沢田マンション物語 2人で作った夢の城 (講談社+α文庫)

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  • 講談社
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本棚登録 : 80
レビュー : 9
  • Amazon.co.jp ・本 (316ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062813082

感想・レビュー・書評

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  • 2018年5月26日紹介されました!

  • 偶然にも夫妻と共通の知人がいて、自作マンションの話だけ何度か聞かされていたが、何度聞いても、にわかに信じがたかった。本になっている、と渡されて読んでみると、マンションが出来上がる前に、想像を超えた人生ドラマが繰り広げられていて、驚かされることばかりであった。
    夫妻が辿った人生は、あまりにも壮絶で、「夢を叶える」ということがこんなにも大変なのか、と思ってしまうほどだ。それ故に、夫妻が遭遇した数々の奇跡や出会い、というものも、納得してしまう。
    二人の建物への情熱もさることながら、住人に対する愛情は、それ以上のものがある。
    「沢田マンション」は、ものすご~く「人とのつながり」を大事にした夫妻の人生の究極の形なのではなかろうか。建築に携わる者であれば、この本を読んで、彼らの信念に触れてもらいたいと思う。

  • 高知市にすごい建物があるという。手作りの集合住宅「沢田マンション」。この本は、沢田マンションのユニークさを紹介するとともに、それを作り上げた沢田嘉農さん・裕江さん夫妻の人生を追ったもの。
    沢田マンションのユニークさは読んでいても痛快。沢田夫妻、とくに嘉農さんならではの理念?理屈?に基づいて建てられている。そんな人物だからこそ、嘉農さんの人生も常人とは一味違う。これだけユニークに自分を信じて生きられるってすごい!
    でも、個性的で大らかそうな嘉農さん、実は短気なのだとか。短気のあまり妻の裕江さんに物を投げつけたりなんてことも日常茶飯だったのだとか。
    裕江さんは13歳で嘉農さんと「結婚」してずっと連れ添ってきた。嘉農イズムで純粋培養されたように書かれていて、実際に裕江さんも嘉農さんを慕っているようなんだけど、痛快だったこの本も、こうした夫婦の関係性に触れているところでは、疑念というか痛快に思えない。
    嘉農さんは自分の信念のままにマンション作りに邁進するんだけど、裕江さんはそれに巻き込まれて大変なことをしているように思えてならないんだよね。マンション作りもやれば家事・育児もするんだもの。実際に二人の娘の啓子さんは「お母ちゃんは男の仕事をした。だけど、お父ちゃんは女の仕事をせんかった。」(p.221)と言っている。夫婦のことを他人がとやかく言うもんじゃないけど、だけどそう思っちゃったんだからここに書いておく。

  • キテレツ建築ばかりが目立つ沢田マンションだが、そこに行きつくまでの「人の歴史」が非常に面白い。

  • 先日はヘンな本を紹介するタマキング・宮田珠己の本を紹介したが、その彼が本の雑誌2012年9月号で紹介しているのが「ミドリさんとカラクリ屋敷」「沢田マンション」の二冊。奇しくもこの二冊は発売売当時から買おうかどうか迷って表紙を何度も見ていた記憶があるので、紹介記事の写真で表紙を見た瞬間に判った。で、紹介の内容だがタマキングが迷路建築ファンということでその視点から紹介しているのだが確かにそれは当たっており何れもヘンな建築物に関連するという点ではなかなかのものだ。

    「ミドリさんとカラクリ屋敷」は北海道の現・野幌に生まれ育ったミドリさんが主人公。先々代が新潟県から入植し同地で成功した家系らしいが、何故か家には隠し扉がいくつもあるというのもの。その血が受け継がれたのか、彼女が結婚し平塚に建てた家もやはり隠し扉があるという。だが其れ以上にびっくりするのが、家の真ん中に煙突の如く電信柱が堂々と立っていることだという。

    本書はその平塚の電信柱に魅かれミドリさんと親しくなった著者がミドリさんの「ヘンな家」を建てる血筋を探るのがもう一つのテーマになっており「コンニャク屋漂流記」のような仕上がりにもなっているのだが、考えてみれば「ミドリさん」のほうが2011年5月出版だから「コンニャク屋」より二ヶ月早い出版だから似ているというのはおかしいか。

    如何せんミドリさんの生まれた家も既に残ってはおらず、またミドリさんも決して平塚の家の構造を積極的に公開する意図がないことからヘンな家の間取りや全貌についてはやや食い足りなさもあるのだが、秘密を守る前提で造った隠し扉等の構造を明かすのもおかしな話なので仕方がないのかもしれないがちょっと残念だ。

    見えないところに努力を傾けているのがミドリさんのカラクリ屋敷とすると堂々とそのヘンさを見せているのが沢田マンションだろう。全て自力で建築した地上5階建てのマンションだが、5階まで車で上るがことでき、5階には稲が茂り、4階にはプールが水を湛え、各階のベランダは住民の行き来できる共有スペースになっており、部屋番号は入居者順につけられており、部屋の間取りは全ての部屋で異なり、と書いているだけで変なマンションというのが分かるだろう。

    一時はテレビなどでも取り上げられたこのヘンなマンションなので、つい読む気が起こらずに今に至ってしまったが食わず嫌いだったようだ。マンションのヘンな構造もそうだが、オーナー沢田氏の生き様もまた相当に型破りで、どこにこうしたバイタリティの源泉があるのか良く判らない。

  • 本棚おすそわけPJ3冊目のおすそ分け。

    沢田マンション、知る人ぞ知る、手作りマンション。
    100世帯が住めるマンションをつくりたい!というのが沢田夫妻の長年の夢。建て売り住宅、アパート経営を経て、建てた夫婦の夢のマンション。

    その発想は、「探偵ナイトスクープ」でいう、パラダイス的(通用しないですね)な、面白そうだからカタチにしようというノリ。
    緑があるといいなと思ったら、屋上緑化。屋上緑化という言葉が出るずっと前。全て同じ部屋はつまらないから、違う間取りの部屋をつくる。でも、これが実は理にかなっていて、マンション内で転居する人がいて、客を離さない戦略でもある。

    生きることに必死だった時代の夫婦の在り方を描いた本としても読める。
    子どもがおなかにいる臨月でも現場で穴を掘り、産後すぐに現場に出ていた奥さん。それがよいということではなく、そういう時代を日本人はたくましく生き抜いてきたんだと思いました。

  • 沢田マンションに住みたい!
    そして沢田夫婦にただただ感服。
    誰の人生にもある山と谷。あきらめずどう乗り越えるかで人生は一変する。
    長い人生の中で自分の理想や目標のハードルを下げることなく、頭と身体を精一杯使って越えていくことが大事。
    自分のこれまでの人生、妥協だらけなんじゃないかと焦る。
    誠実な生き方を心がけよう、と思いました。

  • アートですねー。
    私住めるものならここに住みたいです。

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