- Amazon.co.jp ・本 (100ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062789561
作品紹介・あらすじ
ひと目でわかるイラスト図解
《講談社 こころライブラリーイラスト版》
【うまく生きられないのは、障害があるため?】
社会に出てからアスペルガー症候群で苦しんでいる人は多い。
本人は仕事ができず、友だちが作れずに悩んでいる。
障害のもつ特性が、どう心に影響するかを徹底解説
自分では一生懸命がんばっているつもりなのに、
上司や同僚から「仕事ができない」「常識や礼儀が身についていない」と
批判されるのが、アスペルガー症候群の人に多い悩みです。
よい人間関係が構築できず、職場を転々として、
じょじょに自信を失っていってしまいます。 (第3章より)
【本書のおもな内容】
《第1章 なぜうまく生きられないのか》
●アスペルガー症候群/ よくも悪くも目立つ、三つの特性
●行動特徴/ 社会性がなく、失礼な言動をする
●どう考えるべきか/ こころの病気ではなく、脳機能のかたより
《第2章 人にあわせられない疎外感》
●付き合いの悩み/ 友達のつくり方がわからない
●子ども時代は……/ 少数の友達とだけ、仲がよかった
●どう考えるべきか/ 付き合いの幅を無理に広げない
●column 友人に頼みたいこと/ 悪意がないことを知ってもらう
《第3章 職場に定着できない無力感》
●仕事への無力感/ 指示されないと、自分からは動けない
●学生時代は……/ 天才肌で、得意科目に自信があった
●どう考えるべきか/ 指示があれば、期待に応えて働ける
●column 同僚に頼みたいこと/ 独特の行動への理解を求める
《第4章 誤解と非難がもたらす劣等感》
●誤解/ 家族が障害を認めないことに苦しむ
●二次障害/ 非難され続けて、劣等感や絶望を抱く
●どう考えるべきか/ 二次障害は対応次第で防げること
●家族に頼みたいこと/ 障害にいっしょにとりくんでいく
《第5章 支援を受けると、生活が安定する》
●生活支援/ 療育手帳や福祉手帳は取得できるのか
●就労支援/ 支援センターを利用して適職をみつける
感想・レビュー・書評
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子どもの発達に詳しい児童精神科医である故 佐々木正美先生の2008年の著書。
出版された2008年前後には、悲惨な事件の犯罪加害者(未成年者、成人含め)に、発達に関わるこうした傾向があるという報道が続いた。
ハイジャックや数々の殺人事件等、非常に衝撃的なものが多く、今でも時折取り上げられる。
「アスペルガー症候群」に該当する人々の不全感や自己否定感に加えて、そうした事件による偏見も多く、その生きづらさを払しょくしたいと佐々木先生が記した一冊だった。
「早期に理解され、適切な支援を受ければ、問題を引き起こすどころか、持ち前の優れた能力を発揮しながら成長します」と前書きがあり、「みんなと一緒」に価値が置かれる日本の社会的気質のなか、発達の問題には適切な支援と理解が必要。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ぼくがアスペルガー症候群に興味を持つ理由はふたつある。ひとつには単純に不思議だから。もうひとつは自分がアスペルガーっぽいなと思うことが時々あるから。この本を読んでいて、ああ、あるある、と思うところが再三あったし、こういう人とは気が合いそうだ、と思ったりもした。ただ、アスペの人の持っている、特定分野への強いこだわりや記憶力はぼくにはなく、そういう意味ではなんか損をしているような気もする。
アスペっぽい自分の特性にこれまでも今も、手を焼いたり困ったりすることはあったけれど、さすがに慣れてしまったし、世間体を気にしていやなことを無理やりするのはやめよう、と決めたら気は楽になった。ひょっとしたらぼくはアスペルガーなのかもしれないが、それはぼくの一部であって、もし取り外すことができたととしても、たぶんぼくはそうはしないんだろうと思う。 -
ブログで知り合った方のおすすめで、読みました。
アスペルガー症候群についての入門書です。
わたし自身、まだまだアスペルガー症候群について
勉強不足で初心者(?)なので、
イラストを交えて平易な言葉で書かれているこの本は
結構ためになりました。
どちらかというと、アスペルガー症候群当事者向けというよりは
アスペルガー症候群について知りたい人向けなのかな。
当事者が周囲にいる人に、目安として読んでもらいたいです。
(ただ、すべてのアスペルガー症候群の人が、
本の通りとは言えません。人それぞれ症状が異なります)
また、P.44~45ページの内容や図が
「なるほどなぁ~」と思いました。 -
疎外感、無力感、劣等感とかの章立てになっていて、気が滅入る。なぜうまく生きられないのか、という前提から出発されたら、当事者はきつい。
読み進めれば読む進めるほど、書き手にそういうつもりはなくても、非難されているような印象を持つかもしれない。
さんざん特性についてダメ出しをされた後、ではどうすれば?という記述も弱い。代わりに、社会に出て働くには気配りが必要、など"毒にも薬にもならぬ"ことが書かれてある。
総じて、当事者には本書をすすめない。 -
発達障害だけで手帳取得できるようになったのは2010年以降だと知って驚いた。本書発行時は2次障害発症してようやく取得できる世の中だったのが嘆かわしい。
独特の感性により対人関係はうまくいかない為ある程度マニュアルは必要に感じた。
余計な一言や周りに無頓着な行動は極力控えたい。 -
図書館本。
息子の自閉症スペクトラムの本を読んでいて自分もでは、と思う事が多々あり、より深く知ろうと借りてみた。
とにかく当てはまる事が多い。友人を作れない、思ったことをそのまま言う、人に相談出来ないなど。通りで生きづらい訳だなと。
筆記試験は得意で面接試験は苦手などまさにその通り。
恐らくグレーゾーンだと思うので、特性を理解して上手に対応して、息子の将来にも活かす事が出来ればと思う。 -
コミニュケーションが苦手な人間が周囲の理解を得られるだろうか。
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【北海道大学蔵書目録へのリンク先】
https://opac.lib.hokudai.ac.jp/opac/opac_link/bibid/2001427630 -
自分を「障害者」と正しく認識をし,どちらかというと周囲の人に理解してもらい,環境を整えてもらうというスタンス.きっと,これは自分では認識したくないと思われるので,周りが迷惑を被るという状況は変わらないだろうと感じた.絵でわかりやすく描かれているけれど,難しいことです.
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アスペルガーの不可解さの原因がどこにあるのか、本書は脳科学の見地からさまざまな彼らが抱える生きづらさの問題を取り上げながら解説されている。また各種制度を利用して少しでも明るい社会生活を送れるよう助けとなる簡潔にまとめられた一冊である。
著者プロフィール
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