永続敗戦論 戦後日本の核心 (講談社+α文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 134
レビュー : 7
  • Amazon.co.jp ・本 (296ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062816519

作品紹介・あらすじ

米国に対する敗戦を骨の髄まで内面化する対米無限従属と、一方でアジアに対する敗戦否認。
戦後から内在し、今日顕在化してきた現代日本のねじれた姿を「永続敗戦レジーム」と喝破し、各界に衝撃を与えた注目書、待望の文庫化。

解説・進藤榮一

感想・レビュー・書評

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  • 「敗戦を否定したいという気持ち」を補助線に持ってくることで、これまで「理解しがたい」と思っていたネトウヨ系な方々の心理が幾分なりともわかるようになった。また、北方領土問題や竹島・尖閣諸島の問題も、米国というファクターを介することですっきりできた。今となっては、著者の原発事故に対する認識には注文をつけたくなるところもあるが、それを措いても価値がある一冊。

  • 国体・日米安保・戦後・・・・・
    日本という国が戦後ずっと引きずっている状態について、著者の感性に基づき、縷々書かれた居たものです。
    「永続敗戦論」という名称・概念は著者がつけたものですが、その根拠については、日本はもとより、マルクスなどの思考方法も援用されていました。
    第1章「戦後」の終わり
     第1節「私らは侮辱のなかに生きている」
     第2節「戦後」の終わり
     第3節 永続敗戦
    第2章「戦後の終わり」を告げるもの
     第1節 領土問題の本質
     第2節 北朝鮮問題に見る永続敗戦
    第3章 戦後の「国体」としての永続敗戦
     第1節 アメリカの影
     第2節 何が勝利してきたのか
    エピローグ
    となっていました。
    人間社会において、起きてしまった事実について、きちんと総括・反省した上で、また、未来に向かって突き進まなければならないことは自明のことであります。
    色んな人の意見に真摯に耳を傾ける態度はいつの時代でも必要なことです。
    国家・社会としては、多様な意見を言ってもらえる条件をキチンと整えるためにも、正確な政策の意思形成過程の情報公開は欠かせません。
    そして、権力に対峙するメディアの存在も必要です。
    そういう風通しのいい社会が醸成されるよう一般国民もいつも高い意識で国政をチェックしなければならないのです。
    著者も一人の人間として最低限出来ることとしてこの本を著したとエピローグで述べていました。
    一人一人が賢者になることしか日本の未来はないのではないのでしょうか・・・・・・

  • 権力批判は結構だが、世界情勢を意識した中で論じる必要があるのではないかと思う。

  • この間なんとなくモヤモヤしていた安倍政権をはじめとする日本全体のアメリカへの接し方の理由がわかった。そしてなぜモヤモヤしているのかということも。

  • タイトルにある「永続敗戦」とは、日本国民が戦後、対米従属を続けることで「敗戦」の事実から眼を背けることに成功し、そのことが現代政治を支える基盤となっている構造を指す。わたしも思想的には著者と同様に比較的左寄りであると思うが、たしかに「ネトウヨ」をはじめとする右派の対米従属姿勢についてはかねてから苦苦しく思っており、そのことが現代政治ひいてはアイデンティティの礎となっていたと考えればある程度納得できる。とくに基地問題は、国内にあきらかに他国軍の「占領」地域があるわけで、そのことを右寄りの人が批判しないどころか、その固定化を許している節さえあることは、考えてみればおかしいことこのうえない。最近基地問題がまたクロース・アップされているが、そのことについて詳しく考察している本書をこのタイミングで読むことができたことは、単純に良かったと思う。そのほかの問題についてもいろいろと触れられているが、個人的にはおおむねなるほどと思う。しかし、どうにも全体的に「ためにする批判」の香りがしないでもない。なんでもかんでも二元化できるものでもないであろう。米軍基地や軍用地も、すこしずつであるが返還されているし、長期的目標としてはやはり基地ゼロまではゆかないにせよ、極力そのプレゼンスを減らすことにもしっかりと眼が向けられていることもまた事実なのではないか。一方でアメリカに(時に過剰といえるほどの)従属をしつつ、他方ではアメリカに対して反撥が向けられているというのが日本社会であると認識している。そういう点からいうと、本書が掲げている論に対する評価もまた変わってしまう。私自身は内容におおむね同意であることには疑いはないが、しかしかならずしもそうともいえないと感じる部分が多かったのもまた事実で、そのようなところをもっと掘り下げるべきであったと思う。

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著者プロフィール

白井聡(しらい・さとし) 1977年、東京都生まれ。政治学、政治思想。

「2020年 『街場の日韓論』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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