいやつだわ。あと先生も、自分の過ちを認められるかっこいい大人だった。
    私の親(というか母)も割とスローライフ推奨&物々交換大賛成派なので、後半の島での生活の人の温かさや家が蘇る様、勝手気ままな生活がすごく羨ましくなった。
    私も島に行くか。

  • 型破りな父親を持つ小学生のドタバタな毎日。
    東京では、不良中学生に目をつけられ、友達と共に戦ったり、裏切られたり…
    家では居候の男性から怪しい手伝いをお願いされ、事件に巻き込まれ、騒動のために貸家から追い出され、何故か沖縄に移住。

    沖縄では何故か行く先々で歓迎され、働かなくても食べるには困らない暮らし。
    楽しそうだけど、やっぱりドタバタな日々。
    よくもこんなに騒動が起きるもんだと感心する。
    なんだかんだでワチャワチャ楽しそう!
    最初きらいだった父親が最後には可愛く思えてくる不思議。

  •  家族の絆を描いた傑作長編というと心温まるほっこりストーリーかと思うが、読んでみるとかなり特殊な家族だった。元過激派の父には最初反発しか覚えなかったが、西表島に移住してからはどんどん格好良く見えてきて不思議な気持ちに。子どもたちを力ずくで自分の思想に染めようとしないところが良い。こんな父親が良いかと言われると首を傾げるが、実際に父親だったなら誇りに思えるお父さんだっただろう。自分の非を手紙で認めた南先生も、移住後に吹っ切れたかのような母と姉も魅力的な人物でいっぱいだった。

  • 小学生が主人公で、「奥田英朗にはこういう作品もあるんだ」と思った。この作品に限らないけれど、小説に出てくる小学校高学年というのは、考えているし、よく察するし、とても大人っぽい。自分の小学生の頃ってもっと子供っぽくて、何にも分からなくて、何にも考えてなかったなと思う。自分の発達が遅かったのか、記憶が捏造されているのか、大人向けの小説だから大人っぽく書かざるを得ないのか、作者も匙加減が分からなくなっているのか、よく分からない。

    西表島はそんなにのどかなところなのかなぁと疑問。自分の地元は田舎だけど、たぶん中野とそう変わらなかった思う。

    家族って良いねと思った。

  • 元過激派の両親を持つ主人公。
    国家に支配されてたまるか!とかいう父の思想に振り回されて…。


    上巻は友情愛、下巻は家族愛。

    スッキリサッパリ爽やかに楽しめます。
    友達っていいな、家族っていいな♪
    そんなふうに思っちゃいましたるんるん

  •  いや~こういうの好きです。
     いじめ、暴力、政治的思想、不倫、押し寄せるストレス・・これだけ書くと、どんだけ暗くて重い話なのかなと思ってしまうだろうけど、軽い!軽いけど深い!深いのにサラサラしてる。きっと純真な子供目線で展開するからなのだろうなあ。ヒネタ大人と違って知らないことを知らないと認め、明日にワクワクする心を持ってると、すべてのことが楽しい。
    そして単にストーリー展開するだけの作品ではなく、奥田さんの上手な心の表現とキレのいいユーモアセンスが見事にアシストしてる。
    続編読みたい!

  • いやーー、上爆笑しながら読んでしまった。面白いし、勢いがある!

    えーと、この物語は、なんか読んでるうちに、自分が、「一般常識」に気づかぬうちに縛られてるんだなーって、しみじみ思ったというか。
    電気が無くても、水道が無くても、お金がなくても、それこそ、無政府でも(笑)、 自身の手や、周りの人間との助け合いで、自給自足で生きていけるのであれば、
    もうなんでもいいんじゃないか!とか(笑)
    こういう生き方は多分私にはできないだろうけども、「こういうのもアリ」なんじゃないだろうかw?  
    (いや、普通はナイだろうけども)
    なんて思わせてしまうようなパワーがあるというか・・・ちょっとだけ、このお父さんのような生き方にもあこがれてしまったというか。
    まあ、実際こんな父親だったら、絶対いやだと思うし
    受け入れられないと思うんですけどね!
    やっぱり暗い本より、こういう内容の方が読んでてテンションあがりますねー。お勧めです 

  • 少年の成長していく様を描いた奥田ワールド全開のパワフル小説
    お金って、世間って、一体なんだ?って考えさせられた。これからの人生を生きるヒントになった。

  • 評価は5。

    内容(BOOKデーターベース)
    父は国家権力が大嫌い。どうやらその筋では有名な元過激派で、学校なんて行くなと言ったり、担任の先生にからんだり、とにかくムチャクチャだ。そんな父が突然、沖縄・西表島に移住すると言い出し、その先でも大騒動に。父はやっぱり変人なのか?それとも勇者?家族の絆、仲間の絆を描いた傑作長編。

    だめだめ男のお父さんだが、懸命に働いて「誰のお陰でメシ食えてるんだ!」という父親よりも、いざというとき頼りになる。だから、元お嬢さんの奥さんは付いていくんだろうなぁ~過激すぎるのも怖いけどある意味人生を知り尽くしているので何ごとにも動じない姿はちょっと良かった。
    子供同士のやり取りも少し大人が入るが、やっぱり子供というアンバランスさが出ていてホノボノとした。

  • サクサク読めて楽しかった
    友情しかり
    でもあの親は遠慮したい
    アキラおじさんのその後が気になる

  • 人生って難しいねー。このお父さんと銀魂のマダオと。

  • やめられない止まらない。小中学生の悩みをこんなリアルに描いて追体験できる作品って他にない。いや、こんな特殊な環境の小学生早々いないだろうけどさ。とにかく読んでてこっちの感情が引きずられるくらい引き込まれる。後味もいい。

全52件中 1 - 20件を表示

この本が好きな人におすすめの本

著者プロフィール

おくだ・ひでお
1959年岐阜県生まれ。プランナー、コピーライターなどを経て1997年『ウランバーナの森』でデビュー。2002年『邪魔』で大藪春彦賞受賞。2004年『空中ブランコ』で直木賞、2007年『家日和』で柴田錬三郎賞、2009年『オリンピックの身代金』で吉川英治文学賞を受賞。著書に『最悪』、『イン・ザ・プール』、『マドンナ』、『ガール』、『サウスバウンド』、『無理』、『噂の女』、『我が家のヒミツ』、『ナオミとカナコ』、『向田理髪店』など。映像化作品も多数あり、コミカルな短篇から社会派長編までさまざまな作風で人気を博している。近著に『罪の轍』。

「2021年 『邪魔(下) 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

奥田英朗の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×