人類文明の黎明と暮れ方 (興亡の世界史)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 11
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  • Amazon.co.jp ・本 (398ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062807005

作品紹介・あらすじ

直立歩行のリスクが、ヒトに「文化」をもたらした。いくつもの絶滅を乗り越えて地球上に拡散した人類が、農耕というイノベーションを経て築いた多様な文明。シュメールからローマまで、その長大な歩みを通観し、現代文明が直面する危機を考察する。

感想・レビュー・書評

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  • びっくりする程の面白さ。古代ローマ研究で有名なこの方の膨大な探求と研究の賜物。
    文明、文化への見方、捉え方、現代との対比、などの
    古代を古代として捉えず 現実にあった事実として
    対等に向き合う歴史の見方が素晴らしい。

  • 最近は四大文明というくくりはあまりしないようだが、古代文明としては四大文明+アンデス文明、それに加えてギリシア+ローマ文明というくくり。メソポタミアは詳しく書かれているが、中国文明はやや少なめ。中南米のアンデス文明が、四大文明と同じくらい歴史が古いというのはかなり目新しい。
    文明の発生要因は結局は周囲の環境に依存する(シュメール文明は農耕のためには灌漑が必須という微妙に厳しい条件が要因みたい)つうことですね。日本は、土器+狩猟採集という縄文時代が異常に長かったのも、豊かな森林資源が要因だったと。

  • 解説が丁寧で分かりやすい。

  • 表題が本書の内容を現わしている。古代の文明の起源と隆盛、そして衰退にいたる道を、学者らしく科学的に事実に基づきながら、わかりやすい文体で書いてある。人類の誕生と歴史を知ることができ、人間がどういう生き物であるかが浮かび上がってくる。価値ある本だと思う。あとがきに記された内容は、現代への警告でもある。「大文明が滅びるときは、その文明を繁栄させた要因によって衰亡を招くことが多い」「繁栄はある臨界点に達すると、衰退に転じる」「日本人の特徴である均一性の利点と多様性の低さの問題点」。我々がなすべきことは何か、を考えさせられる。

  • すごく面白くて文章がとても分かりやすかった。
    アウストラロピテクスとかクロマニヨン人とかどうでもいいと思っていたが興味が出てきた。

    エジプト文明は三千年も続いていたのか。江戸泰平三百年の10倍。スケールが違う。

    古代文明は私の想像を遥かに超えた繁栄をしていて、しかし全てが没落している。
    日本の文明もいつか終わりがくるのかと考えながら読み進めた。
    異文化との交流による流転変遷が文明延命の鍵であるが、それでもいつか必ず終わりが来る。
    現在の世界秩序は遠い未来には全く変わっているのだろうか。

    時間的な視野を大きく広げてくれる本だった。

  • 他書と読みくらべると、出版の時点で既に古く誤った記述の切り貼りが多いようです。また、著者の感想と主張したい意見が分かりずらい、また自説なのか定説なのかは他書を読んで初めてわかるなど面倒な本でした。

  • 人類の拡散から古代地中海文明など様々な文明の発展を述べた好著。

  • 巻末の参考文献の少なさや、その奇抜なセレクトからも推定出来るように、一応最低水準はみたしているとはいえ、シリーズの先頭を飾るにはあまりに稚拙な内容だと言わざるを得ません
    新書にも劣る内容ですが、唯一装丁は見事です

  • 日本は現在低成長時代。では1年の成長率1%とはどのような規模なのだろうか。
    世界第2位のGDPを誇る日本の低成長はそれによって毎年途上国レベルの国家を一つ生み出せるほどの経済力を有している。

    このシリーズは「興亡」に焦点を当てている。

    歴史の中の巨大文明、巨大国家はどのようにして滅んでいったのか。単純に戦争に負けたからでは、考え方があまりに幼稚である。その内部に必ず不安が生まれ、滅亡につながっていく。こういった興亡のメカニズムを検証して現代社会に転写していくのがこの著作の一つの使命だと読んでいて感じた。

    いま、資本主義がその絶対性を証明できなくなったが、それで終わるだろうか。次にガン細胞にならないと言えるだろうか。

    我々は今こそ先人の記録を読みといて現代を生き抜いていかなければならないのではないか。
    そのために歴史というものはなくてはならない学問である。

    なんておっさんくさい文章を書いてしまった22歳大学生のれびゅー。

  • (要チラ見!) 全集

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著者プロフィール

1944年生まれ。東京大学副学長、国立西洋美術館館長、国立美術館理事長を経て、2013年より第21代文化庁長官。

「2014年 『アーカイブ立国宣言』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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