<図解>超新説 全国未完成鉄道路線-ますます複雑化する鉄道計画の真実 (講談社+α文庫)

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  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062813471

作品紹介・あらすじ

不自然な空き地、変なコンクリートの構造物、開業したときから線路が接していないホームや路盤-日ごろみなれた光景に疑問を感じることはないだろうか?よくよく調べてみると、新しい路線をつくる壮大な構想をもとに用意されているものが大半である。だれがなんのために、どんな路線を引こうとしていたのか、それらが実現されると、日本の鉄道路線図はどう変わるのか。ミステリー小説を読む以上に面白い「鉄道計画の全貌」を探る旅に出よう。

感想・レビュー・書評

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  • 本書は『〈図解〉新説 全国未完成鉄道路線』の加筆改題であります。買つてみてから気付きましたが、その本は持つてゐました。川島氏の本は似たやうなタイトルが多い上、文庫化に際して改題されることも多多あるので、購入の際には注意が必要であります。

    さて、その改題された『超新説 全国未完成鉄道路線』であります。超新説ですよ。「超」つて何ですかね。
    まあいいや。著者は全国未成線の痕跡を実地調査し、何故放置されたままなのかを含め、その全容を明らかにせんとするものであります。

    第一章は「首都圏の地下線に眠る謎の構造」。
    愛知県人としてはいづれの項も興味深いですが、特に大田区役所の地下に地下鉄用のスペースがあるといふ話は面白いと存じます。

    第二章「東京郊外に蠢く準備設備」では、こんなに準備設備(つまり新線計画)があるのかと驚きます。いくら人口が多いといつても、この全ては到底実現できないのでは。もしできたとしても、わたくしが死んだ後ですなあ。

    第三章は「知られざる新幹線計画の真実」であります。上越新幹線は全通してゐないといふ話は、以前の川島氏の著書でも言及されてゐました。現在は当然のやうに東京駅に発着してゐますが、本来は新宿駅に乗り入れる筈だつたと。しかし今後劇的に乗客が増えない限り、実現しないでせう。
    また、東九州、羽越、山陰、奥羽、四国の新幹線はまづ実現しないでせうね。少なくともフル規格では。

    第四章は「全国に広がる未完成路線図」。名古屋の話題も少しあります。例へば城北線が環状線になるかといふ話ですが、まあやらないでせうね。名駅からの放射状鉄道を充実させる方が先でせう。

    最後の第五章は「幻に終わった計画」といふことで、完全に日の目を見ることがなくなつた路線であります。しかし施設の建設は、かなり進んでゐる路線もあり、いかにも勿体ない。名古屋の南方貨物線も建造物が朽ちてゆくだけか......

    テツならば常識かも知れませんが、わたくしはテツではないので、特に首都圏の話題は興味深いものがありました。川島節は健在ですが、少しソフトになつてゐる印象であります。もつと暴れていただきたいと、関係ない感想も抱きました。
    デハデハ、ご無礼いたしました。

    http://genjigawa.blog.fc2.com/blog-entry-777.html

  • この巻では、今までに鉄道路線が計画されたが、途中で頓挫したものなど書かれています。

  • 不自然な空き地、変なコンクリートの構造物、開業したときから線路が接していないホームや路盤―日ごろみなれた光景に疑問を感じることはないだろうか?よくよく調べてみると、新しい路線をつくる壮大な構想をもとに用意されているものが大半である。だれがなんのために、どんな路線を引こうとしていたのか、それらが実現されると、日本の鉄道路線図はどう変わるのか。ミステリー小説を読む以上に面白い「鉄道計画の全貌」を探る旅に出よう。

  • 以前、単行本で読んでいたが、手元に残そうと思い、購入、再読。

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著者プロフィール

川島 令三(かわしま・りょうぞう)
1950年、兵庫県生まれ。芦屋高校鉄道研究会、東海大学鉄道研究会を経て「鉄道ピクトリアル」編集部に勤務。現在、鉄道アナリスト。小社から1986年に刊行された最初の著書『東京圏通勤電車事情大研究』は通勤電車の問題に初めて本格的に取り組んだ試みとして大きな反響を呼んだ。著者の提起した案ですでに実現されているものがいくつもある。著書は上記のほかに『全国鉄道事情大研究』(シリーズ全30巻)、『関西圏通勤電車徹底批評(上下)』『なぜ福知山線脱線事故は起こったのか』『東京圏通勤電車 どの路線が速くて便利か』『鉄道事情トピックス』『最新 東京圏通勤電車事情大研究』『関西圏鉄道事情大研究(将来篇、ライバル鉄道篇)』『首都圏鉄道事情大研究(将来篇、ライバル鉄道篇、観光篇)』『最新 新幹線事情大研究』(いずれも草思社)、『全線・全駅・全配線』(シリーズ全52巻)、『日本vs.ヨーロッパ「新幹線」戦争』『鉄道配線大研究』『全国通勤電車大解剖』(いずれも講談社)、『全国未成線徹底検証(国鉄編、私鉄編)』『全国鉄道なるほど雑学』(いずれも天夢人)など多数。

「2022年 『名古屋圏鉄道事情大研究』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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