探偵の探偵 (講談社文庫)

著者 : 松岡圭祐
  • 講談社 (2014年11月14日発売)
3.48
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  • 177レビュー
  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062779845

作品紹介

調査会社スマ・リサーチが併設する探偵学校スマPIスクールに、笑わぬ美少女・紗崎玲奈が入校する。探偵のすべてを知りたい、しかし探偵にはなりたくない、という玲奈、なぜ彼女は探偵学校に入校したのか? スマ・リサーチの社長・須磨康臣は、彼女の驚くべき過去をつきとめる。須磨は玲奈の希望を鑑み「対探偵課」を設けた。紗崎玲奈はひとり、悪徳探偵を追う“対探偵課探偵”となった。

探偵の探偵 (講談社文庫)の感想・レビュー・書評

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  • とりあえず次も読んでみようかな。思ってたよりもグロかった。でも、発想の転換の枠が広がりそう。勉強になった。

  • シリーズ第1弾。余り期待せずにシリーズ全4作をまとめ買いし、読み始めたのだが、非常に面白かった。

    何よりも、探偵のすべてを知りたいが探偵にはなりたくない、という主人公・紗崎玲奈の人物設定が面白い。また、驚くほど過激な玲奈の活劇シーンには驚いた。まるで、あの傑作『ミレニアム』のリスベット・サランデルを彷彿とさせる。

  • 一気読み。
    ドラマの印象が強くて、そのイメージに引っ張られがちだったけど、結構楽しめた。
    ドラマの後の小説は面白くない場合が多いけど、今回は内容を知っていても、一気に読んでしまう程引き込まれていった。

  • 世の中にどれほどの数の探偵がいるのだろう?
    関わったこともなければ、これから先関わる予定もない。
    だからこそ、小説やドラマに登場する探偵のイメージ通りではないにしても、あまりダーティーなイメージはない。
    執拗なストーカーによって妹を無残に殺された過去を持つ主人公・紗崎玲奈。
    ストーカーの影に脅え、家族と離れて暮さなければならないほどに追い詰められていたのに結局殺害されてしまった妹・咲良。
    なぜストーカーは妹の居場所がわかったのか。
    なぜ誰にも邪魔されることなく妹は連れ去られたのか。
    答えは犯人が残した所持品の中にあった。
    記名のない妹に関する調査報告書。
    どこの誰ともわからない探偵がストーカーにわざわざ妹の居場所を知らせ、その生活パターンを知らせていたのだ。
    そして悪徳な探偵を探偵する「探偵の探偵」がうまれた。
    探偵にとって目立つ外見はマイナス要素にしかならない。
    だが、玲奈はそこにいるだけで存在感を示してしまうような外見をしている。
    読み進むにつれ、探偵のイメージはどんどん変化していった。
    玲奈にとって「悪徳な探偵」を潰すことが目的なのか。
    それとも、「探偵」という人種に復讐したいだけなのか。
    妹・咲良の調査をした探偵を見つけたいという思いは当然あるだろう。
    けれど、冷たい殻に覆われたような玲奈の姿は痛々しい。
    物語の最後、ほんの少しだけれど玲奈に変化があったように見えてホッとした。

  •  対探偵課の探偵として悪徳探偵業者と戦う女性探偵・紗崎玲奈の活躍を描くシリーズ1作目。

     ミステリーの私立探偵は警察と共に殺人事件を解決するヒーローですが、この小説はそうした探偵小説に対してのアンチ探偵小説であるような気がします。

     人のプライバシーを探り出し盗聴など多少の法律違反も辞さない姿勢を強調したり、そして悪徳探偵業者や暴力団とのつながりを描くなど探偵の闇の面が描かれます。

     玲奈がそうした探偵に敵意を抱いた過去もとても凄惨です。実際にも同じような事件が過去起こったことがありますが、そこも結局は探偵業者の自浄作用に期待するしかないのが実情なのでしょうか。

     展開はミステリというよりもかなりのハードボイルド。玲奈の助手となる琴葉も含めかなりボコボコにされます。「万能鑑定士Q」シリーズや『ミッキーマウスの憂鬱』から松岡作品に入った人はかなりびっくりしそう。

     全体的に寂寥感を感じるところが多い作品です。暗い情念を抱えた玲奈をこれからどこに向かわせるのか、が今後のシリーズのポイントになるのかな、と思います。

  • 読書録「探偵の探偵」3

    著者 松岡圭祐
    出版 講談社文庫

    p102より引用
    “「二時間強、三十五万で誰でも借りられま
    す。”

     探偵を調査する女性探偵を主人公とした、
    長編アクションミステリ。
     過去に家族に起こった出来事から、探偵養
    成所へ入所した主人公・紗崎玲奈。個別面接
    で探偵の全てが知りたいと言いながら、反面、
    彼女は探偵にはなりたくないと明言する…。

     上記の引用は、東京ドームのレンタル料金
    についての主人公の一言。意外に安いという
    か、収容人数からするとその安さに驚いてし
    まいます。
     主人公の過去や仕事の内容など、重く暗い
    話が多いので、好みが分かれやすい作品では
    ないでしょうか。しかし、敵対する相手との
    駆け引きや頭脳戦も肉弾戦も、白熱するシー
    ンが数多くあるので、読まず嫌いで置いてお
    くのも、もったいない一冊だと思います。

    ーーーーー

  • 〇 評価 
     サプライズ ★☆☆☆☆
     熱中度   ★★★☆☆
     インパクト ★★★★★
     キャラクター★★★★☆
     読後感   ★★★☆☆
     希少価値  ★☆☆☆☆
     総合評価  ★★★☆☆

     平成19年6月に「探偵業の業務の適正化に関する法律」が制定されている日本…というフィクションの世界が舞台。過去に,妹をストーカーに殺害された紗崎玲奈は,ストーカーに居場所を教えた悪徳探偵に復讐をするために,探偵業を学ぶ。そして,スマ・リサーチという探偵社で,悪徳探偵と対峙する対探偵課なる部署を開設する。
     万能鑑定士Qシリーズとはうって変わり,バイオレンスな要素が入った「人が死ぬ」ミステリ。ジャンルとしてはハードボイルドに近い。
     冒頭で玲奈の悲惨な過去が語られる。妹が殺され,父は不倫。母は精神病…という状態である。主人公としては,万能鑑定士Qシリーズの凜田莉子とは違った魅力のある人物として描かれている。新体操で全国大会に出たことがあり,身体能力が高い。偏差値70の高校を卒業し,スマPIスクールで探偵業を学んだという設定なので,知識,知能も高い。 
     この紗崎玲奈を始め,須磨康臣,峰森琴葉,桐嶋颯太といったスマ・リサーチの面々は,なかなかに魅力的に描かれている。
     前半部分は玲奈の過去を描き,後半部分は阿比留という探偵社が企む事件を中心に描かれている。それとは別に,悪徳探偵から恨みを買っている玲奈が命を狙われるシーンが多数ある。この描写が妙にリアルで生々しい。琴葉は事件に巻き込まれ瀕死の状態になる。メインの事件のラストシーンでは玲奈が矢吹洋子を鉄パイプで殴るシーンまである。インパクトは高い。
     サプライズらしいサプライズはなく,最後は阿比留の計画を玲奈が阻止して終わり。探偵関係の雑学,マメ知識が多数あるのは,松岡圭佑の作品らしい要素
     シリーズ1作目ということで,このあとどうなるのかという期待を持たせるデキではある。バイオレンス要素が肌に合わない人もいるだろう。評価としては★3で。

    〇 メモ
     平成19年6月に「探偵業の業務の適正化に関する法律」が制定されたという架空の設定。須磨康臣が経営する「探偵」の養成所,スマPIスクールに,未成年の紗崎玲奈が入学する。
     須磨は,玲奈の家族関係や過去などを調査し,玲奈の妹の「咲良」について知る。須磨は玲奈から咲良が,ストーカーに殺害されていること,ストーカーに咲良の居場所を伝えた探偵に対し,玲奈が恨みを持っていることを知る。
     ストーカーに咲良の居場所を教えた探偵に恨みを持つ玲奈に,PIスクール卒業後は,自分が経営する株式会社スマ・リサーチに就職するように言う。玲奈は,スマ・リサーチで,「対探偵課」の職員として働くことになる。
     スマ・リサーチに,峰森琴葉という未成年の女性が就職してくる。寮生活をしたいなどの事情から,対探偵課の玲奈の助手に割り当てられる。
     同僚の桐嶋颯太から対探偵課の案件かもしれないと紹介された案件に玲奈と琴葉が出向く。しかし,それは巧妙な罠だった。対探偵課に恨みを持つ関山探偵事務所の探偵の報復行為だった。
     報復行為をした探偵は,阿比留総合探偵社と関わりがあった。警察は,前副総監の相続問題で,阿比留総合探偵社と関わる。同社の社長,阿比留佳則は,パソコンの時計の狂い(進んでいた)などから,真の遺言書の在りかをつきとめる。しかし,貸金庫にパソコンと一緒に入れていた5000円札が,故人の死後に発行されたものであったことから,偽装がばれる。
     後日,阿比留から玲奈にプレゼントが渡される。玲奈は事務所にいなかったが,琴葉が玲奈のもとに持ってきてしまう。そのプレゼントはGPSだった。玲奈は琴葉を逃がすが,居場所がばれ,トレーラーに海に落とされる。玲奈はなんとか脱出する。
     後日,咲良のストーカーだった岡尾のDNA鑑定をした矢吹洋子という女医から連絡がある。岡尾は生きているかもしれない。日銀総裁の孫の誘拐事件の犯人が岡尾かもしれない…と。
     玲奈は悪徳探偵である薮沼から情報を得る。阿比留は警視庁から日銀総裁の孫誘拐事件で依頼を受けていた。阿比留はカジノ法案が成立した後の筆頭探偵社の座を狙っていた。
     玲奈は琴葉に事情を説明する。偶然が過ぎる。琴葉は確証バイアスではないか(=玲奈が自分の仮説に都合のいい事実しか見ていないのではないか)という。玲奈はそれを否定。矢吹からの情報提供を得て西多摩郡日の出町に向かう。 
     しかし,これは阿比留と手を組んでいた矢吹洋子の罠だった。岡尾は死んでいた。琴葉を人質に取られ,霜田という実行犯である悪徳探偵に襲われる。琴葉は呼吸停止状態になる。
     阿比留は自作自演の誘拐事件を解決することで,物語に出てくる探偵のようになろうとする。しかし,玲奈が立ちはだかる。玲奈は鉄パイプで洋子を殴る。玲奈は窪塚警部補を利用し,阿比留の計画を阻止する。
     阿比留は誘拐の主犯として逮捕される。矢吹洋子は法医学鑑定で報告書の改ざんをした罪で逮捕。玲奈には捜査の手は伸びなかった。
     エピローグ。玲奈は琴葉の見舞いに行くが,家族と楽しそうに過ごす姿を見て会えずに帰る。玲奈は,須磨からの電話を受け,対探偵課の仕事に向かう。

  • Qシリーズを読むときの気分で、この本を読み始めたらびっくりしました。Qシリーズは人の死なないミステリということで、どこかほのぼのしていましたが、この話は残酷なシーンの多いこと!岬美由紀シリーズを思い出しました。
    もちろん続編も読みますが、紗崎があまり怪我をしていませんようにと祈るばかりです。

  • 先にドラマを観ていたので内容は知っていたが楽しめた。 ちゃんと著者らしさ(雑学だったり、優秀な女性主人公だったり)がありつつも、良い意味でよくあるハードボイルド小説っぽい味付けがされている。 千里眼シリーズほどぶっ飛んだ感じでもなく、なかなかよい位置づけの作品だと思う。原作を読んで思ったのは上手いこと映像化されたなぁと。 イメージしやすい文章ってのが大きいんでしょうね。

  • 妹の死がかなり残酷だし、琴葉が瀕死の重傷を負う場面もグロかった。4巻まで借りたので読んでみようと思う。

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