ふだんの料理がおいしくなる理由 「きれい」な味作りのレッスン (講談社のお料理BOOK)
- 講談社 (2009年12月4日発売)


- Amazon.co.jp ・本 (96ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062784337
作品紹介・あらすじ
青々とゆでた菜っ葉。シャキッと炒めたつややかなもやし。ピカッと輝く炊きたてのごはん……。「きれいだな」と感じるものは食べたときに間違いなくおいしい。そう思いませんか?
「きれい」なお料理というのは「食べごろ」をおさえた料理でもあります。自分の目で見て「きれいだな」と思ったときが、食べておいしい「食べごろ」なんです。だから作りたてのきれいなうち、おいしいうちに、家族に食べさせたいと思う気持ちが家庭料理で一番大切なことです。
ずっと作り続けるあたりまえのものを、きれいにおいしく作れるようになりたい。最初はできなくても、同じ料理を何回も作り続けるうちに、必ずきれいに作れるようになります。そこにはおいしさが宿ります。
ふわふわのせん切りキャベツ。今にもくずれそうな、ぷるんとした黄身の目玉焼きから肉のうまみを吸った肉豆腐、黄金色に焼いた魚のムニエル、ご飯にもパンにもビールのあてにもぴったりなポテトサラダなど毎日の食卓にのぼるレシピをコツとともに丁寧に紹介。
感想・レビュー・書評
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図書館で借り物故、家にあったら同じメニューを作るときに参考になるなぁ。優しい家庭和食って感じ
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自分で料理をするのは、楽しい。と言っても、作ってくれる人がいないので、自分で作るしかない。
中国に行って、初めて自分で料理を作るようになった。中華料理屋は、一人分でいろいろ食べることができず、量が多い一点だけで食べるのが辛かった。中国の料理の形式は、たくさんの人で食べるのが美味しい。いろいろ料理を作るが、自分だけの味を作ってみたい。
名古屋生まれなので、赤だし、それにペプチド系の味が好きだ。とにかく、自分で作っているうちに、自分なりの快味を作れるようになった。味噌汁に少しコーヒー粉を入れたりして、朝の雰囲気を味わう。カレーには、すりおろしのじゃがいもを入れるとか。
そんな時に、この本に出会った。あまり緑の野菜が好きではないが、なぜかキャベツだけは好きだ。食感がいいからかなと思っている。そこで、千切りキャベツ。「芯を取り外して、葉を外して、両手でぎゅっとおして、端から切っていく。短時間水につけ、水切りする」ふーむ。芯をそのままにして切っていた。確かに、せん切りキャベツが「きれいで、フワッとしている」。料理っておもしろい。
こんなわずかなコツが、きれいに見えておいしくなるのだ。もっぱら、キャベツはお好み焼きにしてしまうのだが。それでも、お好み焼きは随分と違う。お好み焼きをフライパンでひっくり返すことが一番の得意技。
私は、卵が好きだ。卵のとき汁がうまくできない。どうしてだろうと思ったら、水溶き片栗粉を先に入れることなんだ。ふーむ。知らなかった。目玉焼きも、白身の周りにチリチリ感を出すとおいしくなるって、本当だった。ちょっと違うけど、ほんの少しの違いがおいしくなる。オムレツは、強火で一気に。なるほど。
土井善晴は、「きれいだな」と思うのが、美味しいという。自分で作って、自分で食べるのだから、どうでもいいやと思っていたが、やっぱりきれいでおいしい方がいい。土井善晴マジックに魅せられる。料理のコツ、つまり料理の型を自分流にしないで、ちょっとのコツで土井善晴流にすれば、自分一人で、うまいと言ってしまう。自分の料理のうでが上がったように感じる。
炒め物も、それまでは一緒くたに炒めていたが、別々に炒めて合わせればよろしいという。ゴーヤチャンプルは、そんな手順だけで、見違えてうまくなる。肉どうふは、いかに肉の味を豆腐に染み込ませるのか。犠牲肉を使って、やればよろしい。筑前煮はだし汁を少なめに、煮ればよろしい。大根おろしは、おろした後に水気を取ればよろしい。なんか、実に単純なんだけど、理屈にかなっている。
とにかく、土井善晴流をマスターして、あとは自分なりに工夫すれば、一人で美味しいと言える状態になる。一人で食べるなら、一汁一菜一腕飯(米は洗って水切りをする)でいいのだ。料理なんて、男でもできるのだ。あとは、缶ビール1本で十分に満足できる。
『普段の料理が美味しくなる理由』を『ふだんの料理がおいしくなる理由』と漢字をひらがなにしただけで、おいしい感じがする。そんな気配りが、料理のコツをさりげなく伝える。日本の家庭料理をおいしくした功労者ですね。とにかく、自慢げにインスタグラムに自分の作った料理をアップする。 -
土井善晴 著「ふだんの料理がおいしくなる理由」、2009.12発行。昼は、あじフライや一口カツにふわふわの千切りキャベツとレモンを添えて、ビールをグイっといきたい気分です(^-^) 夜は、肉豆腐、里芋の含め煮、鮭のムニエルで冷えた清酒(吟醸酒)を(^-^)
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なかなかお見かけしない「じっくり読める」料理本。
土井善晴先生の金言に触れられる一冊。
ページ下のちいさなスペースにまで、ヒゲ根をとったもやしだけの「もやし炒め」のおいしさが綴られていたりする。
「もやし炒めって、いろいろ他のものが入っているけど、それは、料理屋さんでもやしだけでなかなか対価をもらいにくいから。でもね、こうしてヒゲ根を丁寧にとったもやしを炒めるだけで、とってもおいしい一品となるのです」 -
まずはそこから
他の方がレビューに書かれているように、これはレシピ本としてももちろん素晴らしいんだが、読み物としても楽しめる。
一人暮らしを再開して、何となく自炊も始めたが、食べてくれる相手が居ないからという定番の言い訳を免罪符に、料理の腕前はちっとも向上しないままやり過ごしていた。
お菓子作りの方は実は割と慣れてる方なんだが、料理とお菓子作りはそもそも留意するところが違うようで。
お菓子作りは、とにかく正確に。分量もキッチリ、工程もキッチリ。脳みそ空っぽにしてただただシスティマティックにレシピ通り混ぜれば、あとはオーブンにおまかせ。それで上手くいく。ところが、こと料理となると、手際の悪さに加え、自分の場合は必要じゃないところでイジリ過ぎ。焼く、煮る工程で途中心配になり、手間ひま必要ないところでつい触り過ぎてしまう。結果、毎度素材の良さを最大限殺しにかかった何かが完成する。
そんな料理超初心者にも、どこで手間をかけ、どこでラフに扱うべきなのか、ものすごく細かく教えてくださる神本。
また、自分の場合、手際の悪さはどうも基本的なことから出来てないようで。
(以下抜粋)
P.62「きれい」を作る基本の道具
○まな板
私は魚などを扱うとき以外に、調理中にまな板を洗うことをあまりしません。その代わり、いつも傍らに清潔なふきんを置いておき、使ったまな板や包丁をふきんで拭いて次の作業をするんです。
○ふきん
ふきんは必ず使う前に水を含ませて固く絞ります。そして、まずは使う前のまな板を拭き、包丁も拭きます。…
ぬれぶきんで拭くことをしなければ、まな板や包丁に素材の色やにおいがダイレクトに移ってしまいます。ふきんで拭いて、水の薄いヴェールで覆うことで、それをカバーできるわけですね。
(抜粋終)
こんなことも懇切丁寧に教えてくださるのがこの本の魅力かと。
まな板を複数枚用意し、素材毎使っては流しにぶん投げ、足りない時は慌てて洗ってビチョビチョのやつ使ってた私のような不束者にとって、これは神のお告げに等しく。
超初心者から人並みに作れるようになっても、これからも末永いお付き合いとなりそうです。 -
キャベツの千切りをやりたくなる(笑)煮浸しも肉豆腐も!
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なかなか良かった。ドレッシングはイマイチだった
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春雨サラダの調味料がピタリ。
キュウリの切り方を意識したことはなかった。。
豚汁の具のシンプルさに驚き。
カレールウを使用する際、元々色々入っているのだから
チョイ足ししないのが一番美味しいというデータがあったが
今、調味料が便利で足し過ぎかも。。。と。
美味しい料理を作るコツは美味しいレシピを発見する事だと思う。
著者プロフィール
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