<図解>日本三大都市 未完の鉄道路線-昭和から平成へ、東京・大阪・名古屋の未来を変える計画の真実 (講談社+α文庫)

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  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062812382

作品紹介・あらすじ

あの地下鉄線が大きく進路を変えた理由は?専用ホームだけつくって用途変更した通勤新幹線計画って何?現在準備中の新交通システムは意外な方向へ延びる!?高度経済成長からバブル期、そして21世紀へ。時代が選んだ路線と選ばなかった路線、それぞれの事情は?まだまだ広がる鉄道網は、どんな理由でその形を決めるのか。人気鉄道アナリストが膨大な資料と綿密な取材をもとに、昭和40年代から現在までの消えた鉄道計画と未来予想図を明かす。

感想・レビュー・書評

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  • この書籍では、戦後から現在までの鉄道話や延伸計画など語っています。

  • 本書の元版は、かつて産調出版から出た『三大都市圏の鉄道計画はこうだった』であります。この本は持つてゐますが、文庫化にあたり、本書と『日本三大都市 幻の鉄道計画』の二冊に分冊化し、内容を大幅に修正・加筆してゐますので、改めて購買したものであります。どんな内容であらうが、プラスアルファ文庫の川島本はすべて「図解」を冠するのだな、と再確認したところです。本書のどこに「図解」が有るのでせうか。ひよつとして路線図の事を差してゐるのかな? 

    と、ひとまづ表題にいちやもんを付けた後で本書を捲ります。
    「PART1」は「昭和40年代から都市交通審議会最終答申まで」。川島氏の著作は、本番に入る前に長い長い前振りがあります。余りに長すぎて肝心の本題が後半にちよびつと述べられるだけ、といふのもありました。本書の場合、言ふなればこのPART1がその前振りに相当しませうか。
    そして「PART2」がいよいよ「最近まであった知られざる計画、そして将来」。三大都市それぞれについて述べてゐますが、わたくしは愛知県人なのでまづ名古屋のパートを見ます。東京が圧倒的な分量を占める反面、残念ながら名古屋の頁はかなり少ない。人口規模やクルマ依存社会などの理由がありますから、詮無いけれど。

    川島氏も名古屋圏の鉄道については、後ろ向きの話が多いと嘆いてゐます。かつては先進的な土地柄だつただけに、まことに残念。ピーチライナー(桃花台新交通。名鉄小牧線小牧駅から桃花台ニュータウンまでの新交通システム)の廃止も無念であります。
    そもそも小牧線上飯田から地下鉄平安通までが未開通なのに、先にこちらを開通させても意味が薄かつたと申せませう。川島氏の指摘通り、未開通部分の桃花台東~高蔵寺を先に開通させるべきでした。

    わが豊田市については、名鉄三河線の複線化が挙げられてゐます。それも重要ですが、名古屋からの直通化・高速化が喫緊の課題と申せませう。
    わが市には、なにがしといふ有名な自動車メーカーがあり、東京からもわんさかビジネス客が来訪します。(なんでこんな不便なところに本社が有るんだよ)と不満を表明する人も多い。東京から名古屋へ移動する時間と、名古屋から豊田まで到達する時間がほぼ同じなのだから、その意見には大いに首肯するところです。
    現在の鉄道アクセスとしては、地下鉄鶴舞線~名鉄豊田線のルートと、名鉄本線~名鉄三河線の2ルートが一般的。前者はすべて各駅停車なのでうんざりする。後者は遠回りの上、三河線乗換がネック(単線)。トヨタ本社前には折角愛知環状鉄道線(愛環線)の「三河豊田」駅があるのに、この路線は名古屋からの放射状レールと有機的に関つてゐません。
    そこで、名鉄では将来のリニア開通に合せて、名古屋~豊田市間の直通特急を走らせる計画を立ててゐます。

    しかし、私見ではそれでは不十分と見ます。では、どうするか。
    リニア中央新幹線では、中津川付近に「岐阜県駅」が出来る事が決まつてゐます。ここから一気に豊田へ通すのであります。愛環線は現在の終着駅は「高蔵寺」ですが、国鉄岡多線時代は、その名の通り(岡崎の「岡」と多治見の「多」)多治見を目指してゐました。この路線を実現化し、中津川新駅~多治見~三河豊田の直通特急(名称は快速でも何でも良いが)を走らせるのであります。関東の人は大喜びすること、間違ひなしです。
    ただ、名古屋を素通りすることになるので、名古屋財界は反対することでせうね。本書を読んでも分かりますが、利用者の便を考えるよりも、政治的思惑で決まる路線の何と多いことでせう。

    おお、いつの間にか地元の話ばかりしてゐました。これはご無礼しました。ぢや、また。

    http://genjigawa.blog.fc2.com/blog-entry-599.html

  • 計画の具体的な解説ばかりであまりおもしろくない。グランドデザインがでてこない。

  • 先のが<過去>であり、今回のは<未来>の話。

    東京メトロの鉄道計画は、副都心線を持って完了した。
    それ以外のJR、私鉄はまだまだ伸びる。

    東急が埼玉まで伸びるし、
    相鉄も東京都内まで伸びてくる。

    関東の発展に追い付けと、関西の鉄道網も複雑になっていく

    わくわくーーー







    今後は一時気の景気低迷で計画通りに進まないのも見えている。
    鉄道会社の合併もどんどん起きるだろう

    関西)阪急と阪神の合併
    関東)JR東日本と東京メトロの合併

    あくまで未完の鉄道路線である。
    ただ、今後の羅針盤として、読む価値はある。

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著者プロフィール

川島 令三(かわしま・りょうぞう)
1950年、兵庫県生まれ。芦屋高校鉄道研究会、東海大学鉄道研究会を経て「鉄道ピクトリアル」編集部に勤務。現在、鉄道アナリスト。小社から1986年に刊行された最初の著書『東京圏通勤電車事情大研究』は通勤電車の問題に初めて本格的に取り組んだ試みとして大きな反響を呼んだ。著者の提起した案ですでに実現されているものがいくつもある。著書は上記のほかに『全国鉄道事情大研究』(シリーズ全30巻)、『関西圏通勤電車徹底批評(上下)』『なぜ福知山線脱線事故は起こったのか』『東京圏通勤電車 どの路線が速くて便利か』『鉄道事情トピックス』『最新 東京圏通勤電車事情大研究』『関西圏鉄道事情大研究(将来篇、ライバル鉄道篇)』『首都圏鉄道事情大研究(将来篇、ライバル鉄道篇、観光篇)』『最新 新幹線事情大研究』(いずれも草思社)、『全線・全駅・全配線』(シリーズ全52巻)、『日本vs.ヨーロッパ「新幹線」戦争』『鉄道配線大研究』『全国通勤電車大解剖』(いずれも講談社)、『全国未成線徹底検証(国鉄編、私鉄編)』『全国鉄道なるほど雑学』(いずれも天夢人)など多数。

「2022年 『名古屋圏鉄道事情大研究』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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