徳川幕府対御三家・野望と陰謀の三百年 (講談社+α文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062814089

作品紹介・あらすじ

徳川御三家は将軍家を補弼する装置だったという認識は全くの誤りである!

●徳川御三家とはたまたま後世まで生き残った家柄である
●憎悪の一念――吉宗と尾張宗春の八年戦争
●水戸光圀の怒り――綱吉と生類憐みの令を痛罵
●由比正雪の乱――黒幕は紀伊頼宣だった!
●強い危機意識――烈公水戸斉昭の天保改革

水戸黄門などで知られる徳川御三家は当初けっして将軍家の補佐などではなかった。したがって徳川三百年、絶え間ない抗争が幕府、将軍と御三家の間にはつづいたのである。数々の名君を生み、すきあらば政権をねらう御三家があればこそ緊張感をもって三百年が続いたともいえる。知られざる江戸幕府のダイナミズムを、気鋭の歴史学者がビビッドに分析。どんな時代にも常に野心を捨てず生き抜く知恵が学べる一冊!

※本書は2000年、光人社より刊行された『徳川御三家の野望』を文庫化にあたり改題し、加筆、編集をしなおしたものです。

感想・レビュー・書評

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  • 分かりやすい解説に満足です!!
    御三家は養子とかやたら多くてちょっと敬遠してたけど、ここまで噛み砕いて書いてくれると分かりやすい☆

    御三家VS宗家っていう構図が目新しくおもしろかったww

  • 特に水戸藩に注目した。水戸学の生い立ち、光圀、斉昭の治世。
    幕末、慶喜の懐刀として活躍した原市之進の奮闘にも触れられている。
    徳川幕府の盛衰を大きな流れで整理できる。

  • 「天皇と宮家」でも興味深かった、「本家 vs 分家」の視点から徳川一門を分析した野心作。
    御三家に関しては私もご多分に洩れず、家康が十男だの十一男だの、後世で言うところの「部屋住み」連中を一国一城の主に取り立てたのは、まず何よりも大切な嫡男・秀忠を盛り立てるためだとばかり思っていた。それどころか「結果的に3家が残ったから『御三家』」とは、まさしく目から鱗であった。
    他にも、従来美談とされてきた「兄の子に跡目を返した黄門様」の行動原理がその実偏狭な「長男教」で、それに伴うさまざまな弊害もあったことや、「稀代の名君」吉宗の策謀家としての一面、かの尾張宗春との確執等々、終始楽しく読むことができた。
    幕末の動乱期から、維新後〜敗戦前の「華族の時代」に名当主と言われた人には、養子それも支藩の出身者が少なくない。それを知った時、ほんの一瞬とはいえ、「なんだ、名門◯◯家といっても嫡流じゃないんだ」という思いがちらりと兆すのは、偽らざる本音である。
    赤の他人のド庶民の、勝手な感想においてさえそうなのだから、「本家と分家」の複雑微妙な関係は、名家を研究する上で見過ごすべからざるもののようである。

    2011/2/24〜2/25読了

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著者プロフィール

1965年、東京都生まれ。青山学院大学文学部史学科卒業、早稲田大学大学院博士課程単位取得満期退学。文教大学付属中・高校教諭。早稲田大学教育学部講師。教育活動の傍ら、精力的に執筆活動も行なっている。

「2016年 『大学入試問題から日本史を学びなおす本(仮)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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