ラーメンと愛国 (講談社現代新書)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 799
レビュー : 134
  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062800419

作品紹介・あらすじ

ラーメンから現代史を読み解くスリリングな試み。

感想・レビュー・書評

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  • この本は大学生の娘から借りて読んだ。
    「ラーメンと愛国」この題名にまず違和感を覚える、しかし読み進めるうちにこれがなんと面白い。
    日本人の大好きな「国民食」のラーメン、戦後の米国の小麦戦略による展開からのラーメンの進歩、「ご当地ラーメン」のうそ等ラーメンから日本人を改めて理解しなおす一冊。
    そして、現代日本のラーメン屋さんの右傾化?
    ラーメン大好きなあなたは読んでみるべきですよ・・・。

  • 戦後文化なんてどれもこれも紛い物ってのを、ラーメンを点にしてあらゆる方向に線を引いている。サクサク読める。良書。

  • 現在の「ラーメン」の置かれた状況を説明するには、過去に起こった様々な出来事や社会情勢を踏まえる必要がありますが、それらは大きく分けるとグローバリゼーションとナショナリズムという2つの観点が存在する、という筆者の発見を裏付けるための話が展開されていきます。
    様々な歴史を紐解いてそれを繋げ直しながら、筆者が知りたかったことの答えを出せたということで最後は締めていますが、「歴史を丁寧に検証することで従来と違った視点で物事を見ることを繰り返す」という本書の手法はラーメン以外にも使えるため、私としては内容よりもこの論理展開が勉強になりました。

  • ラーメンを通して、現代の日本がどう変わっていったのかを読み解く本。冗談の様なタイトルだがとても面白い。

    昔はラーメンは中華そばと呼ばれ、赤白ののれんに白の調理服がほとんどだった。しかし今は、作務衣風の格好に、黒いのれん、人生訓のちりばめられた店内。何がこの変化をもたらしたのか。

    古くは、アメリカの小麦戦略がラーメンの普及の原因ではないか、と解かれる。もちろん、うどんの可能性もあったかもしれない。ただインスタントラーメンの誕生、そしてあさま山荘事件によるメディア効果を経て、ついにはほぼ国民食にまで至る。

    その後、高度成長期の地方の時代における、喜多方ラーメンに始まるご当地ラーメンの誕生。湾岸戦争と同時に国内で名付けられた環七ラーメン戦争。ガチンコ!によるメディアミックス。そして、今の作務衣系のラーメンへの変化に。

    現代には現代のナショナリズムがあるのかもしれない。それは、右翼と呼ばれる物ではなく、世界に優しくスピリチュアルででも国が大事、といった考えの若者が多いように。そうすると、本来は中国のものであったラーメンが、日本独自のものとして発展したことに根差した感覚が生まれているのかも。

  • 2011 11/16読了。有隣堂で購入。
    話題になっているのを知って買ってみた本。
    ごく短期間における「国民食」としてのラーメンの成立と昨今の状況を、グローバリゼーションの中でのローカライズと、国土開発・「作務衣化」=和風化といった昨今の「ご当地・ご当人ラーメン」や「ラーメン道」の観点から論じた本。
    言われてみればちょっと前までラーメン屋って別に説教臭くなかったし作務衣やTシャツじゃなかったし紺や黒の暖簾じゃなかったな。
    色々面白かった・・・そしてラーメンが食べたいお腹すいた。

  • ・ラーメンが日本に広まった初期の要因としては、
    ①アメリカの余剰農産物処理法に基づく小麦戦略により、大量の小麦が輸入されたという物質的要因があった。
    ②安藤百福という一人の経営者が大量生産のメソッドを導入したことで、工業製品としてインスタントラーメンを広めた。
    …という文化的要因だけではない側面がある。

    ・ご当地ラーメンは、地域の特産物・風土に根差したものではなく、地域の観光化に伴い生まれた「地域に縁のない観光資源」である。

    このあたりが引っかかった。ラーメンは後から物語られたものなんですね。

    現代史の精度はさておいて、高い教養を基にラーメンを絡めて書く様子は速水さんらしい気がしました。二郎ラーメンが食べたくなった。

  • 良く調べてるなあと感心するし、論の進め方も丁寧で、研究者の書いた本という感じがする(実際は違うようだが)。
    確かに最近のラーメン屋ってのは「和」をテーマにしているように思えるのだが、「なぜ」そうなっているのかの掘り方が弱いのがちょっと残念。

    でも良書です。テーマも論構成もとてもよい。

  • ラーメンと愛国という言葉の取り合わせが面白くて手に取りました。
    ラーメンという大衆的で、もうあまりにも当たり前に身近にある食べ物を軸に、戦前から現代に至るまでの社会情勢などが描き出されています。
    チキンラーメンとアメリカのフォードが絡めて解説されていたり、ドラマ渡る世間は鬼ばかりで描かれた「幸楽」の話など、色々興味深い話が満載でした。

  • ラーメンで紐解く日本史。否、日本史で紐解くラーメン。ラーメンの歴史だけでなく、ラーメンを取り囲む人々の歴史を俯瞰できる。そこに日本という特異なカルチャーの変遷を見て取れる。

  • 面白いのだけれど、何か一味足りない気がするのはなぜだろう。

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著者プロフィール

速水健朗 Kenro Hayamizu1973年生まれ。食や政治から都市にジャニーズなど手広く論じる物書き。たまにラジオやテレビにも出演。「団地団」「福島第一原発観光化計画」などでも活動中。著書に『フード左翼とフード右翼 食で分断される日本人』(朝日新書)、『1995年』(ちくま新書)、『都市と消費とディズニーの夢』(角川Oneテーマ21)、『ラーメンと愛国』(講談社現代新書)などがある。

「2014年 『すべてのニュースは賞味期限切れである』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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