きものは、からだにとてもいい (講談社+α文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 76
感想 : 13
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  • Amazon.co.jp ・本 (196ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062815154

作品紹介・あらすじ

きものであなたのからだが変わる! 快適で豊かな生活を送るために、著者の体験を綴った「からだにやさしいきもの生活」実践のすすめ

感想・レビュー・書評

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  • ストッキングと靴を履きたくないから着物を着よう、そして毎日着よう、とある日突然決意した著者のエッセイ集。

    2007年から2008年くらいまでのエッセイを元に書かれていて、そのときの気持ちを大事にしたいので、少々おかしいことを書いていたとしても「着物初心者はこんなものか」と思ってもらいたいのであえて手直しはしなかった、とあとがきにありました。

    つい最近「着物は刑務所のような服だ」と批判した人の話を聞いたばかりですが、本エッセイを読むと、たとえ前知識がなくても「私にもできるかもしれない」と思わせてくれます。そういった意味では、着物に興味があるけれど手を出して良いものかどうか迷う、といった人に一番力を発揮するかもしれません。

    着物初心者の視点で読んだこちらは、着物で何が可能かを教えてくれる貴重な本になりました。着付け指南ではないので、詳しい帯の締め方が書かれているわけではありませんが、着物で旅行、雨のときに着物、雪のときの着物、と日常生活を過ごしていく中、必ず出会うであろう機会での着物との付き合い方のようなものが書かれていて、こちらも大変勉強になりました。

    書かれる文章も妙に高圧的でもなく、お上品ぶるでなく、かといって無駄にくだけた語調でもなく。読んでいて心地の良い文章。

    星を一つ抜いた理由は、なぜかことあるごとに、「着物を着なくなったから女性は妊娠や授乳などの問題が出てきたのだ」とあったから。母乳で育てなければ、女性の胸は子供に吸わせるためにある、といった部分が苦手でした。それは着物とは無関係だし、着物を日常的に着てきたこれまでの女性たちだって、母乳が出にくい、妊娠しにくいといった問題を抱えていた人たちはいたはずで、それを確固たる科学的根拠なしに軽率に論じてしまうのはなあ、とやや辟易してしまいました。

  • ある日突然、もう靴を履きたくない、ストッキングや西洋下着をつけたくないと思った著者がキモノを着ると決め、日常着としてのきものを徐々に自分のものにしていく過程と、そのなかでの気づきや実感、体験を綴ったエッセイ。

    『きものとからだ』というタイトルで出ていた単行本を文庫化したもので、以前に単行本のほうを図書館で借りて読んだのですが、文庫版は購入し、再読。
    キモノのエッセイにもさまざまな切り口があり、それぞれの著者の価値観が出るものですが、本書の場合は暖かい、涼しい、気持ちがいい、苦しくない、きつくない…といった、体感的なことを重視して書かれているのが印象的。淡々と書かれていながら妙な説得力があり、そうなんだ、やってみようか…という気持ちになります。

    「きものが今手元になくても、きものを着るのに必要なことは二つだけである。一つは、決意。着る、と決意する。決意、というのがいかにも重要である。何が何でも、着物を着たいのだから、きものを着ます、という決意。(中略)とにかく、決意する。何が何でも着る、と決める。きものがなくても、着付けを習ったことがなくても、親の着物姿を見たことがなくても、何でもかまわない。あなたは着られるのですから、とにかく、着る、と決める。それが一番大切だと思う。
    何となく、きものが着たいな、では一生着られない。」

    この、「きものを着ると決意すること」への執拗なまでの書き振り。でも本当にそうなのです。キモノに限ったことではありませんが、自分の中でそう「決意すること」の大切さ。この本には実践的なことも多く書かれていますが、ひょっとするとこの心構えこそが、私がこの本に教えてもらったことのなかで一番大きなことだったのかもしれないと、再読して改めて感じました。

  • ああやっぱり、いずれもっと稼げるようになったら着物で生きようと決めた!
    著者は靴を履くのが嫌で着物生活を始めたそうだけれど、私も同じく足に合う靴がなくていつも靴ずれだらけ、ストッキングは窮屈で気持ち悪い、ブラなんか苦しくてつけたくないという性質。
    「だから着物を着たい」という発想こそ持ったことはなかったものの、就職して自由に使えるお金を得ると早速ひとりで着付教室に通いだしちゃったくらいには和服に対する憧れを持ってます。
    そうか、着物なら煩わしいストッキングとも靴とも縁を切れるのか…とここで新たな発想を得て、もう一年も着物を着ていないのに心だけのびのびと解放された気分。
    ただ、「勝手に着物が集まってくる」とあるけれど私には着物をくれる知人なんかないし(国内の親戚とは疎遠な上友達が少ない)、安いアンティークものは着丈も裄も合わずまず着られない、胸が大きい故ノーブラどころか普通のブラを着けても長襦袢をきちんと着られず襟元がぐずぐずになる始末(和装ブラをつけるとピシッと着られる)、下の下着を腰巻のみにするのも生理のあるうちは無理でしょう…と現実的な突っ込みを入れざるを得ない部分も多々あり。
    でも、お金がないからと諦めていた着物熱を再燃させるのにこの本は充分な刺激になりました。
    今は無理でもいつかきっと、と年を取るのが一気に楽しみになった!

  • 私自身、年に5・6回着物は着てて、表題読んでそんなわけないやろと読みだしたんだけど、なるほど一理はあるな。ただ、肉付きが悪いので補正は必須やし、腰ひもも帯もぎゅうぎゅうに締めないと着崩れるし、まだまだだな。

  • 毎日きものを着て生活されているというだけあって、着物での日々のこまごましたことが綴られており、参考になった。着物で海外旅行までされるそうで、着物体験談という感じで、著者と着物トークしているような気持ちで楽しく読めた。

  • なんとも刺激的なタイトルの本だが、保健学の観点からきものは女性のからだをあたため、つつみ、とてもからだにいいということを語った本。感動したのは、きものは祖母から母へ、母から娘へ、娘から孫へと受け継がれるものであり、きものをまとうことは歴史を引き受けることでもあるという一文。なんだか自分が自然の一部になったようなふしぎな感覚にとらわれた。いきなり明日からきもの生活はできそうもないが、徐々にきものを着る時間を増やしていきたいな。

  • これを読んで、私なりに「とにかく着物を着る」覚悟を決めた! とにかく着るためのヒントもいっぱいあったので、私も真似して取り入れていきたい。

  • こんまりさんオススメ本のひとつ。
    着物を着る生活、始めますよ(^ ^)
    日常着がほしいな。

  • 資料番号:011549045
    請求記号:593.8/ミ

  • ともかく着ないと。
    着てなんぼのもんじゃ!
    知らないんじゃない。
    忘れてるだけ。

    靴ってやっぱり窮屈だよね。

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著者プロフィール

1958年山口県生まれ。兵庫県西宮市で育つ。京都薬科大学卒業。ロンドン大学PhD(疫学)。作家、疫学者。津田塾大学多文化・国際協力学科教授。専門は疫学、母子保健。著書に、『オニババ化する女たち』(光文社新書)、『死にゆく人のかたわらで』(幻冬舎)、『女が女になること』(藤原書店)、『自分と他人の許し方、あるいは愛し方』(ミシマ社)、『女に産土はいらない』(春秋社)、『セルタンとリトラル』(弦書房)、『ケアリング・ストーリー』(ミツイパブリッシング)など、きものについては『きものは、からだにとてもいい』(講談社+α文庫)がある。編著に『赤ちゃんにおむつはいらない』(勁草書房)、共著に『気はやさしくて力持ち』(内田樹、晶文社)、『ヒトはどこからきたのか』(伊谷原一、亜紀書房)、訳書にフレイレ『被抑圧者の教育学』(亜紀書房)などがある。

「2024年 『六〇代は、きものに誘われて』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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