- Amazon.co.jp ・本 (406ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062807043
作品紹介・あらすじ
前七五三年の建国神話に起源をさかのぼる都市国家は、なぜ地中海を覆う大帝国を築くことができたか。熱狂的な共和政ファシズム、宿敵カルタゴを破った「父祖の遺風」など興隆の秘密を説き明かし、多神教から一神教への古代社会の変貌と帝国の群像を描く。
感想・レビュー・書評
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一般向けに面白く書こうという熱意は分かるのだが、溢れるローマ関連の書籍の中ではやや水準が低い様に思われます
ローマを知る初めての入門本としてはいいと思います -
長いローマ帝国史の概要を知る基本書のような本。
それでも色々な人物が登場してくるので、途中から誰が誰だかわからなくなってくるが・・・。もっと深くローマ帝国の理解をするには
さらに詳しい本を読む必要があるかと思うが、とっかかりには丁度良いかもしれない。 -
いままでの点検の意味もふくめ購読。
やはらい小説とかじゃなくアカデミックなので
つまらんかった。
あ!こーゆー本はそもそもおもしろさ追求じゃないね。 -
図書館。
興亡の、と謳っていることもあるし、主観が入った
本は面白いけれどある程度知識つけてから読んだほうが
面白いと思う。私はまだそこまで達してないなぁ。
でもこれは読みやすい。 -
講談社『興亡の世界史』シリーズの一つである本書は、ローマ世界を中心に古代地中海世界の歴史が書かれています。ティベレ川の畔にできた集落が都市国家となり、イタリア半島を統一し、ついに地中海を「内海」とする様、絶頂を迎え、その後混乱に陥り、ついに滅亡するまでのローマがテンポよく記述されており非常に読みやすいものでした。
それにしても、古代ローマほど人間味溢れる時代はないのではないかと思うくらい、ローマ人とは人間的です。際限のない欲望に身を任せるものもいれば、公事(=res publica ※共和政(repubric)や共和党(republican)の語源)のために東奔西走し命を縮めるものもおり、禁欲的な皇帝もおれば、男色にうつつを抜かす皇帝もまた存在する、もちろん人間味のない人間社会など存在しませんが、それにしてもローマ史は人間社会の縮図そのものではないかと思います。そこに、ローマ史を学ぶ意義の一つがあるように思います。
あと、オクタウィアヌス(アウグストゥス)の死に様も、多分に伝説くさいのですが格好良く憧れます。以下本書232ページから抜粋
私人と公人とをたくみに使いわけたアウグストゥスは最期の日に、
「この人生という喜劇で私は自分の役を上手に演じたと思わないか」
と友人たちにわざわざたずねた。そして役者が終幕に語るお決まりの口上をつけ足したのである。
「この芝居がお気にめしたら拍手喝采を。そしてご満足でお引きとりを」
やがてすべての側近を遠ざけ、リウィアの両膝にだかれながら、やすらかに息をひきとった。
「リウィアよ、われわれの共に過ごした日々を忘れずに生きておくれ、さようなら」
願わくば、こんな死に方をしたいものです。
以下備忘録
芸術文化の後援者を「メセナ」というが、この語源はアウグストゥスを文政面でささえ、詩人たちと交わり多くの報酬を与えたマエケナスのフランス語読み。
「パンとサーカス」のサーカスとは曲芸ではなく、戦車競争の楕円形コースを意味するキルクス(circus)の英語読み。
最後に心に残った、「パクス=ロマーナ」時代のドミティアヌス帝(五賢帝の最初ネルウァ帝の直前の皇帝)の言葉を
「国王とは哀れなものだ。暗殺されないかぎり、たしかに陰謀があったとは信じてもらえないのだから」