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Amazon.co.jp ・本 (320ページ) / ISBN・EAN: 9784062779814
作品紹介・あらすじ
ミステリーに殉じた作家を敬愛する四人による驚嘆のアンソロジー。巧緻に練られた万華鏡のごとき謎、また謎。遊郭に出入りする男の死体が握っていた白い花に魅せられた若い刑事(「桔梗の宿」)、月一度、母の愛人と過ごす茶室に生涯を埋めた女(「花衣の客」)ほか。綾辻×伊坂、巻末対談でその圧倒的な魅力も語る!
みんなの感想まとめ
巧みに練られた謎と意外性に満ちた短編が収められたこのアンソロジーは、ミステリー愛好者にとって必読の一冊です。選者たちの情熱が感じられる各作品は、恋愛や社会問題を背景にしながらも、驚くべき虚構が巧みに組...
感想・レビュー・書評
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それにしても今更ながら
連城三紀彦はスゴい!
流麗な筆致と驚愕のトリック。
その落差が生み出す甘美な眩暈。
セレクトしたものだから当然だけど、
すべての短編に
驚愕の反転が待ち受けるストーリーの妙にお腹いっぱいになりました(笑)
終戦間近な山村を舞台に
作家と妻、そしてある日突然現れた若い女が織りなす愛憎劇を日記形式で描いた綾辻行人選出の
『依子の日記』、
大病院の内科部長の妻の投身自殺に隠された真実。
暴こうとする者と隠し通したい者の心理合戦と二転三転する展開の妙に誰もが引き込まれること請け合い!
伊坂幸太郎選出の
『眼の中の現場』、
昭和3年。娼家が居並ぶ盛り場近くの川で発見された男の絞殺死体。手にはなぜか白い桔梗の花が握られていた。警察学校を出たばかりの若い刑事は鈴絵という幼い娼妓が何かを隠してると知り、彼女を訪ねるが…。小野不由美選出の哀切極まりない傑作
『桔梗の宿』、
1981年に実際にパリで起こった日本人留学生による猟奇殺人事件をモデルに、殺人犯「S」への異常愛を描いた
綾辻行人が偏愛する異色作
『親愛なるエス君へ』、
母の不倫相手を25年もの間
密かに思い続けてきた女の情念。
恋愛小説にミステリー要素が見事に融合した米沢穂信推薦の重厚作
『花衣の客』、
死の間際に書いた母から息子への手紙。そこに隠された驚愕の真実に誰もが唖然とすること必至の
伊坂幸太郎イチオシのミステリー
『母の手紙』
の6編の短編を収録。
個人的なベストは「戻り川心中」に収録の
美しく哀切極まりない『桔梗の宿』だけど、
綾辻行人が絶賛するのも頷ける 『親愛なるエス君へ』も
かなりのインパクトだったなぁ~( >_<)
(米沢穂信の『儚い羊たちの祝宴』はかなり影響受けてるように感じた)
いくら見事なトリックを決めても綿密な設計図どうりに作られた小説には人工的な匂いがして
よくできてるとは思っても、良い物語だったとは感じない。
連城さんの凄さは、
トリッキーでいて、なおかつ物語に魅力があるという点です。
作品に漂うあの情念や叙情的な香りを見れば一目瞭然だけど、
読み手の心を乖離させるスキを与えないほど
人間を巧みに描いてるから、
トリックより先に物語の世界にハマってしまう。
そして読みながら騙されることを今か今かと待っていて、
今もうすでに騙されているのに
読んでる自分はまったくそれに気づいていないという(笑)
そんな職人芸。
(読む者に罠を決して気づかせないのは
その破綻のない美しい文章の賜物だと思う)
ミステリー好きなら誰もが分かる、
「騙される喜び」を堪能できるのも
連城ミステリーの醍醐味なのです。
(しかもこのすべてを短い短編の中でやってしまうところに連城さんの凄さがあります)
そして
連城三紀彦への愛と憧憬を二人が全力で語った、
巻末に添えられた綾辻行人×伊坂幸太郎の対談も読み応えアリ!
(連城さんの名を売るため、自らPOPを描いて本屋に売り込みに回った伊坂さんのエピソードにビックリ!)
初心者に向けて作られたアンソロジーなので連城ミステリー入門にもピッタリだし、
選出作家のミステリーの好みや
憧れのテイストが分かるのも面白いです。
まだ未読なミステリー好きや
ドンデン返しで見事に騙されてみたいアナタは是非ぜひ。 -
これこそまさにレジェンドだった、ミステリ短編においての連城氏の作品完成度は余人を寄せ付けない。また選者がいい!ちょっとした講釈があるのだが、うんうんうなずいてしまう。
これほどのものを読むと、次に何を読んだらいいのか?なんとも罪作りな一冊なのだ。 -
次世代レジェンド達により厳選された連城氏の傑作短編集。この題名からも、編者達の気合と敬愛が伝わる。六編が収録されており、それぞれ冒頭に選者の想いが綴られている。
どの短編も、もちろん秀作。恋愛小説や社会派小説の中に巧みに複雑な虚構が組み込まれたものばかり。気持ち良く騙されてる、
巻末に、綾辻氏と伊坂氏の特別対談が収録。お二人のミステリー愛を垣間見る。
もう面白い本読んでしまうと、古典や純文学を手に取るのが辛くなる。 -
とにかく良い小説を読んだと感じるアンソロジー。選者もみな好みの作家ばかりだし、決め方のガチ度も高くて嬉しくなる。連城さんの本は何冊か読んだが、裏切りの連続のような作家。
依子の日記、、、不倫相手を夫と共謀して殺した妻の日記。叙述ですよと書いてあるようなもんですが、サスペンスとして楽しめるんだけど、この短編集の中ではまだ普通な印象。
眼の中の現場、、、自殺した妻の不倫相手が医者の元を訪ねてくる。目眩のするような複雑にグルグル回る心理戦。
桔梗の宿、、、売春宿にまつわる連続殺人事件を調べているうちに、刑事が16歳の娼婦に出会う話。なんやこれも凄い。切ない。最後の手紙から本当にぐっとくる意外な真相が明かされる。
親愛なるエス君へ、、、猟奇殺人を犯した犯人への手紙から、異様な犯罪の告白が始まる。綾辻さんが愛してやまないらしい作。ああなるほどね。これもとんでもなく意外性のある真相。親愛なるとはそういうことか。
花衣の客、、、茶室に来ていた母の恋人と、母の死後22年添い遂げようとする話。これも切ない。登場人物全員やるせない気持ちになる。超傑作。
母の手紙、、、母から息子への手紙。なぜ嫁に冷たくあたるのか。いやトリッキーすぎる。もうお腹いっぱいです。
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「親愛なるエス君」がいいかな。あのエス君。
「眼の中の現場」もよかった。
恋愛とミステリがいい具合にあわさってる。 -
読み終わった。やっぱり美しい。2より1のほうがインパクトの強い、情感の強い、色彩鮮やかな作品が揃っていて、この手の企画本はどうしても1作目の方が強いのか…と思ってしまった。
編者のコメントにも出てくるけれど、叶わない想いが作品のベースにあることが多く、美しい文章や単語選びと相まってもの悲しさを一層色濃く表している。この本では、そういったテーマに沿って語られる作品が4作あるから、その印象がとても強いのかもしれないけど。
桔梗を通して籠の中の少女の儚さを描いた「桔梗の宿」が醸し出す悲哀はとても美しい。個人的には、「母の手紙」も好きだったけど。
日ごろミステリーを読みなれないので、短期間に読む作品の中でこれだけたくさんの方に死なれると結構精神を削られるということに気付いた。もちろん死なない作品もあるけど、大抵のミステリーには殺人があり、その原因はハッピーなベクトルに向くこともないからなぁ。
綾辻さんもお名前よく聞くけど読んだことない。最後の井坂さんとの対談から、連城さんと不思議なご縁があった人のようなので、今度デビュー作読んでみたいと思いました。
★収録作品(本書の底本一覧から)★
「依子の日記」―『変調二人羽織』(2010)
「眼の中の現場」―『紫の傷』(2008)
「桔梗の宿」―『戻り川心中』(2006)
「親愛なるエス君へ」―『瓦斯灯』(1987)
「花衣の客」―『瓦斯灯』(1987)
「母の手紙」―『日曜日と九つの短篇』(1988)
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ミステリーに殉じた作家を敬愛する四人による驚嘆のアンソロジー。巧緻に練られた万華鏡のごとき謎、また謎。遊郭に出入りする男の死体が握っていた白い花に魅せられた若い刑事(「桔梗の宿」)、月一度、母の愛人と過ごす茶室に生涯を埋めた女(「花衣の客」)ほか。綾辻×伊坂、巻末対談でその圧倒的な魅力も語る! -
「眼の中の現場」、「親愛なるエス君へ」、「花衣の客」のみ未読だったので購入。作者にかかればどんなに特殊な心理も高尚に。
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初めて読む連城三紀彦作品。
綾辻、伊坂、小野、米澤の4氏が選んだ6つの短編。どの作品も短編とは思えないほどの重量感があって、読後はただ疲れた~。
一番良かったのは「桔梗の宿」、娼家の少女が儚く憐れで映像が浮かんでくるような風情あるミステリー。
巻末に綾辻さんと伊坂さんの連城作品への愛に溢れた対談が掲載されているのもgood! -
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2015. 6.24読了
ミステリーに殉じた作家を敬愛する4人による驚嘆のアンソロジー。
伊坂セレクトが気になり読み始めたが、小野不由美セレクトの「桔梗の宿」がせつなかった。
巻末の綾辻×伊坂特別対談はちょっと得した気分(^^) -
まさに『情念』の物語。ミステリ作家4名が選んだ作品ということで、同じような物語が並んでしまってる印象がなきにしもあらず。
各短編、名作は名作なんですが、ぶっ続けで読むと「あぁ、またこの方向性のネタですか…」な気分になってしまうので、1作読んでは他の本に手をつけるなど、インターバルを置いた方がより楽しめると思いました。 -
「桔梗の宿」、「花衣の客」がいい。どんでん返しの真相と、その寂しさと残酷と。
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ほぼ全話既読ですが、やはりなんといっても、ほかの作家たちが選んだというところに醍醐味。
花シリーズはやはり傑作中の傑作。
伊坂先生がそれほど連城を好きだったとは知りませんでした。
に、してもなんで毎回ビックリするのだろう^^;
「親愛なるエス君へ」なんて、初読、二度目、三度目でもビビる。 -
超絶技巧、という言葉が頭に浮かぶ。リストは弾く側にそれを求めるが、連城三紀彦はそれを駆使し、読者を幻惑しながら文学とミステリを融合する。後に続く作家が思い浮かばない。
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文芸的な味わい、恋愛、ミステリーの三位一体
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どこかで読んだことがあるようだぞと思い、どう展開させていくのかという事に頭を悩まさせておいて、最後の最後に足下からひっくり返される。いくらかごり押し気味なところもあるけれど、幾重にも絡み合った事柄に翻弄され、心を一処に居させてくれない。全体的に静かな中に激しい情念が流れていて、これを表す物語の並びもとても良い。『眼の中の現場』の題名は秀逸。『親愛なる~』はハンマーでガン!とやられた感じ。初見の作家さんでしたが、短編の中にこれだけの事を書ききれるなんて、すごい書き手さんだと驚嘆している。最後の対談も面白い。
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ミステリーに殉じた作家を敬愛する4人による驚嘆のアンソロジー。巧緻に練られた万華鏡のごとき謎、また謎。遊郭に出入りする男の死体が握る白い花に魅せられた若い刑事(「桔梗の宿」)、月一度、母の愛人と過ごす茶室に生涯を埋めた女(「花衣の客」)などに加え、綾辻×伊坂、巻末対談でその圧倒的な魅力を語る!
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連城三紀彦ファンのミステリー作家たちが、連城三紀彦のお気に入りの短編を集めた短編集。
男女の愛憎的な話が多いのに、ミステリーとしての完成度が高い。
どの短編にも予想外の結末が用意されているので、叙述トリック系のミステリーが好きな人に特におすすめです。
連城三紀彦の入門書というねらいは、大成功だと思います。
巻末の綾辻さんと伊坂さんの対談も興味深かったです。 -
連城三紀彦のミステリ短編傑作集、なのですが。……うわあ、傑作すぎる。ほぼ全部初読だったもので、やられっぱなしでした。ううむ、他の短編集も探さなくっちゃ!
お気に入りは選べません(苦笑)。全部だ全部。抒情的で美しく、流麗な恋愛小説のように思える作品も実はどんでん返しのミステリ。騙されて騙されて、次も騙されるんだろうなと思いつつ読んでやっぱり騙される、の繰り返し。これはまさしく「レジェンド」です。
この本が好きな人におすすめの本
著者プロフィール
連城三紀彦の作品
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感想 :

円軌道の外さんが『桔梗の宿』をベストに選んでくれて嬉しい!
傑作ですよね。
ハルキ文庫版『戻り...
円軌道の外さんが『桔梗の宿』をベストに選んでくれて嬉しい!
傑作ですよね。
ハルキ文庫版『戻り川心中』は、表題作をはじめ、『桔梗の宿』級の傑作、いわゆる「花葬シリーズ」全八編が勢揃い。超おすすめです。
いま読むなら、光文社文庫『戻り川心中』『夕萩心中』の二冊に分冊されているので、そちらの方が入手しやすいかと。
そしてハルキ文庫から復刊された『宵待草夜情』も「花葬シリーズ」の流れを汲む傑作ぞろい。
収録作『花虐の賦』は『桔梗の宿』『戻り川心中』に匹敵する超絶ミステリ。
個人的には、能の幽玄の世界とミステリを融合させた『能師の妻』にものけぞりました。
日本画家、池永康晟(いけながやすなり)の現代美人画をあしらった表紙も素晴らしいです。
連城三紀彦はどれも凄いけど、僕は明治大正・昭和初期くらいの時代設定の中で、男女の心の機微とミステリを融合させた『戻り川心中』『宵待草夜情』の二冊(ともにハルキ文庫)が、作家の本領を遺憾なく発揮した「連城'sベスト」だと思います。