- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062814027
作品紹介・あらすじ
徳川家康の妻の名前を誰も知らないのは何故か? 本書を読めばわかります!
●時代ドラマ『JIN―仁―』の時代考証を担当した著者の歴史おもしろ本!
●時代劇を100倍楽しく観る方法がわかる!
●信玄と謙信はどんな顔だったのか? 信長はどんな菓子を食べたのか?
●黄門様は入れ歯だったのか? 赤穂浪士は、どんな食事をしていたのか?
●大岡越前は、どんな仕事をしたのか?
テレビの時代劇をよりいっそう面白く観るための歴史の基礎知識、知っていると楽しいうんちく、制作の裏側のこぼれ話などを時代考証家ならではの苦労話を交えて軽快な語り口で紹介。戦国時代から江戸時代までの5つの章に分けて、それぞれの時代のヒーローにスポットを当てながら、時代背景や社会の仕組み、生活のスタイル、風物万般にいたるまでをイラストや写真・図版を多用してわかりやすく解説する。
※本書は、2006年12月に実業之日本社より刊行された『TV時代劇を100倍楽しく観る方法 時代考証おもしろ事典』を文庫収録したものです。
感想・レビュー・書評
-
そういえば『天下御免』に、「平賀源内による忠実な時代考証をした忠臣蔵の芝居を上演したら、つまんなくて客が寝ちゃった」という話があったっけなぁ
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
プラスアルファ文庫から「時代劇に学ぶ」などといふタイトルが付いた本が出てゐたので、これはビジネス書かなと思ひきや、時代考証家が明かしてくれるうんちく話でありました。
内容は五章で構成されてゐて、それぞれ「武田信玄と上杉謙信が主役の時代」「信長・秀吉・家康が主役の時代」「水戸黄門が主役の時代」「大石内蔵助と赤穂浪士が主役の時代」「徳川吉宗と大岡越前が主役の時代」と、時代順に並んでゐます。
著者の山田順子さんの本職は、放送作家だといふことです。あの『クイズ面白ゼミナール』のクイズ出題・構成もしてゐた人であります。「はい書きなさい!」
それ以降、クイズ番組や時代劇などの考証を務めてきたと。その山田さんが語る、時代劇制作における考証の裏話が楽しめます。
どうやら時代考証とは、必ずしも史実の裏づけを必要とするものではないのですね。単に「この時代にかういふものが存在するのはをかしい」とか、さういふ方面のチェックみたいです。
それでも、時代劇において既に定着してゐて、考証にこだはり過ぎると観客(視聴者)のイメエヂを損ねてしまふ場合は、時代考証家の意見も無力なのですな。例へば。
「忍者は黒づくめ衣装もまとはず、刀も背負つてはゐなかつた」
「日本人は古来より胡坐座りで、正座をするやうになつたのは徳川幕府以降」
「草鞋を履く時には白足袋をしない」
「水戸光圀公といふ呼び名は存在しない」
「大名屋敷に表札は存在しなかつた」
「赤穂浪士が討ち入り前に蕎麦屋に集まるが、元禄時代に蕎麦屋はなかつた」...等等枚挙に暇がないほどであります。しかし制作側は定着したイメエヂを優先するためか、せつかくの時代考証家の提言も採用されないのだな。
ま、メイニアックな人たちには常識なのでせうが。
読後に時代劇が一層面白く鑑賞できるのか、それとも不満がたまるのか微妙なところと申せませう。
http://genjigawa.blog.fc2.com/blog-entry-153.html -