近代ヨーロッパの覇権 (興亡の世界史)

著者 : 福井憲彦
  • 講談社 (2008年12月18日発売)
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  • Amazon.co.jp ・本 (402ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062807135

作品紹介

長くアジアの後塵を拝してきたユーラシア極西部の国々は、いかに世界を圧倒し、現代にその余波を及ぼしたか。「大航海時代」や幾多の戦乱と革命、工業発展を経て、一九世紀の世界に覇を唱えたヨーロッパが、第一次世界大戦で破局を迎えるまでの光と影を描く。

近代ヨーロッパの覇権 (興亡の世界史)の感想・レビュー・書評

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  • このシリーズの編集者である学習院大学長によるヨーロッパ近代史。
    流石にこの分野の第一人者らしく、豊富な知識を持っている。
    あまりにも豊富な知識が邪魔し、350ページにまとめるのが却って苦労しただろうことが伺える。

    ぼくはイスラム教とヨーロッパとの対決(?)対比(?)において、ヨーロッパ側が何故キリスト教の呪縛から政治が抜け出し、イスラムが停滞したままなのか、その理由を見出したかったからである。

    その目的には充分応えてくれる一冊であった。

    14世紀の大航海時代から始まり、20世紀初頭の第一次世界大戦まで、6世紀に渡るのであるから大掴みにならざるを得ない。
    要は、どこにポイントを置くかが著者のセンスにかかっている。

    封建国家から国民国家へ脱皮する過程ががヨーロッパ史のキモであるが、そこに作用する個人の自覚、宗教、工業化、交通、通信、芸術、経済、外交と様々な要素を簡潔に取捨選択していったのは著者の力量であると認めざるを得ない。

    長いスパンの歴史全体を見回すことの必要性と価値を認めるならば、多少の不満は気にすることはないのではないだろうか。

  • この本を手に取る方はそれなりに近代ヨーロッパ史に対する知識を身につけているだろうし、そんな人たちにこの本がどれだけ新しい上積みを与えてくれるかというと心もとないものがあります
    各テーマごとに優れた書籍がいくらでもあるので、この本で駆け足で学ぶ必要性は少ないと思われます

  • まとめ的に面白かった。一個、白眉(?)というか「やはりか」という記述があり、つまり「19世紀に産業革命が興って以降、ヨーロパ各地で農業発見、ようはフォークロア運動が興った」っていうとこ。つまり、我々が知ってる「民族的なもの」っていうのは、あくまでも「19世紀に生まれた」んだよね。面白いね。
    あと、ナポレオン主義によって、侵略受けた各国が自国のアイデンティティに目覚めるとか、東西・時代問わず、基本起こった事象はあんまし大差ないわけで、そういう意味でも歴史を学ぶってのは大事ですね(改めて)

  • 入門的。内容には満足だが、少し文章に違和感を覚えたので星4つ。/文献案内:海外作品は邦訳があるもののみ。

  • このシリーズはだいたいにおいて外れがありませんが、この本もしかり。教科書の内容の行間を埋める、「正統派」西洋近代史の概説書という印象を受けました。「正統派」といっても古典的という意味ではなく、最新の研究を踏まえ、我々の「思いこみ
    」を正してくれます。例えば産業革命について、我々は18世紀後半よりイギリスで産業革命が始まったとすると、すぐさまイギリスでは機械性工場が普及したような言いをしますが、著者は「18勢威には、生産はまだ基本的に手工業が圧倒的に支配していたことを考えると・・・(中略)18世紀なかばのイギリスから、生産活動の機械化と動力化への移行が緒についていった、というくらいの表現が正確ではなかろうか」と述べています(181頁)。また、「ナショナリズム」について私達は「民族主義」とか「国家主義」とか訳しますが、著者は「ネイションは国家、国民、民族という三重の意味内容を含みもっている言葉なのである。日本語ではこの三重の意味をいっぺんに表現できる言葉はないので、ことはいささかややこしい。」という表現にとどめていますが、これについても我々は再考しなければならないようであると感じます。日本やイギリス、フランスのようにほぼ一国家一民族(日本にはアイヌなどの「少数民族」も古代より生活していたが、主に文化に関する問題が中心で「国家」云々に関わる問題ではないのでここでは触れない)のような国ならばいいのですが、多民族国家の場合、「ナショナリズム」というときはその「国」を指すのかその中にいる「民族」を指すのかが曖昧で、誤解しやすいのではないでしょうか。日本語に似たような表現がない場合はやはりそのままカタカナでいいのではないでしょうか。少し話が脱線しましたが、この本は教科書レベルでは飽き足らない世界史好きの人にお勧めしたい本です。

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