すべて真夜中の恋人たち (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (360ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062779401

作品紹介・あらすじ

「真夜中は、なぜこんなにもきれいなんだろうと思う」。わたしは、人と言葉を交わしたりすることにさえ自信がもてない。誰もいない部屋で校正の仕事をする、そんな日々のなかで三束さんにであった――。芥川賞作家が描く究極の恋愛は、心迷うすべての人にかけがえのない光を教えてくれる。渾身の長編小説。

感想・レビュー・書評

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  • 土砂降りと落雷。
    動く予定だった電車は、落雷による信号機の故障で動かなくなり、その影響で、行く予定だった場所に行けなくなってしまった。
    ぽっかりと空いた時間。
    まるでこの作品を読み終える時間が用意されたかのように、そこにすっぽりとはまり込んだ。

    この作品は「静謐」という言葉が似合う。
    土砂降りと静謐。
    この対極の空間。
    その空間の中で。
    ひとつひとつ紡ぎ出される言葉が、それらがまるで濁点のないひらがなだけが、はらはらと降ってくるような、静謐な文字の世界。校閲という主人公の職業と、ぴたりと重なる。

    ひらがなの使い方、句読点の打ち方、段落の分け方。
    それらすべてが美しく、絶妙なバランスでもって支えあって、緻密に計算されたように構成されている。
    ある三角形があるとして。
    頂点Aが動けば、それに合わせて頂点Bも動き、全体のバランスを調整している。この三角形は、常に流動的に頂点が動き、移動を繰り返す。動きながらにして、その三角形は、常に美しいバランスを保っている。
    それほどまでに、美しい言葉で構成された、究極に繊細な世界。
    その世界で、一粒の結晶も逃さないように、上に手を伸ばす。しっかりと歩く。言葉が雪のように静かに降り、しんしんと積もってゆく。
    じっくりと足で踏む雪の感覚を味わうように、ミシッという一瞬の音を聞き逃さないように、読み進めてゆく。

    恋そのものが苦しいのではない。きっと、主人公自身の苦しみが、恋を苦しくさせているのだろう。彼女はその、主人公が抱える痛みを、静謐な世界で描ききる。主人公の生きづらさにフォーカスしながら、恋の美しさを描いた、長編傑作。

  • ー 真夜中は、なぜこんなにもきれいなんだろうと思う。
    それは、きっと、真夜中には世界が半分になるからですよと、いつか三束さんが言ったことを、わたしはこの真夜中を歩きながら思い出している。

    何もかもが美しい小説だと思った。
    読み終わった後、その余韻でため息しか出ない…

    人を思うこと。
    その喜び、切なさ、そして苦しさ。余すところなく表現されている。

    校正といえば、ドラマ「校閲ガール」の石原さとみを思い出してしまうが、主人公の冬子は、村田沙耶香さんの「コンビニ人間」の恵子をどこか彷彿させるところがある。34歳。ひとりでひっそりと静かに生きている。
    ある日、カルチャーセンターで58歳の男性、三束さんに出会い、恋をする。

    この小説は「究極の恋愛」について書かれている。そして、川上未映子さんにとっての究極は「成就しない恋愛」だという。
    この小説は、光がモチーフとして扱われている。光はいつか消える。だけど今確かにある。「恋愛」はそのようなものではないか。だからこそ美しい。

    そして、川上さんが「光そのものの演奏」と言う辻井伸行さんが弾くショパンの「子守歌」!
    これからこの小説を読まれる方は、この曲を聴きながら、真夜中に読まれるのをおすすめします。

    • naonaonao16gさん
      なるほど~
      「負けないで」はもはや日本国民全員知ってますからね…
      いやほんとに、驚きました…
      なるほど~
      「負けないで」はもはや日本国民全員知ってますからね…
      いやほんとに、驚きました…
      2021/09/16
    • たけさん
      naonaoさん。
      ツイッター見つけましたよ!
      noteとアカウント名同じでしたね!

      今、ワクチン接種2回目終えて15分待機中ですが、これ...
      naonaoさん。
      ツイッター見つけましたよ!
      noteとアカウント名同じでしたね!

      今、ワクチン接種2回目終えて15分待機中ですが、これから発熱するかと思うと憂鬱…
      2021/09/18
    • naonaonao16gさん
      たけさん

      あ!見つかってしまいましたね!
      どこかでヒント出そうと思ってたのに!(笑)

      ワクチンお疲れ様でした!わたしは明日ですソワソワ
      ...
      たけさん

      あ!見つかってしまいましたね!
      どこかでヒント出そうと思ってたのに!(笑)

      ワクチンお疲れ様でした!わたしは明日ですソワソワ
      トレーニングはしばらくお休みですね!
      2021/09/18
  • 主人公の入江冬子は人と関わることが苦手で、会社を辞めて、一人暮らしの自宅でフリーランスの校閲の仕事をしていて、大手出版社の社員石川聖に、仕事の受け渡しをしてもらっている。
    聖は冬子と同い年で同郷という共通点があるものの、はっきりとものを言う性格で、冬子とは対照的な性格をしている。

    いつもぼんやりとしていて、ほとんど感情を表にあらわさない冬子という人物を際立たせるために、石川聖がすごく重要な役割を果たしているような気がします。

    女性らしい滑らかな文章で綴られていて、物語にどんどん引き込まれていきます。
    カルチャーセンターで知り合った三束さんと冬子との会話の内容が、二人の醸し出す空気が切なく澄み切っていて、まるで夜の闇に吸い込まれてしまいそうで、ほんとうに美しいのです。

    たとえそれがいつかはかなく消え去ってしまったとしても、この出会いが一筋の光のようにいつまでも冬子の心の中で輝き続けているのだと思う。
    恋愛ってそういうものなのだなぁと思う。

  • 人づきあいが苦手で、孤独を当たり前のように生きてきた冬子。
    誰もいない部屋で校正の仕事をする、そんな日々の中で三束さんに出会った。

    冬子だけでなく、ここに出てくる人みんながとても不器用。
    きっと誰にでも見える部分と見えない部分があって、一見輝いて見えても、その裏では誰もが生きづらさを抱えているんだろう。
    "何もしてこなかった"冬子が34歳にして初めて抱いた感情。
    曖昧な2人の関係だったかも知れないが、恋をすることで冬子は確かに変わったんだと思う。
    そして私が1番不器用だと思ってた聖も、自分の弱さを吐き出すことで変われたんだと思う。

    光について語られる描写がとてもロマンティック。
    光はいつか消えてしまうものだけど、1度見つけた光はいつまでも心の中には残る。

    静かで、儚くて、とても美しい恋愛小説だった。

  • 川上さんの作品、初読みとなりましたが、ずっと読みたいと思いながら積読となっていました。

    読み始めた最初の頃はどことなく違和感を感じていました。

    読み終えた今は完全に放心状態ですが、違和感の正体が今ならわかります。

    とにかく文章が美しい。

    普段自分が使っている言葉と、本作の言葉、同じ日本語っちゃあ日本語なんですが、違うんですよねぇ。

    きっとそれが最初に感じた違和感の正体。

    不器用な主人公、入江冬子の純愛物語。

    テーマは光。

    本来光は目に見えるものではなく、私達が日頃目にしているのは、反射した光。

    いやぁ〜、上手いなぁ。



    説明
    内容紹介
    「真夜中は、なぜこんなにもきれいなんだろうと思う」。わたしは、人と言葉を交わしたりすることにさえ自信がもてない。誰もいない部屋で校正の仕事をする、そんな日々のなかで三束さんにであった――。芥川賞作家が描く究極の恋愛は、心迷うすべての人にかけがえのない光を教えてくれる。渾身の長編小説。
    内容(「BOOK」データベースより)
    「真夜中は、なぜこんなにもきれいなんだろうと思う」。わたしは、人と言葉を交わしたりすることにさえ自信がもてない。誰もいない部屋で校正の仕事をする、そんな日々のなかで三束さんにであった―。究極の恋愛は、心迷うすべての人にかけがえのない光を教えてくれる。
    著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
    川上/未映子
    1976年8月29日、大阪府生まれ。2007年、デビュー小説『わたくし率イン歯ー、または世界』(講談社文庫)が第137回芥川賞候補に。同年、第1回早稲田大学坪内逍遙大賞奨励賞受賞。2008年、『乳と卵』(文春文庫)で第138回芥川賞受賞。2009年、詩集『先端で、さすわ さされるわ そらええわ』(青土社)で第14回中原中也賞受賞。2010年、『ヘヴン』(講談社文庫)で平成21年度芸術選奨文部科学大臣新人賞と第20回紫式部文学賞を受賞。2013年、詩集『水瓶』(青土社)で第43回高見順賞、短編集『愛の夢とか』(講談社)で第49回谷崎潤一郎賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

  • すべて真夜中の恋人たち

    装丁がただ、ただ美しく。
    音色さえ聴こえてきそうなデザインであったため、手にとりました。

    川上さんの小説は始めてです。

    1.主人公
    30代半ばの女性。職業はフリーランスの校正作家。
    1人で部屋にこもり、文字の誤りを見つけ、正す職業。
    学生、就職、そして転職ともに、本人曰く「自身で決めることはなく、意思も少なく、流れ」で生きてきたひと。

    2.変化
    そんな彼女が少しずつ変化する。

    お酒を飲めず。
    しかし、仕事を終えての18時からの晩酌がリズムに。

    スクール。
    外の世界へ。習い事がどんなものがあるのか?
    チラシを片手に教室へ。

    出会い。
    スクールで一人の男性との出会い。
    気になる存在。
    久しぶりの感覚に、戸惑いを覚えながら、季節を重ねる。

    3.読み終えて

    ひとりきり
     時間空間
      あらためて
       初めて気づく
        音色ありけり


    日常には、音も色も溢れている。
    小説の世界では、この音や色を認識できることの尊さを教えてくれる。

    他人が認識する音、色。
    自身が認識する音、色。

    そして、自身と他人が違う存在だからこそ、一人きりの空間で感じとれる音、色。

    最初から最後まで、静かで、空気を感じることのできる小説でした。

    初めての感覚の世界に誘われました。

    • アールグレイさん
      高岡さん(^_^)/
      お久しぶりです♪

      この本は2-3年程前に読んだと思います。
      題名が気にいって、です。
      残念ながら、内容はすっぽりと...
      高岡さん(^_^)/
      お久しぶりです♪

      この本は2-3年程前に読んだと思います。
      題名が気にいって、です。
      残念ながら、内容はすっぽりと抜けてしまいました。その頃ブクログにいたら、と思うことがしばしばあります。
      家に読みたい本があるのに、図書館予約本の連絡がありました。
      いつ、話題作が読めるのでしょうか。
      話題作ではなくなってしまう!
      (◎_◎;)
      2022/10/16
    • 高岡  亮さん
      メッセージ。ありがとうございます。
      同じですね。
      装丁が素敵で、手にとりました。

      本との出会いは一期一会。

      コロナで、本との対話がさらに...
      メッセージ。ありがとうございます。
      同じですね。
      装丁が素敵で、手にとりました。

      本との出会いは一期一会。

      コロナで、本との対話がさらに大切となりました。

      図書館から早く届きますように。。。

      2022/10/16
  • 川上未映子さんの作品は「ヘヴン」に続き2作目。
    タイトルと表紙の装丁に惹かれて購入しましたが、主人公はじめ、登場人物の心情がひとつも理解できないままでした。

    主人公の、三束さんへの執着とも言える恋慕も、魔法瓶に日本酒を入れて常に酔っていないと会話さえできないのも(酔った状態での会話も覚束ないものでしたが)、すべて理解不能。
    前作で感じたキラキラした詩的表現も今回はなく、作者さんの伝えたいこと、書きたいことが分からないまま終わってしまった感じでした。

  • 「孤独の中に繋がりを感じる」

    ✼感想✼
    川上未映子著書。
    恋には様々な形があることを教えてくれ、
    決して手を繋いだり、身体を重ねることだけが
    恋というものではない。
    ただ相手のそばに居たい。それだけでも充分
    恋というものに定義されるものだと感じた。
    主人公である“入江冬子”が物語中に出てくる
    心の表情や動きや感じ方の文中の表現が本当に綺麗で
    これを文で読者に想像させることが出来る
    川上さんの表現力にとても驚いた。

    ✵あらすじ✵
    「真夜中は、なぜこんなにもきれいなんだろうと思う」。
    わたしは、人と言葉を交わしたりすることにさえ
    自信がもてない。誰もいない部屋で校正の仕事をする、
    そんな日々のなかで三束さんにであった---。
    芥川賞作家が描く究極の恋愛は、
    心迷うすべての人にかけがえのない光を教えてくれる。
    渾身の長編小説。

    ✣参考サイト✣
    https://www.amazon.co.jp/すべて真夜中の恋人たち-川上-未映子/dp/4062172860/ref=nodl_

  • 人間ってほんと不器用だな。でもそこがたまらなく愛おしいな。
    誰かを好きになることは苦しい。でもそこから見える景色はとっても素晴らしい。
    川上未映子さんのリズム感のある文章で紡がれる心理描写に、身悶えするほどハマった。

    ◉空虚な心
    フリーの校閲者である冬子は「自分」というものが薄い。人と話す事が得意では無い。じっと部屋にこもって本になる前の文章の中の間違いを探す日々。
    皆、冬子の前で訥々と語る。悪口や嫌に思っている事。それを冬子は受け止め、ただ聞いている。話す方は「この人は何も返してこない。空っぽだ」と思い、時にはひどい言葉を言って去っていく。
    虚しさを埋めるためにお酒を飲み続け、アル中みたいになるところは読んでいて痛々しかった。そんな中、三束さんという50代の男性と出会う。

    ◉人の心は外からは分からない
    きっと冬子は空虚なのではなく、繊細に感じている気持ちを外に出すための言葉を持っていないだけだと、私は読んでいて思った。

    三束さんは冬子が常習的に飲酒していると知りながら、話し相手になってくれる。「人には事情がありますから」と、理由を追求することもなかった。
    そんな彼だからこそ、冬子が自分の中から言葉を出せるような空気感や会話の間を作り出せたのだと思う。
    三束さんは冬子の分からない部分を自分の価値観で「こういう人だ」決めつけることなく、分からない空白をそのまま残しておいてくれる、そんな人だった。

    ◉正反対の女性・聖への憧れ
    仕事で顔を合わせる聖は、華やかな容姿で自分の言い分を強く主張する事ができ、モテる。そんな彼女の見え方も、前半と中盤以降では微妙な変化があるような気がして面白い。
    彼女は自分を押し通すあまり敵を作りやすかったり、恋愛観も変わっていたり。
    自分にない物を持っている。三束さんへの恋心を意識すると同時に、聖への憧れと羨ましさが更に心を虚しくしていく。

    しかし、聖も冬子に似た感情を持っていたのではないかな、と私は思っている。

    ◉不器用に「光」を求める人たち
    何度も出てくる「真夜中の光」という言葉。
    冬子は昼間の明るさではなく、真夜中に一生懸命光っている輝きに魅かれる。
    私は何となく「自分の求める物」「理想」「手に入れたい物」を連想した。
    冬子も聖も三束さんでさえも、とても不器用なのだ。自分が嫌で、嘘をついたり、人を傷つけたり。それでもなりたい姿を求めてもがいている。
    不完全で不器用だからこそ、愛おしい。

    虚しさ、苦しさ、いろいろ経て
    ひとつ乗り越えた、成長したと感じられるラスト。少し寂しいけど、もう大丈夫、と前を向ける感じでとても好き。
    いい本を読みました。

    • naonaonao16gさん
      ミオナさん

      こんばんは^^

      先ほど読み終わりまして、改めてレビュー拝見させていただきました。

      かなり久々の未映子さん作品で、どっぷりと...
      ミオナさん

      こんばんは^^

      先ほど読み終わりまして、改めてレビュー拝見させていただきました。

      かなり久々の未映子さん作品で、どっぷりと浸かるようにその世界にはまっていきました。

      改めて。
      作品で描かれている細かな心理描写や関係性を言葉にされてまとめ上げらていて、とてもわかりやすく素敵なレビューでした。
      こうして作品を自分の言葉で伝えたいと思うのですが、わたしには難しく…いつも自分語りになってしまうので尊敬です。

      未映子さんは、不器用ゆえ傷ついた人たちの繊細さを描くのが上手ですよね。昔「ヘヴン」を読んだ時に、ものすごい痛みを感じたんです。

      長文失礼しましたm(__)m
      また遊びに来ますね^^
      2021/03/13
    • ミオナさん
      naoさん!はじめまして!
      いつもいいねをくださってありがとうございます。
      naoさんからのコメントが嬉しすぎて一人打ち震えてました…
      あり...
      naoさん!はじめまして!
      いつもいいねをくださってありがとうございます。
      naoさんからのコメントが嬉しすぎて一人打ち震えてました…
      ありがとうございます。

      細かな心理描写や関係性…
      そうですね。冬子の心理描写は素晴らしすぎて、やっぱり川上未映子さん天才だ、と思いました!
      そして本を読んだ人同士だけが分かる、この共有感がたまらないですよね。

      そして私はnaoさんの語りのレビューもだいすきです^_^
      2021/03/13
    • naonaonao16gさん
      ミオナさん

      こんばんは^^
      返信嬉しいです\(^o^)/

      打ち震えてたんですね(笑)
      誰かからのコメントって、嬉しいですよね!

      そう、...
      ミオナさん

      こんばんは^^
      返信嬉しいです\(^o^)/

      打ち震えてたんですね(笑)
      誰かからのコメントって、嬉しいですよね!

      そう、こうして共有できる時間って本当に幸せです!
      未映子さんですが、冬子の心理描写だけでもこちらの心が痛むほど素晴らしいのに加えて、聖という女性の、別の女性からの見られ方なども丁寧に描かれていて、それもなるほどなと思いました。単なる恋愛小説じゃないなって。
      この作品のそういう部分をきちんとまとめてレビューにされていて、ああーこんな風にわかりやすく描いてみたい!って思ってました。

      これからも一人語りレビュー読んで下さったら嬉しいです(´ー`)
      ありがとうございました!
      2021/03/14
  • とても繊細で、美しい小説だった。
    登場人物がナイーブだったり不器用すぎたりで、共感しづらい部分もあったけれど、川上さんの紡ぐ言葉の世界が心地よくて、もう少し漂っていたくなった。
    理屈じゃなく、誰かに惹かれること。相手をもっと知りたいと思うこと。それは恋であっても、友情であっても、とても奇跡的で素敵なことなんだなと思った。

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著者プロフィール

大阪府生まれ。2007年、デビュー小説『わたくし率イン 歯ー、または世界』で第1回早稲田大学坪内逍遥大賞奨励賞受賞。2008年、『乳と卵』で第138回芥川賞を受賞。2009年、詩集『先端で、さすわ さされるわ そらええわ』で第14回中原中也賞受賞。2010年、『ヘヴン』で平成21年度芸術選奨文部科学大臣新人賞、第20回紫式部文学賞受賞。2013年、詩集『水瓶』で第43回高見順賞受賞。短編集『愛の夢とか』で第49回谷崎潤一郎賞受賞。2016年、『あこがれ』で渡辺淳一文学賞受賞。「マリーの愛の証明」にてGranta Best of Young Japanese Novelists 2016に選出。2019年、長編『夏物語』で第73回毎日出版文化賞受賞。他に『すべて真夜中の恋人たち』や村上春樹との共著『みみずくは黄昏に飛びたつ』など著書多数。その作品は世界40カ国以上で刊行されている。

「2021年 『水瓶』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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