PK (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
3.24
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本棚登録 : 4449
レビュー : 426
  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062779654

作品紹介・あらすじ

彼は信じている。時を超えて、勇気は伝染する、と――人は時折、勇気を試される。落下する子供を、間一髪で抱きとめた男。その姿に鼓舞された少年は、年月を経て、今度は自分が試される場面に立つ。勇気と臆病が連鎖し、絡み合って歴史は作られ、小さな決断がドミノを倒すきっかけをつくる。三つの物語を繋ぐものは何か。読み解いた先に、ある世界が浮かび上がる。

感想・レビュー・書評

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  • おもしろかったです!
    今までにあまりなかったSF要素に???となる部分もありましたが…

    「PK」「超人」「密使」。短編のようで長編。
    いつものようにちらつく伏線とパラレルワールドの関係。

    小説家の父親の「次郎君」のお話。伊坂さんのこういうセンスが大好きです。

    「臆病は伝染する。しかし、勇気も伝染する」
    見えない力と闘う父親。赤ちゃんを助けた大臣。サッカー選手。戦隊ヒーロー。
    誰かの勇気が誰かに勇気を与える。ヒーローとは?正義とは?
    得体のしれない不安感が漂う作品でありながら、なぜか勇気をもらえる不思議な作品でした。

    解説に書かれてあった、伊坂さんの仮面ライダーのお話がとてもよかった。

  • タイムパラドックスもの?
    2つの中編がもやもやの内に終わり、3つ目で種明かし?
    再読必要。

  • 「勇気は伝染する」というコトバが横串になっている。「間違いは、その間違いを正すことを拒否するまで、間違いではない」の場面は好きだなー。

  • まず何と言っても、文庫本の表紙のデザインが、素晴らしいですね。大好きです。単行本の表紙のデザイン、ドミノが描かれたあの表紙の方が、この物語の趣旨をちゃんと伝えているような気はするのですが、個人的には、文庫版の表紙の方が、断然好きですねえ。

    曇り空のした、画面の右側から、左側に向かって、大地を疾駆している、一人の男。緑の服。赤のマント。地面に映る、彼の姿。不安を感じもするし、安らぎを感じもするし、なんというか、不思議です。「魔王」の帯にかかれていた筈の文句と同じですよね。ひたひたと忍び寄る不安と、青空を見上げる清々しさ。それはもう、どっちも感じてしまうのだ。いやしかし、あの帯の文句、名キャッチフレーズですよねえ。そういう意味では、「魔王」「モダンタイムス」の流れに、きっちり沿っている作品?とも思いました。政治的でもあり、警句的でもあり、不穏であり清々しくもあり、全て、講談社文庫ですし。おもしろい偶然かなあ?と。

    伊坂さんの作品は、デビュー作の「オーデュボンの祈り」が圧倒的に好きでして、それ以外の作品は「面白いけど、むう。なんだか、こう、ちょっと、なんだか、期待とは違った、、、」みたいに思う事も多かったのですが、この作品は、もう、100%、伊坂さん全開、だなあ、とかね、思いました。

    気の利いたセリフ。思わぬ展開。世の中をちょっと斜に構えつつ、それでも、決して希望を諦めない姿勢。つまり、もう、大満足。ってことです。これはもう、面白すぎました。大満足、ってことです。

    「PK」「超人」「密使」それぞれ、もともとは、全く別個の物語だった短編らしいのですが、それを微妙に手を加え、3つで一つの長編、一つの物語、として完成させたその手腕、お見事ですねえ。叶うならば、それぞれの、手を加えられる前の短編としての状態も、読んでみたいものですね。そう思わせてもらえるだけで、こう、すっげえなあ、って思います。

    それにしても、伊坂さんの作品は、ホンマにこう、会話文が見事ですよねえ。真似したくなるような名台詞が、てんこ盛り。そういう意味では、小説でありながらも、あたかも偉人の名言集のようです。「イチローの名言集」「エジソンの名言集」「カーネギーの名言集」みたいな感じ?ですかね。とにかく、こうグッとくる言葉を、なんでこうも、小説内にちりばめることができるのかしらね。上手いなあ~って思うんですよね。「これが、こうなります」という一言が、何故に、これほどまでに重要に成りえるのか?凄いです。

    伊坂さんの、世の中の見方、といいますか、なんだか色々あるけど、それはそれで色々あるけど、そんな上でも、自分の人生を楽しみましょうよ、みたいなスタンス?それはもう、とても好きですね。悲しみを抱えつつも、根っこのところで、絶対的に楽天的、みたいな。日々、こうありたいな、って思いますね。それはもう、素敵な事だと思います。

  • 長くなる旅にはだいたい2冊以上の文庫本を持って往く。一昨年時間があるから読めるだろうと思い、孫文評論集などという読みこなすのに時間がかかる本を持っていったら、見事に1ページも開かないで旅が終わったことがあったので、今回は軽めの本をリュックサックに入れることにした。

    と、思っていたのだ。ところが、あとで知ったのだが、この本は伊坂には珍しく「群像」という文芸書と「NOVA5」というSF専門誌に寄稿した短編がベースなのである。伊坂にしてはかなり重めの作品だったのである。

    私は旅の間に最初の短編「PK」しか読めなかった。それ程に読み応えのある短編だった。しかも読み終えたのは、旅の終わりの飛行機の上である。そこで、私はキンキンと鳴る耳から一生懸命空気を抜いて減圧しながら、この旅で幾つもあった選択の機会に試されていたはずの「私の勇気」のことを考えていたのである。

    いい小説に出会った。私は満足した。

    と、思っていたのだ。ところが、「超人」という次の短編を読んで、私の感じた「感想」が覆され混乱した想いを抱くようになる。マア最後の最後で、何となく救われたりはするのだが。

    むつかしい小説に出会った。「PK」と重なりながら、少しづつずれている世界が「超人」の世界である。これはパラレルワールドかな、と思っていた。

    と、思っていたら、何ということか、次の「密使」は、まさにそのパラレルワールドを説明しながらも、パラレルワールドにならないようにしようという青木豊さんという計測技師長が登場する。

    私はかなり混乱したのだが、世の中にはかなり頭の良い人がいて、巻末の解説で一応の説明をつけていってくれている。

    と、思っていた。ところが‥‥。
    2015年1月7日読了

    • takanatsuさん
      kuma0504さん、こんにちは。
      takanatsuと申します。
      いつもレビュを参考にさせて頂いています。
      この本のレビュ、kuma...
      kuma0504さん、こんにちは。
      takanatsuと申します。
      いつもレビュを参考にさせて頂いています。
      この本のレビュ、kuma0504さんの混乱が伝わってきました。
      すごくすごく気になります。
      最後の「ところが・・・」に続く言葉はまだkuma0504さんの中で定まっていないのかもしれないと思ったり。
      こんなにも揺さぶる短編ていったい…と思ったり。
      とにかく気になりました。読んでみたくなりました。
      2015/01/13
    • kuma0504さん
      takanatsuさんありがとうございます。
      感想を書き始めたら、なぜか文章もパラレルワールドっぽくなってきたので、その方向でまとめてしま...
      takanatsuさんありがとうございます。
      感想を書き始めたら、なぜか文章もパラレルワールドっぽくなってきたので、その方向でまとめてしまいました(^_^;)。
      伊坂幸太郎は読んだことはありませんか?これが最初の伊坂幸太郎体験になると、ちよっとハードル高いかもしれませんが、エンタメのようでいて、かなり鋭く社会のことを考えていて、私は好きです。それでいて、かなりエンタメで社会派と「絶対」思われたくないと思っているかなりへんなやつです。あまり混乱はしていなくて、実は彼を誰よりも理解していると自負していると(勘違いの可能性もありますが)思っています。
      2015/01/14
  • 「臆病は伝染する。そして、勇気も伝染する」

    このフレーズが染み渡ります。
    また時間を置いて読み返したい。

  • 一度では全てを理解するのは不可能に近い。構成を理解したのちに凄さがわかる作品。

  • この本から勇気が伝染した。

  • 久々に読み返したくなって、一気読みしてしまいました。いやはや1度読んだ時には、理解が少し甘くて、パラレルワールドだったり時間軸、三つの話の繋がりについて把握してなかったんですが、読み返してみてすっきり!
    とても面白く、伊坂さんらしい作品だと。

    誰かの勇気が、他の人の勇気につながる、ってのが一つ、大きなテーマでありましたね。
    PKでの、大臣が、小津がpkを決めた理由、背景を知りたいと思うのですが、そのルーツが自分にあったということ、とても素敵で読者の心を掻き立てますねえ、、ここの関係性がすごい好きです。。。

    ダイエット商品の広告についても、ここでこう繋がるのか…と驚嘆ですよね。伏線の回収、しかも普通に回収するのではなく、遠回しに、お洒落に、意外性をもって回収する。この手腕は伊坂さんの真骨頂だと考えています。

    やはり、伊坂さんの作品が大好きです。この『PK』に、読者である私も、勇気を頂いています。

  • 爽快な感じ!
    もう一度読み直したい!

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著者プロフィール

伊坂 幸太郎(いさか こうたろう)
1971年千葉県生まれの作家。東北大学法学部卒業後、SEとして働きながら文学賞応募し、2000年『オーデュボンの祈り』で新潮ミステリー倶楽部賞受賞、デビュー作となる。その後作家専業となり、宮城県仙台市に在住しながら執筆を続けている。2004年『アヒルと鴨のコインロッカー』で第25回吉川英治文学新人賞、同年『死神の精度』で第57回日本推理作家協会賞短編部門、2006年平成17年度宮城県芸術選奨文芸部門、2008年『ゴールデンスランバー』で第5回本屋大賞、第21回山本周五郎賞をそれぞれ受賞。同作で直木賞の選考対象となることを辞退したことも話題になった。上記受賞作のほか、『重力ピエロ』、『バイバイ、ブラックバード』、『アイネクライネナハトムジーク』など話題となる作品は多い。代表作も殆どが映画化されている。最新作に『フーガはユーガ』。

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