モチベーション3.0 持続する「やる気!」をいかに引き出すか (講談社+α文庫)

制作 : 大前 研一 
  • 講談社
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本棚登録 : 507
レビュー : 26
  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062816199

作品紹介・あらすじ

停滞を打破する新発想!

〈モチベーション3.0〉とは何か?
コンピューター同様、社会にも人を動かすための基本ソフト(OS)がある。
〈モチベーション1.0〉…生存(サバイバル)を目的としていた人類最初のOS 。
〈モチベーション2.0〉…アメとムチ=信賞必罰に基づく与えられた動機づけによるOS。ルーチンワーク中心の時代には有効だったが、21世紀を迎えて機能不全に陥る。
〈モチベーション3.0〉…自分の内面から湧き出る「やる気!=ドライブ!」に基づくOS。活気ある社会や組織をつくるための新しい「やる気!」の基本形。

21世紀版『人を動かす』はこれだ!!
20世紀の半ば、数人の科学者が、人間には従来とは異なる動機づけもある、と主張するようになった――いわゆる「内発的動機づけ」だ。その後数十年の間、行動科学者はその原動力を解明し効能を説明してきたが、残念なことにビジネスの世界はこの新たな認識を十分に生かしきれていない。組織を強化し、人生を高め、よりよい世界を作るべく、ダニエル・ピンクが科学の知識とビジネスの現場の間に横たわるギャップを埋めた意欲作。
『ニューヨーク・タイムズ』『ワシントン・ポスト』ほか全米大ベストセラー

●本文から 
本書のテーマは、モチベーションである。モチベーションについて信じられていることの大半が、とてもではないが真実とは言えない。ハーロウとデシが数十年前に明らかにした知見のほうがずっと真実に近い。これを本書で示したい。厄介なのは、動機づけについて、多くの企業が新しい知識に追いついていないという点だ。今なお、きわめて多くの組織――企業だけではなく、政府機関や非営利組織も同様に――が、人間の可能性や個人の成果について、時代遅れで検証されていない、科学というよりほとんど俗信に根ざした仮定に基づき運営されている。目先の報奨プランや成果主義に基づく給与体系は機能せず、有害な場合さえ多いという証拠が増えているにもかかわらず、こうした慣行を続けている。さらに悪いことには、このような慣行が学校にも行き渡っているのだ。勉強を「奨励する」ために、将来の働き手である子どもたちを、iPodや現金、ピザのクーポン券で釣っている。何かがおかしい。

感想・レビュー・書評

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  • 日頃の仕事において見直すべき点が多々ある。
    直感的に気づいていたことを、科学的に、体系的にまとめ、実践につなげるもの。

    ・アルゴリズム:論理的帰結を導くために、既存の常套手段を用いる仕事
    ・ヒューリスティック:柔軟的な問題解決や創意工夫、概念的な理解が要求される仕事
    ・外的な報酬:遊びを仕事にする、視野を狭める
    →仕事の質によって逆効果
    →思いがけない報酬はデメリットが小さい

    ・献血を報酬制にすると提供者が減少する
    ・保育園の幼児引き取り時間超過を罰金制にすると超過が増える

    ・報酬が有効なときもある。
    →その際の留意点
    1.その仕事が必要だという根拠を示す
    2.その仕事が退屈なものだと認める
    3.それぞれのやり方で仕事を行うことを認める

    ・ザッポス:モチベーション3.0スタイルに合わない人を排除するために「交換条件付き」報酬を利用して、入社すべきでない人をフィルタリング、CSに裁量を与える。

    ◯一日の最後の問い「昨日よりも、今日は、進歩しただろうか?」

  • 人を動かすためのOSがある。
    ・モチベーション1.0:生存を目的
    ・モチベーション2.0:アメとムチ=信賞必罰に基づく
    ・モチベーション3.0:自らのやる気に基づく

    これまではモチベーション2.0の管理が通用してきた。
    21世紀になり産業構造が変化、創造性が必要な仕事が増えた。アメとムチは創造性を奪う研究成果があり、2.0の管理方法はマイナスとなる。これからはモチベーション3.0が求められる。

    モチベーション3.0のカギは次の3つ。
    ・自律性:
    仕事のやり方などを自分で決め、自由に仕事ができると、生産性が上がり、会社への忠誠心も高まる。
    ・熟達:
    複雑な問題を解決するには探究心と、新たな解決策を試そうとする積極的な意志が必要。積極的関与だけが物事に熟達することを可能にする。
    ・目的:
    高邁な目的のために働く時、人の生産性、そして満足度は高まる。企業は、まず目的を掲げ、利益を目的達成の方法、または副産物と見なすべき。

  • 通して行われる主張自体には同意だが、道中の事例紹介が長かった。主張の補完が万全である証拠だとは思うけど。

    アメとムチ的発想からスタートするモチベーション2.0からバージョンアップして、内発的動機付けからスタートするモチベーション3.0になって頑張ろうぜっていう話

    アメとムチは単純な賞罰だけではなく、形を変えて使ってしまいがちなので、人のモチベーションを上げたいのならちゃんと意識しないとあかんなと感じた。

    組織の上の人間だけじゃなくて、チームで動く人、子供を持つ親、なんか色んな人に刺さりそう。

  • 21世紀の働き方を問う本だと思う。

    内発的動機が結果として、世界に価値あるサービスを提供し、それが自己の成長にもつながる。20世紀のルーティンワークがビジネスマンの主体業務であった時代とは大きく違う。結局、歴史や時代背景を通して、今の自分のいる立ち位置を理解することがよりよく生きようとする姿勢にも表れると思う。21世紀は、VUCAの時代であり、いつ、生計を立てるのもやっとという時が来てもおかしくない。それは資本主義の末路でもあると思う一方、資本主義の中に生きていかなければならないという覚悟を持つ必要もある。資本主義を変えるゲームチェンジャーになるのはハードルが高い。金持ちはより金持ちに、貧乏はより貧乏になる時代。ただ、それよりも資本主義をプラスにとらえ、内発的動機や自己実現、自分の成長をfacilitateするシステムと思うことが大事。

    モチベーション3.0
    〈自律性〉  ― 課題(Task)、時間(Time)、手法        (Technique)、チーム(Team)─
    〈マスタリー〉― 固定知能観より拡張知能観。
             漸近線。フローの状態。
    〈目的〉   ─ 自分よりも大きいこと、自分の利益
             を超えたことのために活動したい、         という切なる思い

    まずは、タイムマネジメント、つまり、セルフマネジメントを頑張る!

  • モチベーションを体系的に理解できる良書。モチベーショはシチュエーションによって源泉を変えるべきなのかなと思った本。



    読書メモの詳細は下記noteをご覧ください!
    https://note.mu/masatake0914/n/n6864e371cce5?magazine_key=m290b2a9df69d

  • 日本の大企業では韓非子的なマネジメントが横行しているので、性善説に基づいたモチベーション3.0は難しい。そのような組織ではタイプIの人間が逃げ出すので、タイプIをうまく使ってイノベーションを起こせる企業にいずれ負ける。過去の成功体験を捨てられるかが大事なのでしょう。結局、経営者次第。

  • 自律性、マスタリー、目的。自分はモチベーションを上げられるだろうか?

  • 課題図書

  •  『フリーエージェント社会の到来』や『ハイ・コンセプト』で知られる米国の作家ダニエル・ピンクが、「内発的動機づけ」をテーマに据えたビジネス書である。

     ビジネス書ではあるが、「ポジティブ心理学」の成果が随所に取り入れられている。「ポジティプ心理学入門」としても読めるし、第一級の自己啓発書としても読める本だ。

     著者は、モチベーションを三種に大別する。
     「モチベーション1・0」は、食欲・性欲などによるプリミティブなモチベーション。「腹が減ったから狩りに出かけよう」などというものだ。
     「モチベーション2・0」は、いわゆる「アメとムチ」によるモチベーション。「達成したら報酬を与えるが、達成しなかったら罰を与える」などという外発的動機付けによって行動に駆り立てること。
     最後の「モチベーション3・0」が、本書のテーマとなる「内発的動機づけ」を指す。すなわち、誰に命じられたからでもなく、お金を得るためでもなく、自分がやりたいと思ったからやる、というものだ。

     20世紀までのあらゆる組織は、「モチベーション2・0」をおもに使って人を動かしてきた。だが、いまやそれは時代遅れだと著者は言う。
     なんとなれば、「アメとムチ」で人を動かすやり方は、誰がやってもよいルーティンワークには有効だが、創造性の必要な作業には無効――むしろ有害(アメとムチを掲げることで、創造性の発揮が阻害されることが研究でわかっている)だからだ。

     そして、21世紀の先進国においては、誰がやってもよい仕事はコンピュータやオフショアリング(海外へのアウトソーシング)にどんどん置き換えられており、「モチベーション2・0」が有効な領域は急速に狭まりつつある。
     だからこそ、これからのあらゆる組織は、「モチベーション3・0」をいかに業務の中に取り入れるかを考えなければいけない……というのが著者の見立てである。

     ユーモアとウィットに富む文章で、高度なテーマをわかりやすく面白い読み物に仕上げる著者の鮮やかな手腕は、いつもどおり。
     たとえば、「アメとムチ」のやり方が抱える本質的欠陥を、著者は次のように明快に説明する。

    《外的な報酬が重要視される環境では、多くの人は報酬が得られる局面までしか働かない。それ以上は働かなくなる。たとえば本を三冊読めば賞品がもらえるのなら、多くの生徒は四冊目の本を手に取りはしないだろう。ましてや、生涯にわたる読書の習慣など身につくはずがない――ちょうど、四半期の業績目標を達成した幹部が、それ以上の利益追求に興味を失い、会社の長期的な健全性についてじっくり考えたりしないように。同様に、金銭を動機づけとする運動や禁煙、服薬などについても、最初はそれなりの成果が表れる。ところが報酬がなくなると、その健康的な行為はそれ以上続かない、と複数の研究から明らかになっている。》

     対象読者層としては、経営者や組織のリーダーがまず念頭に置かれているのだろう。が、私のようなフリーランサーにとっても、仕事に対する姿勢の根本的見直しを迫る本である。

     後半の内容は、ポジティブ心理学の重要な研究者の一人、ミハイ・チクセントミハイの「フロー体験」の研究に多くを負っている(本人にも取材している)。
     「ああ、そうか。最近私の仕事には『フロー体験』が足りないのだ」と、読みながらしみじみ思った。

     本書は、“働くことを通じて幸せになるためには、どんな条件が必要なのか”を、さまざまな角度から探った本といえる。また、人間の幸福は目的のために挑戦をつづける過程の中にこそあり、なんの目的も持たずに遊んで暮らすことがじつはまったく幸福ではないと、研究データをふまえて教えてくれる本でもある。
     深みのある、知的興奮すら味わえるビジネス書。日本には、こういう上質なビジネス書があまりにも少ない。

  • モチベーションには3つの次元がある

    ①自らの生存のため
    ②自分の周りの人のため
    ③自分が望むもののため

    ①は本能的に備わっているものだからよしとして、
    ②が、特に仕事の場において主流になっているため、
    最も生産性が高く、満足度の高い仕事をするのは基本的に③で動く人

    だから、ウィキペディアやファイヤフォックスが他の金銭的な報酬がある他のプロジェクト以上の成功を収めていることの不思議さと裏付けがとれたと思う。

    おもしろかったのは、金銭的な報酬を約束すると創造性が下がること。
    目的やゴールを明示されると、そのほかのことを無視してでもゴールに達成しようという気構えが生まれるのは自然だし、創造性の発揮には、ゴールにいくまでに関係無さそうな過程を経ることが不可欠、ということかもしれない

    フェデックス時間、15パーセントルールなど、いくつかの企業で行われている事例をもとに、人が最高のパフォーマンスを発揮するためのルールがあると思うので、読んで、実践につなげたい

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著者プロフィール

Daniel H. Pink
1964年生まれ。米国ノースウエスタン大学卒業後、イェール大学ロースクールで法学博士号取得。米上院議員の経済政策担当補佐官を務めた後、クリントン政権下でゴア副大統領の首席スピーチライターなどを務める。フリーエージェント宣言後、経済変革やビジネス戦略についての講義を行うかたわら、「ワシントン・ポスト」「ニューヨーク・タイムズ」などに寄稿。著書に、『ハイ・コンセプト』(三笠書房)、『モチベーション3.0』『人を動かす、新たな3原則』(ともに講談社)など。

「2018年 『When 完璧なタイミングを科学する』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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