双極性障害(躁うつ病)の人の気持ちを考える本 (こころライブラリーイラスト版)

  • 講談社 (2013年9月26日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (102ページ) / ISBN・EAN: 9784062789707

作品紹介・あらすじ

うつでは生きているのもつらくなり、躁では気持ちが高ぶるという双極性障害。診断が難しく、発病がうつ状態からの場合は、まずうつ病と診断されます。躁状態のときに間違えられやすいのは統合失調症です。正しい診断に行きつくまで8年というデータがあるほど。発病の戸惑い、診断されたショック、将来への不安、そして家族への思いまで、理解されにくい本人の苦しみと感情の動きをイラストで紹介していきます。


激しい症状から「こんな人だったの?」と誤解されることもある双極性障害。
患者さんや家族の声を集め理解を助ける知識としてまとめました。

うつでは生きているのもつらくなり、躁では気持ちが高ぶる双極性障害。
発病の戸惑いとショック、将来への不安や迷い。そして、家族への思い……
イラストで考える本人の苦しみと感情の動き

みんなの感想まとめ

双極性障害の複雑な感情や体験を深く理解できる一冊で、患者やその家族の苦しみをイラストを交えて紹介しています。著者は、楽観視せず現実的な視点から具体的な注意点を示すことで、信頼性を高めています。読者は、...

感想・レビュー・書評

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  • 丁寧で分かりやすい。加藤先生の本はかなり読んでいます。ただ「お医者さん」なので、当事者として「?」「そうかな」と思わされます。これはどの先生でも感じます。当事者の体験記でもいろんな症状があるから難しいですよね。

  • 著者は『双極性障害を治す本』というタイトルを拒否し、今のタイトルを打診したらしい。それだけでも信頼がおけるが、決して楽観視しないことや、注意すべき点が具体的で的を得ている。良書。

  • 双極性障害の人の気持ちを考える本
    加藤 忠史

    • 原因ではなくひきがね!
    本人は、発病後に「あれが病気になった原因だ」と自分なりの分析をしています。ただ、本人がそう思っているだけかもしれません。原因が取り除かれたからといって、治るとは限らないからです。本人がいう「原因」は、病気を発症する「ひきがね」だったとも考えられるのです。

    • 遺伝を心配しすぎないで!
    遺伝というと、つい病気そのものが遺伝すると考えがちです。しかし、双極性障害では、病気が遺伝することはありません。その意味で、遺伝病ではありません。
    ただし、病気になりやすい体質は遺伝します。それも心配するほどではありません。双極性障害のある親から生まれた子の90%は、双極性障害にはなりません。

    • 循環性格
    双極性障害の人は「循環性格」だといわれてきた。循環性格とは、明るく、朗らかで、社交的。気分に波があるものの、社会的には成功をおさめるタイプ。

    • 主治医は替えないほうがいい!
    名医はいるものではなくてつくるもの。自分と合うと思ったらじっくりつきあい、自分にとっての名医にしていけばいい。
    だから、ドクターショッピングを繰り返さないで、多くても数回の受診のうちに、主治医を決めよう。

    • 自責の念に苦しむ!
    躁からうつに転じたとき、自分がしたことを激しく後悔します。失った社会的信用など、後悔しても取り返せないこともあると思うと、苦しくなります。もともとうつ状態では自責の念が状態としてあるので、その苦しさが倍増するのかもしれません。

    • 事実に驚く!
    躁状態のときには正しいと信じてしたことも、後になって、周囲に迷惑をかけたと気づいたり、自分の人生に取り返しのつかないことをしていたという事実に衝撃を受ける。

    • 後悔すること!
    双極性障害では、多くの人がとんでもないことをして後悔した経験があると言います。

    • 別人のようになにもできなくなる!
    双極性障害では、躁状態の後にうつ状態になる期間がやってきます。うつ状態では躁状態のときとは別人のようです。意欲やエネルギーがなくなり、興味や喜びもなくなります。好きだったはずの趣味も手につかず、愛する家族の顔をみてもうっとうしいばかり。なにもできないと自分を責めます。

    •「希死念慮」きしねんりょ
    日本では自殺者数が多いことが、社会的な問題のひとつです。自殺に至ったとき、うつ状態であった例は多く、そのなかには双極性障害の人も含まれているはずです。

    • 躁からうつに転じたときが危険?
    双極性障害は自殺のリスクが高い病気です。双極性障害の患者さんの死因では、心疾患による死亡についで自殺が第2位というデータがあります。
    よく、うつからの治りかけがもっとも自殺の危険性が高まるといわれます。しかし、実際には、やはり具合が悪い時の方が危険です。
    もっとも危険なのは、自殺を考えているときに焦燥感(しょうそうかん)がある場合。そして躁とうつが混合している混合状態の場合です。死にたいという思いだけでなく、実行につながるからです。

    • 躁へは急に転じる!
    うつ状態から躁状態へは、急速に転じる(躁転)ことが多い。とくにきっかけがなくても、朝起きたら絶好調になっていたという人も。一方、うつへは比較的ゆっくり転じる傾向がある。

    • 薬の影響?
    抗うつ薬で躁転する可能性もある。とくに三環系抗うつ薬は躁転を起こしやすく急速交代化のリズムがあるので、双極性障害には使わないのが基本。ただ、双極性障害でない人は、抗うつ薬で躁転することはほとんどない。

    • ラピッドスイクラー
    躁とうつを1年のうちに4回以上くり返す人をいう。女性に多く、薬(リチウム)
    が効きにくい。急速交代型ともいう。

    • 双極性障害では体調の感じ方も変化します。うつ状態では倦怠感、疲労感、食欲不振などを訴えます。躁状態では、むしろ体調が悪くても感じません。どちらにも共通するのは睡眠障害です。

    • 双極性障害の周辺の病気
    ・うつ病
    大うつ病性障害ともいいます。抑うつ気分と興味・喜びの喪失の2つの中核症状のどちらかがあって、無気力、自責の念、決断力や集中力の欠如などの症状を含めて5つ以上があり、それらが2週間以上続いていると、うつ病と診断されます。10人に1人はかかるといわれるほど、患者数が多い病気です。
    ・非定型うつ病
    最近増えているうつ病で、典型的なうつ病とは違うタイプです。抑うつ気分はあっても、良いことがあると気分は改善します。気分が変化しやすく、他者からの評価に過敏に反応し、拒絶されることをおそれます。過眠、過食、鉛のような疲労感など、身体的な症状もあります。20〜30代に多いようです。
    ・気分変調症
    うつ病より症状は少ないけれど、2年以上にわたって抑うつ気分などが続いている場合です。うつ病より軽症とは言えず、症状自体はつらく、社会的な支障も小さくありません。かつては性格の問題が重視されてきましたが、薬物療法と精神療法で改善されることがわかってきました。
    ・双極スペクトラム
    医学的な診断名ではありません。うつ病と診断するしかないけれど、双極性障害の可能性が高い場合、双極性障害に準じた治療をすることも検討されます。

    • 「気分」の「障害」?
    双極性障害は、気分が上がったり落ち込んだりする病気で、「気分障害」のひとつ。なお、うつ病も気分障害。

    • 自己を守ろうとする自然な反応!
    誰にでも、辛いことや悲しいことから無意識のうちに心を守ろうとする防御機制があります。葬式で躁状態になる「躁的防衛」、つらくて不快な感情を意識から排除する「抑圧」、子ども返りをする「退行」がその例です。依存になったり、他者を責めてしまう人もいます。

    • 重大な病気です!
    適切な治療をしないと再発し、社会的にも大きな損失を被る。本人にとって大切なものはなにかを考え、それをなくした場合を想像すれば、いかに適切な治療が重要か、わかるだろう。

    • 軽く考えない!
    双極性障害は症状がおさまるとまったく普通。そのため、躁状態のときを元気が有り余っただけ、むしろ好調だったなどと軽く考えて、治療も怠りがちに。

    • 「心がまえ」
    本人が持って欲しい心がまえは2つ!
    ・体の病気と違いはないと思う!
    高血圧や糖尿病などと同じ。薬や暮らし方でコントロールしていけば、普通に暮らせる。
    ・自分にとってのストレスを知る!
    ストレスは原因ではなく、悪化要因。自分にとってのストレスは何かを知り、対処法をもつ。とくに徹夜は厳禁。

    • 本人にとって重要ポイント!
    「心の病気ではなく、脳の病気」
    精神疾患は、ともすれば、気の持ちようと誤解されがち。しかし、双極性障害は心の悩みではない。周囲の人には、気持ちの問題でどうにかなる病気ではない、ということをわかってほしい。

    • 医師からぜひ伝えたいこと!
    双極性障害と診断された当初は、一生この病気とつきあっていかないといけないのか、薬が手放せないのか、と落ち込むでしょう。たしかに慢性の病気ですが、体の病気にも慢性病はたくさんあります。その点では、双極性障害だけが特別ではないのです。
    むしろ治療法がわかっている病気のひとつといえます。定期的に通院し、薬さえきちんと飲めば、日常生活を送ることは可能です。「なんだ、高血圧や糖尿病と同じじゃないか」と前向きに受け入れる時期が早ければ早いほど、再発予防の準備も早期からでき、後々の損失が少なくなります。
    ただ、本人の取り組みが肝心。医師は伴奏者のような役割です。

    • 自分の人生を守る!
    双極性障害の治療は長期にわたり、薬を飲み続けなくてはなりません。治療に対してさまざまな思いもわいてきます。そのとき、心を支えるのは、「コントロールするのは自分」という気持ちではないでしょうか。自分から治療を進める前向きな気持ちさえなくさなければ、より良い結果が期待できます。

    • 薬物で症状を抑え、再発を予防する!
    双極性障害は脳の病気ですから、専門医を受診して薬物療法をおこなう必要があります。気分安定薬を基本とし、リチウムを主に利用します。精神療法はもう一本の柱です。薬の効果を最大限に引き出し、再発しにくい生活習慣や考え方を身につけます。薬物療法だけで治療するより、回復に大きな差が出ます。心理教育や生活リズムを保つこと、認知行動療法などを学びます。
    最重要は再発予防です。薬物療法はほぼ生涯にわたって続けることになります。

    • 薬物療法
    ・気分安定薬
    リチウムを中心に。リチウム(リーマスなど)は、躁状態とうつ状態の改善や予防、自殺予防の効果もあり、薬物療法の中心。血中濃度を測定しながら使用する。ラモトリギンは予防効果の保険適用がある。そのほか、バルプロ酸(デパケンなど)、カルバマゼピン(テグレトールなど)も使用する。
    ・抗うつ薬
    双極性障害では効果が明らかではなく、躁転に注意が必要。とくに三環系はラピッドサイクラーにさせる危険性があるので、避けるのが基本。
    最近、抗精神病薬のオランザピンが双極性障害のうつ症状に有効であることがわかり、保険適用を取得した。

    • ラピッドサイクラー(躁転)
    気分障害には、病相を頻繁に繰り返すものがあります。1年に4回以上の躁、あるいはうつ病相を繰り返す人をラピッドサイクラーと呼びます。

    • 90%以上の人が再発する病気!
    双極性障害の治療は長期にわたります。それは再発のおそれがあるためです。適切な治療をおこなわないと、90%以上の人が再発すると考えられます。再発のことは本人もよく承知しているはずですが、それでも免れないのは、服薬が続かなかったり、通院をやめたりするから。また、薬が効きにくい人もいます。「治った」と思い込ませる躁状態の症状じたいもネックです。再発の予兆に、周囲の人も本人もよく注意する必要があります。

    • 再発しない人は!
    もちろん再発を予防できている人もいる。早期から病気を受け入れて予防対策をしっかり立てて実践した人。そして薬が効く人。薬を飲みながら仕事を続けている人も多い。

    • 身体の病気も同じ!
    双極性障害にかぎらず、身体の病気にも、薬を一生飲み続けないといけないものはある。たとえば、高血圧、糖尿病など。薬を飲み、生活習慣を改善し、生活リズムを整える必要がある。しかも、身体の病気は薬を飲まないと生命の危険に直結する。双極性障害の薬も、それと同様に続けることが重要。自己判断でやめたりせず、主治医に相談を。

    • 偏見があるのは認めざを得ない!
    精神疾患はまだ一般に認知されているとは言えず、マイナスになることが多いのが実情。このテーマを取り上げざるを得ないことが、偏見があることの反映ともいえる。病気をオープンにしたら、「理解」してもらえるかもしれない。しかし「受け入れ」てもらえることとは別だという考え方もある。

    • 身体の病気と考えて!
    あまりよく知らない相手に「私は肝臓病があるので○○という症状が出るかもしれません」などと言う人はいないだろう。そのように言われたほうも、不思議に感じるかもしれない。言い過ぎという見方もある。ことさら精神疾患として構えず、身体の病気として考え、TOPに合わせて開示していくのも、ひとつの方法。

    • 双極性障害になったからといって、仕事ができなくなってしまうわけではありません。双極性障害は薬で症状を抑えられる病気です。

    • 双極性障害になっても、ほとんどの人は安定しています。定期的に受診し、薬を飲み、規則正しい生活をすることで、自己コントロールができるのです。

    • 「今、生きていることに感謝したい」
    双極性障害でも気分が落ち着いていて、穏やかに暮らすことができます。病気の苦しさを知っているからこそ、自己コントロールできていることが嬉しいのです。

    • 最近感じていること!
    病気を受け入れ、自分なりの生き方を構築できるようになりました。
    ・今、生きていることに感謝している。病気と共に生きていこうと思う。
    ・普通にご飯を食べ、眠り、話す。こうした当たり前のことすべてが嬉しい。
    ・私、笑ってもいいんだ。
    ・価値観が変わった。仕事第一、完璧にしないとダメと思っていたが、もう少し自分の生活も大事にしないと。
    ・今までは自分の限界が分かっていなかった。これ以上進んだら破滅していただろう。
    ・毎日同じ事の繰り返しだけれど、いつもと同じ朝がくるのは幸せ。
    ・病気に振り回されてきたが、その過程で、得たものも多かったと思う。
    ・新しい趣味を見つけ、楽しめるようになった。

    • 考え方を変える!
    ものごとをマイナスでとらえるのではなく、プラスでとらえるようになれたことも、気持ちの安定に貢献しています。

    • 自己コントロールのための8カ条!
    ①本人も家族も、病気をよく理解する。
    ②病気を受け入れる。
    ③再発予防のための薬を飲む。
    ④正しい薬の作用、副作用の知識をもつ。
    ⑤100%を目指さない。
    ⑥再発の予兆を知る。
    ⑦生活リズムを保つ。
    ⑧自分のストレスを知り、いろいろな対処法をもつ。

    • 面と向かっては言いにくいけれど!
    ほかの病気も同じですが、病気とつきあっていくには家族の協力が欠かせません。とくに躁状態のときには、家族など身近な人は、ふりまわされ、後始末に奔走し、苦労を強いられている場合も多々あります。
    家族の支えに対して、感謝の気持ちを伝えることも、大切です。

    • 心に響いた言葉!
    病気でつらい状態のとき、家族や友人、恋人などからの、こんな言葉が心に響いたと言います。

    「医師」
    ・よくなりますよ!
    薬を飲めば楽になるとわかった。

    「親から」
    ・焦らずゆっくり!
    再発の兆候。意識的にゆっくり行動しようと思った。
    ・今は仕事よりも病気を治す方が大事!
    職場に復帰できず落ち込んでいたとき。

    「夫から」
    ・生きていてほしい!
    自殺未遂後に病院で気づいたとき、最初に言われた。
    ・家事や育児の心配はしないで!

    「妻から」
    ・あなたは大切な人!
    病気の私でも受け入れてくれた。
    ・生きているだけでいい!
    なんにもできない自分に絶望して自殺しようとしたとき。妻を心配させ、泣かせた。

    「子どもから」
    ・今日は寝ていて!
    うつ状態のとき、薬を取りに行ってくれる。夫より子どものほうが冷静かもしれない。

    「本で」
    ・朝の来ない夜はない!
    いつかこのつらい状態からぬけられると信じて。





    加藤 忠史 • 双極性障害の人の気持ちを考える本

    [①発病の戸惑いと診断のショック]
    すごく落ち込む日々があれば、快調の日も。いったい自分はどうしたのかとおもっていたら双極性障害との診断。
    かつては躁うつ病といわれていた病気だ。どうしてこの病気にかかったのだろう…。

    P10 <原因>
    「発病には原因があると思っていました」
    双極性障害の発病は、躁から始まる人も、うつから始まる人もいます。何かをきっかけとなるイベント(できごと)があって発症する人が多いようですが、とくにない場合もあります。

    • 原因ではなくひきがね!
    本人は、発病後に「あれが病気になった原因だ」と自分なりの分析をしています。
    ただ、本人がそう思っているだけかもしれません。原因が取り除かれたからといって、治るとは限らないからです。
    本人がいう「原因」は、病気を発症する「ひきがね」だったとも考えられるのです。

    P12 <原因>
    「発病の原因は遺伝?ストレス?」
    双極性障害に限らず、なにかの病気を発症すると、原因をあれこれ考えがちです。なかでも、遺伝を原因として挙げたくなる人は少なくないようですが…。

    • 遺伝だけではない!
    双極性障害を発病する原因として遺伝が関係していることは否めませんが、それだけではなく、環境にも大きく影響されます。
    「遺伝・体質」
    家族や親戚に同じ病気の人がいることが多い。ただ、遺伝学の研究から、なりやすい遺伝子は1つではないと推測されている。双極性障害の原因遺伝子というものはみつかっていない。そうしたことから、遺伝の要素はあっても、なりやすい体質の遺伝とされる。
    「環境・ストレス」
    成育環境の影響も指摘されている。また、心のストレスや生活リズムの乱れも影響する。ストレスは発症のきっかけになるが、原因にはならない。また、いいことも発症のきっかけになる。

    • 遺伝を心配しすぎないで!
    遺伝というと、つい病気そのものが遺伝すると考えがちです。しかし、双極性障害では、病気が遺伝することはありません。その意味で、遺伝病ではありません。
    ただし、病気になりやすい体質は遺伝します。それも心配するほどではありません。双極性障害のある親から生まれた子の90%は、双極性障害にはなりません。

    P14 <原因>
    「もともとなりやすい性格だったのか?」
    発病の原因を考えるとき、本人がもともとこの病気になりやすい性格だったからだと言う人もいます。
    ただ、現在の研究では、双極性障害と性格との関連は否定されています。

    • 発病前から!
    患者さんはもともとどういう性格だったのかを家族に聞いてみました。共通するところはあまりなく、バラバラです。やはり、双極性障害に「なりやすい性格」は、なさそうです。
    ・よくしゃべる人
    ・責任感の強い人
    ・明るくて、楽しい人
    ・社交的な人
    ・性格的に未熟なところがあったように思う
    ・働き者だった
    ・面倒見がよく、頼りになる人
    ・落ち着きがない
    ・依存的
    ・リーダー的存在
    ・太っ腹
    ・即断即決で、なにごとにも迷わない
    ・わがまま

    • 循環性格
    双極性障害の人は「循環性格」だといわれてきた。循環性格とは、明るく、朗らかで、社交的。気分に波があるものの、社会的には成功をおさめるタイプ。

    P16 <受診>
    「受診までに時間がかかった事情が」
    発病しても、すぐに受診する人ばかりではありません。長い例では、受診まで何年もかかった人もいます。理由はさまざまですが、受診が遅れると、失うものも大きくなりがちです。

    • 受診が遅れると失うものが大きい!
    どんな病気でも長引いたり、再発をくりかえしたりすると、社会生活に支障をきたします。ところが、双極性障害では、その影響が大きいのです。再発することが多いのが、第1の理由です。とくに躁状態の影響は深刻で、人間関係を壊し、経済的に破綻することもあります。しかも、初めて発症した躁は気づかれにくいのです。本人はもとより周囲のひとにとっても病気だと思われないからです。そのため受診が遅れます。こうした点から、双極性障害は重大な病気と言わざるを得ません。

    P18 <診断>
    「ショックの反面、少しほっとした」
    双極性障害は診断が難しい病気のひとつです。紆余曲折を経て、正しい診断にいきつくまで数年。ようやく「双極性障害」と診断されたとき、複雑な気持ちになるのも無理はありません。

    • 否定したい気持ち!
    双極性障害と診断されたとき、すぐに受け入れられず、病名や医師を否定したくなったという人は多くいます。
    ・双極性障害ななったしまったなんでて、もう治らないということか?
    ・精神病になってしまった。
    ・私が精神病になるはずがない。
    ・この診断は間違っている。もっといい先生を探そう。
    ・この先生は病気のことを知らないのではないか。
    ・双極性障害は幻覚や妄想などの精神病症状がでることもありますが、気分障害のひとつです。

    • 肯定的な気持ち!
    やはり診断は間違いないとわかると、大変な病気になってしまったと落ち込みます。しかし、その後には、少しずつ肯定的な気持ちがわいてきます。
    ・ 先生の言うことを理解しよう。

    P20 <医師>
    「信頼できる医師にめぐりあった」
    受診するとき、病気がなかなかなおらないとき、本人や家族はどこかにいい先生はいないなと探したりします。いい医師とはどういう医師でしょうか。

    • 医師と患者さんはとの相性は大切!
    気が合うかどうかは重要ポイント。医師も人間。患者さんとの相性はたしかにある。
    双極性障害の治療では通院期間は長くなるので、気の合わない医師だと、病院から足が遠のいてしまう。質問しやすく、わかりやすい説明をしてくれると感じられる医師が最適。

    • 主治医は替えないほうがいい!
    名医はいるものではなくてつくるもの。自分と合うと思ったらじっくりつきあい、自分にとっての名医にしていけばいい。
    だから、ドクターショッピングを繰り返さないで、多くても数回の受診のうちに、主治医を決めよう。

    • この先生とは合わない!
    わるい医師と思っていても、患者さんの受け取り方によるかもしれません。病気や環境への不満を医師にぶつけているだけということもありそうです。

    • 体験談。厳しいこともはっきり言ってくれる!
    主治医は、診察のたびに、「気分を抑えろ」「行動を半分にしろ」と私に言います。そんなことできないと思うけれど、意識の端に置いとくだけで、スムーズにいくことがだんだんわかってきました。薬を増やして欲しいと言っても、それは多すぎるとはっきり言ってくれます。たくさんの薬を出すほうが先生はもうかるものですよね。でも、最低限の薬しかくれません。そんな点も信頼できます。

    P22「正しい診断まで平均8年かかる」
    • 双極性障害は診断が難しい病気!
    双極性障害は簡単には診断できません。たとえ名医といわれる医師でも、長い経過をみないとなかなか双極性障害とは診断できません。正しい診断にいきつくまで、平均で8年というデータがあるほどです。

    • 診断が難しい理由!
    ・医師は患者さんのもともとの言動を知らない。
    ・初めてのうつは、双極性障害のうつ状態か、うつ病か区別できない。
    ・躁状態はほかの精神疾患や身体の病気のような要因もある。





    [②気分のコントロールができない]
    双極性障害は、気分障害のひとつ。気づいたら躁状態、うつ状態、になっている。こうした気分の変動は、自分ではどうにもならない。なんだか、もともとの自分が、どんな人間だったのか、わからなくなってきた。

    P26<躁状態>
    「万能感に満ちあふれる」
    躁状態になると、まさに気分は上昇し、爽快で、活動的。こんなに調子がよかったことはないと感じます。家族や周囲に迷惑をかけているなどとは、思いもよりません。

    • 躁状態になると!
    躁状態のときには最高の気分。病気の症状なのに、病気は治ったとさえ思うほどです。ただ、躁状態をくり返すうちに、その状態に怖さを感じる人もいるようです。
    ・すごくいろいろなことを話したい。しゃべりつづけて、とめられない。
    ・自分は重要人物だと思う。
    ・頭の中に次々にアイデアがわいてくる
    ・ご無沙汰をしている人にも、このさいだからと電話をかける。
    ・調子がよくて、一晩ぐらいねなくても平気。
    ・仕事のミスもミスだと思わない。
    ・頭が冴えて、仕事がはかどる。
    ・体調がよくて、力がわいてくる気がする。
    ・自分はなんでもできると思う。
    ・本当に楽しくて、愉快でしょうがない。
    ・人生ってこんなに素晴らしいものだったんだ
    ・俺にまかせろ。

    • エネルギーがわき万能感に満たされる!
    躁状態のときには、意欲が出てきてエネルギーがわき、休まずに動き回ります。気分がよく、絶好調で、自分にはなんでもできると感じています。とくに初めて躁状態になったときには、病気などとはまったく思いません。何度目かの躁状態でも、よほど自分でもわかっていないと、再発したと気づきません。

    P28<躁状態>
    「落ち着かず、わけもなくイライラする」
    躁状態は気分の良さが典型型ですが、幻覚・妄想や焦燥感があったり、不機嫌になったりする人も少なくありません。躁状態なのに本人は不機嫌=不機嫌躁病というような状態です。

    • 上がったときには!
    あふれたエネルギーが怒りパワーになる人もいます。浪費や性的逸脱なども、本人や家族にとって困った結果につながります。
    ・身体の中からざわざわしてきて、落ち着きがない。
    ・性的なことへの興味が高まった。
    ・ささいなことなのに、何かと気に障る。
    ・厳しい意見?今後のためにきっちり言っておいただけだ。
    ・自分でもキレまくっていると思う。
    ・同じ物ばかり何度も買ってしまった。
    ・ついお酒を飲み過ぎた。
    ・光や音に刺激されると落ち着かなくなる。
    ・怒りっぽくなっていると自分でも思う。
    ・日頃の自分からは考えられないような暴言をはく。
    ・怖いもの知らずになる。
    ・いろいろできると思うけど、イラだつ。
    ・なんで自分のすることを止めるんだとムカつく。

    • 楽しいだけでなくイライラも!
    エネルギーが有り余り、楽しい、気持ちがいい、という状態を通り越して、じっとしていられない人もいます。
    活発に動いているというより、落ち着くことができず、焦燥感にかられ、気分も不安定で怒りっぽくなるため、周りとの軋轢が生まれてきます。
    活動性が高じて浪費や大量飲酒、性的逸脱などに向かってしまう人もいます。

    P30<躁→うつ>
    「躁のときにしたことを後悔する」
    躁状態のときにした浪費や浮気、けんか。上がった気持ちが治まってくるとともに、その深刻な結果に愕然とします。躁状態での行動を後で責任をとらないといけないと思い詰めます。

    • 自責の念に苦しむ!
    躁からうつに転じたとき、自分がしたことを激しく後悔します。失った社会的信用など、後悔しても取り返せないこともあると思うと、苦しくなります。
    もともとうつ状態では自責の念が状態としてあるので、その苦しさが倍増するのかもしれません。

    失うものが大きい=重大な病気
    躁状態とうつ状態をくり返すうちに、社会的な損失も大きくなっていく。

    • 事実に驚く!
    躁状態のときには正しいと信じてしたことも、後になって、周囲に迷惑をかけたと気づいたり、自分の人生に取り返しのつかないことをしていたという事実に衝撃を受ける。

    • 後悔すること!
    双極性障害では、多くの人がとんでもないことをして後悔した経験があると言います。
    ・お金を使い過ぎた。カードで借金して買い物を続けた。
    ・夜中に家を出て歩き回り、数日帰らなかった。家出したことになっていた。
    ・なんであんなひどいことを言ったのか、母親の心を傷つけた。
    ・調子にのって買わなくてもいい高額商品を買った。
    ・離婚した。
    ・家で暴れて窓ガラスを割った。
    ・夜中眠れず、騒いで家族を起こした。
    ・周囲の目が変わった。
    ・会社での失敗。明らかに自分のミスなのに認めず、俺もナメるなと怒鳴った。

    P32 <うつ状態>
    「エネルギー喪失で深い谷底に落ちる」
    躁状態のときの活動的な様子が一変し、うう状態になると、エネルギーがなくなって、何もできなくなります。気分が落ち込み、体調も悪くなります。

    • 落ち込んだときには!
    うつの感じ方は人によって異なりますが、共通するてんもあります。本人は、以下のように表現しています。
    ・夜明けごろに目が覚めて、そのまま眠れない。
    ・このままじっと耐えていれば、いつかまた元気になる日が来るのだろうか。
    ・ひどく疲れたようで、身の置き場のないほど体がだるい。
    ・イライラするのに、すぐに泣きたくなる。
    ・落ち着かず、いてもたってもいられない気持ちがして、焦る。
    ・なにか悪いことが起こりそうで不安に満ちる。
    ・ある日突然、体が動かなくなった。
    ・こんなに苦しくても生きていかないといけないのか。
    ・光がこわく、音がこわくて、部屋から出られない。
    ・私は孤独、家族にも友達にも見捨てられたと思う。
    ・なにも見たくないし、誰にも会いたくないし、話したくない。
    ・なにもやる気がない、ただ寝ていることしかできない。
    ・うつ状態になると、暗い部屋でじっとして、やり過ごすしかないという人もいる。

    • 別人のようになにもできなくなる!
    双極性障害では、躁状態の後にうつ状態になる期間がやってきます。うつ状態では躁状態のときとは別人のようです。意欲やエネルギーがなくなり、興味や喜びもなくなります。好きだったはずの趣味も手につかず、愛する家族の顔をみてもうっとうしいばかり。なにもできないと自分を責めます。

    • 「体験談」顔も洗わず、歯も磨かず!
    うつになると体が重く、動くのがつらいのは、頭が働かないせいだと思います。ベットの中で壁をじっと見つめたまま一日が過ぎていきます。何もできません。
    食事の時にようやく起きても、顔も洗わず、歯も磨かず、家族とも口をきかず黙って食べるだけ。ご飯の味も感じません。
    本当は私、お風呂が大好きで綺麗好きで、いつ誰が来ても、綺麗にしてるじゃない、と言われます。
    こんな姿をみせられないし、だいいち気力がわかず、うつのときには、誰にも会えません。家族も気を遣って話しかけてくれるのですが、返事も面倒です。

    • 「本当は」躁の反動のうつは苦しい!
    うつ病はつらく苦しい病気だと思います。特に躁の反動でくるうつはつらい。躁状態のときが絶好調だっただけに、落差が大きいのです。躁が激しいほど、うつも激しく、長期にわたります。さらに、躁状態のときにした失敗への後悔も混じり、いたたまれません。すごく楽しい気分も、どうしようもない苦しさも、どちらも自分ひとりに襲いかかってくるのですから、双極性障害は大変な病気です。

    P34 <希死念慮>
    「いつも死ぬことばかり考える」
    日本では自殺者数が多いことが、社会的な問題のひとつです。自殺に至ったとき、うつ状態であった例は多く、そのなかには双極性障害の人も含まれているはずです。

    • 躁からうつに転じたときが危険?
    双極性障害は自殺のリスクが高い病気です。双極性障害の患者さんの死因では、心疾患による死亡についで自殺が第2位というデータがあります。
    よく、うつからの治りかけがもっとも自殺の危険性が高まるといわれます。しかし、実際には、やはり具合が悪い時の方が危険です。
    もっとも危険なのは、自殺を考えているときに焦燥感がある場合。そして躁とうつが混合している混合状態の場合です。死にたいという思いだけでなく、実行につながるからです。

    • 自殺の危険性!
    なにより重要なのは、自殺を防ぐことです。周囲の人はリスク軽減に努め、予兆に注意し、最悪の事態を招かないようにしたいものです。

    • 「本人は」
    ・人生をもう投げた。
    ・生きていてもいいことがない。
    ・自分の存在を消したい。
    ・周囲に見捨てられた。
    ・なんのために生きているんだろう。

    • 自殺の危険性を高める因子!
    ・自殺未遂をしたことがある。
    ・身近な人を自殺で亡くした。
    ・有名人の自殺。
    ・経済的損失 。
    ・本人を支える家族がいない。
    ・孤立。

    • 自殺の予兆!
    ・死にたい、消えたいなどと訴える。
    ・遺書を書くなど、自殺の準備をする。
    ・周囲の人に別れを告げる。
    ・身の回りの物の整理をする。
    ・事故が増える。
    ・無茶な飲酒をする。

    P36 <うつ→躁>
    「春から夏は躁、秋から冬はうつになる?」
    躁やうつになるとき、きっかけがあったという人、ある程度の周期があるという人など、状態が変わる事情は様々です。季節によって気分の浮き沈みがあるとかんじている人も、すくなくありません。

    • 気分の変化!
    躁状態とうつ状態の変化は、きっかけがあると感じるかどうか、どのくらいの周期で変わるか、自覚があるかなど、人によって違います。

    • 躁へは急に転じる!
    うつ状態から躁状態へは、急速に転じる(躁転)ことが多い。とくにきっかけがなくても、朝起きたら絶好調になっていたという人も。一方、うつへは比較的ゆっくり転じる傾向がある。

    • 薬の影響?
    抗うつ薬で躁転する可能性もある。とくに三環系抗うつ薬は躁転を起こしやすく急速交代化のリズムがあるので、双極性障害には使わないのが基本。ただ、双極性障害でない人は、抗うつ薬で躁転することはほとんどない。

    P38 <うつ→躁>
    「本来の自分がわからなくなった」

    • ラピッドスイクラー
    躁とうつを1年のうちに4回以上くり返す人をいう。女性に多く、薬(リチウム)
    が効きにくい。急速交代型ともいう。

    P40 <身体の症状>
    「うつでも躁でも睡眠障害に苦しむ」
    双極性障害では体調の感じ方も変化します。うつ状態では倦怠感、疲労感、食欲不振などを訴えます。躁状態では、むしろ体調が悪くても感じません。どちらにも共通するのは睡眠障害です。

    • うつの場合!
    双極性障害のうつ状態は、大うつ病より、身体症状が少ないといわれます。それでも睡眠障害はあります。寝付けないうえ、早朝に目が覚めてしまいます。

    • 躁の場合!
    本人は身体症状をあまり感じません。睡眠障害があって、ほとんど寝ていなくても、平気です。そんな自分が分かっていて、眠れないと訴える人もいます。

    • 睡眠3時間。しかし、状態はそれぞれ!
    躁状態でもうつ状態でも睡眠障害は共通です。睡眠障害は2〜3時間という日が続いたりします。しかし、その状況は少し違います。うつ状態ではねむれないのですが、躁状態では寝ないのです。うつ状態では一日中布団の中で過ごしても眠れないのですが、躁状態のときには興奮してうごきまわり、布団の中で横になる時間も減ります。
    睡眠障害は躁状態やうつ状態が発症した目安にもなります。また、徹夜は躁状態を発症するリスクになります。

    • 体調の感じ方!
    ・食欲!
    うつ状態のとき、食欲不振のひとが多い。体重は減る。季節性の人では過食の傾向も見られる。
    ・疲労感!
    うつ状態ではひどく疲労感がある。体がまったく動かせない。躁状態では疲れを知らず動き回る。
    ・痛み!
    躁状態では痛みも感じにくくなる。怪我をして血が流れていても本人が気づかなかったりする。

    P42 「双極性障害には1型と2型がある」
    • うつ状態は共通。躁状態が違う。
    双極性障害は、躁状態とうつ状態をくり返す病気です。一般にいられる「うつ病」(大うつ病性障害ともいう)は、うつ状態だけがある別の病気です。
    病気によるうつ状態は、日常的にある単なるうつ気分とは違い、もっともつらく重い気分です。多くの患者さんがうつ状態のときに受診してきますが、うつ病のうつ状態と双極性障害のうつ状態は、簡単には見分けられません。
    躁状態はその程度によって、躁と軽躁とに分けて、1型と2型の診断基準にしています。うつ状態は共通です。

    • 特徴。重大な病気!
    ・以前は躁うつ病と呼ばれていた。
    ・躁状態とうつ状態をくり返す。
    ・20〜30代で発症。
    ・診断が難しい。
    ・再発が多く、その間隔は短くなっていく。
    ・再発によって社会的、経済的、人間関係などの損失が大きい。

    • 双極性障害のタイプ!
    ・1型!
    激しい躁状態が一度でもあったら1型と診断される。寝ないで動き回り、喋り続けるなど、活動的。本人は絶好調で万能感や高揚感に満ちている。アイデアがわき、思考の収拾がつかなくなる(観念奔逸)。重症では妄想や幻覚も。社会的な損失など、影響が大きいため入院が必要。
    ・躁状態→7日以上続く。
    ・うつ状態→全体の三分の一程度の期間。

    • 2型!
    軽躁状態とうつ状態がある。うつ状態は1型より重く長い。また、自殺の危険性も1型より高いとされる。診断名が双極性障害になって以来、2型と診断される患者さんは増えている。軽躁状態に気づかれず、うつ病と診断されていることもあるが、効く薬が違うので、区別する必要がある。

    • 躁の重症度!
    ・躁
    ほうっておいたら本人の人生に重大な影響を及ぼすほどの、激しい症状が7日以上続く。
    ・軽躁
    周囲には気づかれるが、周囲も本人もそれほど困らない程度の、高揚した気分が4日以上続く。

    • うつの中核症状!
    ・抑うつ気分
    日常的なうつ気分とは別。ずっとつらく重い。意欲がなくなり、筆舌につくしがたいような、いやな気分が続く。
    ・興味、喜びの喪失
    好きだったはずのこと全てに興味を失い、何をしても楽しい、嬉しい気分がない。そんな自分を責めつづける。

    P44「双極性障害の周辺の病気」

    • うつ病
    大うつ病性障害ともいいます。抑うつ気分と興味・喜びの喪失の2つの中核症状のどちらかがあって、無気力、自責の念、決断力や集中力の欠如などの症状を含めて5つ以上があり、それらが2週間以上続いていると、うつ病と診断されます。10人に1人はかかるとあられるほど、患者数が多い病気です。

    • 非定型うつ病
    最近増えているうつ病で、典型的なうつ病とは違うタイプです。抑うつ気分はあっても、良いことがあると気分は改善します。気分が変化しやすく、他者からの評価に過敏に反応し、拒絶されることをおそれます。過眠、過食、鉛のような疲労感など、身体的な症状もあります。20〜30代に多いようです。

    • 気分変調症
    うつ病より症状は少ないけれど、2年以上にわたって抑うつ気分などが続いている場合です。うつ病より軽症とは言えず、症状自体はつらく、社会的な支障も小さくありません。かつては性格の問題が重視されてきましたが、薬物療法と精神療法で改善されることがわかってきました。

    • 双極スペクトラム
    医学的な診断名ではありません。うつ病と診断するしかないけれど、双極性障害の可能性が高い場合、双極性障害に準じた治療をすることもが検討されます。





    [③病気を理解し、治療法を知る]
    いつまでも診断時のショックを引きずってはいられない。病気になったのは現実。だったら、どんな病気で、どうすれば治るかを考えるほうが、よほど建設的だ。自分にできることは、なんだろう。

    P46 <抵抗感>
    「双極性障害になった自分という存在」
    躁状態は単に元気がよかっただけ。たしかに気分が落ち込む事はあったけど。「気分障害」になってしまったという事実が受け入れられず、その現実から逃げたいと思います。

    • 反発と自己否定!
    病気の診断や医師に反発し、病気になった自分を否定します。

    • 「気分」の「障害」?
    双極性障害は、気分が上がったり落ち込んだりする病気で、「気分障害」のひとつ。なお、うつ病も気分障害。

    • 多くの人は反発し、否定する!
    双極性障害と判明するまで、多くの人はうつ病と診断されていました。自覚症状もあったし、うつ病ならよくある病気だとなっとくしていたところ、躁状態が現れて双極性障害と診断が変わります。躁状態のときには自覚がないせいもあって、その診断名に疑問をもったり、反発したりして、なかなか受け入れることができませんでした。

    • 自己を守ろうとする自然な反応!
    誰にでも、辛いことや悲しいことから無意識のうちに心を守ろうとする防御機制があります。葬式で躁状態になる「躁的防衛」、つらくて不快な感情を意識から排除する「抑圧」、子ども返りをする「退行」がその例です。依存になったり、他者を責めてしまう人もいます。

    • 診断
    診断された病名にショックを受ける。ようやく正しい診断にたどりついたと、ほっとする気持ち。
    • 反発
    躁状態といわれたけれど、自分は言うべき事を言っただけ。双極性障害と言われても納得できない。
    • 再発
    双極性障害としての治療を行わないと、ほとんどの人が再発する。
    • 自己否定
    本人は、病気をもったいる自分を愛することができない。
    • 落ち込む
    まだ本人にも、世間一般にも精神障害への偏見があるのは事実。多くの人は落ち込む。

    ・先生の診断は本当なのだろうか、間違い、ということはないのか。
    ・私はうつ病で、躁状態は薬が効いているせいだと思っていた。
    ・双極性障害と言われたが、そのような病気は聞いたことがない。
    ・同じ診断名になるか、別の医師にも見てもらおう。
    ・自分の暗い部分を好きになれない。
    ・今、ここから、逃げたい。
    ・一生薬を飲まなくてはいけないのか。
    ・これは病気ではなく障害なんだ。
    ・なんで私がこんな病気になったのか。
    ・医師に不信感を抱き、病気を理解しようとしない。
    ・これから自分はどうしていけばいいのか、わからない。

    P48 <受容>
    「病気を受け入れていこうと覚悟する」
    病気を受け入れられず、翻弄されつづける人がいます。一方、冷静に受け入れ、病気を理解しようとする人もいます。早期から受容に至った人の方が、その後の経過は良好のようです。

    • 受容と理解が第一歩!
    診断のショックや混乱から立ち直り、病気である自分を受け入れる気持ちになってくる。双極性障害になった事実から逃げずに向き合っていこうとする。また、病気を理解するうちに、これは簡単な病気ではないとわかる。
    じつはここが治療のスタートライン。今後の対策を立て、実践していく動機になる。
    ⬇️
    • 重大な病気です!
    適切な治療をしないと再発し、社会的にも大きな損失を被る。本人にとって大切なものはないかを考え、それをなくした場合を想像すれば、いかに適切な治療が重要か、わかるだろう。
    ⬇️
    • 軽く考えない!
    双極性障害は症状がおさまるとまったく普通。そのだ、躁状態のときを元気が有り余っただけ、むしろ好調だったなどと軽く考えて、治療も怠りがちに。
    ⬇️
    心がまえ
    • 本人が持って欲しい心がまえは2つ!
    ・体の病気と違いはないと思う!
    高血圧や糖尿病などと同じ。薬や暮らし方でコントロールしていけば、普通に暮らせる。
    ・自分にとってのストレスを知る!
    ストレスは原因ではなく、悪化要因。自分にとってのストレスは何かを知り、対処法をもつ。とくに徹夜は厳禁。
    ⬇️
    • 再発予防
    自己コントロールを身につけよう。

    • 落ち込みから徐々に立ち直る!
    反発、自己否定の後に、ようやく病気と、病気である自分を受容する心境になっていきます。
    これは諦めではありません。病気を受け入れ、理解し、自己コントロールしていこうという積極的な思考です。覚悟と言ってもいいかもしれません。じつはここごスタートライン。受容と理解から治療は始まるのです。

    • 受容
    ・一生この病気と付き合っていくしかない。
    ・自分で自分をいたわろうとおもった。
    ・自分をしっかりめつめていこう。
    ・これが事実だ、受け入れよう。
    ・病気について、もっと知りたい。
    ・どうすればいいのか知りたい。
    ・有効な薬があるのだから大丈夫。
    ・これが私なんだ。
    ・必要なことはなんだろう。
    ・病気を放り出したらダメだと気づき、向き合っていこうと思う。

    • 「体験談」自分への見解が変わった!
    双極性障害と聞いた時は衝撃を受けました。その前はうつ状態で、周囲の人から、怠けるな、甘えるな、と言われ続けていました。私も、自分がそういう人間だと思っていて、開き直って自暴自棄になっていたたようです。
    でも意欲が出なかったのは、病気だったからなのですね。自分への見方が少し変わりました。

    P50 <理解>
    「最初にしたのは、病気の情報集め」
    徐々に病気を受け入れられるのは、診断にショックを受け、否定したり落ち込んだりした後。まず最初は、病気や治療法についての情報集めです。

    • 病気を、自分を、もっと知りたい!
    双極性障害は、以前は躁うつ病と呼ばれていました。そのため、この病名を初めて聞いたと言う人もいます。どんな病気なのか、治療法はあるのかなど、次々に心配なことがでてくるかもしれません。
    病気についての情報は本やネットでも調べられますが、わかりにくいことは医師に直接聞くなどして、なるべく正確な知識を得るようにしましょう。

    • まずしたこと!
    双極性障害だとわかり、混乱する人もいますが、落ち着いてくると、まず情報を得ようとします。
    ・本を買ってきて読んだ。
    ・友人に打ち明け、何か知っているか尋ねた。
    ・インターネットで検索して調べた(ネットの情報は宝石混淆なので要注意)
    ・家族に説明するため、わかっていることをノートにまとめた。疑問点が明らかになった。
    ・病気はこの後どのように進行するのか、治療法があるのかなど、信頼できる情報源で調べよう。
    ・昔からある病気なんだ。
    ・ネットで見て、この病気で苦しんでいるのは、私だけではないことがわかった。
    ・病気についてもっと知るべき。医師や社会は、手助けするだけで、自分で勉強しないと。
    ・有効な薬が次々と登場している。

    • 理解したこと!
    自分なりに調べ、ごく基本的なことがわかってきます。

    • 本人にとって重要ポイント!
    「心の病気ではなく、脳の病気」
    精神疾患は、ともすれば、気の持ちようと誤解されがち。しかし、双極性障害は心の悩みではない。周囲の人には、気持ちの問題でどうにかなる病気ではない、ということをわかってほしい。

    • 医師からぜひ伝えたいこと!
    双極性障害と診断された当初は、一生この病気とつきあっていかないといけないのか、薬が手放せないのか、と落ち込むでしょう。たしかに慢性の病気ですが、体の病気にも慢性病はたくさんあります。その点では、双極性障害だけが特別ではないのです。
    むしろ治療法がわかっている病気のひとつといえます。定期的に通院し、薬さえきちんと飲めば、日常生活を送ることは可能です。「なんだ、高血圧や糖尿病と同じじゃないか」と前向きに受け入れる時期が早ければ早いほど、再発予防の準備も早期からでき、後々の損失が少なくなります。
    ただ、本人の取り組みが肝心。医師は伴奏者のような役割です。

    P52「双極性障害は心ではなく脳の病気」
    • 少しずつだが研究は進歩している!
    双極性障害の治療には多くの課題があります。まずは薬。飲みにくく、副作用も多い。薬がさほど効かない人もいます。そのため、ちゃんと飲んでいない、などと誤解されたりします。薬の効き目も、ある程度飲み続けないと判断できません。患者さんは合う薬が見つかるまで、症状にくるしまなくてはならないこともあります。
    診断まで平均8年という現状も見過ごせません。自覚症状からの診断ではなく、血液検査など客観的な診断方法がほしいところです。

    • まとめると!
    脳の神経細胞がストレスに弱く、ごく小さく限られた部分に、変化がおこっているのではないか。

    P54 <治療>
    「人生を守るために治療する」
    激しいうつ状態は本人の心を打ちのめし、激しい躁状態は家族を困らせます。人生を、生活を守るために、治療するのです。

    • 治療開始!
    うつ状態で初診すると、うつ病と診断されて治療が始まります。躁状態からのスタートは、まず病気だと気づくことじたいが課題です。
    ・ うつ状態から
    本人はつらく、仕事上のミスが増えるなど、気づきやすい。うつ病と診断され、抗うつ薬が処方されて、治療が始まる。しかし、双極性障害の人は、抗うつ薬で躁転する可能性が高い(薬の副作用ではなく、薬は発症の引き金だと考えられる)。かつて躁状態を経験したかどうかをよく思い出し、あれば初診時に必ず伝える。
    ・ 躁状態から
    軽躁状態は、病気だとはきづかれないことがほとんど。躁状態での初診の多くは、1型の激しい症状による。本人や家族のために入院を検討することもある。受診して治療ができれば、有効な薬はあるので、1〜2ヶ月のうちに症状はおさまる。すっかり落ち着くので、これで治ったと誤解する人も多い。

    • 自分の人生を守る!
    双極性障害の治療は長期にわたり、薬を飲み続けなくてはなりません。治療に対してさまざまな思いもわいてきます。そのとき、心を支えるのは、「コントロールするのは自分」という気持ちではないでしょうか。自分から治療を進める前向きな気持ちさえなくさなければ、より良い結果が期待できます。

    • 治療に関する思い!
    ・自分の病気は自分でなおさなくては。
    ・もう、これ以上の失敗は人生において許されない。

    P56 <薬物療法>
    「飲むべき薬について理解する」
    どんな病気でも同じですが、自分が何の薬を飲んでいるか把握しておくことは大切です。診察時に医師もアドバイスしますが、患者さんには、薬への意識が高い人も多いようです。

    • 理解しておきたいこと!
    薬に関する情報をもち、納得して服薬することは大切です。双極性障害では、とくに再発予防のための服薬は重要性は、ぜひ知っておきたいことです。

    • 薬の内容!
    ・処方されている薬の名前と量がわかる。
    ・症状にあわせて薬を替えたいときは、医師に確認する。
    ・自分の飲んでいるか薬の副作用を知っているし、自分なりの対処法もある。
    ・これまで飲んできた薬を覚えている。
    ・新薬情報をチェックしている。

    • 断薬のこわさ!
    ・薬さえ飲んでいれば大丈夫。
    ・以前、再発したのは薬を勝手にやめたせいだ。
    ・断薬はダメだとわかっている。

    • 自分の薬についてしっかり調べている!
    今までどういう薬を飲んできて、どのくらい効き、今はなんの薬に替えたかを、すべて覚えている患者さんも少なくありません。自分なりに本やネットで薬名、量、飲み方、効果、副作用などを調べ、わからないことは医師に確認するなど、積極的に治療にとりくんでいたす。

    • 確かに問題点もある!
    双極性障害の薬物療法はリチウムが基本。いろいろな効果があるが、副作用の強いことが難点。中毒になりやすいため管理も難しい。うつ状態に有効な薬が少ないことも悩みの種。また、予防効果は1年以上たたないとわからないため、患者さんに合う薬を確定しにくい。

    P58 「薬物療法と精神療法の二本柱」
    • 薬物で症状を抑え、再発を予防する!
    双極性障害は脳の病気ですから、専門医を受診して薬物療法をおこなう必要があります。気分安定薬を基本とし、リチウムを主に利用します。精神療法はもう一本の柱です。薬の効果を最大限に引き出し、再発しにくい生活習慣や考え方を身につけます。薬物療法だけで治療するより、回復に大きな差が出ます。心理教育や生活リズムを保つこと、認知行動療法などを学びます。
    最重要は再発予防です。薬物療法はほぼ生涯にわたって続けることになります。

    • 治療の目的は3つ!
    ・再発を予防して、普通の生活を送れるようにする。
    ・躁状態を早期にコントロールして、社会生活への影響を最低限に抑える。
    ・患者さんの苦痛を減らし、うつ状態での自殺を予防する。

    • 精神療法
    薬の効果を高める。
    ・心理教育
    患者さんと医師、家族で病気や対応について勉強していく。病気を受け入れることがなによりの目標。
    ・社会リズム療法
    生活リズムの乱れに気づき、修正。睡眠時間、食事、入浴などの活動時間を記録して、リズムを守れるようにしていく。
    ・家族療法
    病気の理解を深めるとともに、対応を学ぶ。症状の悪化と家族の不和の悪循環を防ぐ。
    ・ストレス対処法
    ストレスは病気を悪化させる。自分にとってのストレスのもとをみつけ、対処法を身につける。
    ・認知行動療法
    ストレスを減らす考え方や行動の方法をまとめたもの。とくにうつ状態の改善に有効とされる。
    ・対人関係療法
    外来でおこなう。患者さんと医師で、再発のきっかけとなった対人関係の問題への対処を話し合う。

    • 薬物療法
    リチウムを中心に。
    ・気分安定薬
    リチウム(リーマスなど)は、躁状態とうつ状態の改善や予防、自殺予防の効果もあり、薬物療法の中心。血中濃度を測定しながら使用する。ラモトリギンは予防効果の保険適用がある。そのほか、バルプロ酸(デパケンなど)、カルバマゼピン(テグレトールなど)も使用する。
    ・抗うつ薬
    双極性障害では効果が明らかではなく、躁転に注意が必要。とくに三環系はラピッドサイクラーにさせる危険性があるので、避けるのが基本。
    最近、抗精神病薬のオランザピンが双極性障害のうつ症状に有効であることがわかり、保険適用を取得した。
    ・ラピッドサイクラー(躁転)➡️
    気分障害には、病相を頻繁に繰り返すものがあります。1年に4回以上の躁、あるいはうつ病相を繰り返す人をラピッドサイクラーと呼びます。

    P60 <再発>
    「大切なのは再発を予防すること」
    これまで何度か述べてきましたが、双極性障害には再発の問題があります。社会的な影響が大きいうえ、再発までの期間が短くなっていきます。そのことをしっかり認識すれば、打つ手はあります。

    • 90%以上の人が再発する病気!
    双極性障害の治療は長期にわたります。それは再発のおそれがあるためです。適切な治療をおこなわないと、90%以上の人が再発すると考えられます。再発のことは本人もよく承知しているはずですが、それでも免れないのは、服薬が続かなかったり、通院をやめたりするから。また、薬が効きにくい人もいます。「治った」と思い込ませる躁状態の症状じたいもネックです。再発の予兆に、周囲の人も本人もよく注意する必要があります。

    • 再発しない人は!
    もちろん再発を予防できている人もいる。早期から病気を受け入れて予防対策をしっかり立てて実践した人。そして薬が効く人。薬を飲みながら仕事を続けている人も多い。

    • なぜ薬をやめた?
    再発の危険性は高いと知りつつ、薬を飲まなくなってしまったという人。それぞれの事情や思いがあったようです。
    ・薬の効き目が感じられない。いくら飲んでもムダだと思った。
    ・こんな薬を飲んでいるから、いつまでたってもよくならないんだ。
    ・一生飲まないといけないのかと思うといやになった。
    ・薬を飲むと口が渇いてしかたがなかったので飲むのをやめた。
    ・こんなに薬をたくさん飲んで大丈夫かと心配になり、少しへらしてみた。
    ・(躁状態のとき)もう治った。薬もいらない。治療も必要ない。気分爽快。

    • 身体の病気も同じ!
    双極性障害にかぎらず、身体の病気にも、薬を一生飲み続けないといけないものはある。たとえば、高血圧、糖尿病など。薬を飲み、生活習慣を改善し、生活リズムを整える必要がある。しかも、身体の病気は薬を飲まないと生命の危険に直結する。双極性障害の薬も、それと同様に続けることが重要。自己判断でやめたりせず、主治医に相談を。
    • 多剤併用は実情!
    リチウムがちゅうしんだが、副作用が強く、中毒の恐れもあり、使い方が難しい。リチウムが効かない人もいる。うつ状態には抗うつ薬も決め手にはならず、医師は患者さんと相談しながら処方していくしかない。そのため、症状に合わせて薬の種類も量も増えがち。心配する人も多いようだが、これらの理由で多剤がやむ得ないことも。双極性障害には、多剤併用の悩みが確かにある。

    「体験談」
    • 通院をやめたら再発してしまった。
    うつ病とパニック障害の合併だと診断されて7年。自分では調子が良くなったと思ったのに軽躁状態と言われ、双極2型障害と診断が変わりました。
    その後、うつ状態になり、りすとかっとをして入院。それ

  • 2013年初版とのことで、情報やデザインが少し古く、読みづらいのではないかと不安もありましたが、実際に読んでみると、とても読みやすかったです。

    双極性障害の当事者である私にとって、思い当たる節がたくさんあり、共感しながら読み進めることができました。特に、「躁状態が本来の性格だと間違われてしまう」「本当の自分が何なのか、分からなくなってしまった」という部分は、直近の自分の悩みと重なり、とても印象に残りました。

    また、「発病の原因ではなく、発病のトリガー」という一文には、目から鱗が落ちる思いがしました。私の場合も、発病前の出来事を原因だと思い込んでいたことがありましたが、この考え方で少し気持ちが楽になりました。

    さらに、「双極性障害は遺伝病ではない」という一文は、家庭環境に悩んでいた私にとって、とても安心できる内容でした。

    妄想や幻覚、イライラについては私には当てはまりませんでしたが、他の当事者の気持ちを想像するきっかけになり、とても勉強になりました。「春~夏は躁、秋~冬はうつ」という季節の波も、私には当てはまりませんでしたが、それぞれのパターンの多様性を知ることができました。

    特に共感したのは、「本来の自分がわからなくなった」という部分です。最近、家事を頑張ったり丁寧な生活を送れている自分が、躁状態だからそうなのではないかと悩んでいましたが、この本を読むことで、自分の気持ちや行動の整理に少し役立ちました。

    総合的に、双極性障害の当事者にとって共感できる部分が多く、学びもある一冊だと思います。

  • 難しい言葉でまとめるだけではなく、吹き出しや体験談が多く、まとめ方に配慮がある
    ただお医者さんからの見解だなと少しギャップを感じる箇所もある
    「双極性障害のことがよくわかる本」の方がベター

  • あー、すんごいわかってくれている先生だ。
    という印象。
    親に呼んでもらおう。

    わたしは双極性障害Ⅱ型なので、正直、外からはわかりにくいと思う。
    躁転は自分でもわからないレベル。
    Ⅰ型よりわかりにくいので、そっちに特化した本もぜひ読みたい。

  • 躁うつ病のあれこれを患者の周りの人々に分かりやすく伝える。イラストや図が多く、ページ数もほどほどなので、まずは取り急ぎ躁うつ、双極性障害に触れたい人にもってこい。うつの時、躁の時、どんなことが起こりうるのか、知っておくだけでも価値がある。双極性障害を知る手始めにどうぞ。

  • わかりやすい

  • イラスト入りで字も大きく、見出しも丁寧につけてあるので読みやすい。双極性の入門編に。

  • 双極性障害のことが、とても易しく理解できるように工夫されていて、手っ取り早く病気のことがわかる良書。
    躁状態にはなかなか気づけないが、この本に書かれている注意点を観察すれば、医者の受診を勧めるきっかけはつかめると思う。
    病気の人への対応方法も書いてあるので、病気じゃない人も読んでほしい。

  • 「双極性障害の人の気持ちがわかる本」として企画されていたが、それではよくないということでこの本の書名となったようで、双極性障害の著書も多い加藤忠史氏の監修の本。

    内容は既刊の双極性障害の内容をまとめなおした本であるが、病気を抱えている本人の周りにいる人が病気を理解し支える視点から読みやすい本だと思う。

    5章に分かれており、発病から診断まで、症状、治療方法や治療の流れ、社会生活との関係、人間関係について、まとめている。病気の人に接せる人は図やイラストも多いので理解しやすいと思う。

  • まえがきによると、当初「双極性障害の人の気持ちがわかる本」という書名で企画されていたが、それは誰にも分からないのではないか、でも患者さんの気持ちを知りたいという人のために役立てばーという経緯でこのタイトルになったそうです。

    躁のとき、うつのとき、社会生活や人間関係、治療… 具体例が沢山紹介されていて、双極性障害の人の気持ちを考える入門書として平易で分かりやすかったです。

    それにしても、精神障害と共に生きるということの大変さは計り知れません。よりよい治療法、薬が開発されることを願います。

  • 双極性障害の人の気持ちを代弁してくれる本。過不足なくよくまとまっていると思います。

  • 家族や周囲の人向けの本ですが、当事者の私が読んでもいいかと購入。
    私は転居もあり発症時の対人関係にある程度区切りがついているとはいえ、豊富な事例や表情豊かなイラストを見ると、失ったものもそれなりにあったのだと改めて思い出し…読後少し落ち込みました。うつ状態の時はきついかも。

    去年大和出版からやはり加藤先生監修の書籍が出版されています。薬剤や生理面では大和出版の方が詳しいですが、事例が多くより読みやすい印象を受けました。

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著者プロフィール

順天堂大学大学院医学研究科 精神・行動科学 主任教授。1988年に東京大学医学部卒業後、同附属病院にて臨床研修。滋賀医科大学附属病院精神科助手、東京大学医学部精神神経科講師などを経て、2001年理化学研究所脳科学総合研究センター(当時)精神疾患動態研究チーム チームリーダー。博士(医学)。2020年より現職。

「2023年 『「心の病」の脳科学 なぜ生じるのか、どうすれば治るのか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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