コシノ洋装店ものがたり (講談社+α文庫)

著者 :
  • 講談社
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レビュー : 42
  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062814430

作品紹介・あらすじ

国際的なファッションデザイナーとして活躍を続けるコシノ三姉妹、ヒロコ、ジュンコ、ミチコを、女手ひとつで育て上げた母親は、自身も強烈な個性を持つデザイナーだった。戦前の洋服黎明期に洋裁と商いの修業をし、結婚後はときに子を顧みず仕事に没頭し、夫との死別後は道ならぬ愛を貫き、コシノ洋装店を繁盛させた。父親から受け継いだ自由な生きざまを、娘たちに背中で見せることで昇華させた、小篠家ゴッド・マザーの物語。

感想・レビュー・書評

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  • 面白く見ていた朝ドラ「カーネーション」が再放送されていたので。
    コシノ三姉妹の母・小篠綾子さん自身が書いた本を読んでみました。

    戦前の、まだみんなが洋服を着るのが当たり前ではなかった時代。
    呉服屋の娘に生まれ、洋服作りを学んだというか、見よう見まねもありで修行し、工夫を重ねた綾子さん。
    経緯はドラマのほうが詳しいので、それがどれぐらい事実に基づいているのかはわかりませんが。

    厳しかった父親のユニークなしごき方。
    「やりたいことをやるなら、それだけのことをしてから、やれ」と。
    娘の才能と根性を見込んでいたのでしょうね。
    綾子さんの子育ては意外と細かく指導したのではなくて、むしろ子育ては親や人任せ。
    子どもが進路に迷っているときも、決断は本人に任せる。
    自分が家族を背負って仕事をし、女性を美しくする服を夢中になって作り、楽しそうに販売する。
    そのたくましい背中を見て、娘さんたちは成長したのでしょう。

    夫亡き後の恋も、ドラマではこれ以上ないぐらい素敵に描かれていました。
    現実はもっと思い切っていて。そりゃあ朝ドラでは描ききれないですね。

    晩年になっても目を輝かせているお姿は、テレビで見た記憶があります。
    70歳過ぎて、プレタポルテに進出したんですものね。
    力強くきっぱりした文章に、さすがのパワフルさが感じられました。

  • 次女を妊娠中にNHKのこだわり人物伝で知り、一目(?)でファンになった女性。
    気になってはいたが、頭の中に留めるのみで、伝記等に触れることはなかった。
    今月のある日、今放送中の連続テレビ小説「カーネーション」のモデルが彼女であることを知り、びっくり。彼女への好奇心に火がついた。
    結果、amazonで早速注文した次第。

    周囲がなんといおうと、自分の思うとおりに生き、恋をし、働き、遊んだ女性。
    男尊女卑の風潮がまだまだ強い昭和の空気の中、今でいうワーキングウーマン、ワーキングマザーの道をひたすら突っ走る。
    父との関係、夫とのこと、恋の話・・どれも興味深いが、私の興味をもっとも引いたのは子育てに関することだった。

    彼女の3人の娘は、いずれも世界的なデザイナーになったが、そのための特別な教育は一切しなかった。
    ただひたすら生活と遊びのためにミシンを踏み、接客をし、商品を売り、再び仕入れる毎日。
    別の雑誌で目にしたことだが、めざし一本ポンと焼いて、あとは自分で勝手に食べなさい、という場面も珍しくなかったらしい。
    生まれたばかりの子供を早々に父母や叔父に預けたり、
    不倫相手との同棲生活のために子供と居を別にしたり・・と、
    教育評論家が目くじらたてそうな事実の連続だが、
    「子供には何もしれやれなかった」という彼女が唯一、誰よりも優れていたのが「子供を尊重し、信じること」であった。

    長女ヒロコが進路に迷い、次女ジュンコが周囲の反発にうちひしがれ、三女ミチコが留学先のロンドンで貧窮しても、一切口も手も出さない。
    ただただひたすら、見守るだけだった。
    なぜなら「この子の人生だから、この子が決めてどうにかするもの」。
    そして「この子ならできると信じていた」。

    将来のためにはあれがいい、これがいい・・と盛んに育児論・教育論が騒がれる昨今だが、肝心要の「子を尊重し、信じること」をどれだけの親ができていることだろうか。

    母親神話や三歳児神話など全部ぶっとばしてわが道を進むその豪快な人生に、私は親として一番見落としがちでもっとも大事なことを教わったように感じた。

  • カーネーションにはまって、読んでみた。
    カーネーションの印象がものすごくあるところから読んだので、あ、ここはドラマと違うんだなとか、そういう見方になってしまって本単品の評価はできないけど、ドラマを先に見ていたからこそお父ちゃんとのやりとりの部分とかはその映像が思い浮かんで、ついのめりこんで読んでしまった。

    ドラマを見ていても思うことだけど、本を読んで改めて感じたのは、自分の人生に対する自分の責任っていうものがあって、それは子供とか大人とかは関係なくて多分人としてみんながそれを負っているんだなということ。
    だから「やりたいことを決めるのは親じゃなくて自分自身」とか、「決めたんやったらやりきり」とか、そういうところがすごく響いた。で、始終そういう考えで一貫されているところが気持ちよく感じた。

    ドラマの中で一番響いてるのは、優子が進路に悩んでるときに糸子が「自分で考え」って突き放すところ。ドラマはドラマ、この本はこの本で状況とかは若干違ってたけど、本の中にもやっぱりこの考えが根本にある感じがして、よかった。

    またドラマを改めて一から見たくなりました。

    ちなみにドラマはフィクションになってたからまだ見やすくなっていたけど、実際は結構ドロドロな感じなこともあったんですね…。

  • カーネーションにハマって読みました。強い人だと思うけど、生き方に共感はできなかったかな(^_^;)ドラマの世界は脚色されてて好感が持てたのに・・・

  • NHK連続テレビ小説「カーネーション」の主人公・小原糸子のモデルとなった、小篠綾子さんの自叙伝。私は読むのが遅い方ですが、「カーネーション」を見ていた人であれば、1〜2日もあれば読めます。

    私は「カーネーション」を見ていたので、どうしてもドラマとの対比で見てしまうわけですが、ドラマの脚本をつとめた渡辺あやさんは見事に朝は流しにくいところをさらりとカットして構成したなぁと、この本を読んで実感。

    大阪旅行の予習を兼ねて読みましたが、岸和田に行きたくなりました。

  • ページ数はそれなりにあるけども、さらさら〜と読めちゃった。
    パワフルで、いろいろと見習いたいものよ。

  • 朝ドラ・カーネーションのモデルになった小篠綾子さんの自伝。カーネーションは、かなり忠実に再現されてるシーンがあった。自分が背負えるものだけを心のリュックにつめて歩く、心に負担をかけない生き方、自分も心がけたい。

  • 2018.7.14読了。図書館で借りた。

    借りてすぐ読み始めて、一気に読んだ。
    『カーネーション』の再放送がこの三週間休止で、だったら小篠綾子さんの本があるかも? と調べたら何冊か出されてた。まずは1冊目。
    ドラマのエピソードは、実話に基づくものが意外に多いことがわかった。実のところはどうなんだろうか、と思っていただけに。
    パワフル、情熱的、職人で商売人。自分には無いものを持っていらした方。

  • NHK朝ドラ『カーネーション』のモデルになった小篠綾子さんの半世紀。ドラマではああいうふうに描かれていたけれど実際はこうだったのか、と興味深かった。戦争が終わるくらいまでは事実をわりと忠実に再現していたけれど、戦後は、綾子さんのえぐいところを上手に“いいひと、いい母親”につくりかえていたようだ。まぁ朝ドラだからね。綾子さんにしろ糸子さんにしろ、こういうひとは母親にも娘にも欲しくない。友だちにもいらない、振り回されて面倒だから。でもこのひとの人生は目が離せないので、近所のおばちゃんぐらいの立ち位置が丁度いい。履物屋のおばちゃんとして、彼女の人生に関わったら面白かっただろうな。(2018-04-21L)(2018-05-12L)

  • BBMでのオススメ本。男尊女卑当たり前だった戦前での女性の活躍。書かれてることでも十分ハードやけど、きっと文字には表しきれないくらい色んな苦労があったんやろなぁ。
    でもま結局いつの時代も突き抜けてる人は強い。普通に面白い読み物でした。

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著者プロフィール

1913年、大阪府岸和田市生まれ。呉服商の長女として生まれながらも、洋裁の道を志し、ファッション・デザイナーの草分けとして活躍。また、コシノヒロコ、ジュンコ、ミチコの三人の娘を世界的なデザイナーに育てる。自身も現役デザイナーとして活躍する一方、洋裁洋品業界の発展に尽力。大阪府知事賞受賞2回、産業功労賞受賞、勲六等宝冠章受章。コシノ商事(株)代表取締役社長、(株)コシノ取締役会長。2006年逝去。

「2011年 『なにわ塾第37巻 花大輪 <復刻保存版> 37』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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