モンスター 尼崎連続殺人事件の真実 (講談社+α文庫)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062816342

作品紹介・あらすじ

10人を超える死者・行方不明者を出し、我が国の犯罪史に残る尼崎連続殺人事件。留置場で自殺した主犯の角田美代子は、いかにしてありふれた5つの家庭に食らいつき、家族を互いに殺し合わせる冷酷な犯行に及ぶことになったのか。被害者たちはなぜ、暴力による支配から逃げ出さなかったのか。知られざる事件の真相に迫る、超一級のノンフィクション。
主犯・美代子のノートを明かす後日譚を加筆した文庫完全版!

感想・レビュー・書評

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  • 尼崎連続変死事件のルポルタージュ。
    個人的には、小野一光さんの『家族喰い』の後に読んだが、事件の全体像を把握するにはその順番が分かりやすいかと。
    本書が小野さんと決定的に異なるのは、“主犯格(角田美代子)に黒幕がいた”点。果たして、誇れるような学歴も人脈もないクレーマーの角田が、如何にしても多数の人間を操り、洗脳し、命まで奪うことが出来たか、なるほど理解出来る。
    タイトルにもあるが、この事件の真相や『真実』は残念ながら、角田美代子が自殺してしまったが故に、誰にも計り知れない。だが、1人のモンスターの誕生秘話として、その一面を垣間見ることが出来たと思う。

  • 事件の報道が出始めた頃、ガラの悪いクレームで自宅に謝りに行く時とか「あんなんになったらどうしよう」と不安になったり新潮の北九州事件の文庫をかなり早い段階で売りまくったり、色々思い出はあるんよね。とはいえ、たぶん文庫が出た頃には冷めてたのか出たのも知らんかった。
    で、古本で見かけて読んでみた。うーん、何やろな、テーマに興味はあるし、途中に年表挟んだりわかりやすいんやけど、わかりやすい、スラスラ読めるんやけど、今ひとつあっさりし過ぎというか、もう少し粘っこい文章で読みたかったかな。

  • 怖い話だ。
    事件として知ってはいたが、ここまでの話だったとは知らなかった。
    本の構成は面白いと言うか、こう言うの普通なんだろうか。ドキュメンタリーのように事件を追うわけではなく、もちろん、事件の内容は語ってくれているが、そうしたものを素材に、なぜこの事件が起きたのか、首謀者の内面に食い込んでいくなどで展開する。
    事件の時系列は行ったり来たりする。途中で年表があったりするので、何が起きたかはスッキリするが、ややこしい人間関係を一覧にした表は、ちょっと眺めたくらいではわからん。

    一番怖いのは、こんなことに巻き込まれるきっかけが誰にでもあって、実際自分の身の上にでも起きかねないと言うことか。警察も頼りにならないことがよく判る。

  • あまりにおぞましく、書籍なのに正視に耐えない。女性なら最後まで読むことすら苦行かもしれない。しかし、すべての「善人」は本書を読むべき。「この世に本当に悪い人なんかいない」と言える能天気な人間は、本書を読んで絶望するべきだろう。世の中には、想像できないほどの悪意や理不尽が存在し、何の問題もない善人を食い物にする。そのことを知るべきだろう。

  • 北九州や女子高生コンクリート詰めでも思ったけど『学習性無力感』ってほんまにあるんかな、、

  • 尼崎という特殊な空間に生まれた一種の妖怪の過去に迫った本。
    非常に恐ろしいです。

  • 角田ファミリー2冊目。こっちは時系列で書いてくれてるので前回読んだ「家族喰い」より読みやすかった。この本のトクダネは美代子の師匠として出てくるMってヤクザなんだけど、どうにも眉唾ではある。これが「家族喰い」に出てきた団体XのZって男なのか?もうこのライター2人全部ネタ交換して一冊の本にしてくれよ。読みやすかったけどなんか眉唾に感じる記述が多いのは取材過程がわからないからみたいだな。その点「家族喰い」の方が好印象。尼崎市事件に相当詳しくなったからもう読まなくていいや。

  • テレビよりも詳しい。背後関係も書かれていて闇の深さを伺い知る事が出来る。と同時に、書物にも書けないような凄惨なことが沢山あったんだなという感じもした。

  • 自分も知らない間に「美代子ファミリー」とすれ違っていたかも?と思うほど私の身近な場所で起こった大きな事件。
    読み応えはありましたが、文庫版特別編だけを読めば1冊分の内容をすべて理解できる気もします。

    角田美代子という女性の成育歴だけを見ると同情できる部分も無いわけではありません。ある意味「虐待の連鎖」とも言えるのでしょう。
    それでも、監禁・暴行・殺人が許されるわけでもないですが。
    最終章で一番の側近と言われた義妹・三枝子が発した「もし自殺が本当なら卑怯やと思う」「せめて法廷で、自分の考えをきちんと話して欲しかった……」等の言葉は世間の人々の気持ちをも表していると思います。

  • 期待させて…最後の章は残念

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著者プロフィール

東京都生まれ。早稲田大学卒業後、全国紙・雑誌記者を経てフリージャーナリスト。本名など身元に関する個人情報はすべて非公開。1995年、「ドキュメント『かい人21面相』の正体」でデビュー。グリコ・森永事件、三億円強奪事件、宮崎勤事件、オウム真理教事件など殺人・未解決事件や、闇社会がからんだ経済犯罪をテーマにしたノンフィクション作品を次々と発表している。近著に『餃子の王将社長射殺事件』『人を、殺してみたかった 名古屋大学女子学生・殺人事件の真相』(KADOKAWA)など。

「2020年 『政界ヤクザ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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