探偵の探偵 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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レビュー : 198
  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062779845

作品紹介・あらすじ

調査会社スマ・リサーチが併設する探偵学校スマPIスクールに、笑わぬ美少女・紗崎玲奈が入校する。探偵のすべてを知りたい、しかし探偵にはなりたくない、という玲奈、なぜ彼女は探偵学校に入校したのか? スマ・リサーチの社長・須磨康臣は、彼女の驚くべき過去をつきとめる。須磨は玲奈の希望を鑑み「対探偵課」を設けた。紗崎玲奈はひとり、悪徳探偵を追う“対探偵課探偵”となった。

感想・レビュー・書評

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  • シリーズ第1弾。余り期待せずにシリーズ全4作をまとめ買いし、読み始めたのだが、非常に面白かった。

    何よりも、探偵のすべてを知りたいが探偵にはなりたくない、という主人公・紗崎玲奈の人物設定が面白い。また、驚くほど過激な玲奈の活劇シーンには驚いた。まるで、あの傑作『ミレニアム』のリスベット・サランデルを彷彿とさせる。

  • 勧められて読んだ本。勧めた人の言うとおり、グロテスクだったけれど、対探偵という立場はなかなか面白い。探偵はヒーローのように扱われることが多いが、怪しいこと、悪質まがいのこともしているというのも納得だ。警察でも、探偵でもない、探偵の探偵という彼女をもう少し追ってみたい。続編も読もう。

  • とりあえず次も読んでみようかな。思ってたよりもグロかった。でも、発想の転換の枠が広がりそう。勉強になった。

  • 探偵という職業ほど空想と現実でイメージが乖離する職業もあるまい。
    よくミステリーで描かれる探偵と言えば、難解な事件が発生すればその聡明な頭脳と類まれなる観察力で事件の証拠とヒントを集めて、物語の終盤においては関係者を集めて華麗な推理を理路整然と披露する、少なくともそんなイメージだ。
    けれど実際の探偵っていうのはその業務の大半が浮気調査や身上調査などで決してミステリーで描かれるような華やかさとは一線を画す。
    そんな世間と現実のギャップを敢えて利用して物語として昇華させようという発想はこれまでになかった。正義と悪という対立があるとすれば探偵はいつも正義だった。けれど本作では探偵側が悪となる。
    探偵は人の素性を調べるプロだ。いわば人の見せたくない一面を暴くことを生業としている。しかしそんな手段を逆に利用して顧客を強請ったり恐喝したりする連中もいる。探偵という職業を利用する悪徳業者。これらの業界を浄化させるために立ち上げたのが、スマ・サーチ社の「対探偵課」である。
    峯森琴葉は、就職活動に失敗したもののなんとか仕事にありつきたい一心で、調査会社スマ・リサーチに就職にこぎつけ、「対探偵課」に配属された。そこで「対探偵課」に所属する唯一の探偵・紗崎玲奈と出会う。 悪徳探偵が暗躍する事件を解決し廃業に追い込むことを目的とする彼女たちであるが、とうぜんそのことを目の下の瘤と疎むやつらもいる。

    構図としては探偵VS探偵であるが、これがまた珍しくて新鮮だ。そして玲奈にとって探偵という職業が憎悪の対象であるということも興味深い。物語の序盤では玲奈が「対探偵課」に所属することとなった経緯が描かれる。

  • 中堅調査会社が併設する探偵養成所に、決して笑わぬ美少女紗崎玲奈が入校した。探偵のすべてを知りたい、しかし探偵にはなりたくない、という彼女には過酷な過去があった。調査会社社長・須磨は玲奈の希望を汲み、探偵を追う「対探偵課」の探偵として彼女を抜擢した。

    探偵を憎むが故に探偵の全てを知ろうとする玲奈。「タフでクールな女探偵」というにはあまりに痛々しく、妹を喪う事になった凄惨な事件に縛られ続ける玲奈が哀しい…真相を追うためなら自分が傷つくのを厭わないので、読んでいて肉体的にも精神的にも辛いのですが読みやすくてどんどん読んでしまった…

    琴葉との共依存も、違う境遇なら「ん?」と思うほどですが、ついすがりたくなってしまうのもわかる…必死に一人で立ってるけどまだ20歳そこそこ、しかも保護者からの日後もない中、茨の道を進む事を決め憎しみだけで生きていたら琴葉に妹の面影を重ねてしまっても仕方ない気もするのです。

    ちょいちょい「現実の探偵は物語の探偵とは違う」という描写があって探偵小説に対抗する、アンチ探偵小説。探偵小説は大好きですが、こういうのも新しくて面白いです。

  • 面白かった

  • ドラマは観てなかったので、読んでみてびっくり。
    ここまでやる!?ここまで美少女ぼこぼこにする!?と衝撃。玲奈は、優しさの欠片もない、容赦ない世界に入った。その背景が切ない。
    どうか幸せな結末が待っていますように。

  • 一気読み。
    ドラマの印象が強くて、そのイメージに引っ張られがちだったけど、結構楽しめた。
    ドラマの後の小説は面白くない場合が多いけど、今回は内容を知っていても、一気に読んでしまう程引き込まれていった。

  • 世の中にどれほどの数の探偵がいるのだろう?
    関わったこともなければ、これから先関わる予定もない。
    だからこそ、小説やドラマに登場する探偵のイメージ通りではないにしても、あまりダーティーなイメージはない。
    執拗なストーカーによって妹を無残に殺された過去を持つ主人公・紗崎玲奈。
    ストーカーの影に脅え、家族と離れて暮さなければならないほどに追い詰められていたのに結局殺害されてしまった妹・咲良。
    なぜストーカーは妹の居場所がわかったのか。
    なぜ誰にも邪魔されることなく妹は連れ去られたのか。
    答えは犯人が残した所持品の中にあった。
    記名のない妹に関する調査報告書。
    どこの誰ともわからない探偵がストーカーにわざわざ妹の居場所を知らせ、その生活パターンを知らせていたのだ。
    そして悪徳な探偵を探偵する「探偵の探偵」がうまれた。
    探偵にとって目立つ外見はマイナス要素にしかならない。
    だが、玲奈はそこにいるだけで存在感を示してしまうような外見をしている。
    読み進むにつれ、探偵のイメージはどんどん変化していった。
    玲奈にとって「悪徳な探偵」を潰すことが目的なのか。
    それとも、「探偵」という人種に復讐したいだけなのか。
    妹・咲良の調査をした探偵を見つけたいという思いは当然あるだろう。
    けれど、冷たい殻に覆われたような玲奈の姿は痛々しい。
    物語の最後、ほんの少しだけれど玲奈に変化があったように見えてホッとした。

  •  対探偵課の探偵として悪徳探偵業者と戦う女性探偵・紗崎玲奈の活躍を描くシリーズ1作目。

     ミステリーの私立探偵は警察と共に殺人事件を解決するヒーローですが、この小説はそうした探偵小説に対してのアンチ探偵小説であるような気がします。

     人のプライバシーを探り出し盗聴など多少の法律違反も辞さない姿勢を強調したり、そして悪徳探偵業者や暴力団とのつながりを描くなど探偵の闇の面が描かれます。

     玲奈がそうした探偵に敵意を抱いた過去もとても凄惨です。実際にも同じような事件が過去起こったことがありますが、そこも結局は探偵業者の自浄作用に期待するしかないのが実情なのでしょうか。

     展開はミステリというよりもかなりのハードボイルド。玲奈の助手となる琴葉も含めかなりボコボコにされます。「万能鑑定士Q」シリーズや『ミッキーマウスの憂鬱』から松岡作品に入った人はかなりびっくりしそう。

     全体的に寂寥感を感じるところが多い作品です。暗い情念を抱えた玲奈をこれからどこに向かわせるのか、が今後のシリーズのポイントになるのかな、と思います。

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著者プロフィール

松岡 圭祐(まつおか けいすけ)
1968年生まれの作家。1997年に出した小説デビュー作『催眠』がヒット作となりシリーズ化される。1999年の『千里眼』も人気を博し、シリーズ化。
一番著名なのは『万能鑑定士Qの事件簿』をはじめとした「Qシリーズ」で、「面白くて知恵がつく 人の死なないミステリ」というキャッチコピーで人気を博し、映画化された。

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