完全版 あらしのよるに (あらしのよるにシリーズ)

  • 講談社
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本棚登録 : 727
感想 : 65
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  • Amazon.co.jp ・本 (266ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062785099

作品紹介・あらすじ

「あらしのよるに」20周年記念企画。350万人が夢中になった「あらしのよるに」シリーズ7巻が、この一冊でイッキに読める!!

累計350万部突破のロングセラー「あらしのよるに」(全7巻)が、2014年でスタートから20周年を迎えます。
オオカミのガブとヤギのメイの友情物語に感動した子どもたちも、もう大人になっているはず。「あらしのよるに」を次の世代に手渡すために、そして、あらためて読みなおして味わうために……。
7巻分の物語が一冊で読める、「完全版」の登場です。

●一部漢字を使用。一冊の文学作品として楽しめます。
●カバーはあべ弘士氏の描き下ろし。
●20周年にふさわしい豪華な装丁。
●あべ弘士氏のミニ原画が当たる応募券つき(応募〆切2014年10月31日)

感想・レビュー・書評

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  • 朗読会にぴったりかと。

    これって、オオカミとヤギの話じゃなくて、
    そのときの自分の状況よっていろんな見方が出来る。

    たとえば『恋と愛』

    ぶつかって、がまんして、はきだして。こころのなかにあらしがふきあれて、そりゃあ まいにち まいにちたいへんでやんした。

    失恋したり、叶わない思いに出会うと、出会わなければよかったなんて思ってしまうことも。食べてしまいたいほど、愛しいメイは、やっぱり食べちゃダメ。ふたりでもっとお話したいし、満月の夜、寄り添いながら、月を見たいから。朗読すると、世界中にひとりだけ、そっと寄り添える人に会いたいなあと感じさせてくれる。

    心のあらしは、ふぶきは、あれくるってる。ひとりでいると、不意に辛くなるし、夢も希望も見失いそうになる。でも、いま、生きてる。支えようとしてくれる仲間がいる。孤独だけど、ひとりじゃないから、やさしく生きようと思わせてくれる。

    そらたかくのぼっていくつきを、ただ見つめていたい。

  • メイとガブの関係はいろいろなものに置き換えられるなぁ、と思いながら読んだ。
    恋愛する2人や宗教の信仰の違う2人、戦争の敵味方、事件の被害者家族と加害者家族、、、。
    ほんのひとつボタンを掛け違えたら、憎しみ合う者同士になる2人だけど、お互いを尊重するって大切だな、と改めて思った。

    それと同時に、暗闇の中では肌の色の違いや人種なんて大したことじゃないのに、差別をしてしまう人間って、、、なんてことも考えさせられた。

    作者たちはもっといろんなことを感じてほしいと思っているに違いないので、たくさん再読していろんなことを感じたい一冊。

    図書館で借りた本だけど、手元に置きたい・絵本でも揃えてみたいシリーズ。
    少し大きくなって、世界を広げたい広げている子供(大人にも)に読んでほしい。

  • オオカミとヤギの友情を描いたお話。7冊ある絵本が1冊にまとまった完全版。

    タイトル自体はよく聞くように思うけれど、実際に読んだことがあっただろうか、と思い手に取った。
    まさかこんなにも深い話だったとは…。

    物語の後半からとてもシリアスになっていく。2人の関係が周囲にバレたあたりから、ずっと胸が苦しかった。
    次から次へと困難に見舞われ、それでも相手を思いやり、信じ続ける2匹の関係性を、正しく何と言えばいいのだろう。友情だけれど、それだけでは表しきれない尊さがある。

    最終章の最後から2行、「のぼってきたまんげつに〜」がたまらない。人によって、年代によって、捉え方が変わるのだろうな。

    図書館で借りた本だったけれど、ちゃんと買いたい。この本と一緒に老いていきたい。

  • 初めての出会いは小学生の時見た人形劇だった気がする。
    それから絵本で読んで全部読んでなかったのをこの本で思い出した。

    こんなに最高なラストが待っていたなんて。
    特に「どしゃぶりのひに」からの「ふぶきのあした」はドキドキが最高潮だった。
    子どもの頃に感じた展開へのハラハラドキドキとはちょっと違って、2匹の幸せを願う祈りのようなドキドキだった。

    いろんな見方ができるから、考察をしながら何回読んでも楽しめそうだけど、今はこの2つの生き物の最高の友情を純粋にただ噛み締めたい。

    文の始まりと終わりの風景描写と白黒ならではの迫り来る絵とお互いの関係性の全てが萌え。
    ユーモアも哲学も全てがある。

    私の中のロミオとジュリエットはこのふたつのいきものでいい。

    死んでもいいと思えるものに出会えてないからまだ死ねない。

  • 小学生の時に好きだった絵本。
    全7巻だったのが、1冊に纏まっていたとは知らなかった。
    この完全版を本屋さんで見つけて思わず買ってしまった。
    大人になった今読んでもドキドキするし、感動する。
    絵本にしてはたぶん文字が多目だから、小学校中学年から高学年くらいでも読み応えあると思う。
    小さい子ども何これを読み聞かせしてもらったら、すごくハラハラドキドキするだろうな。
    ガブの食欲という本能と「メイは友達」という理性の葛藤や、群れを取るか友達を取るかという選択など、深い内容になっていたり込められたメッセージがあったりしてすごく面白い。
    もともとは第6章で完結の予定だったとは、絵本なのになかなかな終わり方だなぁと思った。

  • オオカミとヤギの友情の物語。いわゆる寓話です。

    本能と理性の闘い、仲間と一人(匹?)の友のどちらをとるか、どんな状況でも友だちを信じられるか、苦しい時に自分よりも友だちを大切にできるか、友だちの欠点や自分と合わないところも受け入れられるか、そして、見かけや所属ではなく「心」を見ることができるか。
    人間に置き換えてみると、大人でも考えさせられることがたくさんある。
    第6章「ふぶきのあした」で、いよいよお互いに生きるか死ぬかとなった時、お互いを「いのちをかけてもいいと思える友だち」だと思えた場面は、心にぐっときた。

    絵もとても温かく、素敵でした。

    レビュー全文
    http://preciousdays20xx.blog19.fc2.com/blog-entry-495.html

  • あらしのよるに、たったひとり、みしらぬところでだれかにであえたら、ほっとしますよね。でも、そのだれかさんが、こわーいあいてだったら……。きみならどうするかな?

    ヤギとオオカミのおはなしは以下続編として『あるはれたひに』『くものきれまに』『きりのなかで』『どしゃぶりのひに』と刊行されています。

    産経児童出版文化賞JR賞/講談社出版文化賞絵本賞

    ・自己犠牲の愛という展開かと思ったら意外な終わり方だったのでよかった。展開が面白かった、ちょっと途中で様々な愛のカタチ、そのメッセージ性に、お腹いっぱい。でも思ったよりもさわやかで、読みやすく、ハッピーエンドだったので読んでよかったなと思った。

  • あさぎーにょが読んでいるのを見て
    子どもの頃に読んだ記憶が曖昧だっただめ再読。
    (図書館で借りた)

    涙こそ流れなかったが
    心温まるハートフルな物語。
    私の好きなハッピーエンドで○

  • 公文推薦図書
    小一夏休み。こんなに分厚い本を手に取るのは初めてでしたが、面白いと言って一気に読んでいました。

  • ヤギとオオカミの心温まる物語。子供にも大人にもおすすめ。

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著者プロフィール

東京に生まれる。多摩美術大学卒業。造形教育の指導、テレビ幼児番組のブレーンなどを経て、現在、絵本・童話の創作、作詞、戯曲・コミックの原作、小説の執筆、講師をつとめるなど、幅広く活躍。『あらしのよるに』で、産経児童出版文化賞・講談社出版文化賞絵本賞受賞、斎田喬戯曲賞受賞。『オオカミのおうさま』で、日本絵本賞受賞。おもな作品に、「あかちゃんのあそびえほん」シリーズ、「木村裕一・しかけ絵本」シリーズ、「おはなしゲーム絵本」シリーズ、「2才からのあそびえほん」シリーズなどがある。

「2022年 『おでかけ版ごあいさつあそび+ピイちゃんパペットギフトセット』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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